- オフィスインタビュー
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「これからの働く」を作る社員に、居心地の良い空間を。カクトクのオフィス
「働き方改革」として、国も推進する副業・兼業。また、正社員の形に捉われない働き方である「フリーランス」。こうした新しい働き方に興味がありながらも、「自分の経験、職種では難しい」と思っている人もいるのではないでしょうか。
カクトク株式会社は、これまで難しいとされてきた「営業のアウトソーシング」の実現を後押しするマッチングプラットフォーム「kakutoku」を提供しています。目黒に移転してきたオフィスは、黒をアクセントに使った洗練された印象です。川中さん、山崎さんにオフィスのこだわりを伺いました。
カクトク株式会社マーケティングマネージャー
大手広告代理店や海外の事業会社にて10年間にわたりマーケティングに携わる。転勤・出産に伴い退職し、フリーランスを経て2019年カクトク株式会社に参画。
カクトク株式会社 広報
外資系企業を中心にブランドマーケティングや海外折衝など、幅広い業務に従事。2018年よりカクトク株式会社に参画。
目次
営業職を、もっと自由に。マッチングプラットフォーム「kakutoku」
▲ガラスの向こう側がインタビューを行った会議室
卯岡
ナチュラルななかに黒が印象的に使われていて、まるでブルックリンスタイルのカフェのような雰囲気ですね。
山崎さん
代表が考えたんです。私たちはどのようなオフィスになるのか知らされておらず、サプライズでのお披露目でした。
卯岡
御社の事業がデザイン関係というわけではないのでしょうか。
川中さん
まったく関係ありません(笑)。当社の事業は、フリーランスや副業の営業職と、企業をつなぐマッチングプラットフォーム「kakutoku」の運営です。
卯岡
フリーランスの営業職ですか。
川中さん
クラウドソーシングなど、さまざまな仕事が外注できる環境が整っていくなかで、営業の外注化はあまり進んでいなかったんです。
営業をアウトソースするには、営業活動の要件やフローを整理するノウハウが必要です。また質の高いアウトソース先の情報がないと、上手く活用できずに終わってしまうことも。
そんな課題に対して、カクトクはアイディアとテクノロジーを駆使した就業プラットフォームを通じて、「営業のクラウド化」という新しい営業戦略にチャレンジしています。
山崎さん
背景には、営業職の人口減があります。全体的に労働人口の減少が問題とされていますが、そのなかでも営業は「大変そう」といったイメージから、若い子が敬遠しがちな側面があるんですよ。
卯岡
営業=ハードなイメージ、わかります。
山崎さん
営業=フルタイムが基本で、外回りが多いといったイメージもあります。でも、営業が好きな人のなかにも、育児や介護と両立しながら働きたいと考えている人もいるはずですよね。そのニーズに応えられるサービスを提供しているんです。
川中さん
登録者は5~10年程度会社で営業経験を積んできた方が多く、1年前と比べて月間約6倍、登録者が増加しています。軌道に乗った結果、フリーランスから法人化された方もたくさんいるんですよ。
また、妊娠出産を機に、これまで培ってきたスキルを活かしてテレアポやインサイドセールス業務をメインで働かれている女性の方もいらっしゃいます。
卯岡
野暮なことをお聞きしますが、報酬面はどうなっているのでしょうか。
山崎さん
現在は固定報酬が基本で、案件によっては成果報酬が乗る場合もあります。始めた当初はフルコミッション(完全歩合制)の案件もあったのですが、フリーランスの方にとって、成果が上がるかどうかわからない状況では積極的に営業に出向きづらいんですよね。準備や商談の時間に対しても報酬を支払うほうが営業職の場合は適していると判断し、コミットすることで結果的にクライアントへの成果にも跳ね返ることがデータとして出ました。
卯岡
成果報酬制が一般的なフリーランスのデザイナーやライターとは異なる部分ですね。一方で、営業を外注しようとする企業側にはなにか傾向があるのでしょうか。
川中さん
新規事業を立ち上げたい大手企業、日本に支店を作る前に、まずは市場で試してみたい外資系企業、自社で営業正社員を多く抱える余裕がないスタートアップなど、さまざまですね。これまでに300社以上ご導入いただいています。
山崎さん
地方でのニーズも高い特徴があります。都市部に本社を構える会社が、地方に販路を拡大したい場合に利用されていますね。
川中さん
転勤コストを減らせて、なおかつ現地の土地勘や人脈がすでにある営業人材・営業代行会社に依頼できる点にニーズがあるんです。
卯岡
なるほど……! 多い業種のジャンルはあるのでしょうか。
川中さん
新しいビジネスへの意欲がある企業、特にIT関連企業が多いですね。まだまだ「営業を外部に発注する」思考が広がっていないので、今後より広めていきたいと思っています。
目指したのは、みんなが働きやすい会社
卯岡
新しい働き方の提案をされているわけですが、カクトクさん自体も働きやすさにこだわっているのでしょうか。
山崎さん
当社は働きやすいですよ! 私たちはふたりとも母親なので、16時に退社しています。
川中さん
コアタイムのないフレックスタイム制なので、柔軟に働けるんです。自分のスケジュールで動けるのがいいですね。
山崎さん
平均年齢が30代後半と、ちょうど子育て世代が多くはあります。ただ、「パパママのために働きやすく」といった意図ではなく、働きやすさを意識した結果、パパママも働きやすくなったんですね。
卯岡
素敵ですね。
山崎さん
当社は大分で創業した会社なこともあり、代表は「仕事終わりに飲みに行くのではなく、温泉に行くスタイルがあってもいいんじゃないか」と話しているんですよ。
川中さん
飲みに行くよりも有意義なのでは、と。
卯岡
それ、いいですね……! 実現はされたのでしょうか。
川中さん
いえ、その後東京にオフィスを設けたので、おあずけになっています。事業の内容上、やはり最初は東京に出てきたほうがいいと判断したんです。最初は渋谷にオフィスを構え、次に移転したのが目黒にある今のオフィスになります。
山崎さん
資金調達が叶い、人が増えるタイミングだったんです。
卯岡
続きは、オフィスを見学しながらお聞かせください!
