- ファシリティナレッジ
-
失敗したくない!意外とむずかしい「オフィスレイアウト」のコツ
オフィスの移転先と移転時期が決まったら、次に考えるべきはオフィスの「レイアウト」です。
しかし、移転する際のプロセスの中で最もむずかしいともいわれているのが、このレイアウト決め。レイアウトを決める際には、いくつも意識すべき点があることから、難易度が高いと考えられているのです。
ただし、ポイントを押さえることで、むずかしいレイアウト決めをスムーズに進めることが可能になります。
そこで今回は、オフィスレイアウトのコツをまとめてご紹介します。
目次
コツ1. オフィスのコンセプトを決めることからスタート
まずは、オフィスのコンセプトを決めることからスタートしましょう。レイアウトに失敗しないためには、一貫した軸を持っておくことが大切です。軸というのが「コンセプト」になります。
コンセプトがあると、迷ったときの軸になるうえ全体的に統一感を持たせることが可能です。
それぞれにこだわりがあっても、各エリアがバラバラの雰囲気になってしまうと、せっかくこだわったレイアウトも台無しです。コンセプトを決めることで、どこにどれくらいの比重を置くのか、どれくらいこだわりを入れるのかがわかりやすくなるので、レイアウト決めや家具決めもスムーズに進むはずですよ。
オフィス全体をまとまった印象へと導けるでしょう。
会社の目指す方向を関わりを持たせる
企業の多くは、ビジョンやミッション、クレド(行動指針)といった目指す方向を定めていますよね。そのビジョンやミッションをオフィスに反映するのもひとつの手です。
オフィスのコンセプトと会社の目指す方向とを合致させている企業が多くあります。
ビジョンやミッションを直接オフィスに反映させなくても、それらを噛み砕いて落とし込んだコンセプトにすることで、レイアウト作りに効果を発揮してくれるはずです。
過ごしやすさを重視する
コンセプトを決めるとき、「社員の過ごしやすさ」を重視する企業も多くあります。
外回りやクライアント先に常駐する社員が多い企業は、社員が帰ってきてホッとするようなオフィス作りにすることが多く、その場合はリフレッシュスペースを広めに設けたり、社内に自席が必要ない社員もオフィスに来やすいようにフリーアドレスで使えるようなエリアを設けたりと工夫しています。
社員の特性や社内の雰囲気と合わせてコンセプトを考えるのがおすすめです。
コミュニケーションの取りやすさを重視する
最近では、コミュニケーションの取りやすさをオフィスのコンセプトにする企業も増加しています。
同じ会社で働く人同士とはいえ、社員数が増えれば増えるほど、仕事で関わらない相手とはコミュニケーションをとるのがむずかしくなりますよね。
それをオフィス作りで改善しようと、コンセプトに沿って社員同士が気軽に話せるバーカウンターを設けたり、社内イベントを開催しやすいスペースを設けたりと工夫を凝らしています。
コミュニケーションの活性化は、働きやすい環境作りにおいて欠かせないことですよね。コミュニケーションを重視することによってレイアウトも決めやすくなるでしょう。
コツ2. ゾーニングを大切にレイアウトを決定する
コンセプトが決まったら、本格的にレイアウト決めに取り掛かります。
レイアウトを決めるときに大切なのは「ゾーニング」です。ゾーニングを最初にしっかり決めておけば、レイアウトがごちゃごちゃする心配もありません。
ゾーニングというのは、空間(ゾーン)をテーマや用途、機能ごとに分けることを指します。ゾーニングをすることで、限られたオフィス空間を有効活用でき、レイアウトをスムーズに決められるようになるはずです。
ゾーニングは、社員の特性や社内の雰囲気を考えて決めるのがおすすめです。内勤が多い場合は執務スペースやリフレッシュスペースを多めに取ったり、来客が多い場合はミーティングスペースを多めに取ったりと、柔軟に対応することが大切です。
スペース配分が重要
ゾーニングをするときに重要なのは、スペース配分を考えることです。オフィス全体に対してどのスペースをどれくらい取るかを明確にしておく必要があります。
オフィス全体を100とするとワークスペースを50から60取るのが一般的だといわれています。ワークスペースの他にもオフィスに設けるべきエリアはいくつかあります。
執務スペース:ワークスペースともいい、社員が業務を行なうスペース
役員専用スペース:役員が使う役員室やミーティングスペース
業務支援スペース:複合機、応接室、ミーティングスペース
情報管理スペース:文書を保管する収納スペース、サーバールーム
