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自由度の高さが魅力!スケルトン物件のメリットとデメリットとは

スケルトン物件 オフィス

オフィスを移転する際や新しく店舗を出店する際に物件を見ていると「スケルトン物件」という言葉を目にしたことはないでしょうか。この「スケルトン物件」、どのような意味か知っていますか? 今回は「スケルトン物件」のメリットやデメリット実際に借りた際の注意点についてご紹介します。

スケルトン物件とは

「スケルトン」とは、建物内に床・壁・天井・内装などが何もなく、「躯体だけの状態」のことを指します。簡単に言えば「コンクリートが打ちっぱなしの状態」ですね。

契約した後、内装工事を行うことになるかと思いますが、後々解約し、その物件を手放す際には契約前の状態に戻す必要があります。このことを「原状回復」と言います。内装を全て撤去し、契約前の状態に戻した状態が「スケルトン物件」となります。

居抜き物件との違い

もう一つよく見るワードとして「居抜き物件」というものがあるかと思います。これは「スケルトン物件」が、内装も何もない状態であるのに対し、「居抜き物件」は、前の借主が使っていた、壁や天井、パーテーション、テーブル、椅子などの什器、空調、厨房設備などがそのまま残っている物件のことを指します。

「居抜き物件」を選択した場合、同業種・同業体の場合は初期コストが抑えられるメリットがありますが、全く別業種の場合には解体費用がかかってしまうことになるでしょう。このように「スケルトン物件」と「居抜き物件」では、工事にかかる費用や期間が大きく変わってしまうケースがあるので、それぞれの違いを正しく把握しておく必要があります。

スケルトン物件のメリット

では、スケルトン物件を選択した場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。

レイアウトの自由度が高い

オフィス取材vol.25株式会社ミクシィ

そもそも、何もない状態からスタートするので、何と言っても好みに合わせて自由自在にカスタマイズできることが挙げられるでしょう。

入居時の内装工事では、現存している壁や設備の位置を気にしないで、設備や間取りを自由にプランニングできるでしょう。また、あえてコンクリートや配管を内装材で覆ってしまわず剥き出しにして、インテリアの一部にする、という方法も利用できます。

物件の選択肢が豊富

飲食店の賃貸物件を選ぶ際、一般的に1番多いのがスケルトン物件。そのため、物件を選ぶ時に選択肢が豊富になり、選びやすくなるでしょう。選択肢が豊富になった方が、より立地や築年数などにこだわったテナント選びができるようになります。

設備管理がしやすい

居抜き物件の良さでありデメリットでもあるのが、残された空調や厨房機器などの設備。一から用意しなくても付いているのは、一見初期費用を抑えられるのでメリットだと感じるでしょう。しかし、それらの設備に関する取扱説明書や保証書が管理されていなかったり、いつ購入したもので、いつがメンテナンス時期なのかわからないといった問題が発生する可能性があります。

一方、スケルトン物件で一から新規の設備を導入する場合、取扱説明書も保証書も揃い、メンテナンス時期も把握できるでしょう。また、万が一故障した場合でも、保証期間内であれば、費用をかけずに早期修復などの対応が可能です。このようにスケルトン物件の方が、設備の管理がしやすいというメリットが挙げられるでしょう。

前テナントのイメージを引き継がなくて良い

居抜き物件の場合、前の店舗の内装や外装がそのまま引き継がれることになります。となると、良くも悪くも前テナントのイメージも引き継いでしまうことになりますよね。この場合、新規オープンの宣伝をあまりかけなかった場合、新しい店舗ができたということすら認知が広がらない可能性もあるでしょう。

また、以前入っていた店舗が流行っていない、美味しくない、サービスが悪いなど、マイナスイメージのあるテナントだった場合、それらの悪いイメージすら引き継いでしまう可能性があります。スケルトン物件であれば、内装や外装を心機一転することができるので、このような前店舗のイメージを引き継がなくて良い、というメリットがあるでしょう。

スケルトン物件のデメリット

オフィス

では、反対にスケルトン物件にした場合のデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

内装工事費用がかかる

内装を一から作り上げなければならないので、やはり初期費用は大きくかかってしまうことになります。

居抜き物件であれば、足りないものを追加するだけで準備を済ませられます。しかし、スケルトン物件の場合は、内装、外装、水回りや空調工事など、全て一から行う費用がかかってしまいます。飲食店の場合、スケルトンからの工事費は、相場でいうと坪当たり最低35万円は覚悟しておく必要があります。

好きなデザインにできるというメリットでもありますが、スケルトン物件でオフィスや店舗をオープンさせる場合には、高額な初期費用がかかることを計算しておかなければなりません。

店舗オープンまでに時間がかかる

スケルトン物件の場合、内装工事だけでなく、電気や水回りの工事も必要になるため、居抜き物件に比べて工期が長くなってしまいます。そのため、店舗オープンまでに時間がかかるというデメリットが挙げられるでしょう。

デザインの打ち合わせから、実際の工事と準備を含めると、3ヶ月から長ければ半年かかることもあります。しかし、その間も賃貸契約期間内であるため、売上が0円でも賃借料だけが発生することになるのです。

原状回復費用がかかる

スケルトン物件を退去する際、原状回復工事を行う必要がある物件がほとんどです。退去時には、借主が内装を入れてカスタマイズした部分は、すべて借主が負担して撤去しなければならないのです。この原状回復工事も非常に高額になるケースが多いと言えるでしょう。

スケルトン物件を選ぶときは、退去時の原状回復規約についても確認しておくことが重要です。中には居抜き物件として残しても良い、という物件もあります。

スケルトン物件の注意点

以上のようなメリット・デメリットを把握した上で、スケルトン物件を契約する際の注意点についても押さえておきましょう。

原状回復工事の必要範囲

デメリットの部分で、退去時には原状回復工事が必要だと述べましたが、この「原状」がトラブルの原因になりやすい部分。貸主が考えている「原状」と借主が考えている「原状」が食い違い、原状回復工事時にトラブルに発展するケースがあります。

そのような事態を防ぐためにも、まず契約前は契約内容を確認し、どこまでが「原状回復範囲」かを押さえておきましょう。また、原状回復工事の責任が貸主なのか借主なのかという点についても確認が必要です。内容によっては借主が負担せず、貸主の費用で工事をするべきケースもあります。損をしないためにも契約内容の把握は慎重に行いましょう。

退去期間について

契約書には、退去日についても記載があるはずですので確認しておきましょう。広さや設備内容にもよりますが、通常原状回復工事期間には1〜2週間必要です。

つまり、退去日から逆算すると遅くとも2週間前には原状回復工事の着工が必要。業者と見積りをすり合わせるのは、1ヶ月前までには完了させておくべきだと言えるでしょう。

事業にあった物件選びを

OL オフィス

今回はスケルトン物件を選ぶ際のメリットやデメリット、注意点についてまとめました。

やはり、スケルトン物件の1番のメリットは、自分の好きな自由度の高い内装にできるところにあるでしょう。しかし、費用面と合わせて考えなければならない点も多数あります。スケルトン物件にも居抜き物件にもそれぞれメリットやデメリットがあるので、よく把握した上で事業内容にあった物件を選べると良いですね。

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