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- オフィスインタビュー
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注目のミドルベンチャー経営者に聞く!オフィス構築#5 サイバーセキュリティクラウド社 小池 敏弘氏

成長著しいミドルベンチャー企業の経営者は、働き方やオフィスにどんな想いを描いているのか。これまで成長し続けてきたからこそ、またこれからも成長し続けるからこその“働く場”の形成、オフィス戦略について深堀る連載企画。
第5回の今回は、BtoB向けにサイバーセキュリティサービスを展開している株式会社サイバーセキュリティクラウド代表取締役社長 兼 CEO 小池 敏弘氏にお話を伺いました。

1983年生まれ。甲南大学法学部卒業後、国内外にて新規サービス・プロダクトの開発や経営全般を管掌。2021年海外展開と事業成長の期待を受け、当社の代表取締役社長 兼 CEO、ならびに同子会社であるCyber Security Cloud Inc. (USA) のCEOとして就任。2022年Webセキュリティのトータルソリューションカンパニーを目指すべく、子会社である株式会社ソフテックを吸収合併。
同年、米国法人の拠点をロサンゼルスに移してグローバル展開を強化。2023年一般社団法人サイバーセキュリティ連盟の設立および代表理事に就任。
目次
事業紹介・自己紹介
――まずは貴社の事業について、簡単にご紹介ください。
社名の通り、サイバーセキュリティを扱っている会社です。一般の方がアクセスする企業サイトやアプリケーションは、日々世界中のハッカーから攻撃を受けています。
我々は、その攻撃を未然に防ぐ見えない壁、分かりやすくいうとネットワークの間に置いているフィルターみたいなものを提供しています。
分かりやすく言えば、家に取り付けるセキュリティブザーや防犯カメラのようなものです、これがネットワークを見張り、不審な動きを感知したら侵入されないように対応します。
――これまで、どのようなオフィス遍歴を辿ってこられたのでしょうか。
創業は、渋谷から始まり、前オフィスは恵比寿でした。この周辺のエリアを拠点としており、アクセスも良いのでここは変えたくないと思い、今の目黒のオフィスに至っています。隣のビルに最も関係性の強い企業が入っているので、その企業との距離の近さも今のオフィスに移転する決め手の1つでした。

今のオフィスの内装に関しては、移転前のオフィスとは雰囲気が大きく変わりましたね。以前はサイバーセキュリティっぽくグレーを中心とした雰囲気だったんです。今のオフィスは前と比べると白が多く、明るい雰囲気になっていると思います。先進的で難易度の高いものを扱っている会社なので、働いているスタッフに少しでも快適に感じてもらえるように重厚感のあるシックさよりも明るさを感じて貰えるようなデザインにしました。
サイバーセキュリティクラウド社のオフィスと働き方
目黒駅直結のビルのため、暑い日も寒い日も雨天時も通勤の利便性の高いサイバーセキュリティクラウド社のオフィス。小池代表のお話の通り、明るい空間が広がっています。



エントランスを入って右側がリフレッシュエリアなど、自由に使える空間。左側が執務スペースです。座席は前オフィス時代からフリーアドレス。出社は週2日程度で、部単位で出社日を決めるなどコントロールしているとのこと。

従業員は月に5500円を書籍代として使えるのだそうです。読んだ本をオフィス内の本棚に持ってくる従業員もいるのだとか。


1番奥にあるリフレッシュスペース。天井にはプロジェクターがあり、月初めにはハイブリッド式全社会をこのエリアで開催しています。
18時以降の退勤後にはアルコールもOKのため、部署や社内部活のメンバーで飲み会を開催することもあるのだそう。窓の外の見晴らしも抜群です。

