- オフィスインタビュー
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株式会社ミクシィ
渋谷の宮益坂を上がって少し入ったところに、『ミクシィ』の新オフィスがあると聞き、やってきました。言わずと知れたSNSの「mixi」やスマートフォンゲームの「モンスターストライク」などを運営する同社のオフィスとあって、ドキドキしながらエントランスへ。そこには、シックで落ち着いた空間が広がっていました──。
人の往来するところにコミュニケーションのしかけを
-今日はよろしくお願いします!
橋本さん
よろしくお願いします。
はたらく環境課、課長。オフィス移転を森田仁基社長の旗振りのもと、空間のデザインや導線、家具の配置などを担当。自身もエンジニアであり、『ミクシィ』のグループ会社のすべての現場のITサポートや労務・総務などを幅広く行う、スーパーマンである。
-移転にあたり、森田社長がプロジェクトリーダーとなったということですが、こだわられていた点はありますか?
橋本さん
ここは、森田が社長に就任してから初めて、コンセプトからデザイン設計まで携わったオフィスです。ミクシィグループとしては3拠点目のオフィスですが、これまでの2拠点とは色味も造りも違うんです。特に家具は森田が選んだものが多いのですが、ショールームに足を運んだ時は、こだわりを持って選定していましたね。落ち着いた色合い、シンプルな造形の物が多く、なかには数十年前に設計された物もあります。機能面やデザインが幅広い層に長く受け入れられているものを選んでいる印象でした。
-たしかに、全体的に落ち着いた雰囲気ですね。
橋本さん
コンセプトに含まれている、“従業員同士のコミュニケーションの活性化”を重要視していました。たとえば、チームで話をしたり、自席だけでなくベンチで別の部署の人とちょっとした会話が生まれたり、コミュニケーションが自然発生するきっかけになるようなものをたくさん設置したいと。
-間取りにもそれが反映されている?
橋本さん
それが一番のポイントかもしれないです。共用部の廊下側通路は絶対に人の往来が多くなるので、人の往来が多いところに、しかけを置きたかった。ただ、建物のコア側になるほど使える面積が外周よりも狭くなるので、あまり内側に寄せすぎるとスペース効率が悪くなってしまう。なので、あえてど真ん中に置こうということで、全部ぶち抜いて会議室やオープンスペースをつくりました。その両サイドに執務エリアがあるっていう間取りです。
-間取りがL字なんですね。
橋本さん
そうなんです。L字の真ん中にパントリーがあるので、お茶くみに来た人がここで会話していたり、真ん中のラインに置かれたオープンスペースで、しゃべっていたりっていうこともよくありますね。
-人が集うラインになってるんですね。
橋本さん
そうですね。ここのラインは全部フローリングにしてあって、床材でゾーニングしています。一見使いづらそうですが、住めば都です。会議室も執務エリアも全部ガラス張りなので、最初は反発もあって「こんなガラス張りなところで仕事できない」みたいな意見もありました。機密性の高い情報を扱っている部署が、そういったことを気にするのは当然だと思います。ただ、座席の配置などには気を使っていますので、何でも丸見えということはありません。
-オフィスのコンセプトブックもあるんですね。
橋本さん
はい。これまでのオフィスと仕様が大きく異なるので、移る前に空間設計のコンセプトや設備のことなどを伝えるためにつくりました。比較対象が元のオフィスなので、どうしても奇をてらったように見えてしまうんですけど、「ここの設備を有効活用して働いてください」と説明をしました。
-コンセプトと狙いがうまく機能したなっていう実感はありますか?
橋本さん
上下昇降デスクや、机を移動してレイアウト変更できるエリアがあるのですが、実際に使っているのを見ると、「意図を組んで使ってくれてるな」って感じがしますし、ありがたいなと思います。
-橋本さんにとって、オフィスとは?
橋本さん
政府が進めている「働き方改革」や「ワーク・ライフ・バランス」を考える企業が増えていたりと、はたらく環境に変化が求められていると思います。その中で、オフィスのあり方も考えなければいけない時期だと思うんですよね。そもそも満員電車が嫌だとか、通勤時間が勿体ないとか、オフィスに来ることってネガティブな要素がたくさんあると思うんです。今後、当社でも在宅勤務を認めましょうという流れができたときに、家でも仕事できるんだけど、やっぱりオフィスで仕事するのが一番いいよねって思ってもらえる場所じゃなきゃダメだと思っています。
-ありがとうございました!
