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オフィスインタビュー
vol.240 日本システム技術株式会社

トレンドを取り入れ、イノベーションを加速させる空間を。日本システム技術・Lab構築への想い

時代と共に移り変わる働き方。オフィスに求められるものも、働き方と共に移り変わっていくものです。

 

50年ほど、ソフトウェア開発・運用・保守を中心に事業を展開する日本システム技術株式会社。2020年9月末に研究開発を行うLabを新たに構築しました。事業内容やLab構築への想いについて、ライフイノベーションLab所属の4人にお聞きしました。

市原 泰介さん (いちはら・たいすけ)
ライフイノベーションLab室長
2001年に日本システム技術株式会社入社後、ソフトウェア開発、マーケティング業務を数多く担当。2018年にアカデミア、民間企業との基礎研究/商材開発を目的とした”ライフイノベーションLab”を設立し現在に至る。
荒井 健太さん (あらい・けんた)
ライフイノベーションLab所属
2007年に日本システム技術株式会社入社。
入社以来、移動通信事業のDWH構築や某小売業におけるデータ分析等、ビッグデータに関係する事業を担当。2020年4月に社内FA制度を利用し”ライフイノベーションLab”へ異動。現在は商材開発を中心に担当している。
山田 雄矢さん (やまだ・ゆうや)
ライフイノベーションLab所属
2018年に日本システム技術株式会社入社。入社後、ライフイノベーションLabへ所属し、アカデミアや他社との共同研究に関するデータ抽出や情報提供を担当。
土屋 彩さん (つちや・あや)
ヘルスケアイノベーション事業部/ライフイノベーションLab営業事務/庶務兼任
2018年に日本システム技術株式会社へ入社後、ヘルスケアイノベーション事業部庶務として従事。ライフイノベーションLab設立時から庶務担当を兼任し、社内外問わず事務処理全般を担当している。

IT業界の老舗企業。現在は数々の自社ブランド事業も手掛ける

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卯岡

「日本システム技術」という一見お堅い印象の社名に対し、こちらはカフェのようなおしゃれな雰囲気ですね。どのような事業を手掛けていらっしゃるのでしょうか。

市原さん

当社は50年ほどシステム開発に携わっている、IT業界の老舗企業です。金融・通信・製造・流通・サービス・学校や公共事業など、幅広い業界業種のシステム開発から運用、保守を行っています。

また、25年ほど前に立ち上げた自社ブランド事業「GAKUEN」シリーズにも力を入れています。大学生の履修登録から卒業までをサポートするもので、日本でシェアナンバーワンを誇っている事業ですね。その他、ヘルスケア事業部では医療ビッグデータ事業を展開するなど、ソフトウェアをメインにさまざまな事業を手掛けています。

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卯岡

皆さんが所属されている「ライフイノベーションLab」は、どういった部署なのですか?

市原さん

研究開発の部署ですね。自社ブランド事業のひとつ、ヘルスケア領域での基礎研究を行っています。日本の医療が課題としている高齢化による医療費増大を、レセプトデータから抑止できないかと考えているんです。当社だけで研究するには限界があるため、民間企業やアカデミアとの共同研究にも力を入れています。

また、2020年の新型コロナウイルス感染症の流行を受けた取り組みも行っています。理化学研究所や慶応義塾大学と進めているところです。レセプトデータを用いて、陽性段階で重症化リスクの高い人を洗い出し、優先的に対処する方法を探っています。医療崩壊を防ぐためにも、今求められている研究ですね。

uoka

卯岡

まさに新型コロナウイルス感染症の流行による影響を受け、リモートワークをメインにしたり、それに伴いオフィスの縮小をしたりといった企業もあります。日本システム技術さんは、現在どのようにお仕事をされているのでしょうか。

市原さん

当社は東京と大阪にオフィスがあり、東京は出社率を3割以下に減らすようにしています。東京オフィスでは、2020年に開催予定だった東京オリンピック中のリモートワークを想定し、試行も行っていました。そのため、コロナ禍でのリモートワーク切り替えも割とスムーズでしたね。

イノベーションを加速させるため、内装にこだわったLab構築を

uoka

卯岡

こちらのオフィスは、いつから利用されているのでしょうか。

市原さん

2020年9月末ですね。

荒井さん

同じ品川にあるオフィスが手狭になり、高セキュリティルームを広げるために、もともと別の部門が使っていたこちらの場所を活用したんです。話が浮上したのはコロナ禍前ですね。

市原さん

2020年頭くらいにはLabの構想がありました。当初はゴールデンウイークに完成を目指していたんですが、コロナ禍により施工会社がストップしてしまいまして。

uoka

卯岡

コロナ禍を受けて、計画の見直しは行われましたか?

市原さん

いえ、それはなかったですね。データを活用して社会貢献をするためにも、Labが必要なことに変わりはありませんから。

uoka

卯岡

カフェのような内装がおしゃれですが、内装へのこだわりは元からなのですか?

市原さん

いえ、ここは常務取締役のこだわりです。常務取締役は、スタートアップ企業で多くのLabルームを見ていまして、構築のメリットも実感していました。せっかくコストをかけて作るのだから、変なものは作れないと思ったようです。そこでコンセプトとして打ち出したのが「ブルックリン調の部屋」でした。

uoka

卯岡

だからレンガ調の壁面なのですね。Labは一般的におしゃれな内装なのでしょうか。

荒井さん

おしゃれなところが多いですね。イノベーションを起こすためにも、フランクに話せる雰囲気が良いとされています。

uoka

卯岡

9月末からまだ日が浅くはありますが、使われてみていかがですか?

