vol. 210   SHE株式会社
「人生のグラデーションを作れる場」に。 ミレニアル世代の女性を応援し続けるSHEがこだわりぬいて完成した、全国展開のスタート地点となる新拠点

ミレニアル女性の“私らしい働き方”を叶えるキャリアスクール「SHElikes」を展開するSHE株式会社。創業からわずか3年で受講者2万人越え。

昨年は世界の女性起業家のためのビジネスコンペティション「カルティエ ウーマンズ イニシアチブ」で、日本初のファイナリストとなった同社は、さらなる発展を遂げるために今年2月1日に新たな拠点である「SHE Ginza」をオープンさせました。

 

今回は、なぜ新拠点を作ったのか、そして新拠点で実現していきたいことなど、「SHE Ginza」に込めた想いを、代表取締役CEO/CCOの福田恵里さんにお伺いしました。

また、内装を担当された(株)コスモスモアの野田斉さん・(株)マチカラの飯田拓哉さん、そして物件の紹介をされた(株)オフィスバンクの小堀恵一さんにも、「SHE Ginza」に携わって感じたことをそれぞれの目線でお話いただいています。

さらに、「SHE Ginza」の全貌や、込められた想いを動画でも公開していますので、合わせてご覧ください。

2020年05月19日
Text by 古田 啓
Photo by 金田 亮

この記事を読むのに必要な時間は約 20 分です。

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福田 恵里さん (ふくだ えり)
1990年生まれ。大学在学中に、サンフランシスコ・韓国に留学。2015年リクルートホールディングスに新卒入社。ゼクシィやリクナビのアプリのUXデザイン担当を経て、2017年SHE株式会社を設立。2020年4月より代表取締役CEO/CCOとしてSHElikesの代表を務めている。

 

「SHE」の事業内容と、コンセプトについての思い

 

新CIと「SHE Ginza」設立への想い

 

―SHEが運営しているSHE likesの事業内容を教えてください。

 

福田さん

ミレニアル女性のためのキャリア&ライフコーチングスクールの運営をしています。
会員さんに“わたしらしい働き方”を叶えてもらうべく、それぞれのありたい姿を実現するためのスキルを見つけられるレッスンやイベントの企画・開催が主な事業内容です。

 

―具体的にはどのようなレッスンやコースがあるのでしょうか?

 

福田さん

実践的なレッスンとしては、Webデザイン、ライティング、広報・PR、事業開発、動画制作、マーケティングなどのコースを用意しています。

 

 

大学在学中には初心者の女性限定のウェブデザインスクール「Design Girls」を立ち上げた経験もある、福田さん。

 

―すでに受講者は2万人超え!本当に多くの方が参加していますが、ユーザーはどのような方が多いのでしょうか?

 

福田さん

ロールモデルが見つからず、「自分らしい働き方、生き方がわからない」とキャリアに悩むミレニアル世代の女性をターゲットにしています。
昨年コーポレートアイデンティティをリブランディングした際、私たちが今後どんなユーザーと向き合っていくかを大切に考えました。

 

―どのような方向性でリブランディングをされたのでしょうか?

 

福田さん

一つは、受け身ではなく、自分自身を変えていきたいという本気の覚悟がある人に対して、全力でサービスをしていきたいという私たちの想い。
もう一つは、自分はもう若くないから、など固定概念で自分自身の可能性を制限してしまっているミレニアル世代の女性に対して、その固定概念から解放してあげるリリースパートナーとして在り続けたいという想い。
この二つの想いを軸にSHEのコンセプトやCIを再検討しました。

 


▲CIの課題とSHEのイメージリサーチから着手。リサーチから出てきたSHEのイメージから、今のCIで表現できていない部分を中心に整理したという

 

―まず、コンセプトをどのように変えたのか教えていただけますか。

 

福田さん

いままでSHEには、スキルをつけるキャリアスクールとしての印象があったと思います。しかし、もっと大きな生き方の部分で、理想の自分を見つけようとしている女性たちの伴走者という意味で「ミレニアル ライフコーチング カンパニー」でありたい、と考えるようになりました。
そこで、年齢や職種の固定概念にとらわれている女性たちをその枠から解放するパートナーになる、ということを私たちの新たなミッションとして掲げることにしたんです。
「私は●●だから」と何かを定義することは、その可能性を狭めてしまうことになります。だからこそ「自分を定義しない(=「SHE is NO ONE」)」ことが、個々の無限の可能性を示唆するのではないかと考え、新しいコンセプトは、「SHE is NO ONE.〜だからこそ、何にでもなれる〜」としました。

 

―具体的に新しいCIへの落とし込みはどのように考えられたのでしょうか?

