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オフィスインタビュー
vol.1 株式会社アドバンスト・メディア

注目のミドルベンチャー経営者に聞く!オフィス構築#1 アドバンスト・メディア社 鈴木清幸氏

成長著しいミドルベンチャー企業の経営者は、働き方やオフィスにどんな想いを描いているのか。これまで成長し続けてきたからこそ、またこれからも成長し続けるからこその“働く場”の形成、オフィス戦略について深堀る連載企画。

第1弾の今回は、音声認識市場でソリューション事業、プロダクト事業、サービス事業を展開している株式会社アドバンスト・メディア 代表取締役会長兼社長 鈴木 清幸氏にお話を伺いました。

鈴木 清幸
インタビュー
鈴木 清幸(すずき・きよゆき)
代表取締役会長兼社長 代表執行役員

1978年 京都大学大学院工学研究科博士課程中途退学し、東洋エンジニアリング株式会社に入社。1986年株式会社インテリジェントテクノロジーへ入社。カーネギーメロン大学後援のKECP(Knowledge Engineer Cultivation Program)を修了し、知識工学者に認定。1997年に、アドバンスト・メディアを設立し代表取締役社長に。

2005年にマザーズ(現グロース市場)上場。2010年に代表取締役会長兼社長 代表執行役員に就任。

1997年から音声認識市場の創出を目指して事業を展開

――貴社の事業内容をご紹介ください。

鈴木氏 :

弊社は音声認識で市場を作ることを目指し、25年前から地道に取り組んできた会社です。

昨今よく見聞きするようになったAIですが、今は第3次AIで、ここ最近盛り上がりを見せているChatGPTは第4次AIといってもいいかもしれません。

私は第2次AIの時代にAIの世界に浸かりまして、1997年にアドバンスト・メディアを創業し、アメリカの会社と日米の音声認識市場の共同開拓を開始。

日本では音声認識「AmiVoice」により音声認識市場を作り始めました。

――音声認識は最近の技術だという印象があります。25年前から携わっていらっしゃることに驚きました。

鈴木氏 :

実は昔からある技術なんですよ。ただ、ここまで来るのには紆余曲折がありました。

大きく伸び始めたのはここ最近のことで、3年ごとに練っている中期経営計画ごとに成長し、2017年からの3年間で2倍の売上になりました。

2020年からの3年間ではコロナ禍の影響もあり売上は伸びませんでしたが、拡大のための仕込みができ、2023年からの3年間で2倍の売上増を計画しています。

アメリカの音声認識市場は医療に特化しているのですが、日本は医療・議事録・コールセンターといろいろなことをやりながら市場を開拓してきた形になります。

アドバンスト・メディア社のオフィスと働き方

現在のアドバンスト・メディアのオフィスは、サンシャイン60の42階に位置しています。場所によっては東京スカイツリーを眺められる、見晴らしの良いオフィスです。

取材で使用した会議室からの景色。隅田川花火大会も見られるとのこと

こちらはエントランス。左の扉から向こうが会議室のあるエリアです。白いラインは、今回のオフィスコンセプトである「未来を連れてくる~人が集う・刺激しあう・共に育つ~」のイメージからデザインされたもの。

会議室名には惑星の名がつけられています

フロアの北と南とで寒色系、暖色系とカラーが違い、受ける印象が大きく異なるオフィスです。いずれにも端のエリアがコワーキングスペースになっています。営業など、外に出る仕事が多い一部従業員はフリーアドレス制にしているとのこと。

北側のコワーキングスペースは青を基調としたさわやかな空間に
こちらが南側のコワーキングスペース。オレンジ基調のあたたかみのある空間です
南側のコワーキングスペースの奥にはカフェスペースも。記者発表や社内交流会の場としても活用されています
こちらは南側の執務エリアの一角に設けられたスペース。軽いミーティングが行えます
南側にはクッション素材を壁面にした音声収集室があり、ウェビナーにも活用されています

こちらのオフィスに移転したのは2019年9月。事業成長を加速させるため、1年かけて臨んだ移転でしたが、移転して半年も経たずコロナ禍に。

鈴木代表は日々出社し、体力づくりも兼ね、オフィスより少し離れた駅から日々徒歩で出勤しているのだそうです。

鈴木氏 :

