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オフィスを借りるなら連帯保証人、保証会社の必要性について知っておこう

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オフィス物件は連帯保証人だけではなく、保証会社を利用しなければ契約できないといったケースも少なくありません。では、なぜオフィスを借りる際に、連帯保証人や保証会社の利用が必要になるのでしょうか?

今回は、連帯保証人と保証会社の役割と、それぞれの条件や利用することによるメリットやデメリットなどをご紹介していきます。

2021年03月10日


この記事を読むのに必要な時間は約 18 分です。

賃貸オフィス契約に連帯保証人は必要?



住宅やオフィスの賃貸物件を契約する際に、連帯保証人は必ずと言っていいほど必要です。ここでは連帯保証人の制度や、連帯保証人になるための条件について説明していきます。

連帯保証人制度とは

住宅やオフィスなどの賃貸物件の契約を結ぶ際には、連帯保証人が必要です。それにまつわるルールを定めたものを「連帯保証人制度」と言い、法的な効力があります。

かつての連帯保証人制度では、保証すべき金額の上限が定められていませんでした。しかし、民法改正により、根保証契約の連帯保証人になる際には「極度額」を定めなければならないというルールが設けられました。後ほど詳しく解説していきます。

連帯保証人になるための条件

物件を借りる条件に連帯保証人を立てる必要があったとしても、誰でもなれるというわけではありません。法的には、連帯保証人になるための条件が明確に定められていないため、不動産会社の考え方次第になりますが、基本的には「継続的な収入がある」「反社会的団体に関わる人物ではない」などが挙げられます。

実際に連帯保証人になるのは、代表者が個人としてなるケースが最も多いですが、不動産会社によっては、「法人と代表者は同一」と認識される場合があるため、別の連帯保証人を求められる場合もあります。

代表者が不可能な場合、一般的には代表者の親族や知人にお願いするケースが多いです。しかし、引き受けてくれたとしても、その人が連帯保証人となれる条件を満たしていない場合は連帯保証人として立てられないので注意が必要です。

連帯保証人になるための審査条件

連帯保証人になる基準は、法的には明確に定められていませんので不動産会社の考え方次第になります。基本的に連帯保証人として認められるためには、その物件の賃料に見合うだけの支払い能力が必要です。また、借主が借りる物件に準ずる不動産を所有している場合も、審査条件をクリアできる可能性があります。

連帯保証人になるためには支払い能力を証明する書類の提出も必要です。連帯保証人の必要書類は以下のようなものがあります。

・印鑑証明

・収入証明

・保証人承諾書(記名押印)

・住民票

「保証人承諾書」には、不動産会社によって異なりますが、氏名、年齢、勤務先や年収などを記入するケースほとんどです。場合によっては、貯金額や月収なども確認が必要になることもあります。

民法改正による連帯保証人制度の変更

2017年5月に成立した「民法の一部を改正する法律」により、連帯保証人制度に2020年4月1日から新たなルールが加わりました。

連帯保証人をお願いする際には、以前に比べて安心できる制度が加わったことを説明すると同時に、保証契約をすることで起こりうるリスクを理解してもらうことも大切です。

個人根保証契約の極度額のルール

先ほども少し説明しましたが、民法改正により、「根保証契約」に関する極度額という、連帯保証人制度の新たなルールが誕生しました。

現実にどれだけの債務が発生するのかがはっきりしないケースの契約のことを「根保証契約」と言い、賃貸物件の賃料などがこれに当てはまります。取引先に対して債務を負担する必要がある時が、ビジネスシーンで見受けられますが、その際に、会社の社長がまとめて債務の全てを保証する場合も根保証契約になります。

また、根保証契約では、極度額以外にも「特別事情による保証の終了」というルールが定められています。特別事情とは、連帯保証人や借主が亡くなった時や、連帯保証人が破産した時などが当てはまり、その後の債務は保証の対象外となります。

根保証契約の際には、極度額(上限額)は「〇〇円」などと明瞭に定める必要があります。ただし、この場合、連帯保証人になれるのは個人のみで、会社などの法人は含まれないので注意しましょう。

個人根保証契約の場合、どの程度の債務が発生するのかわからない、想定外の支払いが必要になる可能性がある、というリスクがあるため、新たなルールが導入されたとされています。

連帯保証人を依頼された場合には、極度額に最も注意が必要です。支払う金額は極度額の範囲になるので、事前に具体的な金額を確認しておきましょう。

主債務者側が注意すべきことは、極度額や極度額の金額を明瞭に決めずに締結してしまうことです。この場合、契約は無効となってしまいます。

主債務者から連帯保証人への情報提供の義務

従来の制度では、主債務者から「名前だけ貸してほしい」「絶対に迷惑はかけないから」と言われたがために安易に連帯保証人となり、主債務者が支払いを滞った結果として連帯保証人が自宅を差し押さえられたり、毎月の給料を差し押さえられたりする問題も少なくありませんでした。このような背景から、正しい判断ができる情報を、連帯保証人に提供することが義務づけられるようになったとされています。

