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オフィスインタビュー
vol.277 グリー株式会社

数々のアートが印象的!従業員の働きやすさを考えたグリーグループのオフィス見学ツアー

グリー株式会社

ゲーム・アニメ事業、メタバース事業、DX事業などを展開するグリーグループが入居する六本木ヒルズゲートタワーのオフィス。コンセプトは「従業員のためのオフィス」です。2022年3月に移転して2年以上が経った今、どのように活用されているのか、オフィスの運用に携わるファシリティマネジメントチームの熊澤さん、原中さん、佐藤さんにお話を伺いました。

熊澤 恵梨
インタビュー
熊澤 恵梨(くまざわ えり)
グリー株式会社 総務部 ファシリティマネジメントチーム

グリー株式会社の子会社にて総務に配属後、2018年1月、グループのファシリティマネジメントに従事。
ファシリティ担当としてグループ全体の施設管理、引越増床減床原復などのプロジェクトを経験。
従業員のためのオフィス環境を提供できるよう日々業務に取り組む。

佐藤 るみか
インタビュー
佐藤 るみか(さとう るみか)
グリー株式会社 総務部 ファシリティマネジメントチーム

前職にて、採用やSNS管理・社内行事企画など経験後、2023年10月よりグリーのファシリティマネジメントチームに配属。
主に各拠点の施設管理レポート作成や従業員の問合せ対応等に取り組む。

原中 啓祐
インタビュー
原中 啓祐(はらなか けいすけ)
グリー株式会社 総務部 ファシリティマネジメントチーム

前職ではビルの設備管理・リニューアル工事に関する計画・施工管理を経験。
2023年5月にグリーのファシリティマネジメントチームに転職し、オフィスの維持営繕や各拠点のオフィスコスト管理に取り組む。

データに基づき、適したオフィス運用を推進中

グリー株式会社
会議室のある3階の共有スペース
卯岡(ibasho.ライター) :

映画のセットやテーマパークの一角かのような共有スペースに驚きました。まずは御社についてご紹介ください。

熊澤さん :

弊社はSNS「GREE」を祖業とする会社です。インターネットを通じた事業を手掛けているのですが、今はゲームやアニメ、メタバース、DX、投資など幅広く事業展開しています。2004年に創業し、今年で丸20周年を迎えました。

卯岡 :

皆さんは総務グループの中のファシリティマジメントチームに所属されているということですが、どれぐらいの人数のチームでどういった業務を担っているのでしょうか。

グリー株式会社
熊澤さん :

メンバーは4人で、建物、設備、備品管理のほか、オフィス空間での執務環境の維持などを実施しています。今ある施設や設備などを維持・保全することだけでなく、さらに良い在り方の実現に向けて最適化することを意識しています。

業務の体制としては、大中小問わずプロジェクトに対して基本は2人体制を取っています。メインとサブを決めて、メインはサブのOJTをしながらも、2人で改善策などの意見を言い合うことで、メインの人は新たな側面で見れたり、自分の意見以外も取り入れたりもでき、よりよいFMの標準業務サイクルが構築できていけると考えています。

卯岡 :

皆さんはオフィスづくりの段階から関わられているのでしょうか。

熊澤さん :

入居までのタイミングでいたのは私だけです。上司と取締役がメインで私自身はサポートとしてプロジェクトに参加していました。

グリー株式会社
原中さん :

私が入社したのは2023年5月で、入居から1年ほど経っていたため運用は軌道に乗っている状況でした。主に担当しているのはFMに関する日々のオペレーションを数値化しコスト削減、従業員満足度向上に向けた分析、改善施策に取り組むレポートを作成しています。水光熱費や業務工数などの推移を可視化し削減できる施策を打ったり、会議室や座席などの稼働率をとり、移転や増床・縮小時に必要な面積、部屋数座席数の参考材料にしています。

佐藤さん :

私はこの3人のなかでは1番社歴が浅く、2023年10月に入社しました。現在は、オフィスに関する問い合わせ、困りごとに対し、オペレーションに盛り込むべきかどうかを検討する役目を担っています。

グリー株式会社
佐藤さん :

あとは、グリーグループ社員が利用できるチームビルディングエリアでのイベント開催の要望を取りまとめるのも私たちの役目です。このフロア以外は執務エリアとオープンスペースで成り立っているため、100名程度が入れる仕切りのない空間はここだけなんですよ。

卯岡 :

実際、どれぐらい使われているのでしょうか。

原中さん :

多くて1ヵ月で40件ぐらいですね。1日に2、3件予定が入っているときもあります。

熊澤さん :

お昼はランチを食べたり休憩したりするために使われているのですが、平日に限らず土日も含め、グループ会社ごとのイベント、勉強会、外部の方を招いて行うミートアップなどいろいろなシーンで予約の要望をもらっています。

原中さん :

過去にはイベントの企画でマグロの解体ショーや回転寿司なども行われました。

卯岡 :

それはまたインパクトがある企画ですね…!