土屋さん

オフィス作り自体にはあまり深く関わっていないのですが、構想段階で教えていただいたときには、今までの当社にない雰囲気で新鮮だな、と。ミーティングで使っているメンバーもいますよ。「おしゃれな場所ができて嬉しい」という声も耳にしていますし、私自身も嬉しいなと思っています。

荒井さん

オープンオフィスのような雰囲気をリクエストしました。とにかく、ディスカッションが多いんですよ(笑)。話し合いやすい空間になればいいなと思いましたね。

山田さん

意見交換しやすくなりましたよね。非常に話しやすいです。気分で仕事場所を変えられる点も気に入っています。一カ所で仕事をしていたときよりも、新しい発想が生まれているんじゃないかな。堅苦しいオフィスとは想像力に大きな違いがありますね。

市原さん

Lab作りに関してのこだわりもですが、社のあり方もここ数年で随分と様変わりしているんです。そのひとつが服装ですね。2019年から実験的にオフィスカジュアルを取り入れ始めたのですが、思いのほか浸透が速くて。社内でも好評なんですよ。

Labもその流れの中で自然とできてきたものだと感じています。新たなイノベーションを起こすためにも、世の中のトレンドを取り入れようとしているんです。この変化をどんどんアピールして、共同研究先の大学を増やしていきたいと思っています。

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卯岡

共同研究先からの反応はいかがですか?

市原さん

お越しいただける頻度が増えましたね。データを見ながら話せるようになったので、研究スピードも向上しました。

共同研究前の打ち合わせも、Labで行うことが増えました。これまではメールや資料のやり取りから行っていたんです。コミュニケーションが取りやすくなったからか、お付き合いしている会社数も増えていますね。学生に対してもこの環境をアピールしたいです。「こういう会社だったら働きたい」と思ってもらえたら嬉しい。

土屋さん

私は庶務という仕事柄、社内を歩き回れるので、いろいろな社員と話しやすいんです。ただ、SEなど仕事場所が固定されがちな立場だと、どうしても会話できる人が一部分になりがちなんですよね。Labのように部署に関係なくフランクに話しやすい環境を整えられれば、もっと社内コミュニケーションが円滑になるのではないかと思っています。

山田さん

コロナ禍で難しくなったBBQや社員旅行といったイベントに代えて、2020年度はハロウィンの仮装写真をアップしての全社投票や、リモートワークによる運動不足解消を兼ねた部ごとのウォーキングイベントが行われました。これらイベントもコミュニケーションの促進に一役買っています。

市原さん

ただ、こうしたイベントの柔軟な発想も、数年前の当社では考えられなかったものですね。本当に大きく変化している会社なんです。

uoka

卯岡

会社全体の革新の中に、Lab作りがあったのですね。では、見学しながら改めて詳しくお聞かせください!

「ブルックリン」がテーマ。日本システム技術のオフィスを見学

常務取締役がこだわった「ブルックリン」をテーマに作り上げられた日本システム技術のLab。働き方に応じて使い分けられる3つのスペースから成り立っています。

Lab:椅子にこだわり!ミーティングスペース

主にミーティングに使われるスペース。リクエストしたのは、座りながら体幹を鍛えられる椅子です。

荒井さん

座りながら運動不足を解消できるということで、導入していただきました。

土屋さん

集中しやすいんですよ。熱が入り、つい立ち上がってしまう人もいます(笑)。

Lab:リラックスしながら働けるソファスペース

お話を伺ったのが、ソファスペースです。リラックスできる環境が、フランクな会話を後押しします。

山田さん

ミーティングスペースとソファスペースの壁面に設けた巨大モニターは、リモートでのやり取りを想定して付けてもらったものです。

リモートワークは便利ですが、ニュアンスを伝えにくかったり、データを見ながら一緒に悩んだりすることができない点がデメリットですね。工夫が必要だと感じます。

Lab:ひとりで作業したいときに活用!カウンタースペース


▲重量の関係上、壁面のレンガは本物ではなく本物に見える「レンガ調」の素材を採用
反対側の壁面に設けられたカウンターは、ひとりで集中したいときに利用するスペースです。

荒井さん

3エリアを使い分けることで集中力が持続するんです。執務スペースの自席ではしづらい通話も、状況に応じてLabルームで行えます。

気分に応じて移動可能なスペースも。執務スペース


▲ソファ部分に見える帯のようなものは充電用の電源
執務スペース脇にも、気分に応じて使えるソファスペースが設けられていました。

市原さん

部署に関係なく好きに座れる場所があると、抱えている問題を部署外の人に話せるチャンスが生まれるんです。あえて部署外の人に話すことで、思わぬ解決策が見つかることもあるんですよ。品川本社にも、ぜひこういった環境を作りたいですね。


▲執務エリアからはテラスに出られる。屋形船を臨めるロケーションが気持ちいい

これからのオフィスは、アイディア創出の場へ

「自社社員はもちろん、アカデミアの方にとっても発想が豊かになれる空間を構築していけたら」と土屋さん。今回構築したLabで終わりにせず、今後も必要に応じてバージョンアップをし続けていきたいと語ってくれました。

手掛ける事業はいずれも拡大中。時代に合わせた働き方を取り入れる日本システム技術がオフィスに求めるのは、アイディア創出の場であることです。Labの経験を全社に活かすべく、これからも事業成長に繋がる空間作りに力を入れていきます。

取材先

日本システム技術株式会社

https://www.jast.jp/ 公式サイト

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