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オフィスインタビュー
vol.256 freee株式会社

「真面目に働く、楽しく働く」。会社の文化を体現した遊び心に満ちたfreee新オフィス

freee株式会社

リモートでも働ける。でも、スピード感を持って事業を進めるには、やはり対面コミュニケーションが重要。ただ、リモートワークも不可能ではない中で出社してもらうなら、オフィスに「楽しみ」が欲しい……。

そんな想いから立ち上がったfreee株式会社のオフィス移転プロジェクト、その名も「新宝島」!前オフィスも遊び心のあるオフィスでしたが、それ以上にワクワクする仕掛けがたくさん詰まった「楽しさダイバーシティ」というコンセプトの新オフィスへお邪魔してきました。

碇 奈弓
インタビュー
碇 奈弓(いかり なゆみ)
組織基盤部 Office Developmentチーム

2017年12月freeeにジョイン後、ファシリティマネジメントをメインとして総務業務全般を担当。カルチャーや価値基準をベースにしつつ、従業員の生産性が上がり幸せに働けるための場づくりを行う。主に増床、移転プロジェクトのリードやオフィス環境改善活動を他部署を巻き込みながら行い、組織課題解決やコミュニティ醸成に取り組んでいる。

コロナ禍でのリモートワーク期間が、改めて対面の重要性に気付くきっかけに

卯岡(IBASHO.ライター) :

freeeさんには2018年にも取材をさせていただいておりますが、改めて事業内容をご紹介いただけますか?

※2018年の訪問はこちら

碇さん :

弊社はクラウド会計ソフト・人事労務ソフトを中心にスモールビジネスの皆様の経営を支えるプロダクトを開発・提供しています。

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組織基盤部 Office Developmentチームの碇さん
卯岡 :

碇さんは前回に引き続きのご登場です。ずっとオフィスに携わられているのでしょうか。

碇さん :

入社して5年以上経ちますが、ずっとオフィス周りのファシリティを担当しています。今回の移転に関しましては、前半は育休中でいなかったのですが、途中からプロジェクトに参画し、運用周りや家具の選定に携わっています。

卯岡 :

今回、移転を決めた背景についても教えてください。リリースでは、以前から拡張の話があったものの、コロナ禍で一旦止めたという記載がありましたが、どのような経緯で移転に至ったんですか?

碇さん :

おっしゃる通り、コロナ禍により2年程リモートワークがメインになったため、その間は前の五反田オフィスのままでした。ただ、実際にリモートワークをやってみて、抽象的かつ重要な議論をするにはリモートでは難しいということがわかってきたんです。

 

他にも、ちょっと話しかけたいと思ったときも、オフィス内であればちらっと様子を見てすぐに話しかけられますが、リモートだと予定を見て「30分空いているのは明後日だから、アポを入れよう」といった具合に、スピードがどうしても落ちてしまうんです。結果として、経営スピードやミッション達成スピードが落ちてしまい、やはり対面が重要だと再認識しました。

 

さらにこの2年間の間に人も増え、五反田オフィスでは人が入り切らず、移転となりました。

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freeeを利用されているユーザーの皆さんの写真が会議室に。
卯岡 :

今の物件に決められた理由はなんですか?どのような軸で物件探しをされたのでしょうか。

碇さん :

まずは五反田エリアからあまり離れないことを優先しました。前オフィスの近隣に住んでいるメンバーが多く、家賃補助の条件も考えると、あまり遠い場所にはしたくなかったです。

 

あとは、ワンフロアができるだけ広いこと。新オフィスでは4フロアを借りているんですが、五反田オフィスでは9フロアに分かれていまして、どうしても分断が起きてしまっていたり、フロア内だけでコミュニケーションが完結してしまっていたりしたんです。

 

できるだけワンフロアを広く設けることで、いろいろな部署の人同士がコミュニケーションを取れるようにしたいという思いがありました。その条件にマッチしたのが今のビルだったんです。駅から雨に濡れず歩いてこられるのもメリットなんですよ。

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ワンフロアを広くし、部署間を超えたコミュニケーションを促進
卯岡 :

今回のオフィスのコンセプトは「楽しさダイバーシティ」だと伺いました。また、プロジェクト名は「新宝島」だったそうですが、どういった経緯でこちらに決まったんですか?

