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会議室にこれから求められる役割は?必要な機能とデザイン

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近年、仕事の仕方、オフィスの在り方も時代のニーズと共に変化しています。フリーアドレスやテレワークといった働き方が浸透するにつれて、従来必要不可欠であった会議室の重要性は低下しているように感じるかもしれません。
しかし、会議室を利用しなければならない頻度そのものは減少傾向にあるものの、会議室がオフィスの中で果たす役割は依然として重要です。それどころか、働き方が変容していくからこそ会議室の求められる役割も変化していきます。
今回は改めて会議室の役割に関して、これから求められる需要も踏まえながらあらためて解説するとともに機能や、こだわりの会議室実例についてもまとめていきます。
会議室の機能やデザインを考えるにあたり参考になると思いますので、ご一読ください。

2021年05月19日


この記事を読むのに必要な時間は約 17 分です。

会議室はこれからの時代にもさらに重要になる

 

 

今後、リモートワーク・テレワーク需要の増加を受けて、出社の必要性自体が減ることが予測されます。必然的に会議室の利用頻度そのものは減少していくかもしれません。

 

しかし、実は2021年5月現在、会議室の利用が増えている企業も少なくないようです。元来、直接訪問で行われていた商談を自社の会議室で行うといった事例が増えているのも大きな要因の一つのようです。

 

取引先との重要なオンライン会議にあたり秘匿性の高い空間、安定した回線品質、充実したファシリティなどを求める需要から、接続先としてオフィスの会議室が好まれるといったことは当然に考えられます。
このように、利用頻度そのものは減っても、また時代の流れに則した新たな役割が会議室の中に与えられるケースも当然想定されます。

 

主に
・リモートでのミーティングに適した環境としての利用
・あえて場を設ける必要性の高い環境としての利用
という2つの方向から会議室の重要性自体はさらに増してゆくでしょう。

 

会議室が社内のミーティングで大切である理由

 

 

テレワーク需要に加え、近年はフリーアドレスのようなオフィスレイアウトが増えてきていることや、座席そのものは固定でもフリースペースを充実させているオフィスも増えてきています。

 
それに伴い、会議室がなくともカジュアルにミーティングが行える環境になってきていますが、だからこそ会議室に求められる役割も変化しているともいえます。
社内において、あえて会議室が求められるようなシーンについてまとめていきます。

 

秘匿性の高い会議を行うスペースとしての役割

 

フリースペースなどでカジュアルにミーティングができること自体は望ましいことであり、社員同士のコミュニケーションを活発にする必要がある場合には、そういった場の方が向います。

 
しかし、例えば1on1で上司と部下が会話するようなシーンや、社内でも一部のメンバーの間でしか共有されていない秘密のプロジェクト、重要な顧客情報を扱う案件などはオープンスペースでの議題としてはふさわしくありません。
議題によっては秘匿性の高い空間での議論が行われる必要があり、そういった意味で会議室の持つ意味は大きいと言えるでしょう。

 

気分を切り替えるスペースとしての役割

 

凝ったデザインの会議室は気分を切り替える場としても有効です。たとえば、ブルーやホワイトを基調とした色合いや木目調のデザインなどの空間は「癒し」を与えてくれるため、リラックスした議題などに向いています。

 

逆にイエローなどの刺激色のニュアンスが強いスペースであれば、真剣な議題、集中したい議題などに向くケースが多いでしょう。
そういった会議室ごとの気分の切り替えといったものも仕事のモチベーションに少なからず影響します。議題の内容や重要度に応じてどの会議室を使うか、もしくはフリースペースで行うかといった使い分けも意識の切り替えにも繋がりメリハリがつきます。

 

会議室が社外とのミーティングで大切である理由

 

 

社外とのやり取りこそ、外部状況によってはリモートで行うことが奨励されるケースも想定され、今後も増えていくかもしれません。
しかし、だからこそあえて来社での対面のミーティングには一層の特別の意味を持つとも考えられます。
今一度、社外とのミーティングにおいて会議室が果たす役割の意味について考えてみます。

 

特別な会議室で迎えることで、相手への敬意・誠意を表す

 

かつてはビジネスの慣例上、直接訪問すること自体が一つのマナーと捉えられていました。しかし近年は時代の需要もあり、社外とのミーティングもオンラインで開催することが可能であるどころか、むしろ求められることすらあります。

 

そのような情勢下であえて来社して行われるようなミーティングには相応の目的があるケースが大半です。わざわざ出向いてくれた訪問者に対して、相応の空間を用意して迎えるということは自社から訪問者への敬意・誠意を表すことを意味します。

 

この時代にあえて来社してもらうことに対して訪問される側もそれを受けて対応することでお互いの敬意が現れ信頼関係にも繋がりえます。

 

訪問者に対して自社の印象向上を狙える

 

訪問者にとって、「会社の印象」を決定づける要素の内、もっとも大切なのは人ですが、次で重要になってくるのが会社の空間や雰囲気です。

 

