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ベンチャーキャピタルとは!?そのメリット・デメリット・事例について

多くのベンチャー企業経営者や起業家などは、ビジネスを拡大するための資金調達について、頭を悩ませています。

資金調達の1つの方法としてベンチャーキャピタルがあることをご存じでしょうか?ここでは、ベンチャーキャピタルについての仕組みやメリット、事例についてご紹介していきます。

ベンチャーキャピタルとそのメリットとは?

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業の株式などを引き受けることによって投資をし、その企業が株式を公開するなどした際に、株式を売却し、キャピタルアゲイン(株式等の最初の投資額と公開後の売却額との差額)を獲得することを目指す投資ファンドを指します。

ベンチャー企業や起業家などが、資金調達の手段としてベンチャーキャピタルを利用するメリットはいくつかあります。

資金力の面で有効的である

最大のメリットとしては、何か問題が発生した場合に返済義務がないということです。企業経営を行う場合、全てが予定通りに進むことはありません。予想外の出来事が起こったり、地震などの天災に遭遇して、ビジネスが困難な状況に陥る可能性が常にあります。銀行からのローンで資金調達を行っている場合、会社として清算したとしても、個人保証を入れている場合は、経営者に返済義務が残ります。ベンチャーキャピタルからの出資であれば、このようなリスクはなくなります。

銀行融資に比べて審査が通貨しやすい

銀行融資を受ける場合には、厳しい審査があります。まだ創業して間もない企業では信用や担保力が不十分であるために銀行融資を受けるという面でも難しくなります。ベンチャーキャピタルは、銀行融資に比べて融資が受けやすいというのもメリットです。

様々なネットワークを利用できる

ベンチャー企業の場合、資金が不足しているだけではなく、専門的な経験を持った人材が十分ではない場合があります。ベンチャーキャピタルは、取引先や提携先などを紹介してくれるだけではなく、直接人材を送り込んでくれることもあります。

経営のノウハウを学べる

ベンチャーキャピタルは、過去にたくさんの投資を行っており、経営課題に対処するノウハウを蓄積しています。そのため投資を受ける企業は、そのノウハウを成長のために活用することができます。

また、ベンチャーキャピタルからの出資後、定期的な協議の場が設けられます。そこで、投資を受けた企業が置かれている現状と打開策などについて、アドバイスを受けられます。

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ベンチャーキャピタルの仕組み

ベンチャーキャピタルの投資プロセスには大きく3つあります

投資先の決定

投資先の調査分析に基づいて将来有望なベンチャーを対象に投資を行います。対象のベンチャー企業に対してベンチャーキャピタリストから連絡を行い投資を持ちかけます。その後、投資候補のベンチャーに対して、ベンチャーキャピタルは詳細情報を入手して、さらに分析を深めます。

投資条件内容の決定

ベンチャー側とベンチャーキャピタルの間で、投資の条件に関する話し合いが行われます。投資する金額、株価をいくらにするかなど、細かい内容について、投資契約書に記載していくことになります。条件決定後、ベンチャーキャピタルの中で投資について決済を取ります。1カ月以上時間がかかることもあり、投資について承認がなされれば、投資が実行されることになります。

ベンチャーキャピタルの中には、投資先へのサポートとして、取引先を紹介したり、提携先との商談をすすめたりするところがあります。また、内部管理部門の担当者を派遣する場合もあります。

キャピタルゲインの獲得

最後のプロセスが、投資回収です。キャピタルゲインとは、株式等の当初の投資額と公開後の売却額との差額のことで、ベンチャーキャピタルは、投資先企業が株式を上場させたら、完全に売却するか、マーケットへの影響が少ない形で一部ずつ売却するなどして、投資を回収します。

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日本の代表的なベンチャーキャピタル

日本には、全国各地にベンチャーキャピタルがあり、様々なベンチャー企業や起業家に出資を行っています。今回はその中から、代表的なベンチャーキャピタルをご紹介します。

Incubatefund

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1999年に設立されたIncubatefundは、ビジネスを開始してそれほど時間が経過していない起業家を支援するベンチャーキャピタルであるアクセラレーター・インキュベーションの一つとして知られています。

実際に結婚式を挙げた夫婦と参加者の本音を知ることができる「みんなのウェディング」やモバイルゲームを提供している「Aiming」などの有力企業にIncubatefundは出資を行っています。

GLOBIS CAPITAL PARTNERS

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GLOBIS CAPITAL PARTNERSは、代表的な独立系ベンチャーキャピタルの一つです。グループ会社であるグロービス経営大学院で、出資を受けた企業は経営を学ぶことが可能になっています。日本最大のハンズオン型ベンチャーキャピタルとして知られています。

フューチャーベンチャーキャピタル

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投資先企業の将来性を最重視する独立系ベンチャーキャピタルです。経営者の資質をしっかりと確認することで知られています。「フューチャー(将来)」の名前が付いている通り、投資先の企業が描いている将来的な市場のスケールや成長の可能性、ビジネスの実現性など、長期的な視点に立ってベンチャー企業を審査を行っています。

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ベンチャーキャピタルの問題点

ベンチャーキャピタルを利用することには、当然のことながらデメリットもあります。

事実上の経営権の譲渡

一番のデメリットは、投資を受ける側が持っている経営権を、将来的に取られてしまうかもしれないことです。ベンチャーキャピタルから出資を受ける場合、第三者割当増資の形をとることが多いのです。株式の一定以上の比率をベンチャーキャピタルに握られてしまうと、企業オーナーの意思決定に、意見を出すことが可能になります。これが、ベンチャーキャピタルのデメリットです。

第三者割当増資とは

第三者割当増資は、過去に株式を保有していなかった第三者に対して、株式を新規で発行することによって出資を受ける仕組みです。第三者割当増資によって、発行株式が増加することになり、投資先企業オーナーの株式保有比率が下落することになります。

資金調達コストが高い

次に、資金調達コストの高さがあります。銀行などから融資を受ける場合、それほど高くない利率で資金を調達することが可能です。しかし、ベンチャーキャピタルの場合、上場後に大きな額の売買利益を獲得し、その後も多額の配当金を支払い続けなければならない可能性があります。

ベンチャーキャピタルは、出資金が紙くずになるリスクを負って投資をするわけですから、上場利益や配当金は当然の報酬とも言えます。ベンチャー企業経営者の中には、多額の上場利益や配当金は、借金を高い金利でしていることと同じと考えて、ベンチャーキャピタルからの出資ではなく、銀行融資を選択する人もいます。

最後に

従来であれば、銀行借り入れしか方法がありませんでしたが、ベンチャーキャピタルに加えて、最近はソーシャルレンディングなどを通じて個人投資家からも資金調達ができるようになってきました。ベンチャーキャピタルは、出資者としてだけでなく、経営のアドバイザーにもなりうるので、色々な意味で頼りにできる存在です。

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