- オフィスインタビュー
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個人とチームの成長を「融合」し、イノベーションの「加速」を目指す。LegalOn Technologies新オフィスツアー
「融合と加速」をコンセプトに、Shibuya Sakura Stage SHIBUYAタワーに新オフィスを構えたLegalOn Technologies。すっきりとシンプルな印象を受けますが、ところどころに「らしさ」を詰め込んで作られたこだわりのオフィスです。移転プロジェクトのリーダーを務めた関さんにお話を伺いました。
2022年4月に総務・ファシリティー担当として入社。オフィスサービスやオペレーション業務の運用・改善といった総務業務の他、オフィス増床、地方拠点立ち上げ等にも従事。本社移転の際は、プロジェクトリーダーとして約1年半、プロジェクト全体のコスト管理をしながら、コンセプト設計から各ロジの構築、移転後のケアまで社内外のステークホルダーと協働して推進。2024年4月の移転完了後も、引き続きオフィスの在り方を模索しつつ、HRBP業務も担う
目次
従業員数の増加に伴い、分散していたオフィスを融合
御社の事業についてご紹介ください。
弊社は2017年4月に2人の弁護士が創業した会社です。「法とテクノロジーの力で、安心して前進できる社会を創る。」をパーパスに掲げておりまして、法的知見と自然言語処理、LLMを使ったリーガルテックサービスを開発・提供しています。2019年にリリースしたAIレビューサービス「LegalForce」をはじめ、複数サービスを展開しています。
また、2022年9月に米国拠点を設立して、グローバル向けのサービスもリリースしました。2024年4月には、AIで法務業務を包括的に支援するAI法務プラットフォーム新サービス「LegalOn Cloud」を提供開始し、2024年8月現在、グローバルで延べ6000社以上のお客様にご導入いただいております。
従業員規模はどうでしょうか?
2024年8月現在、従業員数は550名を超え、うち4割がエンジニア職となります。
関さんのお仕事内容についてはいかがですか?
私は総務やファシリティを担当しており、当社ではエンプロイーサクセスと呼称しています。また、前職でHRBPの経験があるため、人事面の業務にも携わっている形です。
オフィスにはどのような関わり方をされていらっしゃるのでしょうか。
今回の移転プロジェクトにはリーダーとして関わらせていただきました。とはいえ、リーダーとして進捗管理したり、指示したりするだけでなく、内装業者のコンペから移転後のフォローまで、全般に携わりました。そもそも、ファシリティ業務をもっと自分で動かせる場に行きたいと思い、弊社に入社していたので、一部分だけでなく、幅広く自分で担いたいと思ってプロジェクトを進めていました。前職でも総務として移転に携わったことはあるのですが、企画からオフィスを作り込むのは別部署の仕事だったため、内装業者と並走してファシリティー業務を推進するのは初めての挑戦となりました。
移転理由についてもご紹介いただけますか。
私が入社したときには、すでにこの物件に入ることは決まっていました。移転理由は、人員の増加とメンバー同士のコミュニケーションの活性化ですね。毎月数十名は入社していたため、移転前はコーポレート組織・営業組織とエンジニア組織とで別々のオフィスを借りていました。しかし、別々のオフィスになることで、組織双方のコミュニケーションが希薄化してしまっていたことも課題となっていました。移転することで1つのオフィスに集約し、コミュニケーションの活性化に加え、「個人の成長」と「チームの成長」を融合していきたいというのが大きな理由でした。
新オフィスのコンセプトは「融合と加速」だと御社のコーポレートサイトに書かれているのを拝見しました。融合については先ほどおっしゃっていた通りだと思いますが、加速にはどういった意味があるのでしょうか。
イノベーションの加速、事業の成長スピードを加速させたいという意味ですね。コロナ禍でコミュニケーションが希薄になり、アフターコロナのタイミングで今回の移転プロジェクトが立ち上がりました。1つのオフィスにまた集うことで、部署を超えたコミュニケーションが活性化し、個人と組織の成長を掛け合わせることで会社としての成長も加速させたいという思いが込められています。
ファシリティ担当者としては、移転を契機に出社したい従業員が増えたらいいな、出社したくなるようなオフィスを作れたらいいなという思いもありましたね。
具体的に、どのようにオフィス作りを進められたのでしょうか。
さまざまな部署の従業員にヒアリングをしながらレイアウトを検討しました。営業のメンバーは出社する機会が多いことから、働く場に対する要望もあるだろうと思い、リーダーを集めてショールームの見学にも訪れています。「自席で商談しやすい環境がいい」という要望があったことから、従業員のデスクの上に吸音パーテーションを常備しています。
また、会議室不足の課題も解決する必要があったので、前のオフィスから2倍ほどと大幅に数を増やしました。IT部門から会議室ごとの使用率を出してもらい、移転後に必要な来客用会議室、社内用会議室の数とそれぞれの必要収容人数を算出しました。現状、会議室不足の声は出てきておりません。
では、ここからは実際にオフィスを拝見しながらお話を伺いたいと思います。
シンプルな中に、会社らしさを感じられる遊び心も。LegalOn Technologies新オフィスツアー
「融合と加速」をコンセプトに、従業員が出社したくなるオフィスを目指した関さん。こだわったポイントと共にお話を伺いました。
デザインにこだわったエントランス
エントランスはシンプルで開放感のある空間ですね。
弊社のコーポレートカラーである、黒・グレー・白に加えて、温かみや安心感を与える木目調を取り入れつつ、弊社のイメージに合うようなすっきりとメリハリのついた印象にしました。
映像を映し出している画面の左上にあるあちらはなんですか?
よく気付かれましたね!