碇さん :

まず、プロジェクト名を決める際、「わくわくする名前を付けたいよね」という話がありました。freeeではプロジェクト名を付けるというカルチャーがあり、名前がついてようやく始動するところがあるんです。当初は「ニューワールド」などが候補としてありまして、「新しい」をキーワードに発想を広げ、「お宝を新しい場所でいっぱい見つけたい」というところから「新宝島」になりました。

 

一方、コンセプトは最初から決まっていたわけではなく、話をしていくなかで「やっぱりコンセプトをしっかり決めていったほうがいいよね」というフェーズがあり、言語化を試みました。

 

今回移転するにあたり、社員に叶えたい希望を募ったんです。そこに216件集まったものの多くが遊び心や楽しさに繋がるものでした。また、リモートから出社に回帰するとなると、オフィスに出てくるフックが必要だということで、「オフィスに来ると楽しい」と思ってもらいたいという思いがありました。

 

カルチャー的に、「真面目に仕事をするけど、その過程を楽しみたい」という2つの側面がある会社であることと、「楽しさ」は人それぞれ異なり、その異なる「楽しさ」をオフィスに散りばめたいということで、「楽しさダイバーシティ」というコンセプトに決まりました。

卯岡 :

216件とはものすごく多い数字ですね!叶えられたもの、難しかったもの、色々あると思いますが、どのような意見がありましたか?

碇さん :

弊社にはコンセプト会議室というユニークな会議室があるのですが、ゲームができる会議室や、ダーツができるパーティー会議室は社内の声から作られたものですね。あと、設備的に実現はできなかったのですが、「サウナがほしい」といった声もありました。これはサウナ部から出てきたものです。弊社には部活(オフカツ)が多くあるんですよ。

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ゲームができる会議室「BONUS(ボーナス)」
卯岡 :

ゲームができる会議室とだけ聞くと、「仕事なのに?」と驚きがありますね。現実的な設備の話はともかく、どういう基準で実現するかどうかを決めていったのでしょうか。

碇さん :

freeeっぽいかどうかですね。会社でゲームと聞くと、確かにふざけてそうなイメージがあるんですが、「楽しいならいいんじゃない?」と。部署を超えて交流が進めば、ミッション到達が早くなります。業務が加速するフックになるなら採り入れていこうというスタンスで決めていきました。

 

シャショクという、キッチンが付いている会議室もあるんですよ。これも、知らない人同士が仲良くなったり、チームワークを良くできたりといったことを狙って作ったものです。私もチームで使ったことがありますが、協力しながら料理を作り一緒に食べながらワイワイ過ごすという経験は、外に飲みに行くのとはまた違った体験だなと感じました。

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卯岡 :

碇さんは後半からの参加だったとのことですが、プロジェクト自体はどのように進められていったのでしょうか。

碇さん :

プロジェクト始動から移転まで10ヵ月しかなかったので、できるところからやっていく感じでしたね。CCOの辻本が今回のプロジェクトオーナーなのですが、例えばコンセプト会議室に関しては、予算を社員たちに渡し、1つ企画を考えてもらうといった具合に、サブプロジェクトがいくつも同時に走っていた感じです。関わったのは100名以上いたかもしれません。

卯岡 :

移転後の利用状況はいかがですか?

碇さん :

移転2ヵ月後にアンケートを取り、その結果を踏まえてルールを作ったり改善したりしました。「一部の場所でネットの調子が悪い」「備え付けホワイトボードだけではなく、可動式のものがほしい」「ひな壇のクッションを増やしてほしい」など具体的なものが主ですね。コンセプト会議室は積極的に使われている様子があり、仕掛けをした甲斐があったなと思っています。

卯岡 :

ありがとうございます。では、さっそくオフィスを拝見させてください!

コンセプトは「楽しさダイバーシティ」!freeeらしさが溢れた新オフィス見学ツアー

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freeeらしいカルチャーを感じられる新オフィスをご案内いただきました。

18階のテーマは海。噂のコンセプト会議室を拝見!

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卯岡 :

マップにある算数の記号は何を意味しているんですか?

碇さん :

場所をわかりやすくするために色分けし、会計ということから算数の記号を使いました。

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碇さん :

色と記号でわかりやすくなっているんですよ。また、通路の床面もフロアごとにテーマに関連する色になっているので、階数ミスの防止につながっています。

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18階のカウンターの1つ「がやがや」。
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卯岡 :

なんだか昭和風テーマパークに来たような気持ちになりますね。でも名前は「現物支給」(笑)。

碇さん :

ここがコンセプト会議室の1つです。今は使用中ですが、中はこんな感じになっています。

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卯岡 :

これは駄菓子屋ですね。

碇さん :

そうなんです。ちゃんと本物で、ここで会議をするときには食べられます。

卯岡 :

おもしろい……!

