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【事例あり】魅力的なオフィス内装を実現するためのポイントとは

魅力的な内装デザインのオフィスは、企業にとってビジネスの発展・成功に欠かせない重要な要素のひとつ。
しかし、「魅力的なオフィスにしたい」と思っていてもそれをどの様に具現化していくのかわからないという方に、本記事では、内装を考える際におさえておくべきポイントや、自社の理念やビジョンを内装デザインに反映させた魅力的なオフィスの成功事例を紹介していきます。
ビジネスや従業員に対してポジティブな効果をもたらすオフィス作りを検討している方はぜひ参考にしてみてください。
目次
オフィスにおける内装の重要性
「働き方」をテーマにしたウェブマガジンや雑誌を展開しているWORK MILLが実施した調査では、男女間でオフィスに対して重視しているものが異なることが明らかとなっています。
この調査では、オフィス環境に関して、男性は会議室や打ち合わせスペースなどの「コミュニケーションの場」を、女性はオフィス内の温度や湿度、集中しやすさなど「働く環境」を重視しているという結果が出ています。
オフィスの内装は、このような従業員の職場に対する満足度に大きく影響を及ぼす要素であり、適切な内装を施すことで様々な効果を生み出すことができるため、国内外の企業でその重要性が高まっています。
ここからは、魅力的で快適なオフィス環境がもたらす4つの効果について解説していきます。
出典:WORK MILL「OFFICE SURVEY REPORT 明日のオフィス環境を考えるヒント」
生産性向上
オフィスの快適性と機能性を高める内装は、そこで働く従業員の生産性向上に大きく貢献します。
適切な照明や快適な家具、効果的なレイアウトにより、従業員のストレスは軽減され、心身の健康を促進します。
従業員のウェルネスを考慮した内装デザインをオフィスに施すことで、一人一人の仕事に対するモチベーションや集中力が高まることから、生産性向上へとつながるのです。
コミュニケーションの活性化
オープンで快適なオフィス空間は、そこで働く従業員同士の交流を促しチームワークを強化します。
ミーティングブースやラウンジエリアは、様々なアイデアの共有や意見交換の場となることから、組織全体の創造性向上に貢献します。
また、オフィス内装の随所にコーポレートカラーを取り入れることで、従業員の中に企業のアイデンティティーが根付きやすくなり、全体に連帯感が生まれることで、組織全体の生産性や士気の向上といった効果も期待できます。
エンゲージメント向上
魅力的なオフィスで働くことによって、従業員は企業に対する理解を深め、強い愛着心を抱くようになることから、積極的に企業の利益に貢献する行動をとるようになります。
効率的に仕事を進められ、メンバー同士活発なコミュニケーションを図れる環境は、従業員の職場に対する満足度を高め、離職率低下にもつながります。
企業のイメージアップ
魅力的な内装デザインは、企業のイメージアップやブランディング強化においても重要な役割を果たします。
おしゃれで洗練された内装デザインは、オフィスを訪れるクライアントや取引先に対して好印象を与え、企業の理念や個性を内装デザインで具現化することで、一貫性のあるブランドイメージを構築することができるでしょう。
加えて、「社外の人に自慢したい」と感じるようなオフィスで働くことは、従業員の満足度を高め、企業に対するロイヤルティ向上にもつながることから、企業文化や価値観の浸透・醸成においてもオフィスの内装は欠かせない要素なのです。
オフィスの内装を考える際のポイント
「おしゃれな雰囲気のオフィスにしたい」という想いから、漠然とデザイン重視でオフィスの内装デザインを決めてしまっては、これまでにあげたような効果が薄れてしまう可能性が高くなります。
魅力的なオフィス内装を成功させるためには、いくつかのポイントをおさえたうえで内装デザインを考えていく必要があるのです。
ここからは、代表的な3つのポイントについて解説していきます。
目的の明確化
オフィス内装を考える際に、まずはじめにしなければならないことは、目的をはっきりと決めることです。
「何のためにオフィス環境を改善したいのか」「どのような効果を望んでいるのか」といったことを明確にしてから具体的な内装デザインやレイアウトを決めていかなければ、一貫性のないオフィスとなってしまいます。
一貫性のあるオフィス内装を実現するためには、具体的な設計に入る前に以下の3つのステップを踏むことをおすすめします。
- 従業員へのヒアリングを実施する
- オフィスのコンセプトを設定する
- メインカラーを決定する
まず従業員へ現在のオフィスや組織に関する課題やニーズをヒアリングすることで、新しいオフィスのコンセプトのアイデアを収集します。
そして、ヒアリング内容をもとに、新しいオフィスで実現させたい働き方や組織のあり方、または社内外に発信したいメッセージなどを考えていき、オフィスのコンセプトを設定します。
最後に、決定したコンセプトと、企業ロゴやブランドイメージを総合的に勘案して、内装に用いるカラースキーム(※)を作成します。
このカラースキームまでを決めておくことで、後の内装設計をスムーズに進めることができるのです。
(※)カラースキーム:「Color Scheme」色彩計画。色の持つ心理的・生理的・物理的な性質を利用して、目的に合った配色を行うための設計。
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コンセプトとの一致
オフィスの内装デザインとコンセプトが一致していない場合、オフィスの雰囲気やイメージがぼやけてしまい、統一感のないオフィスになってしまう恐れがあります。
オフィスの目的やブランドイメージを内装で表現するための基本的なアイデアとなるものがコンセプトですので、デザインはそのコンセプトを具現化するものでなければなりません。
コーポレートカラーを取り入れ、コンセプトに合った家具やレイアウトを採用することで、従業員に対してはもちろん、社外の訪問者やクライアントに対しても、企業のアイデンティティーやメッセージを明確に伝えることができるのです。
従業員の働きやすさ
オフィスの内装において、動線設計はデザインと同等に重要なプロセスです。
おしゃれで個性的なデザインのオフィスであっても、実際にそこで働く従業員が働きづらいと感じたり、仕事の効率が下がったりといったマイナス効果を生む内装では、意味がありません。
従業員がムリ・ムダなくオフィス内を移動できる動線設計は、仕事の効率アップ効果を生み、スムーズに仕事を進めることができる環境は、従業員のストレス軽減にもつながります。
快適で効率的な動線設計に加え、空間ごとに明確な目的を持たせたゾーニングも併せて意識することで、従業員がメリハリをつけて仕事に取り組める環境を構築することができます。
コンセプトが光る!おしゃれなオフィスの内装事例9選
魅力的で快適なオフィス内装を実現するには、コンセプトが重要な役割を果たすことを解説してきました。
ここからは、実際にコンセプトを効果的に内装デザインに取り入れ、魅力的なオフィス作りに成功している企業事例を紹介していきます。
日本オラクル株式会社