 

福田さん

コンセプトを基にした「個人の解放と成長を。行きたい場所にみんなを連れていく」というメッセージを表現するべく、“ライフコーチング〜人生の伴走者〜”を軸に、ロゴの造形を検討しました。
このロゴには、SHEに集う主人公がこれから歩んでいく山あり谷ありの人生に、私たちが伴走し、行きたいところへ連れていく、という想いが込められています。

 

 


▲S・H・Eは全てが意志を持ち、独立した個々人なので表記は大文字。さらに、一筆書きにしたのは良いときもあれば悪いときもある、という山あり谷ありの人生を表現するため。

 

―リブランディングのタイミングで、銀座に新拠点を持つことを考えられたのでしょうか。

 

福田さん

今回のリブランディングを通して、事業の在り方自体もリニューアルしたいと考えたとき、今の表参道のみの展開だと、全国にいる「自分らしい生き方をしたい」と思っている方々にサービス価値を提供しづらいという課題意識を持ちました。そこで、これから全国にその価値を提供していくべくスタート地点にもなる、新拠点「SHE Ginza」を作ることになりました。

 

「 SHE Ginza」のコンセプトは「MAKE GRADATION」

 

―「SHE Ginza」のコンセプト「MAKE GRADATION」はどのように生み出されたのでしょう?

 

福田さん

リブランディングの際に、ロゴの造形と一緒にSHEのコーポレートカラーも刷新しました。淡いピンクから水色のグラデーションを基調にしていたグラデーションを、水彩画タッチとより深みのあるカラーに変えることで、一辺倒の変化ではない人生の過渡期を成長していく様として表現することにしたんです。
「SHE Ginza」のコンセプトを「MAKE GRADATION」にしたのもその一貫で、「この場所で人生のグラデーションを一緒に作っていきたい」という想いを込めました。
人と人、アイディアと人がゆるやかに重なり合って、変化を生んでいき、人生における学びや出会いが生まれます。そういったすべての経験が私たちの中で積み重なり、命の色を濃くしていますが、その人生のグラデーションを一緒に会員さんと作れる場にしたいと考えました。

 


▲エントランスに描かれたコンセプトメッセージ。

 

―内装にもそのコンセプトがたっぷりと反映されていますよね。

 

福田さん

コンセプトに則り、「あなたとともに変化していく空間」という軸で内装を考えました。一人一人に個性があって、色がある。そして人と話したり、良い意味で競争することによって、自分だけのグラデーションが出来上がっていく。それが実現できるような仕掛けを随所に用意したく、内装をお願いした(株)コスモスモアの野田さんや、(株)マチカラの飯田さんにもたくさんのアイディアをいただきました。

 

―具体的にはどんなやりとりをされてきたのでしょうか。

 

福田さん

ただのおしゃれな「SHEっぽい」内装案ではなく、そこに集う会員さんにどんな体験をしてもらいたいか、どんな目的でこの空間を作るのかという部分を中心に、私たちの想いに寄り添って考えてくださいました。想いやこだわりが強かったのですが、それを受け止めて数々の提案をしてくださいましたね。

 

野田さん

福田さんをはじめ、SHEの皆さんは、世の中の女性が本気で目指しているものを支援する、という大きなビジョンに対してどう取り組むのか、というのがとても明確でした。その想いを受け取って形に落とし込む、というプロセスを大事にしたかったため、今回マチカラさんに一緒に取り組んでいただけませんか?とお声がけをしました。
単純に形として内装を構築するだけではなく、その場所をどう使うかのノウハウに長け、アイディアが豊富という部分で、強力なチームを築けそうだと思ったからです。

 


▲内装を担当された(株)マチカラ・飯田さん(左)と、(株)コスモスモア・野田さん(右)。

 

飯田さん

最初にSHEさんのオリエンを受けて、まず60ページの企画書を出したんですが、図面を描いたページはたった3ページ(笑)。ほとんどSHEさんの世界観を作るための手段を提案する内容にしました。

 

福田さん

その企画書がとても感動的で、内装チームへの期待値がグッと上がったのを今でも鮮明に覚えています!