出勤がいらないリモートワークの効率の良さもわかりますが、通勤時間がゼロだと健康面に不安があります。通勤は肉体的な健康維持にも役立っていると思っております。

鈴木氏のオフィス観「人と情報が集まることで、成長を促進させる場」

ここであらためて、鈴木氏がオフィスへの考え、思いについてお聞きしました。

企業の成長にとって、景色は馬鹿にできない

2000年、アドバンスト・メディアのビジネスに可能性を見出した日本農村システム協会の専務理事に声をかけられ、サンシャイン60の48階に入居したという鈴木氏。しかし、業績悪化により、2008年に近辺の別テナントに移ることになります。

しかし、その場所は以前と比べて空間が小さかった上、眺望も劣り、圧迫感があったのだそう。そのため、業績を回復し、11年後に再びサンシャイン60に戻ってきたのだといいます。

鈴木代表は、オフィス環境について、「企業が成長するには、大きな窓があって向こう側が見えたほうがいい。景色の良さは思っている以上に重要です」と語ります。

1人では成長できない。連携力を生み出すのがオフィス

アドバンスト・メディアでは、成長のコンセプトを「ETICA」と言語化しています。

<ETICA>

  • E…Eaming(良い報酬)
  • T…Task(良い仕事)
  • I…Information(有用な情報)
  • C…Colleague(尊敬、刺激しあえる仲間)
  • A…Asset(資産の形成)

このコンセプトからもわかるように、「成長は1人ではできない」というのが鈴木代表の考えです。成長するためには周りとの連携が必要であり、連携力を作るにはオンラインだけでは不可能。だからこそリアルオフィスが必要だといいます。

鈴木氏 :

コロナ禍でリモートワークが普及し、今ではオフィス・自宅の他、サードプレイスで働くという選択肢も生まれました。

オフィスがあるからこその連携力、その連携力があるからこその成長に期待して今のオフィスを作りましたが、残念ながらコロナ禍によりまだ移転後の変化を実感するまでには至っていません。

2023年になり、ようやく落ち着きを見せてきた今からが、リアルオフィスで生まれる連携力の強さを実感できるときなのだと思います。

成長には目標が必要。リーダー・プレイヤーの概念、共に過ごせる環境が大事

「成長」にフォーカスしているアドバンスト・メディア。成長について、鈴木代表は「階段をのぼることであり、のぼるためには目標、ゴールが必要。ゴールとのギャップを埋めていき、失敗してもめげずに階段をのぼり続ける姿勢が重要なんです」と説明します。

誰もが適切な目標を設定するために必要なのは組織です。リーダー・プレイヤーという概念は、上下関係ではなく、リーダーが目標を作り、その目標を使ってプレイヤーが成長するのだといいます。

鈴木氏 :

学び続け、成長すべきはリーダーもプレイヤーも同じです。今回のオフィスを作るに当たって出したキーワードの1つが『LP共育(LP growing together)』でした。25年をかけてここまで辿り着きましたが、あらゆる人に音声認識のメリットを享受してもらうのはここからです。

長い階段をのぼり切るためにも、自分たちで目標を作り、目標とのギャップを埋めるために努力する。オフィスを活用し、コミュニケーションを取りながら成長し続けてほしいと願っています。

あらゆる人に音声認識の利便性を知ってもらうフェーズへ

「麗和~以和為熟~」という言葉は連携の力を持って熟するという意味を持つのだそう

「『キカイ』との自然なコミュニケーションを実現し、豊かな未来を創造する」HCI(HUMAN COMMUNICATION INTEGRATION)の実現をビジョンに掲げるアドバンスト・メディア。キーボードに打ち込んでAIに指令(プロンプト)を出すことは、コミュニケーションとして不自然であるため、口頭でプロンプトを出せる音声認識技術を磨いてきたといいます。

鈴木氏 :

この25年で、本当にキーボード入力の仕事で困っている人にAmiVoiceを届けることができました。これからは、キーボード入力やスマホのタッチ入力に困っているすべての人に音声認識を提供し、その恩恵に浴することにより快適で心豊かになる未来を作っていきたい。その想いから、スマホアプリ「UDトーク」にも「AmiVoice」を提供しております。ぜひ使っていただけるとうれしい。

コロナ禍を挟んだため、今のオフィスの価値が発揮されるのはまさにこれから。リアルオフィスだからこそ実現する結束力の向上、スピーディーな成長に期待です。

取材先

株式会社アドバンスト・メディア

https://www.advanced-media.co.jp/ 公式サイト

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