- オフィスデザイン
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大手企業の新たなアプローチ。おしゃれなオフィスを紹介!
洗練されたオフィス空間は、単なる仕事をする場所としての役割を超え、従業員の創造性や生産性を引き出し高める場となります。大手企業においてもオフィスの内装に新たなアプローチを試みるケースがよく見られるようになっています。
本記事では、モダンな家具やインスピレーションを掻き立てるアートを効果的に取り入れた、大手企業の魅力的なオフィス事例を紹介します。
オフィス環境がそれぞれの企業の事業や従業員に対しどのような影響を与え、企業の成長・発展につながっているのかを参考にしてみてください。
目次
1.日本オラクル株式会社
世界的なソフトウェアカンパニー「オラクルコーポレーション」の日本法人である日本オラクル株式会社は、2018年に東京・北青山の本社内に新しいデジタルセールス拠点となる「Oracle Digital Hub Tokyo(オラクル・デジタル・ハブ東京)」を開設しています。
クラウドサービスの成長計画の一環となる本拠点は、日本社会におけるDX牽引役としての同社の意気込みが随所に感じられ、全体を和のテイストで統一された執務エリアの中には、一際目を引くダイナミックなアート作品が飾られています。
社員に対して誠実さや勇気を意識してもらうためのサムライや、同社の行動規範である「泥中之蓮」を表した蓮の花など、仕事への向き合い方を言葉ではなくアートで表現することによって、従業員一人一人の意識へ浸透することを試みているのです。
家具や照明などはモダンでミニマルなデザインのもとで統一されており、その中に枯山水や畳を彷彿とさせるようなフロアデザインが融合することで、心地よい和の空間を演出しています。
「Oracle Digital Hub」は、インドのバンガロールやシンガポールなどでも展開しており、各拠点ともにそれぞれの国の文化が投影された内装デザインが特徴となっていることから、他の拠点の内装デザインを比べてみることも面白いかもしれません。
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2.アドビ株式会社(旧:アドビシステムズ株式会社)
世界中のクリエイターから愛されるクリエイティブツールである「Creative Cloud」をはじめとする様々なデジタルツールを提供しているAdobeの日本法人であるアドビ株式会社のオフィスは、クリエイティブツールトップシェアを誇る同社ならではの、たくさんの作品に囲まれたギャラリーのような空間となっています。
「Adobe Photoshop」「Adobe Illustrator」などクリエイターにとって欠かせないサービスを提供しているからこそ、社内に飾るクリエイティブ作品も厳しい基準によって選定されています。
また、「従業員にとって働きやすい企業」として、本社を置くアメリカや日本で数々の受賞歴がある同社のオフィスは、デザイン性の高さばかりを優先するのではなく、オフィスとしての機能性と社内におけるコミュニケーションの活性化を最優先とした内装が施されています。
Adobeで働く従業員たちそれぞれが、生産性やモチベーションを高い状態に維持しながら働ける環境を大切に思うカルチャーが根付いているからこそ、世界中に愛されるサービスを提供し続けていられるのでしょう。
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3.ユナイテッド株式会社
オンラインプログラミングスクール「テックアカデミー」の運営をはじめとする教育事業や、デジタル人材のマッチング事業、スタートアップに対する投資やハンズオン支援を行う投資事業などを展開するユナイテッド株式会社のオフィスは、スタジアムのような活気的な雰囲気が漂う空間が印象的なオフィスです。
「多様な個性を持った仲間が集まることで、新たなアイデアが生まれる場所にしたい」という意味を込めて、オフィスを様々な人が集まるフィールドに見立て、スタジアムを彷彿とさせる内装を随所に見てとることができます。
コンクリートやフェンスといったスタジアムらしい要素を取り入れながらも、ウッドテイストの家具や温かみのある照明を使用することで、無機質になりすぎず、どこかアットホームなムードが感じられるオフィスです。
ABWを採用したオフィス内装の他にも、従業員の健康に配慮した食堂や交流制度などを整備しており、会社全体で従業員の働きやすさと活発なコミュニケーションの促進に取り組んでいることが実感できます。
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4.株式会社トリドールホールディングス