アメリカに本社を構える世界的なソフトウェア会社オラクルの日本法人である、日本オラクル株式会社が2018年にオープンした新オフィス「Oracle Digital Hub Tokyo」は、最新のテクノロジーと日本文化が絶妙に融合した独自の空間演出が特徴的なオフィスです。
墨絵が描かれた壁や枯山水の上を歩くフロア、掘りごたつの会議室からお茶室まで、徹底的に日本文化を取り入れる一方で、通話相手が3Dで映し出される3D Web会議システムやデジタルモニターを導入するなど、働きやすさや効率性を重視したテクノロジーが随所に取り入れられています。

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株式会社ユーザーベース

経済情報プラットフォーム「SPEEDA」やソーシャル経済メディア「NewsPicks」など、ビジネスに関する様々な情報プラットフォームを運営している株式会社ユーザーベースのオフィスは、ポストコロナ社会におけるオフィスの意味を再定義し、新たなオフィスのあり方を構築したクリエイティブな空間が特徴のオフィスです。
「共創」「熱」「象徴」をコンセプトに「街」をイメージした明るくオープンなフリースペースが目を惹くオフィスは、「人が集まり、創造性の高い活動をするための場所」と再定義した同社のメッセージを見事に具現化する内装となっています。

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SHE株式会社

女性の自由な働き方をサポートするため、Webデザインやライティングなどのクリエイティブスキルを身につけるキャリアスクール「SHElikes」を運営するSHE株式会社のオフィスは、女性ファッション誌のスタジオのようなガーリーなムードが特徴のオフィスです。
人との出会いや学びによってゆるやかに人生の色を変化させていくという同社の事業ビジョンを表現する「MAKE GRADATION」をコンセプトに、ピンクからブルーへのやさしいグラデーションをコーポレートカラーとして随所に取り入れることで、オフィス全体を優しい雰囲気で包む内装の実現に成功しています。