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卯岡 :

このガチャガチャもできるんですね。

碇さん :

専用コインでできます。社員の家族向けにイベントを行ったときには、お子さんにコインを渡して楽しんでもらいました。今は中身が全然ないのですが、アイスクリームケースにもちゃんとアイスがあるんです。毎週金曜日に補充されるようになっています。

 

その他、こんなコンセプト会議室がありますよ。

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ネンマツチョウセイ。「パーティー会議室」とお話されていたのがこちら。
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碇さん :

こちらがゲームができる会議室「ボーナス」ですね。初代ファミコンからPS5までが揃っています。

卯岡 :

想像以上に会議室らしからぬ見た目ですね(笑)。

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卯岡 :

その横にあるのは図書館ですね。

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碇さん :

誰がどこにいるかわかったほうがコミュニケーション取りやすいということで弊社は固定席なのですが、別の場所で気分転換している社員もいます。

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卯岡 :

こちらは何のための場所なんですか?

碇さん :

ノベルティが並べられています。棚の奥にスペースがあり、後ろから補充できるようになっているんですよ。

卯岡 :

便利ですね。そしてTシャツがふつうにオシャレで素敵です。

碇さん :

ありがとうございます。奥の執務スペースは残念ながら撮影が入れないため、提供写真で海の雰囲気を感じていただけるとうれしいです。

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卯岡 :

本当にめちゃくちゃ「海」ですね。植物もちゃんと海辺にあるものなので細かいです。

 

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サインもかわいい
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「誰でも使える」を端的に表したピクトグラム。宇宙人だって使用可!

19階のテーマは大地。前オフィスより広くなった「asobiba」

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卯岡 :

明るくて広々とした空間ですね。

碇さん :

前オフィス時代にもあったasobibaが、移転後はさらに広くなりました。19階の半分の広さを占めています。よりブランドを意識したインテリアにしようということで、明るさ・シンプルさという観点で選びました。テーブルに使っている木は、あえて節の少ないものを選んでいるんですよ。なお、弊社のロゴであるツバメが海をわたり大地と森を抜け空へ飛び立つことをイメージして、18階が海、19階が大地、20階が森、21階が空をテーマにしています。

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節の少ない明るい印象のテーブル
碇さん :

なお、テーブルは可動式で、人数やシーンに応じてレイアウトを変えられるようにしました。

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卯岡 :

これは絵馬ですね?

碇さん :

その通りです。

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碇さん :

年始イベントに使うため、絵馬を特注で作りました。絵馬掛けは社員がDIYで作ったものです。

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卯岡 :

賃借対照表……かなり印象的な暖簾ですね。

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碇さん :

これも会議室です。19階の会議室は勘定科目の名前を付けているんですよ。

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碇さん :

スマホをかざすと予約状況が見られるようになっています。移転を機に予約システムを設けました。

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卯岡 :

このワゴンは何のためのものなんですか?

碇さん :

お昼時にお弁当を販売したり、イベント時の物販に使ったりするためのものです。特注で作っていただきました。

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asobibaにあるカウンター
碇さん :

各フロアに2~3箇所カウンターがあります。フロアのコンセプトにちなんだデザインで、ドリンクもカウンターによって異なります。コーヒーも、森フロアと海フロアとでは豆が違っていたりするんですよ。

卯岡 :

細かい……!こだわりのある人だと、ドリンクのために違うフロアに足を運びそうです。

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ここのカウンターは「わいわい」。各カウンターに異なる名前が付いています
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同フロアにあるこちらのカウンターは「もじゃもじゃ」。名前の通り、植物がもじゃもじゃしている見た目が印象的
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卯岡 :

奥にはひな壇がありますね。

碇さん :

全社会議やセミナー、記者会見などで使われている場所です。ひな壇で70人ほど収容できます。周りからも様子が見られるので、より多くの人に参加してもらうことも可能です。

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碇さん :

最初はもっとクッションが少なかったのですが、要望を受けて増やしました。

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碇さん :

ここは収録に使えるスペース「アソビバホウソウシツ」です。ほかにも、グリーンバックの撮影ができるスペースもあるんですよ。

卯岡 :

何の会社だったっけ、と思う設備ですね。

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それがこちら。「ツバメスタジオ」という名前です

20階のテーマは森。「tonari」でリアルタイムな会話を

碇さん :

20階は主にエンジニアの執務フロアです。

 

関西拠点と繋いで等身大かつ常時接続でリアルタイムに話せるtonariという大型スクリーンが設置されており、大崎と関西にまたがるエンジニアチームが一緒に開発をしたり、MTGをするのによく使われています。

卯岡 :

20階はまた全然雰囲気の異なる空間ですね!