社員が来たくなる居心地の良さがコンセプト。カクトクのオフィス見学ツアー
黒をアクセントに使った、おしゃれかつ落ち着いた雰囲気のカクトクさんのオフィス。コンセプトは「思わず来たくなるオフィス」です。
履き替えることで、気持ちも切り替え。「土足禁止オフィス」
実は、カクトクのオフィスは土足禁止。エントランスでスリッパに履き替えての取材でした。
卯岡
土足を禁止にしたのには理由があるのでしょうか。
山崎さん
シンプルな理由としては、床が白いため、掃除の手間をできるだけ省きたい、ですね。以前マンション内にオフィスを設けていたときには、必然的に靴を脱いでいまして、気持ちが切り替わる実感がありました。そのため、そのスタイルをそのまま続けたという側面もあります。
川中さん
靴を脱げるので、パンプスやヒールを履いたほうがいい日でも気が楽なんですよ。
打ち合わせ・取材場所をしっかり確保。「会議室」
エントランスを入ってすぐ目の前に現れるのが、今回インタビューをした会議室です。
山崎さん
個人的に、会議室の窓にある、この黒い格子がおしゃれでお気に入りです。
川中さん
移転前は、スペースの都合もあって会議室が独立して設けられず、打ち合わせがしづらかったんです。取材があっても、近くのカフェで……とご案内せざるを得なかったので、今はずいぶん快適になりましたね。
山崎さん
執務スペース、会議室ともにホワイトボードを多めに設置し、ディスカッションしやすい環境を作っています。
川中さん
あ、あとは椅子をベンチシートにしたのにも理由があるんですよ。
卯岡
どんな理由ですか?
川中さん
座り心地をあえてよくしすぎないことで、会議時間を削減しよう、という狙いがあるんです。
卯岡
なるほど。実際、いかがですか?
川中さん
無駄に長くなることはなくなったように思います。
フリーアドレスですっきり感を維持。「執務スペース」
執務スペースには、フリーアドレス制を導入。フレックスタイムやリモートワークなど、全員が同時刻にオフィスで仕事をするわけではないことから、より効率的にスペースを活用できています。
川中さん
窓が大きいので、自然光がたくさん入ってくるのがお気に入りです。
山崎さん
居心地がいいからか、会話も増えたような気がします。
卯岡
シンプルなデザインで、本当にすっきりした空間ですね。コンセプトの「思わず来たくなる」は実現しているのでしょうか。
山崎さん
実現していると思いますね。外回りをしていて、今までだとそのままカフェで仕事をして次の訪問先へ……といった社員が、「近くだったから」とオフィスに立ち寄ることが増えた気がします。
卯岡
目的を果たしているんですね。各々が自由に仕事ができると、顔を合わす機会が少なくなり、コミュニケーションに弊害が出る気もするのですが……。
川中さん
社内ミーティングは、リモートでも参加できるようにしていますね。あとは、月1回ペースで納会という名の立食パーティーを開催しています。
山崎さん
子育て中の社員が多いので、あえてランチに設定して、ふだんリモートの社員も参加しやすいよう工夫していますね。仕事以外の話もできる、いい機会になっています。
居心地のよいオフィスで、「世の中にないサービス」を作り上げる
「世の中にないサービスを作りたい。今までになかったことに取り組み、カクトクがあるから広がったといわれるものを作り上げたい」。カクトクの代表が口にしている言葉だといいます。「誰もがプロフェッショナルとして活躍できる世界をつくる」というミッションを実現するべく、新たな仕組みを作り、考え方を広げていくためのメディアも運営中です。
「次に移転するときには、セミナールームを作りたいと思います」と語ってくれたおふたり。「これからの働く」を作り上げるカクトクのオフィスは、リモートでも働ける社員たちが出社したくなる、心地よい空間でした。