義務となっているのは、主債務者の履行状況などの具体的な金額や、現在の収支やどのぐらい財産を保持しているかなどの情報提供をおこなうことが挙げられます。これにより現在の主債務者の支払い能力を判断できるので、連帯保証人を依頼された場合でも正しい判断をしやすくなります。

これは、主債務者にとっては、財産などの個人情報を提供するのでリスクが高いように思われるでしょう。しかし、確かな情報がなければ連帯保証人を引き受けてくれる人がいない可能性もありますので、どちらにとっても必要なことなのです。

万が一、主債務者がわざと情報提供をしなかった場合には、保証契約の取り消しが可能になるので、連帯保証人から保証契約の取り消しを要求されても拒否することができません。また、情報提供をしていても、連帯保証人に誤った情報や正しく判断できない情報であった場合にも取り消し可能なので、注意しましょう。

債権者から連帯保証人への情報提供義務

オーナー側には、分割払いの支払いをしていた主債務者が、支払いを滞り、一括払いの義務を負うことになった場合の情報提供を連帯保証人にすることが義務付けられています。この状態は「期限の利益を喪失した場合」と言われています。

オーナーなどの債権者がこの事実を知った場合、連帯保証人に通知しなければならず、しかも「2ヶ月以内」に行わなければなりません。期日が定められている理由は、一括払いの義務が発生してから時間が経過すると、遅延損害金の額が大きくなり、多額の支払いを連帯保証人に求められることになるためです。連帯保証人になっている人で、この通知を受け取った際には早期に支払うようにしましょう。

また、連帯保証人から「契約者の現在の支払い状況を教えてください」との問い合わせがあった場合には、必ず教えなければなりません。ただし、情報提供の依頼がない限り、常に主債務者の支払い状況を知らせる必要はありません。

間違いやすい連帯保証人と保証人の違い

同じ「保証人」という言葉が使用されていても、「連帯保証人」と「保証人」では責任や役割は大きく異なります。よく誤って認識したまま、連帯保証人になってしまい、後から大変な思いをする人も少なくありません。

後でトラブルにならないためにも、ここで、しっかり保証人と連帯保証人の違いについて理解しておきましょう。

保証人の責任

賃貸オフィスなどの保証人になった場合、何らかの理由で主債務者が賃料などを支払えなくなった際、代わりに支払う義務を負います。しかし、連帯保証人と違い、様々な権利もあります。

1.催告の抗弁権

債権者が主債務者の代わりに賃料などの支払いを求めてきた時に、「先に主債務者に請求してください」と主張することができる権利のことです。ただし、主債務者が行方不明、もしくは破産していた場合には保証人しかいないため、最終的には拒むことができず、返済せざるを得なくなってしまいます。

2.分別の利益

主債務者の代わりに賃料などの返済を債権者から求められて場合、保証人が複数いれば、保証人の人数で分割して返済できる仕組みのことです。例えば、保証人が3人いる場合に300万円の返済額を求められたら、1人100万円ずつの支払いで済みます。

3.検索の抗弁権

債権者が主債務者の代わりに賃料などの支払いを求めてきた時に、「主債務者が支払えるので、先にそっちから回収してください」または「主債務者の給与など財産の差し押さえをして対処してください」と主張できる権利のことです。

これは、主債務者に返済能力や返済資力がある場合に限って主張できます。つまり、保証人は借主がどうしても支払いができない場合だけ代わりに支払えばよい、ということになります。

連帯保証人の役割

主債務者が何らかの理由で、賃料などを支払えなくなった時に本人の代わりに支払う義務が生じることは、連帯保証人も保証人と同様です。しかし、上記で説明したような、保証人に対する様々な権利は、連帯保証人には一切適応されないため注意しましょう。

連帯保証人になるのはデメリットが大きいと感じられるかもしれませんが、物件を貸す側としては必須条件なのです。例えば、家賃を何ヶ月も滞納されたり、設備を壊されたのに弁償代を支払ってくれなかったりすると、かなりの損害を被ります。

主債務者に問題があっても、確実に代わりに返済額を支払ってくれる連帯保証人がいればリスクが少なくなるため、安心して物件を貸すことができるのです。

賃貸オフィスには保証会社も必要?

賃貸オフィスの契約の際には、「連帯保証人」を求められる場合だけでなく、物件や不動産会社によっては「保証会社」を求められる場合があります。

賃貸オフィス契約には、保証会社についての理解も必要なので、ここで解説します。

基本は連帯保証人か保証会社が必要

賃貸オフィスの契約には、連帯保証人または保証会社のどちらかが必要というパターンが一般的です。個人に依頼することになる連帯保証人は、依頼できる人がいない場合も多く、そのような場合に保証会社を利用する企業も少なくありません。しかし、中には連帯保証人が必須のオフィス物件もあるため注意しましょう。

保証会社とは、家賃の連帯保証をするサービスを提供している会社のことで、代金は主債務者から得る保険料または手数料で賄われています。しかし、保証会社を利用するためには、必ず審査が必要になり、誰でも無条件に利用できるわけではありません。