熊澤さん :

社内での実施は場所代がかからない上、広いキッチンもあるので、やれることの幅が広いのかなと思います。料理人を呼んでのイベントや先日は、「綿菓子の機械を使う電源は大丈夫ですか」という相談なんてのもありました笑。

原中さん :

チームビルディングとして、夏祭りをコンセプトにした企画もあったんですよね。屋台がいくつか出ていました。

佐藤さん :

あとは格闘ゲーム部やボードゲーム部など社内部活のイベントもありますね。

卯岡 :

本当にいろいろな使い方をされているんですね。内装デザインもインパクトがありますが、オフィスとして何かコンセプトは設けられたのでしょうか。

グリー株式会社
熊澤さん :

コンセプトは「従業員のためのオフィス」ですね。従業員が出社したいオフィスを目指し、従業員が快適に過ごせることを念頭に置いて構築しました。

壁面や会議室のガラス等のアートについては全フロアで総勢20人以上のアーティストがそれぞれのフロアコンセプトにあったものを描いています。

移転を担当した取締役がアートに知見のある人で、フロアごとにイメージを決め、いろいろなアーティストの方に依頼しました。

卯岡 :

別のフロアを拝見するのも楽しみです。移転後、従業員の皆さんの反応はいかがですか?

グリー株式会社
熊澤さん :

Slackに専用チャンネルを立ち上げたのですが、ポジティブな反応が多かったですね。使いやすいオフィスにしていくために、ルールを設けながらも柔軟に対応していくことを心掛けています。

佐藤さん :

問い合わせが多くくるものは、社内ポータルやチャットBotにインプットし、手軽に従業員が見られるようにしています。

熊澤さん :

チームビルディングエリアは、どうしてもルールがいろいろあるんですよね。例えば、外部向けのイベントを平日の午前中に頻繁に開催されてしまうと、従業員のためのオフィスとしてどうか、という話になってしまいます。そのため、イベントによっては土日に開催してもらったり、フロアでやってもらったりすることもあるんです。ただ、門前払いにはならないようにしたいなとは思っています。移転から2年が経ったので、当初設けたルールと実態とにズレがないか、検証し始めたところです。

グリーグループ オフィス見学ツアー

共有スペースのある3階と各社の執務エリアが入る専有フロアとで成り立つグリーの「従業員のためのオフィス」。あらためて、3階のチームビルディングエリアから見学させていただきました。

仕事に休憩にイベントに活用中。3階 チームビルディングエリア

グリー株式会社
卯岡 :

あらためて見ても、本当にインパクトのある空間ですよね。

グリー株式会社
グリー株式会社
照明ひとつとっても、選定にこだわりが見られます
グリー株式会社
グリー株式会社
原中さん :

こちらがキッチンエリアですね。

グリー株式会社
卯岡 :

わあ、お酒がたくさん並んでいます!

佐藤さん :

定時後に飲めるルールになっています。ここに並んでいるお酒は従業員の寄贈なんですよ。

グリー株式会社
卯岡 :

ボトルに名前の札が提げられているのは、寄贈者の方ということなんですね。ボトルキープされているのかと思いました。

グリー株式会社
佐藤さん :

コーヒーや紅茶は会社が用意したものを置いています。コーヒーも紅茶も、ひと手間がかかるものをあえて選んでいて、ここで淹れながら雑談してほしいなと思っているんです。

グリー株式会社
一角にはDJブースが。奥に見えるのはテラス席
熊澤さん :

通常の他社さんのオフィスツアーからのインスパイアではなく、今回参考にしたのはホテルのラウンジや飲食店でしたが、それぞれのお洒落な空間にはDJブースが置いてあることが多く、コミュニケ―ションツールの一つとして置くことになりました。

原中さん :

イベントで実際に従業員も気軽に使っていますよね。

佐藤さん :

3階は私のお気に入りスペースで、テラスにあるグリーンが都会に現れた癒しスポットのようで好きなんです。ご覧いただいてわかるように、さまざまな雰囲気の席があるので、気分に合わせて座る場所を変えられるのも楽しいです。

グリー株式会社
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卯岡 :

奥に半個室スペースがあるんですね。

グリー株式会社
グリー株式会社
佐藤さん :

イベントや休憩だけではなく、仕事をしている従業員も見られます。

グリー株式会社
グリー株式会社
卯岡 :

あらためて見てみても、会議室とは思えない素敵なアートですね。驚かれる方も多そうです。

原中さん :

私は完成したオフィスの写真を見たことがきっかけでグリーへの転職を希望したんですよ。壁にアートが描かれていたり、ネオンが光っていたり、各フロアの入口が非日常感にあふれる空間に惹かれたんです。当たり前じゃないオフィスで働けることが嬉しく、日々のモチベーションがあがりますね。

