- オフィスインタビュー
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さまざまな「光」の演出が印象的な空間を演出。ワンキャリアのオフィス見学ツアー
事業規模の拡大に合わせて、増床をしたワンキャリア。構築された時期は異なりますが、どのフロアも「光」をコンセプトに設計、デザインされています。
社内でオフィス設計、デザインをご担当された吉村さんに、構築時のこだわり、オフィスの使われ方についてお話を伺いました。
新卒でイベント展示会業界で空間デザイナーとして勤務し、その後数社を経て2019年12月にワンキャリアへ転職。ワンキャリアでは主にオフィスや展示会などの空間デザインからイベントのキービジュアルやバナー、グッズ制作など、リアルのクリエイティブを中心に多岐にわたるデザインに従事。
目次
リアルでのコミュニケーションを重視するため、週2日の出社を必須に
御社の事業についてご紹介をお願いいたします。
弊社は、就活サイト「ONE CAREER」、転職サイト「ONE CAREER PLUS」、人事向け採用DX支援サービス「ONE CAREER CLOUD」を展開しています。「ONE CAREER」には、学生たちによって就職活動の体験談や企業に関するクチコミが投稿されております。その投稿を分析したデータを採用活動に活用したい企業向けに「ONE CAREER CLOUD」を提供しています。
吉村さんはどのようなお仕事をされていらっしゃるんですか?
私は2024年7月に設置されたコーポレートデザイン室に所属しています。これまでは営業組織に紐づいていた機能を組織として切り分けたもので、オフィスだけではなくコーポレートブランディングも担当業務となりました。
広報やIRにも関わっていくことになりますし、サービスに付随した展示会やイベント、営業資料といったコミュニケーションデザインも引き受けています。
オフィスに関しても、デザイン面でお関わりになられたということでしょうか。
デザイン設計、PMをメイン担当として担い、施工会社さんと連携して進めました。インフラや実際の運用に関しては、総務部門とコーポレートIT部門が担当しています。
現在の会社の働き方について教えてください。
週2日の出社を必須としています。
そのようにされた理由はなんですか?コミュニケーションを取るためでしょうか。
おっしゃる通り、リアルの場でのコミュニケーション強化ですね。今回、18階を増床したのも執務室を増やすことが主目的でした。採用が加速し、人がどんどん増えていくなか、オフィスで働く場を増やしています。
増床したフロアも含め、統一されたコンセプトはあるのでしょうか。
弊社は「人の数だけ、キャリアをつくる。」というミッションを掲げており、オフィス空間においても「人に光をあてる」というメッセージを込めて、光にこだわっています。
では、ここからはオフィスを拝見しながらお話を伺わせていただきたいと思います!
オフィスの主役はあくまでも「人」。ワンキャリア オフィス見学ツアー
「光」をコンセプトにしたワンキャリアのオフィス。まずは16階から見学させていただきました。
16階 エントランス
広々としていて開放感のあるエントランスですね。
置いてある観葉植物は、季節に応じて種類が変わるんですよ。今は夏らしさを感じられるものになっています。(※取材・撮影は2024年7月に実施)
季節に応じて新鮮な気持ちになれそうです。
オフィス全体でのこだわりとして、印象に残る家具をあえて置かないようにしています。
なぜですか?
空間の主役が人だからです。「人が入って機能する」も設計デザイン時のコンセプトで、いろいろな服装の人が出社してきたときも空間が馴染むようにしたかったんです。そのため、尖った柄物の家具は置かず、空間に馴染むようなものを意識して選びました。モノトーンが多めですね。
落ち着いた空間に感じられたのは、置かれている家具がシンプルだからなのかもしれないなと思いました。
コンセプトの「光」については、エントランスにもこだわっています。天井には、放射線状に光をはしらせた表現を施しています。
そして、この放射線状の光の先が観葉植物にくるようになっています。観葉植物を人に見立ててスポットライトを当てているようなイメージですね。
なるほど…!
