- オフィスインタビュー
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様々な働き方を経て実感した価値。才能が開花する「サイカするOffice」とは?
リモートワークが長期化するコロナ禍においても順調な事業成長を遂げ、人員も増加し続けた株式会社サイカ。
様々な働き方を経験したことで改めて気付いた事は「みんなが同じ場所に集うことの価値」。2023年3月にオフィスを約2倍に拡張したサイカの「才能が開花するオフィス」とは?
株式会社サイカ 共同創業者/才能開花部 部長
2012年、早稲田大学卒業とともに、代表の平尾と株式会社サイカを設立。新規事業の立ち上げ、プロダクトマネージャー等を経て、現在は人事・労務・広報を統括。
目次
コロナ禍、初めてのフルリモートは順調な滑り出しだった
まずは事業のご説明と国松様の自己紹介をお願いいたします。
国松さん
サイカは、2012年の設立から一貫してデータサイエンスを生業としている企業です。データサイエンスを軸に、マーケティングの戦略策定から戦術設計、実行、検証に至るまでを一気通貫で支援するコンサルティングサービスを展開しています。
これまでに累計230社を超える国内の大手企業に対し、マーケティング支援を行ってきました。
私はサイカの共同創業者です。大学の時に代表の平尾と一緒に創業しました。実は代表の平尾とは中学の同級生なんですよ。現在は才能開花部の部長という肩書です。
「才能開花部」とは面白い名称ですね!具体的にどういったことをなさっているのですか?
国松さん
社名であるサイカは漢字で書くと「才華」が由来です。
「華やかに現れ出た才能」という意味です。「才能開花部」はその名の通り、従業員や組織の才能を開花させるという目的の組織になります。いわゆる人事系のセクションだとお考えいただければ。HRや広報、コーポレートブランディング等も担っています。
今回の移転プロジェクトではコーポレートブランディングの観点において関わりました。
コロナ禍で働き方はどの様に変化しましたか?
国松さん
他の多くの企業と同じように、サイカとしてもコロナのタイミングで会社としてはじめてフルリモートワークを経験しました。
アンケートを行うなど初めてのフルリモートワークに対し、従業員の状況をこまめに確認していたのですが、リモートワークへの満足度はかなり高く、出社して働いていた事よりも生産性が向上しているという声も半数以上ありました。
しかし、コロナの終息が見えずリモートワークが長期化、その間にも事業の成長が大きく進み従業員数が急増してくるにつれ、徐々に課題が顕在化してきたのです。
リモートワークの中急増する人員。あらたな課題が表出
コロナ禍中に大きく成長されたんですね。
新規採用の方にとっていきなりリモートというのは、確かにハードルが高そうですね。
国松さん
そうですね。新規採用者のオンボーディングの課題ももちろんありました。ただ、それだけではなく、コロナ前は一人一人の従業員が「自分はサイカに所属している」「サイカのメンバーなんだ」という、サイカに対するロイヤルティが強く根付いていたように思います。
しかしコロナによるリモートワークが長期化していくと、徐々に「自分は〇〇部に所属している」「〇〇というチームの一員なんだ」というような会社全体ではなく、小さな組織への所属意識の方が強くなっているような傾向がありました。それにより部門間の関係性が希薄になり、コミュニケーションの課題を訴える声も聞こえるようになってきたのです。
国松さん
そういった課題が顕在化してきたこともあり、対面での仕事のしやすさや調整のスムーズさ、業務で直接関係のないケースでも所属チームを超えたカジュアルなコミュニケーションの重要性に気付くことになるのです。
また、コロナ前から入居していた移転前の千代田区のオフィスは、企業の成長と共に人員が増加したため、フロア増床を2回行い、3フロアに分かれたオフィスとなっていました。
開発部門、事業部門、コーポレート部門とフロアが3つに分かれており、出社をしたとしても、部門間コミュニケーションの課題は残ったままでした。
「華やかに現れでた才能」を意味する”才華”を新オフィスのデザインに
それが移転の背景だったのですね。新オフィスを構築する上で重要視したことやオフィスへのお考えをお聞かせください。
国松さん
我々は、自宅で働く。会社で働く。一人で考える。みんなで考える。さまざまな働き方を経たことで、同じ場所に集い、議論する中で生まれる新しいアイデアやコラボレーションの価値をあらためて感じるようになったのです。
ですから、1フロアでメンバー全員がフラットに顔を合わせてコミュニケーションがとれる、というところは必須ポイントでした。コロナの影響もあり都内の空室率が高い時期だったので、この広さで1フロアという良い物件に出会えたと思っています。
もちろん、同時に経済的合理性も追及する必要があります。我々はオフィスを事業成長に向けた投資だと考えています。ですから投資に見合うだけの効果が実現できるのかというところを投資家、ないしは株主にも証明していく必要があります。
新しいオフィスでどの様にこれらを実現していくのかを考えたとき、サイカではメンバーの働く環境をより良くすることが、EX(従業員体験)の根幹につながるという想いから、オフィス移転をEX向上のための最大の投資として位置付け、EXの向上を通じてさらなる事業成長を実現していこうというコンセプトが固まっていったのです。
メンバーが “サイカする” オフィス
それでは新しくなったオフィスを見せてください!
