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オフィスインタビュー
vol.6 株式会社博展

注目のミドルベンチャー経営者に聞く!オフィス構築#6 博展社 原田 淳氏

博展

成長著しいミドルベンチャー企業の経営者は、働き方やオフィスにどんな想いを描いているのか。これまで成長し続けてきたからこそ、またこれからも成長し続けるからこその“働く場”の形成、オフィス戦略について深堀る連載企画。 第6弾の今回は、リアルやオンラインでの展示会、商談会など、人の体験を統合的にデザインする株式会社 博展 代表取締役 社長執行役員 COO 原田 淳氏にお話を伺いました。

原田 淳
インタビュー
原田 淳(はらだ あつし)
株式会社 博展 代表取締役 社長執行役員 COO

1977年生まれ。東海大学を卒業後、建設会社に入社。一級建築士事務所を経て、2008年に博展に入社。商環境事業部長、イベント展示会事業本部長を経て、2016年に博展グループ会社の株式会社スプラシア 代表取締役社長に就任。その後、2017年に博展の取締役に就任後、常務取締役、取締役専務執行役員 CSOを経て、2023年に代表取締役 社長執行役員COOに就任。

事業紹介・自己紹介

――まずは貴社の事業について、簡単にご紹介ください。

原田氏 :

我々は『人も、社会も動かす“体験”をつくる』ことで、企業や地域のプロモーションやブランド向上の支援をする事業を行っています。展示会、商談会やプロモーションイベント、施設環境の開発などのサービスを軸として展開し、これらを統合して『Experience Marketing』と呼んでいます。現在では、デジタル領域への拡張やサステナビリティへの取り組みも強化しています。

――今回、こちらの新オフィスに移転された理由は何だったのでしょうか。

原田氏 :

博展には社員からの提案を受ける制度があり、あるクリエイターから『オフィスの一部分を意味のある場にしたい』という提案を受けたのが最初のきっかけでした。彼の提案を採用するにあたり、『これだけ費用をかけてリニューアルするなら、いっそ移転してしまったほうがいいのでは』という話になったんですね。

前回のリニューアルから時間も経過していましたし、変革のタイミングでもあるということで移転に踏み切りました。

博展社のオフィスと働き方

クリエイター主導で作られた博展社のオフィス。まず目に飛び込んでくるのは、まるで美術館のような空間です。

エントランス

ここは「CANVAS(キャンバス)」と呼ばれるエリア。実際に展示に使われた展示物が飾られています。(写真は1月の様子。こちらは定期的に内容が変更され、現在は違う展示内容となっている。)

納品実績や実験段階のモックアップ(模型)の展示
オフィスのある虎ノ門にある「さぼれる」場所をピックアップした展示「トラノモン サボタージュ」
こちらはオフィス移転を祝ってくれた方のお名前をパネルにし、展示したもの

周辺には、来客用会議室やソファスペースなども設けられています。

窓際に設けられたソファ席

アイディアイメージ段階で紫色のソファを見た際は、仕上がりが想像できなかったと振り返る原田氏。「実際に設置された様子を見て納得しました。言葉で説明を受けても想像することは難しいので、クリエイターに任せるのがやはり1番だと思いました」と語ってくれました。

国内や海外アワードで受賞されたトロフィーや表彰状なども飾られています

このエリアにある部屋は11室。さまざまな内装の部屋が並びます

こちらは会議室の一室。壁に掲げられているのは、地層を剥いだ「生きる地層」と呼ばれる作品

社内のクリエイターが制作したアート作品を内装に活用しています。

オフィスには配信スタジオも
配信スタジオ

お客様の配信用スタジオとして使うほか、自社でも説明会の配信時やセミナールームとして使用するなど、幅広く活用されているのだそうです。グリーンバックを使って、加工ありきの撮影をすることも。

大きなテーブルで、大勢が集まってディスカッションや作業ができるこの場所は、「CREATIVE ARCHIVE(クリエイティブアーカイブ)」と呼ばれています。

前オフィス時代にクリエイターが「変えたい」と言っていたのは、このCREATIVE ARCHIVEだったのだそう。社員はもちろん、社内外のメンバーが集まってサンプルを見たり創作活動をしたりするスペースを作りたいという思いで作られました。

ランチや休憩、作業など、自由に使える場所が点在

仕切りにもなっている棚には、グリーンのほか、本が並んでいるスペースが。こちらはオープン社内報の企画のリアル版。社員が選書したおすすめの本が並べられています。

壁ではなく棚を使って仕切ることで、できるだけ視線を遮らず、オープンな空間になるようにしたのだそうです。

本の前に置かれている紹介ための紙を裏返すことで、貸し出し中の印に

執務エリアに2ヵ所設けられている「FLOAT(フロート)」と呼ばれるエリア。プロトタイプを展示し、社員に企画の裏側を伝えるための場所として活用されています。

こちらはお酒を運ぶコンテナを活用して作られたもの。椅子や展示棚として活用できます。タブレットでは製造背景を配信。より詳しく知ることができます。

ケースとケースのジョイントに使われているのは酒瓶のふた
執務スペース
執務スペースの窓際に並ぶソファ席
スタンド型の充電スポット。空間の邪魔にならずスタイリッシュな雰囲気です
窓際にはひとりでこもれるスペースも
こちらも「FLOAT」エリア
こちらも「FLOAT」エリア
オフィス全体を通してグリーンが印象的。「グリーンはもっと増やしたい」のだそう
コミュニケーションのために設置した「会社のおごり自販機」。朝に出社してきた従業員が2人揃うことで、無料でドリンクを得られます

