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オフィスの敷金・保証金償却に注意!初期費用と返還される項目まとめ

オフィス入居に発生する初期費用一覧と相場

どういった名目、目的で費用が発生するのか、その費用は将来的に返還されうるものなのかや、発生する費用相場などについて解説します。
 
新たなオフィスを契約する場合、以下のような費用が発生します。 

敷金・保証金

先述の通り、家賃の遅滞や入居者による物件の破損・汚損時に備えた修理費用を予めオーナーに預ける性質の費用です。
 
相場としては比較的小さなオフィスで3~6ヵ月分、大規模なオフィスであれば6~12ヵ月分が相場です。新しいオフィスや高級オフィス、一等地のオフィスなどの場合、求められる敷金も高くなる傾向にあります。

礼金

 入居に際してオーナーに支払う、物件を賃貸してもらうことに対するお礼として支払う費用です。大規模なオフィスビルにおいては発生するケースは少ないですが、個人や小さな法人がビルオーナーの場合は設定されているケースもあります。
 
相場としては賃料の1~2ヵ月程度です。
 
また、礼金自体は項目に記載がなくても敷金・保証金の償却分が実質礼金に当たるケースもあるため、契約の内容をよく確認しましょう。

火災保険料

 契約にあたって入居者が負担する火災保険料です。相場としては年間1万円程度と比較的安価ですが、毎年更新される費用です。

保証委託料

 オフィスの契約にあたって連帯保証人、もしくは保証会社への委託を求められるケースがあります。
 
保証会社に委託する場合保証委託料として賃料1ヵ月分の費用が発生します。

前家賃

 前家賃は入居前に予め支払う家賃です。最大で1ヵ月分ですが、月の途中での入居となる場合は日割り分のみの請求となるケースもあります。

仲介手数料

オフィスの賃貸契約においてはオーナーと直接交渉できるケースもありますが、基本的には仲介会社を通しての契約が一般的です。
 
この場合、成約した際に入居者側から仲介手数料として家賃一か月分が支払われるのが相場です。 

引っ越し費用

 前のオフィスから引っ越す際の費用です。相場としては社員1人あたり3~5万円程度ですが、距離や荷物の量、引っ越しの時期などによっても変動します。

内装工事費用

居抜き物件など、そのままでも業務に使えるような状態でない場合、自社で内装工事を行った上でオフィスづくりをする必要があります。
 
相場としては、50坪以下の場合には1坪あたり5~10万円程度、50坪以上の場合には1坪あたり10~15万円程度です。
 
近年、オフィスに高いデザイン性の高い内装工事を施すのも人気ですがその場合最初の内装工事で費用高くなる傾向にあるだけでなく、将来的に原状回復工事を行うにあたっても費用がかかることも認識しておきましょう。

敷金・保証金の償却で発生しがちな金銭トラブルと回避方法

オフィスの契約にかかる費用は複雑かつ多岐にわたるため、相互の認識不足によりトラブルつなるケースも少なくありません。
 
そういった中でも特にトラブルとなりやすい事項の一つが敷金・保証金の償却ですが、具体的に想定されるトラブルと共にその対応策も説明します。 

全く認識のない敷金・保証金の償却があった

償却について正しい理解や自社の契約においてその特約がある認識がなかった場合、いざ敷金・保証金が返却される段階において金額の認識の相違から償却の特約が発覚し、トラブルとなるケースが想定されます。
 
しかし、そもそも契約時に特約として明記されている償却については原則として有効であり、仮にそうった特約がなければ償却は無効です。
 
契約の内容について双方に認識があれば避けられる事態なので、そもそも契約時に事前に確認すること、仮に現在契約中のオフィスに関して認識がなければ改めて契約の内容を確認することが求められます。 

礼金と敷金・保証金の償却が二重払いである

礼金を支払ったにも関わらず、償却について特約の記載があり、二重払いとなることについてトラブルとなる可能性があります。
 
しかし、礼金と償却は入居の際、初期費用として払う金銭である点や、変換されない点など共通点は多いですが、法的には扱いが異なるものです。また、それぞれ単体では現行法上合法とされている費用です。
 
従って、契約で定められた内容である限りにおいて、あまりに入居者側に負担を強いるような内容であることが法的に認められない限り、有効とされる可能性が高いです。 

設定されている償却の金額があまりにも高額である

償却の認識自体はあっても、その金額があまりにも高額であり不合理であると入居者が考えた場合、トラブルとなる可能性があります。特約については言葉通り「特別に定められた約束」であり、原則としては両者が合意している限り有効です。
 
仮に、極端な例ですが償却の範囲が「家賃10か月分」「保証金の90%」など相場とかけ離れた特約があった場合、特約の無効を求めて訴訟を提起する余地はあるかもしれません。
 
ただし、オフィスの契約は事業者同士の契約であり、両者が相応に判断力を持った上で契約を結んでいるという前提があることから、意図的に隠された虚偽の説明があったなどの事情がない限り、一般消費者(賃貸契約においては居住用物件に住む入居者)と比較すると保護される余地は低いとされます。
 
やはりそもそも契約時に特約について慎重に確認すると同時に、既存のオフィスの契約についても償却の特約がないか、あるとすれば相場を逸脱した条件でないかを確認し、問題がありそうな場合は早めに交渉に動くなどの姿勢が求められます。

まとめ

敷金・保証金の償却を中心にオフィスの賃貸契約で発生しうる項目についてまとめ、起こりうるトラブルや回避策についても紹介しました。
 
オフィスの契約においては期間が長期にわたりがちで担当者が交代する可能性があることや、仲介会社を挟むことで適切な説明がなされないことなどがトラブルの原因となるケースもあります。
 
入居者の側が正しい知識を持った上で、事前にオーナーと合意を得ることが回避策にもなりうるため、ポイントを抑えておきましょう。

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