国松さん
新オフィスにはメンバーの才能開花の促進を目指し、コラボレーションの機会を創出し、従業員の創造性を刺激するような仕掛けを組み入れています。もちろん、メンバーが働きやすいこと、居心地よく過ごせることを前提としています。
△開放的なフリースペース photo:SKYLA
△スタンディングでクイックにMTGが出来るスペース 撮影/ナカサ&パートナーズ
国松さん
新オフィスは522坪と、以前のオフィスの約2.2倍の広さになりました。会議室が並ぶエリアの中心に、広大なフリースペースを配置したり、2か所のカフェスペースを設けるなど、執務スペースと同じ広さをコラボレーションスペースとして用意しました。
△オンライン会議ブースを17箇所設置 photo:SKYLA
国松さん
実は、新オフィスのフロアはもともとコワーキングスペースだったのです。そのフロアを居抜きで引き継ぎ、リノベーションする形で新オフィスをつくりました。コワーキングという特性もあり、交流を促進するようなレイアウトがあったのです。
会社としてのイメージを想起させるような部分は作り変えましたが、オンオフ統合で最適な働き方を実現するため、元のコワーキングスペースの構造を最大限に活用しています。
才能開花とデータサイエンスが融合する空間デザイン
和のテイストが随所にみられるのには何か理由があるのでしょうか?
国松さん
自己紹介の際にお話した内容と重複しますが、サイカは漢字で書くと「才華」という日本語を由来としているためです。
△「最上級のおもてなし」を象徴する茶室 撮影/ナカサ&パートナーズ
国松さん
我々のようなスタートアップの企業で、かつデータを扱うようなIT企業が日本語の由来を持つというのは珍しいです。和名の由来を持つサイカがこれから世界に飛び出し、日本を代表する企業になっていくという意思を込め、信頼と先進を組み合わせ、サイカのユニークさを追求しました。
△ロゴとシンボルツリー、自然の石を融合 撮影/ナカサ&パートナーズ
国松さん
ミッションとして掲げる「すべてのデータに示唆を届ける」ことを実現し、人や企業、社会の才能開花に貢献したいというのがサイカの考えです。
「自然物」と「人工物」という、一見して相反する両者が調和する空間デザインによって、才能開花とデータサイエンスの融合を表現しています。
△日本庭園や枯山水をイメージし、デジタルアートと融合 撮影/ナカサ&パートナーズ
国松さん
デジタルといった最新技術に、石や木といった自然と和を融合させ、ここにしかない空間を作り出しました。
オフィスづくりも「社会的なものづくり」。環境負荷は最小化
今回居抜きを活用するなど環境へ配慮したオフィスづくりをされたとお聞きしています。具体的にお聞かせいただけますか?
国松さん
今回のオフィス移転は、「経済的合理性」と「社会的責任」を両立することもテーマの一つでした。
「ごみを出さない、無駄に壊さない」を標語に、エコを意識し、経済的な合理性を追求しながらも、企業としての社会的責任を果たすことにもこだわりました。
△前テナントの設備を最大限に再利用 photo:SKYLA
国松さん
什器の再利用率は80%、壁材など構造物の再利用率は100%と通常のオフィスづくりでは難しいとされる再利用率を達成しています。
「居抜き」を上手く活用し、今ある形を変えるのではなく「空間の捉え方を変える」ことでサイカのユニークさを表現しました。
△木材は間伐材を使用 撮影/ナカサ&パートナーズ
国松さん
再利用以外にも木材は間伐材をつかう、自然環境への影響に配慮しながら採石した石を使うなど、素材も環境に配慮したものを選びました。
サイカさんの想い、魅力が詰まったストーリーのあるオフィスですね!反響はいかがですか?
国松さん
初日のメンバーの反響は凄かったですよ。国会議事堂も見える景色に感嘆の声を上げたり、高級ホテルのようだとはしゃぎあったり、そわそわしている感じもありましたね。
「1フロアなので、ちょっとした会話もしやすい」「見晴らしがよく目と心が安らぐ」「この素敵なオフィスに恥じないような仕事がしたい」など、意欲的な言葉が聞けたことも嬉しかったですね。
移転した翌日、サイカとしては初めてのファミリーデーを設けたのですが、小さな子供たちがエントランスを走っていた姿が印象的です。家族の皆さんにもオフィスを見ていただくことができ、対面で集い、自然に交流が広がっていく事を実感しました。メンバーの「自分はサイカに属しているんだ」という認識が深まったのではないかと感じています。
クライアントやパートナーの方々からも非常にオフィスに対してポジティブな反応をいただいています。
新しいオフィスで人と人がより強く繋がり、会社が成長してもその繋がりを継承していける、そんなオフィスにしたいと思っています。