あとは色温度です。エントランスはお客様をお迎えする場所なので、おもてなしの心を表すため、照明の色温度を高めに設定しました。なお、今は配信用スタジオができたのでそちらを利用しているのですが、スタジオができる前はここや会議室で配信を行っていました。
エントランスエリアは、月に1度、部署の垣根を超えて集まった社員が軽食とドリンクを片手に交流するMix Free Nightというイベントを開催していたり、部署ごとにキックオフを行ったりと、集まる場としても活用されています。
これだけ席があって広々としていると、活用の幅が広そうです。
まさに、用途の幅が広がっている印象があります。全社会、会議、社外の方を集めたミートアップイベント、採用イベント、インターンなど、本当にいろいろと使われていますね。
16階 会議室エリア
エントランスから見えるエリアにも多くの席がありますが、その奥や通路にも作業できそうなスペースがたくさんありますね。
ランチや仕事で利用する社員が多く見られるエリアです。
会議室の名前を示すこちらは、いくつかのフォントからこだわって選びました。ゼロはワンキャリアのロゴの形も意識しています。壁を掘って文字にすることで、光で文字が浮き出すようなイメージを目指しました。
細かなこだわりですね。
会議室の照明はライン状のものを選んでいます。
17階 オンラインイベントに活用中・スタジオエリア
こちらが17階になります。先ほどお話ししたスタジオがあるのがこちらで、オンライン配信のイベントもこちらで行っています。出演者の皆様がお越しになる場所ということで、入口部分を白いトンネルのような形状にし、間接照明を散らばせることで、日常から非日常に向かうような印象を抱いてもらえるように考えました。気持ちを盛り上げて撮影に臨んでもらえたらうれしいです。
異空間な雰囲気があります。奥に見えるのはロゴですね。
はい、ロゴの巨大モニュメントです。
めちゃくちゃ大きいですね。
相当こだわりました。当初はコンセプトから、巨大モニュメントを光らせるという提案を施工会社様よりいただいたのですが、お客様に写真を撮ってもらう場にしたいという思いがあったため、光らせてしまうと上手く撮影できないのでは、という懸念がありました。
また、光らせてしまうことで、サービスのブランドカラーがうまく出ないことも懸念でした。施工会社様には何度も提案していただき、「ここをもう少し…」とこだわらせていただき、完成しました。塗装の色にもかなりこだわっています。
完成してみていかがですか?
狙い通り、来た方が写真を撮ってくださっていてうれしいです。
こちらがスタジオです。オンラインイベントはコロナ禍で企業が学生との接点をリアルで持ちづらくなったことを機に始めたのですが、ニーズがあるということで強化する方針になりました。そこで、簡易的なスタジオから拡充し、スタジオを2つ作ることに。ライブ配信を同時にできる環境が整いました。
働き方はオフィス回帰があるものの、就活はオンライン需要が減ることはなかったんですね。
常にニーズがあり続けるという感じです。スタジオにはあえて何もないようにしていて、番組が変わったときにセットを置けるようにしています。番組セットが変わると、出演者の皆様が感動してくれるのがうれしいです。
ただ、毎回すべてを新しくするのはもったいないので、過去に使用したセットなども活用して、画面に見える部分が新しくなるようにするといった工夫も施しています。表裏で違う見た目にするなどですね。
18階 新たに増床したフロアにはカフェスペースも
18階を増床したことで、部門でフロアを分けられるようになりました。16階は来訪者様向けのエントランス兼執務室、17階はオンライン配信用空間、18階は執務室メインの空間です。
18階にはカフェエリアを作りました。天井部分に間接照明を採り入れていまして、新卒から中途へとキャリアが続いていくという「連綿としたキャリア」をコンセプトとした光のラインを設けました。色温度も高めにして、目に優しい光にしています。
コーヒーサーバーがあるので、別フロアの社員がやってきてここで飲んでいたり、会話が生まれたりしています。ここはまだできたばかりなので、今後の活用が楽しみですね。
社員の方から何かご感想はありましたか?
PMを務めたこともあり、社員の方々から「素敵なオフィスをありがとうございます」と直接伝えていただきました。
直接会って話すことは大切ですね。オンラインにも長所はありますが、見える範囲がバストアップだけになるので、コミュニケーションで得られる情報量には限りがあります。オフラインじゃないとできないこともあるなと実感していますね。
週2日出社必須に切り替えてから、何か変化は感じますか?
社員は2日以上出社している印象です。オンラインミーティングを行うより、対面の方がすぐに相談できると実感しているのかもしれません。
できるだけ「行きたい」と思ってもらえるオフィスを作っていきたいと思っています。事業や組織の拡大に合わせてオフィスも進化していくべきですし、働き方にも変化があると思います。変化に合わせて、今後も考えていきたいですね。
何か出社したくなる施策でご紹介いただけるものはありますか?
たとえば、人事総務部門主体で運用されている、出社するとランチを一緒にする機会が増えるということで始まったのが「深メシ」制度です。他部署の人とごはんを食べる際に補助が出る、いわゆるシャッフルランチのような施策です。「深メシ」はランチだけでなく朝も夜も使えます。ネーミングは社内公募をして選ばれたものなんですよ。
余白を残すことで、社員たちが使い道を広げられるオフィスに
3フロアのオフィス構築を終え、社員の方たちに実際に使われている様子を見て、「空間設計には余白を残した方がいいのかもしれない。社員が自分で働きやすい環境を作っていくのがオフィスという場なのかもしれない」と実感したという吉村さん。
「『こういう風に使われるんだろうな』という当初の想定とは異なり、いろいろな使い方をしてもらっていると感じているんです」とお話ししてくださった吉村さん。会社の成長、人員拡大に応じて、新たな使い方が生まれることも楽しみなオフィスです。