企業の「第一印象」ともいえる場はエントランスですが、その後案内される会議室、応接室といった場は、いわば第二印象。第一印象で与えた好感度を決定づけたり、もしそこで何かしらのマイナス評価を受けるようなことがあれば、挽回する場でもあります。

 

こだわりを反映した空間でミーティングを開催することにより、自社のセンスや遊び心といった要素をアピールすることができ、会議室に単なる会合の場以上の意味を持たせることも可能です。

 

会議室という空間を用いて自社のブランディングを行う

 

単に誠意・敬意や自社のセンスをアピールするというだけでなく、会議室という空間を用いた自社のブランディングも可能です。
つまり、「単に居心地の良い、お洒落な空間にする」というだけでなく、その会議室のデザインコンセプトの中に企業理念や企業のビジョンを何らかの形で反映することによって、その会議室の好印象を企業のブランディングそのものに結び付けていくことで、より深い印象付けができます。

 

こういった空間を用いて、企業理念・ビジョンを表現するブランディング手法はエントランスでの実践も有効ですが、エントランスと会議室で何らかの一貫性を持たせることにより、相乗効果を生み出すことも期待できます。

 

改めて確認したい、会議室に求められる機能

 

会議室に必要と思われる機能について改めて簡単にまとめます。必ずしも全ての企業にもしくは全ての会議室に必要な機能とは限りませんが、自社のニーズを考えながら取捨選択してみてください。

 

・高いセキュリティ
重要な議題やプライバシーに関わる問題などを扱う場においては高いセキュリティ機能が求められます。
防音に優れているのは当然のことながら、不特定多数の出入りが行われるようなエントランス付近などはそもそも高セキュリティが求められる会議室の場所としてはふさわしくないかもしれません。
また、最近はデザイン性や開放感から透明な壁の会議室も流行していますが、重要な議題を扱う場においては高いセキュリティのある空間が求められます。

 

・プレゼンテーション機能
場によっては、相互のコミュニケーションよりも話者が明確であるプレゼンテーションが行われる機会もあるかもしれません。
そういった機会を重視する会議室にはスクリーン、プロジェクター、音響設備に加えて、聞き手がプレゼンテーションに集中しやすいような採光も含めた部屋の間取りも重要になってきます。

 

・ビデオカンファレンス環境
近年はリモート会議の需要の増加により、オフィスから複数のメンバーが参加する必要のあるようなミーティングも増えています。
複数拠点を同時接続しても映像・音声の品質が落ちないことや、資料共有などの機能が充実したビデオカンファレンスの環境が整っている会議室も今後さらに需要が増していくことが予測されます。

 

・ホワイトボード / 電子ホワイトボード
ホワイドボード、もしくは電子ホワイトボードなども会議室に備えられていることでその場の効率を大幅に向上させうる備品です。
少人数でのセミナー形式での場で説明書きなどに活用できるのはもちろんのこと、アイディア出しなどで意見をまとめるにあたっても、全員が共通して視覚的な整理ができるため、重宝します。

 

会議室の設計にあたって検討すべきポイント

 

 

会議室の必要性や求められる機能について整理しましたが、改めて会議室を設計する上で検討すべき論点について改めてまとめていきます。

 

会議室の個数や適切なサイズ

 

会議室の役割は重要ですが、利用頻度そのものや、求められる会議室の広さは今後減っていくことが想定されます。
自社にどういった会議室がどの程度の個数必要なのか、改めて検討することでリソース活用の最適化を行うことができます。

 

使われている頻度の低い会議室のスペースが数多くあるようだと、オフィスの賃料が余計にかかる原因にもなりえますが、一方でリソースを削減しすぎた場合、会議室が不足することが業務の停滞や従業員満足度低下を招く可能性もあるため、少し余裕をもったシミュレーションを行ったほうが良いかもしれません。

 

会議室に必要な機能の取捨選択

 

これまで説明してきた通り、会議室の役割はその目的によって異なります。自社の会議室に求められる機能や設備などをよく吟味した上で、必要な手配を行うことが求められます。

 

会議室の予約システム

 

一定以上の社員数を抱える企業の場合、予約システムを整えることにより、状況に応じて必要な会議室を適切に効率よく社員が利用できるようになります。

 

また、運用上の「利用するかわからない会議室をとりあえず予約する」(カラ予約)といった利用に対してはキャンセルのルールや何らかのペナルティを設けることで対応するといった施策も求められる可能性があります。

 

例えば、SmartRoomsという会議室予約システムを導入することで、社内で利用しているグループウェアと連携させながら、カラ予約の会議室を自動キャンセルすることで、効率的な会議室の運用を行うことができます。

 

会議室の不足時は会議室を「追加」する選択も

 

現実的な問題として既存のオフィスレイアウトで会議室増設が難しく、会議室の不足に悩んでいるケースもあるかもしれません。
取り急ぎの解決策としては以下のようなものが考えられます。
 