自販機の奥にはラックが。ラックやゴミ箱は目につくオープンな場所には置かず、バックヤードに集約して置かれているのも特徴です。

こちらも福利厚生の1つ「朝パン」とカフェコーナー。社員が好きに淹れられるドリップ用のコーヒーパックは、障害者雇用をしている事業所でつくられたもの。

原田氏のオフィス観「オフィスは実績ではなく、練習風景を社内外に伝える場」

「今回の移転で、1フロアにしたいという念願が叶った。良い物件があったから中央区・京橋に移転しましたが、元々はこんな都内ど真ん中に移転するつもりはなかったんですよ(笑)」と語る原田氏。オフィスへの考えについてお聞きしました。

パーパス体現に向けた新たな一歩を

移転前の2023年春、新たにパーパスを制定した博展。「人と社会のコミュニケーションにココロを通わせ、未来へつなげる原動力をつくる。」と掲げて、目の前のお客様に留まらず、その先のお客様や取り巻いている社会など、貢献できる幅を広げていくことを目指しています。

各部門からの有志70名と、これまでの強みや今後のありたい姿などについて議論を重ね、そこで出てきた言葉を元に、クリエイティブディレクターと対話を繰り返して生まれたのがこちらのパーパスとのこと。

「オフィス移転に当たり、『オフィスって何だっけ、パーパスを体現するってどういうことなんだっけ』ということを考えるところから始めました。オフィス移転を決断するきっかけとなったクリエイターの提案内容は、社内外のメンバーとコミュニケーションをするための場を設けたいというものでした。いろいろな人が『ゆるやかに、つながる』オフィスであってほしいと思っています」(原田氏)

クリエイターの要望を実現した「CREATIVE ARCHIVE」

練習風景を表現してほしかった

実際に展示された作品が多く飾られている博展のオフィス。しかし、「完成実績」を並べたいのではないと原田氏はいいます。

「表現してほしかったのは、完成形ではなく練習風景。成長過程の会社として、思考のプロセスや練習風景を見てもらえるオフィスにしてほしいと思っていました。スポーツでも、練習風景を見ることで『勝てそうだな』と未来をイメージできたりしますよね。それと同じことで、お客様も我々も答えを持っていないなか、一緒に歩む仲間として、プロセスを見ていただきたいと思っています。

レイアウトもあえてカチッとさせず、可変性を持たせています。働き方もどんどん変わっていくでしょうから」(原田氏)

クリエイター主導で作るオフィスが1番良い

建築畑出身の原田氏。「いずれは独立したい」という思いを抱いていたものの、クリエイターたちを見ていて「自分のセンスでは無理だ、勝てない」と痛感したことがあったのだといいます。その経験から、「クリエイター主導でオフィスを作るのが1番良い形になる」と思い、新オフィスを作りました。

「図面を見た段階では『どうなるんだろう』と少し不安だった場所も、できあがりを見てみると素敵で、『なるほど』と納得しましたね。可変性を持たせているので、まだまだこれから変化させていきたいと思っています。若い社員が多く、みんなで考えて変えていく過程が楽しみですね。常にわくわくしていきたいです」(原田氏)

原田氏が「どうなるのだろう」と思っていたと語る紫色のソファ

博展は、様々な企業のコミュニケーションをデザインしているため、普通の内装デザインの会社だと選択しない多様な手法も取り入れていきたいという想いが、オフィスデザインをする際にあったとのこと。

そんな観点から、ファッションなどでは多用されるが、空間デザインではあまり使用されることがなく、かつ原色ではなく中間色で空間をつなぐという意図から、“紫”をキーカラーとして選択したという。

その他にも、多種多様な社員や事業をイメージし空間素材(マテリアル)や植物なども様々な種類のものを組み合わせ起用したとのこと。

「CREATIVE ARCHIVE」で空間素材を広げ検討している様子。

オフィスは従業員の成長を支える土壌。色とりどりの花が咲けるよう、広く深くしていきたい

「会社は無形のもの。会社を直接的に成長させるのは難しく、社員一人ひとりの成長の総和が結果的に会社の成長になるのだと思っています。会社はプランターボックスであり、従業員には自分の咲かせたい花を咲かせてほしい。その色がカラフルであればあるほどおもしろいですよね」と語ってくれた原田氏。

会社がプランターボックスであるならば、オフィスは従業員の成長を支える土壌。色とりどりの花を咲かせるには、広く深い土壌が必要です。

「どういうオフィスでの働き方が広く深い土壌を作ることにつながるのか。つい売上や利益に目がいきがちですが、大切なのは根っこの部分にある人間性や理念、価値観だと思っています。そこを大切にすれば、どんどん葉が増え、必ず花開くときがくる。社員が主役の会社として、今後もたくさんの彩をつくっていきたいと思っています」(原田氏)

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