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株式会社FABRIC TOKYO

オンライン上でオーダーメイドスーツを購入できるサービス「FABRIC TOKYO」を運営している株式会社FABRIC TOKYOのオフィスは、ショールームのような明るい雰囲気の中、活発なコミュニケーションを促進する内装が施されているオフィスです。
「多様性を認め合い、それぞれが生き生きと過ごせるようなオフィスにしたい」という想いから社名の「FABRIC」に行動展示型動物園「ズーラシア」を掛け合わせた造語をコンセプトに掲げ、多様な交流が広がるオフィス空間を実現しています。

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ALH株式会社

システム開発やITコンサルティングなどのBtoB事業を多角的に展開するALH株式会社のオフィスは、開発会社には珍しい、自然素材を多く取り入れた温かみのあるアットホームな内装が特徴のオフィスです。
クライアント先に常駐しているエンジニアたちが「帰ってきたい」と感じる我が家のようなオフィスをコンセプトにした内装は、あえて空間を区切ることなくオープンスペースの中で複数のエリアがゆるやかにつながることで、従業員同士の気軽な交流が生まれやすい空間となっています。

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株式会社エムステージコミュニケーションズ

医師と病院のマッチングサービスや企業向け産業保険サービスなどの医療・ヘルスケア領域における様々なシステム・メディアの運営事業を展開する株式会社エムステージコミュニケーションズのオフィスは、昨今のトレンドに逆行する「遊びのない」内装が特徴のオフィスです。
多くのエンジニアが在籍する同社では、オフィス作りにあたり「従業員一人一人がプロとして集中して仕事ができる環境づくり」を最優先した内装を追求しています。
その結果「遊び心」を排除する代わりに、使用する家具やスペースには徹底してこだわりを貫いたことにより、ムダのないクリエイティブなオフィス空間の実現に成功しています。

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株式会社ヤプリ

プログラミング不要のアプリ開発事業を展開する株式会社ヤプリのオフィスは、4つのバリューとエリアごとのコンセプトを紐づけたゾーニングと内装デザインを施すことにより、他社のオフィスとの差別化に成功しています。
「感動体験の提供・再構築し続ける・カスタマーサクセス・チームドリブン」の4つのバリューを用いて、感動体験を提供するエントランスやチームドリブンを達成するカフェエリアのように、従業員がそのエリアを利用する度に自社のバリューを意識し行動するよう戦略的な内装デザインが施されています。

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株式会社イングリウッド

ファッション・化粧品・ヘルスケア領域のEC事業を展開する株式会社イングリウッドのオフィスは、海外で流行っている日本未上陸ブランドのライセンスを取得することも多い同社らしい「next coming(次に来るもの)」をコンセプトとしたスタイリッシュなオフィスです。
ホテルのようなシックなインテリアの中に、海外の次世代アーティストの作品がアクセントとなって配置された内装は、従業員の審美眼や創造性を刺激し、新たなフェーズへの挑戦を促すムードを生み出しています。

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ナレッジスイート株式会社

クラウド型ビジネスアプリケーション「Knowledge Suite」の開発・運営を行うナレッジスイート株式会社のオフィスは、クライアントである中小企業に対して「安心感」や「信頼」といった印象を与えることを目的とした内装が特徴的なオフィスです。
シェア拡大を図るうえで「IT業界=軽薄そう」というイメージが新規顧客獲得の妨げとなると考えた同社では、高級感のある格式高いオフィス内装にすることで、商談やデモで訪れた人に安心感を与える空間設計を追求し、統一感のある落ち着いたオフィスを実現しています。

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オフィスの内装は、その企業がどんな企業であるかを物語る鏡
オフィスの内装は、戦略的にコンセプトとデザインを考えて決めることで、社内の従業員に対してだけでなく社外の人々に対しても、企業のアイデンティティーやメッセージを伝えることができる重要なブランディングツールです。
しかしながら、そういった抽象的なコンセプトを内装デザインにどのように反映させるのが効果的であるか、社内のメンバーだけではなかなか最適解を見つけることが難しいと言えるでしょう。
そのため、コンセプトに合った内装デザインのオフィスを実現するためには、内装のプロによるサポートを受けることをおすすめします。