・近隣の貸し会議室を利用する
会議室の不足が一時的なものであれば、近隣の貸会議室を利用することで解消できる可能性があります。

 

・オンライン会議用の小さなブースを増設する
オンライン会議を主とするような会議のためのスペースであれば、個室を利用しなくてもある程度の防音性のブースを用意すれば事足りる可能性もあります。
ブースであれば、少しの空きスペースがあればパーテーション等の設置で対応が可能なので、費用や空きスペースもそれほどかからず増設することが可能です。

 

・オンライン会議への参加を主目的とした「電話ボックス型会議室」を設置する
1人用、もしくは1on1に適した2人用の「電話ボックス型会議室」を設置するといった手法も考えられます。若干のスペースは必要ですが、内装工事も不要なので手軽かつ比較的安価に秘匿性の高いスペースが用意できます。
また、サブスク型でレンタルするようなサービスも存在するため、必要な時だけ設置し、不要になったら解約する形をとることでスペースも予算も有効に活用することも可能です。

 

慢性的に会議室が不足し、業務に支障が出るようであればオフィスのレイアウトそのものの再考や移転なども検討しうるかもしれません。

 

機能とデザインを兼ね備えた会議室の実例4選

 
実際に、機能性、デザイン性に優れた会議室について、実例に解説を交えながら紹介していきます。

 

ココザス株式会社

 

 

 

個人向けに資産形成に関するサービスを展開する株式会社ココザスではコーポレートカラーの「ブルー」と「オレンジ」をそれぞれ会議室の採用しています。
ブルーを基調とした会議室は爽やかで落ち着いた空間を、オレンジを基調とした会議室は情熱的でクリエイティブな空間を演出しています。

 

企業理念「ワクワク、生きる」が社員に伝わるオフィスに。ココザスの新オフィス

 

株式会社Loco Partners

 

 

 

高品質なサービスを展開するホテル・旅館の予約サイト「Relux(リラックス)」を事業として扱う株式会社Loco Partnersでは、まるで高級和室の一室のような会議室を展開しています。
上質な空間・体験の提供をサービスのコンセプトとする企業のビジョンやサービスとの親和性も高いオフィスづくりをしていると言えるでしょう。
また、会議室に掲げる標語の「ONE TEAM」は同社が掲げる「5つのバリュー」のうちの一つ。室内にさりげなく掲げられていることにより、社内にも社外にも好影響が期待できそうです。

 

「まるで旅館⁉︎」な和テイストの会議室も。“街道”でつながるLoco Partnersのオフィス

 

株式会社Photosynth(フォトシンス)

 

 

 

 

IoTでのセキュリティソリューションなどを手掛ける株式会社Photosynth(フォトシンス)の会議室は、会議室スペースにランダムに並んでいます。

 

一見空間のスペースを余計に取る非効率なレイアウトですが、このスペースは会議室を「細胞」、合間のデッドスペースを「細胞の間の水が流れる道」と位置づけた空間デザインがなされています。
社名にもなっている、「光合成」の中で細胞(会議室)が「新しい何かを生み出す」機能として活用される願いが込められています。

 

会議室=細胞、ライト=葉脈⁉︎「光合成」をテーマにした、フォトシンスのオフィス

 

株式会社カラック

 

 

 

博報堂グループの株式会社カラックでは2022年6月にビルの閉鎖が決まっている中で、現在のオフィスを「次のステージに進むための『停泊地』」と位置づけ、オフィスをデザインしています。
木目調の落ち着きにシンプルな会議室ですが、部屋の名前に「Steamship(汽船)」「Pier(埠頭)」「Tetrapod(テトラポッド)」「Anchor(錨)」など、海や港にちなんだ名前をつけることで、世界観を出しています。
また、中央に置かれたシンボルツリーはデザインとして役に経ちつつ、奥の執務スペースを覆うセキュリティの機能も持っています。

 

2年後の船出に向けた「停泊地」。コミュニケーションに重きを置いた、カラックのオフィス

 

まとめ

 

 

今後、オフィスの会議室の稼働率そのものは減っていくかもしれません。しかし、新たな働き方が浸透してくる中で、会議室は

 

・リモート会議を含め、セキュリティの高い環境で開催したい会議をする空間
・特別な意味を持たせたい会議をする空間
・訪問者に対して自社のブランディングを行う空間

 

といった意味合いを強く持っていくことでしょう。会議室の設置状況、稼働状況により業務効率、働いている社員のモチベーション、対外的な信頼関係などに影響を及ぼすことも十分想定されます。
自社にとっての必要性を見極めながら、機能面・デザイン面に優れる会議室を整えることは今後の働き方にとって一つのキーポイントになる可能性もあるため、意識した上で会議室の在り方を再考してみてください。

 

この記事を書いた人

IBASHO編集部

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オフィスで働くことをもっとたのしく・働く場所としてもっと快適に。「はたらく人を幸せにするメディア」IBASHOを運営しています。
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