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プレミアムフライデーとは?目的や導入企業、問題点について解説
最近よく聞くようになった「プレミアムフライデー」という言葉。プレミアムフライデーを導入している企業、していない企業と様々でしょう。今回は最近話題のプレミアムフライデーについてご紹介します。
目次
プレミアムフライデーとは
プレミアムフライデーは、毎月月末の金曜日は仕事を午後3時に終わらせて、個人消費をもっと増やそうという取り組みです。2017年2月24日の金曜日からスタートしました。プレミアムフライデーの取り組みは、経済相が経団連などと連携して各企業へ呼びかけました。
プレミアムフライデーの目的
プレミアムフライデーには2つの目的があります。
1. 個人消費の活性化
プレミアムフライデーは、買い物や食事、旅行など幅広い分野で個人消費を活性化させることが目的としてあります。
2 . 働き方改革との連動
もう一つの目的としては、働き方改革と連動して「月末の金曜日は早く仕事を終わらせて、有意義に時間を使う」ということにあります。
3.業務の効率化
プレミアムフライデーの導入により、業務の効率化が期待されています。プレミアムフライデーでは、就業時間内で業務を終わらせる必要があるため、通常よりも効率よく業務を行う必要があります。
4.従業員満足度の向上
残業せず定時で帰ることで、自由に使える時間が増えます。それによりワークライフバランスが確立され、働きやすいさという面で従業員満足度の向上にも繋がります。
毎月最終金曜日は、15時までに仕事を終わらせて、夕方からレストランに出かけたり、ショッピングを楽しんだり、家族団欒の時間に使うなど、それぞれに週末を長めに楽しんでもらうための消費喚起策になります。
プレミアムフライデーを導入している企業
プレミアムフライデーの取り組みに賛同している企業は、約7,600社にもなる。2017年2月24日にスタートさせてから、2週間で5,300社が賛同してから、その数は増えている。政府と経団連が連携を行ったこともあり、プレミアムフライデーは大手企業を中心に実施されています。
大和ハウス工業株式会社
http://www.daiwahouse.co.jp/
今まで様々なワークライフバランスへの取り組みをしてきた大和ハウスは、プレミアムフライデーとしての取り組みとして、該当日に就業時間を「9時~18時」から全社一律で「8時~17時」に変更。午後は半日有休とする。
ソフトバンク株式会社
https://www.softbank.jp/
毎月末最終金曜日の午後3時を退社奨励時間とする取り組みを実施。また、プレミアムフライデーと連動して「スーパーフレックスタイム制度」の導入や、「スマート・アンド・ファン!支援金」という業務効率化によりできた時間を自己成長の機会に投資してもらうために毎月1万円の給付を行う取り組みを始めた。
トリンプ・インターナショナル・ジャパン
http://www.triumph.com/jp/ja/cw_company.html
トリンプは、毎月最終金曜日の就業時間を午後3時として、午後3時にはチャイムを鳴らして消灯する。また、午後3時以降の社内会議や社内での商談を禁止している。
プレミアムフライデーのロゴの使い方
プレミアムフライデーにはロゴマークがあり、丸い月の笑顔のような形をしています。このロゴマークは、申請を行うことによって、版権を気にすることなく利用できるようになっています。
申請の手続きについて
1. オンライン上での申請
まず、プレミアムフライデーのロゴマーク利用規約に、オンライン上で同意を行います。その後に表示される申請画面の中で、企業名、住所、参加単位、ホームページアドレス、担当者名、取材の可否などの企業情報を入力します。
2. 承認後にメール確認
プレミアムフライデーの事務局で申請内容が確認され、問題がなければロゴマークをダウンロードするためのURLがメールで送信されてきますので、それを自由に使うことができます。
プレミアムフライデーの企業の対応方法
プレミアムフライデーは全国の飲食店や旅行会社、百貨店にとっては商機ととらえて様々なイベントやセミナー限定商品の販売などが行われています。
伊勢丹新宿本店
伊勢丹新宿本店では、本館7階のレストラン街「イートパラダイス」において、飲み歩き、食べ歩きイベントが開催されました。
新宿高島屋
高島屋では、学びや自分磨きをテーマにした体験型の講座などを開催して、1時間以内で消費者が楽しむことができる「コト消費」の喚起策を行いました。高島屋の新宿店舗では、女性向けの「メイクアップ講座」に力を入れ、化粧品会社などと連携して、目の周りのメーク術などを伝えました。
楽天トラベル
楽天トラベルでは、プレミアムフライデー企画として、プレミアムフライデーを満喫するプランの提案や枚数を限定したプレミアムフライデーで使えるクーポンなどを出しています。
その他にも
普段は競合している企業同士もプレミアムフライデーで協力を行い、三井不動産、野村不動産などが連携して、「プレミアムフライデー in 日本橋」が2017年2月24日から開催されました。
プレミアムフライデー失敗した理由とは
2017年2月より始まったプレミアムフライデーも今では約7,600社が導入をしています。しかし、中には導入したが社内で浸透しなかったり、失敗に終わってしまったという企業もあります。失敗に終わってしまった企業には共通点があります。
・午後3時で帰る人が少ない
・時給で働く人への対策がされていない
・月末の金曜日が諸々の締め日になっている
まず、制度化されていないということで、午後3時に帰る人が少なく、次第になくなっていった、浸透しなかったという点が挙げられます。また、時給での勤務者にとっては、その分の補償などがないために受け入れ難いということもあるようです。そしてなにより、部署によっては諸々の締め切りが月末に集中してしまうため、午後3時に退勤するというのが現実的ではないようです。
最後に
2005年に政府が先陣を切って開始した「クールビズ」は、日本の社会にすっかり定着しています。プレミアムフライデーも、以前のクールビズのように定着することで消費を促し、日本の経済の活性化につながることが期待されています。
日本は、有給休暇の取得率などが世界的に見て低いと言われています。仕事をさらに効率よく生産性を高めるためにも、仕事以外の時間の充実も重要です。