 

飯田さん

「SHE Ginza」で何を実現させたいか、どんな価値を提供したいかがすでに明確だったので、その目的のためにどんな手段を用意すべきか、という話し合いを多く重ねましたね。一般的なオフィスの設計だと、週一の定例会議などで提案ベースの対話をしていきますが、今回は対面だけでなくチャットツールなども使い、かなり濃密なやりとりを重ねました。

 


▲内装はもちろん、家具のひとつひとつまでSHEの世界観で統一されている

 

―今回の拠点を作る上では、会員さんからのアイディアを集めたり、クラウドファンディングにも挑戦されたと伺いました。

 

福田さん

「SHE Ginza」を作るにあたって、運営側のメンバーだけでなく、SHEを応援してくださる皆さまと一緒に拠点を作りたいという想いが強くありました。ですから、SNSでどんな場所にしたいかのアイディアを募集したり、「Makuake(マクアケ)」でのクラウドファンディングにも挑戦しました。本当にありがたいことに、会員さまからはアイディアを100件以上いただき、クラウドファンディングでは目標額を何倍も上回る支援額を達成できました。歴代のコミュニティサービスの調達額日本一を記録できたことは、うれしかったですね。それと同時に、会員さんや支援いただいた皆さまの期待を強く感じる機会にもなりました。

 


▲会員さんたちから寄せられたSHEのコミュニティを活性化するユニークなアイディアは実に100以上!

 

SHE Ginzaのオフィスツアー

 

―では早速、「SHE Ginza」を見せていただきましょう!真新しいビルに入られたんですね!

 

福田さん

「SHE GInza」は、老舗デパート・銀座松屋の真裏にある新築ビルの3Fにあります。

 

―こちらの物件を紹介された小堀さんは、どんな意図があったのでしょう?

 

小堀さん

ブランドイメージをリニューアルして初めての拠点ということで、インパクトがある場所を紹介したいと思いました。銀座松屋という、銀座のシンボルにほど近い新築のこの物件は、SHEさんの新しい出発、そしてブランド発信にふさわしい拠点になる!と確信し、提案させてもらいました。

 


▲物件の紹介をされた(株)オフィスバンク・小堀さん。銀座の立ち上げ以前には、SHE表参道の物件紹介もされている。

 

エントランス

 

―エレベーターを降りてすぐのグラデーションの壁が目を引きますね!

 

福田さん

「SHE Ginza」のコンセプトである「MAKE GRADATION」をエントランスで表現しています。色合いにとことんこだわり、手書き塗装でオリジナルの壁を作ってもらいました。

 

飯田さん

SHEさんの強いこだわりの一つが、色の表現でした。実際に壁に塗る色を作っても、いざ壁に塗ると発色が変わってしまうこともあり、この点は苦労しました。色のサンプルは30種類くらい作り、試行錯誤しましたね。

 


▲手描きのあたたかみも感じられるグラデーションの壁は、インパクト大。

 

旅する本棚

 

―本棚には、いろいろなジャンルの本が並んでいますね。

 

福田さん

会員さんに、読み終わった本や、想いが詰まった本を持ち寄ってもらって完成する本棚、題して「旅する本棚」です。

 


▲ビジネス書はもちろん、小説や旅行本、トレーニング本まで様々なジャンルの本が並ぶ「旅する本棚」。

 

飯田さん

「MAKE GRADATION」というコンセプトを伺った際に、どうしたら会員さんたちの“コミュニケーションの重なり”のような、本質的なグラデーションが表現できるかを考えたんです。その中で、会員さん同士で本を貸し借りする「旅する本棚」の仕組みを思いつき、提案させてもらいました。「この人はこんな本に興味があるんだ」というコミュニケーションが生まれたらいいな、と思っています。

