- オフィスインタビュー
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物流ITカクメイの基地。3つのつながりを体現する大塚倉庫のオフィス
みなさん、物流倉庫と聞くと、どのようなイメージを思い浮かべますか?
わたしは失礼ながら、暗くて雑多としているイメージがありました…。
そんなわたしの元に、IBASHO編集部員から「倉庫をリノベーションした、おしゃれなオフィスがあるらしいですよ!」との情報が。
「これまで40以上のオフィスを取材してきた、オフィスハンターのかしみんが行くしかない!」。そんな使命感を感じ、大塚倉庫のオフィスへ行ってきました。
物流倉庫の暗いというイメージを覆す、おしゃれな空間が広がっていたので、早速レポートしていきます。
大塚倉庫のオフィスがあるのは、勝どき駅から歩いて15分ほど。もともと大塚倉庫が保有していた倉庫をリノベーションした建物「CROOS DOCK HARUMI」の2階です。
かしみん
なんだかおしゃれなホテルみたい!
エレベーターを降りて、大塚倉庫のオフィスエントランスに行くと、
▲「TECH-BASE(テックベース)」と呼ばれる大塚倉庫のオフィス
広報の下林さんが出迎えてくれました。
下林 千恵美さん (しもばやし ちえみ)
総務人事部 係長 広報担当
2011年4月に新卒で入社。入社後は、大塚グループ以外のお客様へ物流のしくみを提案する営業部に配属。その後、役員秘書、国際物流部を経験し、現在は総務人事部に所属。メインで広報を担当しながら、新卒・中途などの採用から新卒の研修まで、幅広い分野を担当しています。
目次
テクノロジーを取り入れて物流業界にカクメイを。大塚倉庫のサービス
かしみん
大塚倉庫は、どんなサービスを提供しているんですか?
下林さん
サービスの話をするうえで欠かせない、日本の物流業界の課題をまずお話しさせてください。突然ですが、かしみんさんは日本の物流業界の問題点って何だと思いますか?
かしみん
え、なんだろう。
下林さん
人手不足が原因で、長時間労働せざるをえないなど、大きな課題がたくさんあります。
かしみん
どうして課題が発生してしまうのでしょうか?
下林さん
工場でモノができてから消費者に届くまで、メーカーや倉庫会社、卸など、さまざまな人々が関わっています。
各会社ごとの最適化はできていますが、物流業界全体の最適化ができていないのが根本的な問題で……。その結果、人手不足などの課題が生じてしまうんです。
かしみん
各社間のリレーションを強めるのは、文化や考え方の違いもあり、なかなか難しそうです。
下林さん
はい…。
また、日本は諸外国よりも、データ化が遅れています。日本の倉庫は外国の倉庫に比べ、IT化が進んでいません。納品伝票を紙で整理するためデータに残らないなど、情報のやりとりに関してアナログな部分も多いんです。
かしみん
確かに、荷物を家まで届けてもらったときも、紙にサインを求められます。「この紙、全部管理するの大変そうだな…」と思っていました。
下林さん
まさに、そうなんです。そこで弊社は、テクノロジーを使って「情報」「働く人」「商品」を効率的につなげるべく「コネクティッドロジスティクス(つながる物流)」を目指しています。
かしみん
つながる物流、ですか。
下林さん
はい。私たちは、ただ倉庫を稼働させているだけではありません。
納品状況やトラックの場所をオンラインで確認できる「ID運輸」や、タブレットで倉庫内の荷物情報を把握できる「ID倉庫」などを取り入れています。
かしみん
テクノロジーでIT化を進め、業務を効率化しているんですね!
下林さん
はい!「IT×物流」の分野で事業を展開することで、物流業界全体の発展に寄与していきたいと思っています。
オフィスは、全国・メンバー同士・社外が「つながる」場所
かしみん
大塚倉庫さんのオフィスのテーマは何ですか?
下林さん
サービスで掲げている「コネクティッドロジスティクス(つながる物流)」と同じく、「つながる」をテーマにしています。オフィスでは人と人がつながれるような工夫を散りばめているんです。
かしみん
気になります!
下林さん
具体的に3つの“つながる”を取り入れているので、ひとつずつご紹介していきますね。
全国とつながる場所
まずは、全国の倉庫とつながる工夫をしている場所を案内してもらいました。
まるで倉庫!キョリを縮めるエントランス
最初に、エントランスに連れてきてもらいました。倉庫としては稼働していませんが、本物に見間違えるほど本格的!
かしみん
倉庫をおしゃれにリノベーションしたのに、どうしてエントランスは倉庫のデザインなんですか?
下林さん
オフィス内を見るとIT会社と言われることが多いですが、私たちはあくまで倉庫会社です。そのことを忘れないために、あえて社員が毎日通るエントランスに倉庫を再現しました。
かしみん
「本部は本部、現場は現場」と切り離さない考え、すてきです。
▲実際に商品も置かれています
全国のスタッフとミーティングやラジオ体操も!モニタースペース
こちらは、ステージになっているモニタースペース。壁には、8つのモニターが設置されています。
かしみん
モニターには何を映しているんですか?