各会社の入居フロアのレイアウトは大きく2種類。偶数フロア

各会社が使うフロアは、偶数フロアと奇数フロアでレイアウトを大きく2パターン設けています。偶数フロアは人が集まれるバーカウンターがあるのが特徴。なお、真ん中に会議室があり、フロアの外側に執務エリアがあるのは偶数・奇数フロア共に共通です。

グリー株式会社
偶数フロアのレイアウト
グリー株式会社
熊澤さん :

柱には、フロアマップと共にそのフロアのイメージ、アーティストさんのプロフィールを記しています。

卯岡 :

美術館のようですね。

グリー株式会社
グリー株式会社
卯岡 :

置かれている家具もおしゃれです。

熊澤さん :

すべて自分たちでお店に行き、見るまたは試座して選んだものなんですよ。

グリー株式会社
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熊澤さん :

壁面のタイルは、廃盤になりそうだったものなんです。

卯岡 :

味のあるタイルですね。アート作品ともマッチしています。

グリー株式会社
人数に応じた広さのブース(1人用、4人用の二種類)が用意されています
グリー株式会社
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このスペースの左右に執務エリアがあります

入口のトンネルが印象的。奇数フロア

グリー株式会社
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熊澤さん :

奇数フロアは入口部分がアーチ型になっている点が特徴で、その裏側に1~2人でこもれるスペースを設けました。

グリー株式会社
入口部分がこちら。トンネルのような雰囲気です
グリー株式会社
こちらがその裏側。こもれるスペースが並んでいます
卯岡 :

これは落ち着くでしょうね…!

熊澤さん :

こもりブースはやはり人気ですね。

グリー株式会社
グリー株式会社
卯岡 :

フロアによって、アートの雰囲気もかなり変わるんですね。各会社の入居フロアはどのように決めたんですか?

熊澤さん :

大勢の人が集まることの多い会社はカウンターのある偶数フロアにしたり、アートのイメージに合う会社を選んだり、いろいろですね。つながりのあるグループ会社は上下階に配置するといった配慮もしています。

グリー株式会社
熊澤さん :

各フロアに複数の作家さんが関わってくれているのですが、なかには作家同士で連携したアートを施してくださったところもあるんですよ。ここがその一例です。

卯岡 :

どういうことですか?

熊澤さん :

弓矢を構えているこちらのアートの向かい側の壁をご覧ください。

グリー株式会社
卯岡 :

あっ、矢が刺さってますね!

熊澤さん :

向かい側の絵を描いてくださった作家さんとは別の作家さんがこちらを描いてくださっているんです。

卯岡 :

コラボレーションされてるんですね。おもしろいです!

熊澤さん :

オフィス完成後は、20人以上になるアーティストの皆さんを招いてパーティーをしました。アーティストさん同士のこだわりを披露してくれたりなど大変盛り上がりました。

従業員が自由に使えるスペースも各フロアに用意

グリー株式会社
熊澤さん :

各フロアの両サイドには、入居している会社が自由にしていいスペースを設けました。

グリー株式会社
熊澤さん :

フロアによってかなり雰囲気が異なるんですよ。その会社の個性が感じれられるスペースになっています。

臨機応変な対応で、より従業員に活用されるオフィスづくりを

グリー株式会社

これだけ大きなオフィスとなると、光熱費も馬鹿になりません。データを常に取り、必要に応じて改善策を講じることで、コスト削減への取り組みも続けています。「コスト削減は永遠のテーマ」と語る熊澤さんは、今回のオフィス構築について、次のように振り返ります。
「役員やデザイナーも加わって進めたプロジェクトでしたが、使い勝手やコスト面で気付いた点は、相手が役員やプロであっても必ず意見として伝えようというのが本プロジェクトの約束事でした。移転後の運用を担うのは自分たちなので、伝えずに飲み込むことはやめようねと。レイアウトの効率を考えた壁の位置、動線、その後のメンテナンスにかかるコストなど、一つひとつにこだわって意見を戦わせながら作り上げました。思い入れのあるオフィスですね」

完成後のオフィスに惹かれて入社した原中さんは、「今後も『こんなに素敵なオフィスで働けるのは当たり前じゃない』の気持ちを大切にしながら、従業員の方がイマジネーションを活かせるよう関わっていきたいです」と抱負を述べてくれました。

同じく完成後に入社した佐藤さんは、「熊澤さんたちが熱い思いを持って作ったオフィスを、いかに活用していけるかを考えていきたいです。売上を作る役目を担っている従業員たちに対し、コスト圧縮で貢献するのが私たちの役目。アイディアや工夫次第で、今後もより良いオフィスにしていけたらと思います」と仕事への思いを語ります。

見映えの良いオフィスの裏側には、データに基づいた地道なコスト削減策がありました。3階のチームビルディングエリアは、さらに利用率を上げていきたいとのこと。オフィス構築時に目指した「あるべき姿」に向けて、これからも進化を続けます。

取材先

グリー株式会社

https://corp.gree.net/jp/ja/ 公式サイト

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