 

福田さん

一人一人読み終わったあとは、しおりに感想を書いてもらっています。本がいろいろな会員さんの手を渡り、旅をしながら変化していく仕掛けを会員さんに楽しんでもらいたいですね。

 


▲「SHE GInza」のオープニングパーティーでの一コマ。参加者全員が一冊ずつ本を持ち寄り、その本への想いをしおりに書いて「旅する本棚」へ。

 

ギャラリーウォール

 

―こちらのスペースは、何を展示されているのでしょうか?

 

福田さん

ここは、「ギャラリーウォール」と名付けていて、SHEの会員さんの卒業実績や、ポートフォリオが見られるようになっています。

 


▲会員さんが作ったWEBデザインや、企画書を見ることができるギャラリーウォール。

 

飯田さん

モニターや、タブレットを置くことで、会員さんが手がけたWEBデザインやコーディングの成果物を見ることができるスペースを作りました。印刷物などの、実物も置けるようになっています。

 

福田さん

会員さんが手がけたものの“見える化”をすることで、お互いの刺激やモチベーションの向上になることを目的としています。

 

ミーティングスペース

 

―ミーティングスペースは2部屋ありますが、どちらも扉はなく、オープンな空間なのが印象的ですね!

 

福田さん

利用する運営メンバーと会員さんの間でもグラデーションが生まれやすいようにあえて仕切りは設けませんでした。壁の色が可愛いのでイベントの際にはフォトスポットとしても活用しています。

 


▲2色のコンセプトカラーをそれぞれに使ったミーティングスペース

 

カウンターキッチン

 

―大きなカウンターキッチンは、とても開放的な雰囲気ですね。

 

福田さん

「ちょっと疲れたな」「集中したいな」というような時に、皆さんがリフレッシュできるようなカフェスペースが作りたかったんです。

 

飯田さん

コーヒーやお茶はもちろんのこと、たまにはお酒も出せるような空間をイメージしました。せっかくカフェスペースを作るのであれば、“Well-being”なものを置くのはどうでしょう、と提案させてもらい、体にやさしかったり、気分が上がるものを提供するのにふさわしいスペースを目指しました。

 

福田さん

会員さん同士が気軽にコミュニケーションをとれるようなスペースになったらいいなと思っています。

 

 


▲大きなカウンターキッチンは、社員のコーヒータイムにも大活躍

 

今後の展望

 

―「SHE Ginza」を皮切りに、様々な展開が期待されるSHEさんですが、今後の目標なども教えていただけますか?

 

福田さん

場所や時間にとらわれず、理想の生き方を実現するということをゴールに、オンラインとオフラインのハイブリッド型でサポートしていきたいと考えています。
私が地方出身ということもあり、地方と都市部の情報格差や、女性のキャリア進出へのギャップというところに、課題意識が未だ強くあります。また、女性の社会進出や権利にジェンダーギャップがあるのは日本だけではなく、固定概念に縛られて自分の可能性を閉じ込める現状というのは、世界共通です。
ですから、自分らしく生きたいと思うすべての女性に価値提供するために、今後は全国展開、延いては世界への展開を見据えて、サービスを拡大していきたいですね。
そしてSHE likesを通して、新しい自分を知ったり、一緒に頑張れる仲間に出会えたり、それぞれが人生のグラデーションを濃くしながら、成長しあえる空間であり続けたいと思っています。

 

―最後に、「SHE Ginza」はどのような場所でありたいですか?

 

福田さん

会員さんが、「どこよりも自分らしくいられる場所」であってほしいと思っています。
コミュニティとして大切にしていきたいのは、「Give」しあえる環境であることです。コミュニティを強くするひとつの要素に自己貢献感があると思っているので、その人にしかない知見や、アイディアを、それぞれがコミュニティに還元しながら、その総和を大きくしていけるような場でありたいですね。

 

 

category : オフィス取材

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この記事を書いた人

IBASHO編集部

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