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碇さん :

ロゴのツバメにちなんで、ツバメグッズを集めた会議室です。天井にもツバメが飛んでいます。

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碇さん :

たまには自分の席ではないところで仕事がしたい、少しリラックスしたい、という時に活用できるスペースを設けており、その一つが「やほやほキャンプ場」というキャンプ場を再現したフリースペースです。

 

20階のフロアテーマの森にちなんで、このように緑豊かな空間になっています。森の中でキャンプをしているときのようにリラックスしながら仕事をしたり仲間と語り合える、そんなスペースです。

21階のテーマは空。「会計」の歴史に触れられるコーナーも

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碇さん :

ということで、戻ってまいりました。

卯岡 :

見ごたえたっぷりでした……!

碇さん :

実は、このロゴにも仕掛けがあるんですよ。

卯岡 :

ロゴにですか?何だろう……。

碇さん :

中に入って、裏から見てみてください。

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卯岡 :

これはコードですか?

碇さん :

そうなんです。ツバメの目の位置にQRコードがありまして、こちらを読み取ると弊社の変遷がわかる「freeeの裏側」というページに飛ぶ仕掛けになっています。ロゴの裏側なので、「freeeの裏側」ですね。

卯岡 :

へー!

碇さん :

面接に来たエンジニアの方にご説明すると、関心を持っていただけることが多いです。

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卯岡 :

こちらにもワゴンのようなものがありますね。「フリダシ」という看板がありますが、こちらは?

碇さん :

ブランドチーム部が開発した商品を並べています。自社だけではなく、お客様とコラボレーションしたものもあります。「フリダシ」は、「freeeの山車(だし)」が由来ですね。分割してイベントなどにも出店できるように可動式になっています。

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卯岡 :

一角にあるこちらは……?

碇さん :

「フリカエリ」という名前の展示スペースです。会計に関する昔の品々が置いてあり、会計の歴史に触れられる場所ですね。

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「昔はこうやってそろばんを弾いていたんですね」と碇さん
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初期の電卓、会計の歴史、生みの親といわれる人の絵画など、ちょっとした博物館レベルでした
卯岡 :

これはきちんと役割を決められて整えた場所なんですか?

碇さん :

いえ、有志ですね。調べたり備品を買い集めたりしてくれました。

チームビルディングにぴったり!シャショク会議室でイベントが行われていました

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碇さん :

ちょうどかき氷のイベント中ですね。ここがシャショク会議室です。

卯岡 :

めちゃくちゃ盛り上がっていますね!

freee株式会社
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碇さん :

引っ越すときに荷造りを協力してもらわないといけなかったのですが、リモート中だったのでわざわざ出向いてもらう必要があったんです。面倒くさいと思う人もいる中、どうやったら楽しくできるかなと思ったとき、インターンメンバーが「かき氷を振舞いましょう!」と企画してくれ、楽しく過ごせたという出来事がありました。

 

そこから、有志が「今年もやろう」と言ってやっているのが今日のタイミングでした。ちなみに、オーブンは七面鳥が4羽も焼ける仕様なんですよ。本格的な料理もできます。

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近くにはお昼ごはんを買える自販機も

楽しく働くためにオフィスに来る。これからも存分に使い倒してほしい

freee株式会社

「オフィスの各エリアにエピソードがあり、知ってもらいたいという思いで紹介動画を作りました。みんながオフィス作りの背景を知っているから、お客様にも良さを伝えられるんです」と語ってくれた碇さん。写真を見ているだけでもわかるように、フロアごとに個性が溢れたユニークな空間でした。

「個人的には、もっともっとみんなにオフィスを使い倒してほしいと思っています」と碇さん。チームの結束を高めるために出社するも良し、外部向けにイベントを企画しても良し。

いろいろな活用の可能性を秘めたオフィスでの、今後の展開が楽しみです。

取材先

freee株式会社

https://www.freee.co.jp/ 公式サイト

クラウド会計ソフト 「freee会計」をはじめ、SaaS型クラウドサービスを開発、運営するfreee株式会社。

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