これは弊社のロゴマークの一部なんです。6つのパーツで成り立っているロゴマークなので、実はオフィス内の6ヵ所に忍ばせているんですよ。
従業員の方はご存知なのですか?
いえ、特に知らせてはいないので、気付いていない従業員もいるかもしれません。ちょっとした遊び心です。
エントランスにはちょっとした雑談や作業ができるカウンターも設けました。ユーザーを招いた勉強会やイベントを行う際は、飲食提供の場として使われることもあります。
こちらのソファスツールもロゴと同じ六角形です。コーポレートカラーがグレーなのと、作り込みすぎたら飽きがくるだろうという考えから、色もデザインもシンプルを心掛けています。デザイン全般は社内デザイナーと相談しながら決めたため、弊社らしさを取り入れられたオフィスになっていると感じています。
「らしさ」を感じられるこだわりの詰まった会議室
エントランスにあったフロアマップを見て気になっていたのが、甲乙丙という会議室名でした。
弊社らしさを感じられるポイントの1つですね。ゲストエリアの会議室は、お越しいただく方に法律を身近に感じてもらいたいという思いから、契約書で当事者を指す甲乙丙と数字を組み合わせた会議室名にしています。一方、社内会議室はフロア数とアルファベットの組み合わせで「19-A」「20-B」といったシンプルな名称になっています。
やっぱり契約書で見られる甲乙丙が由来だったんですね。ユニークです。
法律を身近に感じてもらいたいという仕掛けは、会議室内にもあるんですよ。
「販売代理店契約」とありますね。これは…?
各部屋に契約書の類型名とその解説文を記しました。
今度は「秘密保持契約」!面白いですね。
解説文は社内の弁護士や法務部門の担当者にチェックをお願いしました。また、文字と文字の間の余白は、デザイナーがこだわって定めています。ここは本当に内装業者さんにご苦労いただきました。
どういうことですか?
これ、印刷した1枚を貼ったのではなく、全部パーツに分かれているんですよ。
近寄っていただければわかるでしょうか。ノートのアイコンの線ひとつ、「i」の上の点、すべてがばらばらなんです。
本当だ!つまり、これを一つひとつ手作業で貼っていったということなんですね。
そういうことなんです。貼ったあとに誤字脱字が発見されたりと、実はめちゃくちゃ苦労してできあがったものなんですよ。
お話をお聞きしないと気付けないこだわりエピソードですね。
印象的なフリースペースのある20階
こちらが20階です。主に営業部門の従業員が働くフロアですね。
グリーンのカーペットと壁面のイラストが印象的ですね。
壁面はデザイナーが作ってくれました。弊社のバリューをオブジェクトと共に描いてくれたものです。このグリーンのカーペットのエリアは、最大100人ほどが入れるフリースペースになっています。部門ごとに定例ミーティングを行ったり、業務後に集まって交流会などをしています。
外を眺めながら休憩できるデッキチェアは、人気スポットの1つです。リクライニングできるので、ここで仮眠している従業員も見られます。
作業や休憩に使えるいろいろなスタイルの場所があるんですね。
執務デスクエリア以外には、気軽に相談や打ち合わせができるようなファミリー席を設けていたり、自由に利用できる本棚も設置しています。
前のオフィスはフードはもちろん数台しか設置していなかったのですが、オフィスを出て買いに行く手間を考え、自販機を大幅に増やしました。フードは自販機や無人販売も新しく導入し、気軽に買えるようにしました。
自販機にはラッピングを施しているのもこだわりの一つです。また、豆からコーヒーを淹れるカップ自販機は人気で、順番待ちをしている従業員も見られます。コミュニケーションの活性化にも一役買っている存在です。
コミュニケーション活性化のため、何か施策もやられていたりするのでしょうか。
前のオフィスでもやっていて、今も続けているのはシャッフルランチですね。先日は、参加目標100人に対し、結果として102人が集まってくれました。こういった施策を会社として打ち出すことで、参加へのハードルが下がるという声が多いため、数年前から不定期で開催を続けています。
他にも、メンバーと共に社内コミュニケーション活性化の施策をいろいろ考えています。
気分を変えて業務に取り組みたい時や集中したい時に、予約せずに使えるブースも点在させて置いています。
柱にある数字は、居場所を示すためのものですか?
そうです。従業員同士が現在地を共有する際に便利だろうと思い、施しました。この数字も社内デザイナーのデザインによるもので、中には弊社のロゴマークが隠されています。
6だけカラフルなんですね。
六法全書にちなみ、6だけ特別仕様にしています。様々な図形を組み合わせて「6」を構成していますが、これは弊社の6つのバリューマークを組み合わせているんです。(フリースペースの壁面デザインを参考)
従業員の声や時代の変化に応じて、臨機応変なオフィスづくりを
「フロアは分かれたものの、フロア間を移動している従業員が多く、思っていたよりも『融合』面での懸念はなかった」という関さん。一方、もう1つのコンセプト「加速」に関しては、「移転したばかりなので、ここからかな」と語ります。
オフィスの現状については、「イベントが増えました。お客様とエントランスエリアで歓談する様子も見られ、お客様をよくお呼びするようになった印象があります。集客もしやすくなったのでは」と関さん。
「オフィスの使い勝手は従業員の判断次第です。従業員の意見を集め、悪いところがあればどう改善していくかを考えていきたいですね。『出社したくなるオフィスを作りたい』という思いは変わらず、会社のフェーズや世の中の動きに合わせ、オフィスも変化していくべきだと考えているので、今後も臨機応変にレイアウトを変えていけるオフィスにしていきたいです」
家で仕事が成り立つエンジニア職の方には、シャッフルランチやイベント時に個別に声をかけるなど、地道に活動しているという関さん。従業員のリクエストを受け取りながら、これからも快適に働ける空間づくりへの挑戦が続きます。