下林さん
全国の倉庫の映像や、配送状況をチェックできるシステム「ID運輸」の管理画面などです。「今、倉庫はどのような状況なのか」などを知るために、リアルタイムで映像を流し、全国とつながる仕組みを作っています。
かしみん
モニターの前のスペースをステージにした理由はありますか?
下林さん
当社には独自のテレビ会議システム「オフィスワン」があり、全国26カ所の営業所とつなげられます。その仕組みを活用し、ステージを使って全社員で全国朝礼をしたり、ラジオ体操をしたりしているんです。
物流業界以外の著名の方々にお越しいただき、講演会を実施することもありますよ。
かしみん
さまざまな用途があって、使い勝手がいい…!
下林さん
テレビ会議システムは、倉庫の見学をしたいお客様にもご利用いただいています。
遠方にある倉庫を見学したいとき、実際に足を運ぶとなると、時間も費用もかかってしまいます。そこで、このオフィスに来ていただき、ステージから「オフィスワン」を使い、神戸の倉庫をリアルタイムで見学していただくんです。
かしみん
お客様にもメリットがあるんですね。
本社メンバーがつながる場所
続いて、本社のメンバー同士がつながる場所に案内してもらいました。
他部署との交流も盛んに!ワンフロアの執務スペース
大塚倉庫のオフィスの特徴は、ワンフロアの執務スペース。床にも家具にも木目調がメインに取り入れられていて、温かみのある空間です。
かしみん
天井が高くワンフロアで、開放感のある造りですね。
下林さん
他部署のメンバーとも交流が生まれるように、ワンフロアにこだわりました。同じ部署だけではなく、メンバー全員と濃いつながりを持ってもらえたらいいな、と思っています。
かしみん
部署間に壁がないぶん、他部署の人にも気軽に相談できそうです。
下林さん
あとは、同じ部署間でもより良い人間関係を築けるように、グループアドレスも導入してます。自分の部署のエリアであれば、どこの席に座ってもいいことにしているんです。
かしみん
「新しく同じ部署に入ってきたあの人と喋ってみよう」のような、フランクなコミュニケーションも生まれる気がします!
温かいコミュニケーション生まれるカフェテリア
執務スペースの一角には、おしゃれなカフェを思わせる、カフェテリアがあります。
かしみん
このカフェテリアは、どのような場面で使っているんですか?
下林さん
ランチを食べたり、軽いミーティングをしたり。仕事をするときにも使っていますよ。デスクが並んだスペースよりも、リラックスしながら作業を進められます。
かしみん
心なしか、ここで仕事をしている方の表情がやさしげです!
下林さん
そうですね。ほっこりとした空気が流れているので、柔らかなコミュニケーションが生まれやすい場所です!
社外とつながる場所
最後に、社外とつながる場所として、オフィスの中心にある「ログハウス」を紹介してもらいました。
かしみん
なんだか、オフィスの中にコテージがあるみたい!何をする部屋なんですか?
下林さん
ここは会議室ならびに、お客様をおもてなしする場所です。
かしみん
おもてなし……、ログハウスで?
下林さん
出張シェフを呼んで、オフィスのキッチンで料理を作っていただき、ログハウスで会食をしているんです。
▲扉を開ければ、開放的な空間に!
下林さん
オフィスでお客様をおもてなしすれば、「こんなメンバーがいるんだ」「こんな雰囲気なのか」と弊社のことを深く知ってもらえます。「ワイワイと楽しめたし、大塚倉庫についてもっと理解するきっかけになった」と好評ですよ!
かしみん
オフィスで会食って、なかなか機会がないですもんね!
さらなる縁も繋がるように。オフィスに込める思い
かしみん
「つながる」をテーマにした、すてきなオフィスの紹介をありがとうございました!
下林さん
こちらこそ、ありがとうございます。オフィスは、メンバーが仕事をするだけではなく、お客様や外部の人など、さまざまな人と出会える場所です。良い出会いがあったら、そこからさらに縁が“つながって”ほしいと思っています。
かしみん
縁がつながっていく、ですか。
下林さん
以前、北極探検家の方にオフィスで講演していただいたことがありまして。話に感銘を受けたメンバーのひとりが、北極の魅力に引き込まれ、有給を使って北極に行くことになったんです。
かしみん
行動力がすごい……!それほど良い出会いだったんですね。
下林さん
これからも、メンバーや訪れた人の人生を彩るような、出会いをつないでいく場所でありたいです!
全国・メンバー同士・社外において「つながる」をテーマにした、大塚倉庫のオフィス。「暗い」「無機質」という倉庫のイメージが先行していましたが、人の温かみを感じられる空間でした。
テクノロジーでIT化を進めていたり、もともと倉庫とは思えないほどおしゃれな雰囲気だったり。まだアナログの部分が多い物流業界ですが、「大塚倉庫のオフィスから倉庫カクメイが起こるかもしれない!」と感じました。