「丸亀製麺」をはじめとする様々な業態の飲食店をグローバル展開する株式会社トリドールホールディングスは、2019年に創業の地である兵庫県から東京・渋谷に本社を移転し、そのタイミングで、躍進を続ける同社らしい独創性のあるアプローチを試みたオフィスを実現しています。
「ステレオタイプなオフィスにはしたくない」という思いから、グローバルに愛されるカフェをイメージしたオフィスは、当初の目論見通り、オフィスらしさを全く感じさせない、開放的でおしゃれなカフェラウンジのような空間です。
誰もが働きやすく居心地の良いオフィスを実現させるためにABWを採用し、従業員一人一人がより自由に社内を行き来することで、オフィスのどこにいても新たなアイデアやコミュニケーションが生まれやすくなるよう、ゾーニングやレイアウトが緻密に計算されています。
加えて、地道な社内啓蒙と施策によって、業務のペーパーレス化やクリーンデスクポリシーを定着させたことも、コワーキングスペースのような適度な開放感と機能性を両立したオフィス内装の実現に大きく貢献しています。
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5.株式会社リクルート
人材紹介・派遣や求人広告、販売促進事業など様々な事業を高く展開する株式会社リクルートが、社内のリモートワーク体制の確立を機に都内の複数拠点を統合して開設した新オフィスは、東京・九段下のヴィンテージビルを活用したオフィスです。
オーナーが取り壊しを検討していた築60年(移転当時)、3,500坪の広大なオフィスビルを1年かけてフルリノベーションした新オフィスは、同社が目指す働き方やオフィスのあり方が存分に反映された唯一無二のオフィスとなっています。
オフィスの内装には、近年多くの企業がオフィス内装に取り入れているABWという考え方に対し、同社に根付く「個人単位ではなくチーム(Team)単位で動く」という考えを反映した「TABW」をベースとして、チームで集まったり仕事をしたりできる空間設計がされている点が大きな特徴です。
一見、他社事例でも散見されるスケルトンを活かした会議室エリア(写真)も、会議規模や内容によって障子を彷彿とさせるパーテーションやモニターを従業員の手で自由に動かすことができるよう、縦横無尽にレールが張り巡らされています。
他にも社内の通信インフラを完全無線化することで床から天井までの距離を広げるなど、働きやすさ・仕事のしやすさをしっかりと考慮した延長線上で内装デザインを考えているため、広大なスペースでも無駄なく快適に、一層仕事に集中できるオフィス空間が実現しています。
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6.株式会社ユーザベース
ソーシャル経済メディア「NewsPicks」に代表される様々な情報プラットフォーム事業を展開している株式会社ユーザーベースは、ポストコロナ社会における新たなオフィススタンダードに合わせたコンセプトを吹き込んだオフィスに2022年に移転しています
オフィスを「共創や熱が生まれる象徴となる場所にしたい」という想いを込めて、様々な人が行き交う街をイメージしたオフィスは、間仕切りのない広々としたスペースや石畳の通路、自然光が入る大きな窓により、本当にどこかの街に来たようなワクワク感が感じられる空間です。
全社完全リモートワークで仕事が成り立つ体制を敷いている同社だからこそ、オフィスでは人と人が顔を合わせ、様々なアイデアが交わされ、新たなコラボレーションの起点の場となるよう、イベントスペースとしても高い利便性を持つ空間設計とすることで、組織が拡大する中でもバリューの浸透や連帯感強化をスムーズに図ることが可能となっています。
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組織拡大が進むほどオフィス内装がチームに与える影響は大きくなる
企業成長に伴い組織が拡大していくにつれ、全ての従業員に自社のビジョンやミッション、バリューを浸透させ、会社全体の連帯感を高めていくことが難しくなっていくことは、成長フェーズに入った企業のほとんどが直面する大きな経営課題です。
従業員数が増えることで、それまでのコミュニケーション方法や仕事の進め方ではうまく連携が取れなくなってしまったり、会社や仕事に対する愛着心や帰属意識が薄れ離職率が高まってしまったりといったネガティブな効果が生まれやすくなってしまいます。
今回紹介した事例はいずれも、数百名から1万人超の従業員を抱える大企業のオフィス内装ですが、各社それぞれが自社の規模感に適した形で、従業員エンゲージメントや結束力の向上を図るための様々な仕掛けや戦略をオフィスに取り入れていることがわかります。
商品・サービス品質の向上や競争力強化を図り、企業や事業のさらなる成長を促進するためにも、成長の基盤となる「人」が快適さや満足感を感じられる職場環境の整備を検討してみてはいかがでしょうか。