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内装会社のオフィスが気になる!vol.1 イルミナ『Design Studio』ができるまで

オフィス移転やリニューアルの際に、どのような内装にすべきか悩まれる方は多いと思います。
オフィス内装のプロである内装会社は、自社のオフィスづくりにおいてどのような想いで、またどのような流れで内装づくりを進めていったのか?
今回は、2023年11月にオープンした株式会社イルミナの『Design Studio』をご紹介します!
目次
Step1.内装コンセプトの決定「Ode illumina」
オフィスをどのような内装に仕上げるかの方向性を決めるうえで、コンセプトの設定は非常に重要なプロセスです。
課題とDesign Studioに求めることを洗い出し
最初に現状の課題を洗い出すことで、新たなオフィスにどのような役割や機能性を持たせるかを明確化しています。
イルミナでは、オフィス内装を手掛ける会社として「イルミナらしい世界観」を表現する場がなかったことが課題として挙げられました。そこで、『Design Studio』には随所に「イルミナらしさ」をちりばめ、人々の心にあかりを灯す空間となることが求められました。
また、高いデザイン性・機能性を持たせながら、情報共有のしやすさや生産性向上という観点も含め、『Design Studio』が「集まりたくなるオフィス」となることも目指しました。
コンセプトの決定
『Design Studio』の内装コンセプトは「Ode illumina」。【Ode】は自らの内面的な感情や思想を表現し、人々に伝える”詩”を意味します。「人」と「はたらく」の未来を照らすことをミッションに掲げるイルミナならではの想いが詰まったコンセプトとなっています。
Step2.デザイン設計
ここでは、Step1で定めたコンセプトをもとに、図面を起こしていきます。
ゾーニング・レイアウト作成
はじめに、空間全体を「どのような構成にするか」を決めるゾーニングを行います。『Design Studio』への要望にも挙がっていた「集まりたくなるオフィス」を実現すべく、広いコミュニケーションスペースとして気軽に立ち寄れるバーカウンターなど、スペースの半分にオープンワークエリアを設けました。

ゾーニングにあわせ、センターテーブルやバーカウンターといった什器の配置も決めていきます(レイアウト)。
インテリアイメージの策定
ゾーニング・レイアウトができたら、コンセプトに合わせたインテリアイメージを策定していきます。
「イルミナらしさ」の表現として、はたらく場所を明るく照らすオブジェのようなシンボリックな照明をオープンスペースの中央に設置。外から見える位置になるため、窓の外から見たひとの印象に残るような工夫となっています。
また、バーカウンターはパートナー企業やグループ会社といった、自社の従業員以外の方でも気軽に訪れやすい雰囲気にすることで「集まりたくなるオフィス」を目指しました。ラウンドソファとも一体感のある色合いで、全体的に心が落ち着く印象です。

他にも、スケルトン天井ならではの音の反響を抑えるために吸音パネルを吊りながらも意匠性を保ったり、作業効率の上がる広いカウンターを設けた大容量の壁面収納など、機能性とデザイン性を兼ね備えたデザインイメージになりました。
Step3.内装工事
内装デザインが固まったら、いよいよ施工に移ります。
塗装工事
まずは、塗装工事(部屋の印象を左右する重要な部分である壁や天井に塗料を塗る作業)です。塗装は、クロス仕上げにはない風合いが独特ながらもおしゃれな印象を与えるとして、店舗や住宅の仕上げでは人気が高まっている仕上げです。補修・塗り替えのしやすさがしやすく、さらには廃材が出ないという点も塗装仕上げの魅力の1つです。
『Design Studio』では壁面にのみ塗装仕上げを施し、天井はスケルトンをそのまま活かすことで、コストを抑えつつ開放感のある仕様にしています。

電気・照明・通信工事
次に、電気・照明・通信工事を行いました。この工事では、コンセントや照明などの電気設備に加え、インターネット回線やLAN工事、ネットワーク機器の設置などの作業も含まれます。
天井に配線を巡らせることが多いのですが、『Design Studio』はスケルトン天井なので、見た目としてきれいに収まるよう配線には苦戦したそうです。

床工事
続いては床工事。『Design Studio』では一番シンプルな直床にし、床材はオープンワークエリアは木目のシートを、デスクが並ぶワーキングスペースにはタイルカーペットを選択しました。

造作工事、造作家具の搬入・設置
『Design Studio』で最も目を引く、バーカウンター上のルーバーは、天井からアンカー吊りで設置しています。
また、バーカウンターとラウンドソファは、イルミナのデザイナーが手掛けたオリジナル設計。柔らかい色合いの仕上げ・張地で、デザインイメージが忠実に再現されています。

家具搬入
最後に、家具の搬入です。『Design Studio』では家具ももちろんこだわっており、全席昇降デスクにしたり、本棚はセミオーダーで壁いっぱいに設置。オープンワークエリアにあるグレーのチェアはすべてユーズドファニチャーで、近年の内装課題でもあるサステナビリティも意識ながらも、内装イメージを損なわないものを選定されています。
装飾を調整し、完成!
窓には外からでも見えるサイン看板を設置しました(宣伝効果も!?)。植栽(フェイクグリーン)はなんと、イルミナのデザイナー陣と施工担当がこだわってDIYをされたそう。

「イルミナ」の社名の語源でもある「illuminate」を象徴した照明を最後に吊るして、『Design Studio』が完成です!

別角度のBefore~After


下記記事では、オフィスの内装工事について工事内容を詳しく解説しています。移転やリニューアルで内装工事を行う予定のある方は、あわせてご一読ください。

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