リフレッシュスペースの向かいにはカウンターが。

自販機、冷蔵庫のドリンクはフリー。


仕切りを吸音ボードにすることで、機密事項が含まれないオンライン会議などが行える作業スペースに。


数人が集まって作業ができるスペースも。


執務エリアの真ん中にあるこちらは、ブレストゾーン。人事おすすめの場所なのだそうです。

仕切りに隙間があるため、外から見たときの圧迫感、中での閉塞感もありません。


窓のある会議室は、開放感があるからか、すぐに予約が埋まる人気スペースなのだとか。


会議室はA・B・C・Dとアルファベット順に並んでいますが社員公募で決定したセキュリティ用語が由来となっています。

廊下を挟んだ別エリアには、配信専用のウェビナーブースも。

オンラインセミナーが配信できるよう、壁面を用意した専用スペースです。
小池氏のオフィス観「ストレスフリーで働けるオフィスに」
グレー基調のオフィスから、明るい雰囲気のオフィスへとガラリと印象を変えたサイバーセキュリティクラウド社のオフィス。小池氏にオフィスへの考えについてお聞きしました。
白を基調とした明るい空間
以前のグレー基調のオフィスは、エントランスに入った際にサイバーセキュリティの会社らしさを感じられるシックな空間にしていたという小池氏。

「出社がしづらかった新型コロナ禍の後に入社した従業員が多く、グレー基調のオフィスではどんよりした印象を与えてしまうだろうと思ったんです。また、社外のお客様が訪れた際の印象も重要です。業務内容の理解が難しいため、せめて明るく良い雰囲気のオフィスを目指しています。」(小池氏)
アメリカで経験したストレスフリーのオフィスが見本
以前、アメリカで働いていた経験を持つ小池氏。アメリカのオフィスは食べ物や飲み物を楽しめる空間があるなど、ゆったりとした作りが印象的だったのだそうです。そこで、リフレッシュスペースにはフリードリンクを用意。カウンターも設け、コミュニケーションを取れるようにしました。

「働くにあたって、小さなストレスをできるだけ排除したいと思っています。見た目に心地よいオブジェを置くなど、ストレスフリーな環境を用意したいですね」(小池氏)
オフィスでは、2週に1度、16時頃からスナックタイムが設けられているのだそうです。
「1、2月ごろから始まりました。私もオフィスにいるときには参加しています。おやつを用意して自由に話そうという企画ですが、とてもいい時間ですよ。2023年の10月頃からは福利厚生のトライアルとして、美容鍼や治療を目的に社内に鍼灸師の先生を呼んでいます。」(小池氏)
啓発活動も重要。配信スペース・撮影スペースを用意
ニーズが伝わりやすいBtoCビジネスとは異なり、サイバーセキュリティクラウド社のようなBtoBビジネスはニーズが高いものの内容が伝わりづらいという小池氏。認知を高めるため、オンラインセミナーも開催しています。そのために専用のブースも設けました。

「あとは取材対応ができる場も考えました。以前は会議室はあるけれどあれど、外部掲載用の写真撮影に適した場所がなかったんです。今回はテレビ取材を含むメディア取材を受けるときに困らないよう、見栄えも考えた場所を作りました」(小池氏)
いい形でこのオフィスを卒業する日まで、最大限に有効活用してほしい
将来はシンガポールやイギリスにも拠点を出す計画があるという小池氏。「海外拠点との交流を図る上で、東京オフィスはグローバル拠点になります。シンボルとなれるよう、今後も進化させていきたいです」と語ります。

入口近くにある顔はめパネル。2023年9月末にサイバーセキュリティクラウドで初めて開催されるファミリーデーで従業員のお子さんが楽しんでくれることを願って作られたものです。
取材後には、従業員が家族や友人に「こんなオフィスで働いている」とポジティブに語れるオフィスにしていきたいというのが小池氏の願いです。
「仕事ですから、ストレスはゼロにはならない。だからこそ、環境由来のストレスは極力ゼロにしたいです。従業員にもアイディアをもらいながら、快適に心地よく過ごせる場を作り、みんなに有効活用してもらいたいですね。まだまだ従業員数を増やしているところなので、いずれはまた移転する日がくるでしょう。そのときはいい形でここを卒業できればと思っています」(小池氏)
オフィス面積 | 300~500坪 |
従業員数 | 100 |
出社率 | 30 |
現在のオフィスの業務開始時期 | 2022年5月頃 |