生活支援スペース:食堂やリフレッシュスペース、給湯室
交通スペース:通路や廊下のスペース
上記のスペースをどの位置に設けるか、どの比率で配置するかを考えることで、レイアウトが自ずと決まってくるでしょう。
応接室の場所から決める
ゾーニングをするときには、応接室の場所から決めるのがポイントです。なぜなら、応接室にはさまざまな満たすべき条件が存在するからです。
まず、応接室は基本的にお客様をお通しする場所なので、執務エリアを通らずとも入れる導線であることが第一です。来客を毎回執務エリアに通してしまっては、セキュリティ面で問題が生じてしまいます。
「廊下を長く歩かせない」といったお客様に負担をかけないように配慮するとともに、自社のセキュリティに関してもしっかり考えておくことをおすすめします。
応接室からトイレや給湯室への導線もチェック
応接室の場所を決めるときには、トイレや給湯室からの導線もチェックするのがコツです。
お客様がトイレを利用することを考え、応接室やミーティングスペースからトイレはなるべく近い距離に配置するのがいいでしょう。また、お客様にお茶をお出しすることを考え、給湯室からの距離も考えておくのがおすすめです。
応接室・トイレ・給湯室の3点は導線がスムーズになるように最初に工夫をしましょう。
執務スペースは効率的な導線を意識
ゾーニングを決めるときの導線に関していうと、執務スペースの導線にも気を使いましょう。
社員同士がぶつかりやすかったり、曲がり角が多かったり、直線上に障害物がある導線はあまり適切とはいえません。
廊下はできる限りまっすぐ確保できるよう、効率的な導線を意識するよう工夫しましょう。
関わりのある部署を考慮し配置する
大まかなゾーニングができたら、細かな配置を決めていきます。フリーアドレスを導入するのであれば話は別ですが、執務スペースの配置を決める際には、業務上の関わりがある部署同士を近くに置くよう配置を工夫することもポイントです。
よく仕事をする部署間は、コミュニケーションも盛んに取られてなくてはいけません。ちょっとした確認をしたいときに、オフィスの端から端まで歩かなければいけない配置は、効率的とはいえませんよね。
部署同士の関わりをしっかり見極め、デスクの配置はしっかり考えるようにしましょう。
社員の働き方によってもレイアウトは変わる!
先ほども少しお伝えした通り、社員の働き方によってもレイアウトは異なります。
社内に外回りする社員が多い場合は、帰社したときに自由に使えるデスクを多めに設けるのが合っており、反対に内勤者が多い場合は、執務スペースや休憩できるリフレッシュスペースを多めに取るのが合っています。
社員の働き方を見極めたうえでゾーニングをすることをおすすめします。
コツ3. どれくらいの人数が入るのか考える
特に執務スペースのレイアウトを決めるのにおいて、人数を考えることは大切です。一人あたりどれくらいの面積が必要で、どれくらいデスクを置けるのかを考えたうえでレイアウトを細かい決めていくようにしましょう。
無理に面積を狭めすぎると働く環境が悪くなってしまい、集中しにくい空間に仕上がってしまいます。そうすると、結果として生産効率が下がり、会社へのダメージにつながってしまうのです。
借りたオフィスがレイアウトを変更することでどれくらいの社員増加まで耐えられるのか、最初の段階で考えておくことをおすすめします。
一人あたりの執務スペースを計算する
一人あたりの執務スペースは、最近は約8.5平方メートルが基準であるといわれています。これを確保することを意識し、デスクの配置を工夫することをおすすめします。
デスクの配置は、必ずしも部署ごとに島型にしなくもOK。作業効率を重視してレイアウトを決めていきましょう。
人が歩く導線は確保!
執務スペースをデスクでいっぱいにしてしまい、社員が歩く導線を確保されていない状態は避けるべきです。デスクのレイアウトと同じくらい、社員が効率的に歩ける導線を確保することも重要です。
コツ4. 最後に収納や複合機について考える
コンセプト決め、ゾーニング、細かなレイアウト決めが終わったら、最後に収納や複合機の設置場所について考えるようにしましょう。
何もないところから収納や複合機の位置を決めてしまうよりも、デスクの配置が決まったあとの方がスムーズに考えられるはずです。効率的な導線を妨げない位置に設置のがおすすめです。
コツを押さえてレイアウトを成功させよう
むずかしいオフィスのレイアウト決めですが、コツを押さえれば問題なく進めることが可能です。順番を守り、紹介した数値などを参考にしたうえで、社員が働きやすい満足できるオフィス作りを進めてくださいね。