私たちのお気に入りスポット
ライフスタイルも働き方も楽しむ
ミクシィのグループ会社である『フンザ』が運営する、チケットのフリマサービス『チケットキャンプ』のメディアチームに所属。なんと、お母様もミクシィで働いていらしたそうで、“IT業界の2代目”として、社内でも話題の存在。橋本さんにも中学生の頃に会ったことがあるそう。
-お気に入りのスポットは?
濱田さん
社内のエントランスの横にある「BYRON BAY COFFEE」さんです。ここのカフェでは会社の福利厚生で、通常の半額くらいでコーヒーが飲めるんです。1週間頑張った自分へのごほうびに「バイロン行くか!」って。ごほうびっていうより、毎日来ちゃってるんですけど(笑)。お気に入りは、キャラメルカフェラテのソイ変更。
-仕事のオンとオフは分かれていますか?
濱田さん
チケットキャンプのメンバーはライブやスポーツ観戦が好きで、終業後や休日はライブに行く人が多いんです。アニメや宝塚、アイドルなど、みんなそれぞれに好きなジャンルがある。あ、わたしはK-POPや韓流です(笑)。そこで「もっとこういう機能があったらいいのに」っていう改善案が出たりして、遊びが仕事に結びつくこともあります。だから、オフは楽しむ! っていう気質だと思います。ミクシィは生活にかかわるサービスなので、自分が楽しんでいることが大事。わたしはまだ入ったばかりだけれど、後輩ができたらあの人の働き方楽しんでいていいなって、影響を与えられるような人になりたいです。
新しいオフィスはやる気のスイッチが入る
ミクシィのグループ会社の結婚支援事業を行う『Diverse』のアプリのデザインを担当する。日本にやってきて10年目になる日本語ペラペラのモンゴル人。物の使いやすさや見やすさを人の動作を中心にして考える「人間中心設計」のスペシャリストという特殊な資格をもつ。
-お気に入りのスポットは?
ウーレンさん
さっとミーティングができるオープンスペースです。特にお気に入りは中央のハイカウンターのところ。ここで毎日「朝会」をやるんです。前のオフィスは狭くて暗い通路で朝会をやっていたので、すぐ終わっちゃっていたんですけど、ここになってからは発言が多くなって、時間が長くなりました。なにより、楽しくなった!
-ウーレンさんにとって、ミクシィはどんな会社ですか?
ウーレンさん
自分も周りの人も成長させるところだと思います。デザイナーとして一人前になりたいので、たくさんインプットすることがありますが、わたしが大学で学んできた人間中心設計の考え方をみんなに教えることもあります。メンバーは肩書きに関係なく、フラットに知っていることを教え合うんです。上司のことは尊敬していますが、気軽に話しかけられる。雑談もけっこうします(笑)。
かっこいい人であるのは、人事の絶対条件
人事部。ミクシィグループ全体の新卒採用と育成を担当する。可能な限り学生と会いたいという姿勢で、日々未来のフレッシュマンと向き合っている。企業のイケメンのカードがおまけに入っている「イケメンチップス」に選抜されたことがあるほどのイケメン。「かっこいいことをやっている人はかっこいい」と、全力でかっこよさを追求する人でもある。
-仕事の後の過ごし方は?
佐々木さん
仕事がはやく終わって家に帰るときは、料理をします。理由は、「料理ができる男はかっこいいから」(笑)。メニューはカタカナが多い料理で、どうやって作るんだこれ!? ってなるようなもの。そして、見栄えがいいものを選びます。最近はリゾットを作りました。チーズは、パルミジャーノレッジャーノがいい。近所のスーパーにはないから、まずパルミジャーノレッジャーノを探す旅に出るわけです。で、買って帰って来ても削る機械を持ってないから、その代替案を調べたり。そんな風に過ごしてます。「かっこいい」って、人事のなかで絶対条件だと思うんです。「この人と一緒に働きたい」って思わせたい。そういう気持ちでやってます。
-お気に入りのスポットは?
佐々木さん
エントランスのソファですね。なによりオシャレじゃないですか。人材の育成ってやっぱり難しいんですよね。「会社からどういうメッセージを投げるべきか」とか「自分が内定もらったとき、一年目のときにどうだったか」とかいろいろ考えるんですけど、自席にいるよりこういった空間にいる方が集中できるんです。
-仕事のオンとオフは分かれていますか?
佐々木さん
オンとオフは、僕はないと思っていて。仕事とプライベートに分ける前に、人生があるわけじゃないですか。どれだけ人生がんばれるか、だと思うので、ずっとオンでいたいというか、大前提として人生を豊かにするために全力投球していたいですね!