主な審査内容としては、以下のようなことが挙げられます。

・年齢

・過去の家賃滞納履歴

・収入

・職種、雇用形態

また、保証会社には審査のための書類等の提出も必要で、健康保険証や運転免許証、住民票などを求められる場合があります。審査条件や必要な保証料などは、保証会社によって異なるため、保証会社を利用する必要がある場合は、事前に条件を確認しましょう。

保証会社にしかできないことがある

保証会社を利用することで、「賃料回収の代行」を行ってくれる場合があります。また、借主の退去後に原状回復工事費用や残置物の撤去費用を負担してくれるケースもあります。保証会社にしかできないことの中でも、「家賃の立て替え」をしてくれることが連帯保証人との大きな違いでしょう。

ただし、あくまで立て替えになるので、滞納分は保証会社に必ず返済しなければなりません。

賃貸オフィスが借りやすくなるメリット

保証会社を利用することは、万が一主債務者に問題が発生しても、確実に金銭を返済してくれる保証になります。そのため、貸主側にとっては大きな安心材料となるため、保証会社を利用してくれる借主には、賃貸オフィス物件を紹介しやすくなります。

貸主は安心して、物件を紹介し、契約ができ、借主にとっては賃貸オフィスを借りやすくなるというメリットがあるのです。

また、保証会社を利用することで、連帯保証人を依頼できる人がいない場合でも物件を借りることができるようになります。収入の信頼が引く場合や、実績が少ない会社、外国籍の代表などといった場合には、保証会社を利用するメリットが大きいでしょう。

連帯保証人が立てられない場合は保証人代行を使う

「保証人代行」を利用することで連帯保証人を立てられない場合や、保証会社の利用が難しい場合でも、物件を借りやすくなります。ここでは、保証人代行とは何か、利用することによるメリットとデメリットも紹介していきます。

保証会社と保証人代行の違い

保証会社と保証人の大きな違いは、債務保証を事業にしているかどうかです。保証会社は、ビジネスとして家賃という債務を保証しているため、借主から保証料が利益となる事業が成り立っています。

しかし、入居の支援が目的の保証人代行では、不動産会社や保証人代行会社が連帯保証人となってくれます。つまり、連帯保証人としての役割を法人が代行してくれるサービスということです。

サービス内容としては、滞納賃料や原状回復費用などを不動産会社や大家さんに支払ってくれることなどが挙げられます。

ただし、主債務者は、立て替えてくれた保証人代行会社や不動産会社に、後から支払う義務があるので注意しましょう。

保証人代行のメリット

連帯保証人を立てることができない場合、保証会社か保証人代行を使うことが必須条件になります。しかし、保証会社を利用するためには、保証会社が定める審査に通過しなければなりません。

その一方で、保証人代行は、物件を管理している管理会社や、不動産会社がサービスを提供していることがほとんど。第三者の保証会社を利用するよりも審査が通りやすく、利用しやすいというメリットがあるのです。

保証人代行のデメリット

保証人代行は、そもそも、入居率を上げるために利用している場合が多いため、物件の範囲が限られている可能性があります。

また、不動産会社ではなく、個人の保証人代行と結びつける形態の保証人代行会社には注意が必要です。

この場合、必要書類を揃えるだけで、無理やり賃貸借契約を締結させようとする保証人代行会社も少なくありません。保証人代行を利用する場合は、斡旋するだけなのか、しっかり保証を代行してくれるものなのか、ホームページなどで事前に確認しましょう。

新規設立の会社が賃貸契約で気を付けるべきこと

賃貸オフィス契約の際、新規設立の場合は特に注意が必要です。新規設立となると、保証会社を利用する場合が多いでしょう。しかし、保証会社によって条件が異なるため、細かい点も確認しておかなければ後でトラブルになりかねません。

では、どのような点に注意すべきか解説していきます。

保証会社を利用する時は要注意

設立年数が5年未満の会社が賃貸オフィスを借りる場合には、保証会社の利用が求められることが多いです。しかし、保証会社によっては、始めの契約から会社名義(法人)で借りなければならない場合もあるため注意が必要です。

法人登記が完了していない状態で代表者個人として契約してしまうと、後から名義を変更するだけではなく、新たな加入として契約しなければならず、保証料を2回支払うことになってしまう場合があるのです。

とはいえ、新設時には法人登記が完了していないケースが少なくありません。このような場合は、法人登記が完了してから契約するか、自宅など別の場所を登記してから、初めから会社名義で借りるという方法を利用してみましょう。

まとめ

オフィスの賃貸契約をする上で必ず必要な「連帯保証人」。同じ保証人でも「保証代行」「保証会社」「保証人」などがあります。後からトラブルにならないよう、それぞれの違いについて理解しておきましょう。

しっかりと信頼関係を築いて、安心して賃貸契約をできるようにするためには、連帯保証人をお願いする際、起こりうるリスクもしっかり説明することが大切です。

この記事を書いた人

IBASHO編集部

IBASHO編集部

オフィスで働くことをもっとたのしく・働く場所としてもっと快適に。「はたらく人を幸せにするメディア」IBASHOを運営しています。
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