- オフィスインタビュー
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常識に捉われず、価値ある商品を消費者へ。SUPER STUDIOの新オフィス
「常識に捉われない」を信念として持ち、その考えが社名の由来にもなっているSUPER STUDIO。度重なる移転を経て、エリア選びからじっくり進めたのが、目黒区にある新オフィスです。
洗練されたおしゃれな空間は、「イベントスペースを利用してD2C業界のイノベーションを起こしていく場をつくりたい」という想いを体現したもの。CEOの林さん、広報担当の池上さんに、早速お話を伺いました。
株式会社SUPER STUDIO CEO
1987年、大阪府出身。2010年関西大学卒業。「本当に良いプロダクトを世に拡めたい」という想いからWeb専門の広告代理店にマーケターとして入社し、ECサイトやサービスのグロースを多数担当。
モノ作りそのものに携わりたいという想いが強くなり、2014年にSUPER STUDIOを創業、同社CEOに就任。現在、新規事業開発部門を率いる。
株式会社SUPER STUDIO 採用広報ユニット マネージャー
2012年、鉄鋼・農業メーカーの朝日工業株式会社にて広報・IR担当として個人投資家向けの説明会・イベントなどで会社説明を担当。
2013年にテックファーム(現:テックファームホールディングス株式会社)へ入社、社内イベントの企画からメディアリレーションまで広い広報業務を経験。
2018年に現職である株式会社SUPER STUDIO入社、広報・採用などコーポレート周りの業務を担当。自社ファンを戦略的に増やすことをミッションに、採用広報に注力する。
目次
「SUPER STUDIO」ーー社名の由来は60年代イタリアの建築家集団
卯岡
SUPER STUDIOという社名から、音楽や写真などスタジオ関係の事業を手掛けていらっしゃるのかなと思ったのですが、違うんですね。
林さん
社名の由来は、60年代後半から 70年代にかけてイタリアで活躍した建築家集団「Superstudio」なんです。
卯岡
ええと、でもSUPER STUDIOさんの事業内容は、建築関係でもないと伺っておりますが……
林さん
そうなんです。弊社では、「ECシステム」事業と「D2C」事業の2軸を展開しています。ECシステム事業のサービスである「EC Force」は、ECサイトで商品を販売するメーカー様が利用する基幹システムです。販売のための仕組みを構築できることはもちろん、広告管理機能なども充実しているのが特徴です。毎月機能アップデートや、サービス連携を行っている、成長中のプロダクトです。
D2C事業では、企画立案、販売戦略などのコンサルティングから、外部への広告配信など、ワンストップでD2Cのソリューションを提供しています。
卯岡
両方EC関連の事業で、スタジオも建築も全然関係ないんですね。
林さん
建築家集団「Superstudio」の常識に捉われない考え方に共感したのが、社名の由来なんですよ。社員一人ひとりが本質を理解しながら、自由な発想で仕事をしてほしいという想いを込めました。
池上さん
実はもともと全く別のIT関連事業を展開していたところから、知人の方のEC事業をお手伝いしたことを機に事業転換したという経緯があります。このときにEC業界の課題感を肌で感じ、システムで解決しようと一念発起して作ったのがEC Forceなんです。
林さん
ECは今もなお拡大している市場です。ネットでモノを売ることは一見簡単そうに思われるんですが、戦略を作り込んでいかなくてはならない、とても難しい事業なんです。特に、実店舗といった形で顧客とリアルな場での接点を持てないので、消費者とどのようにコミュニケーションを取るのかといった点が課題なんです。
池上さん
消費者とコミュニケーションを取る手段は、コールセンターや、今ではSNSもありますが、対応を間違えてしまうと不信感を与えてしまうリスクがあります。
卯岡
なるほど。
林さん
弊社は、実際に商品開発、販売の実務を手掛けた経験があります。その経験からリアルなECの課題や注意点がわかるため、ありがたいことに多くのお問い合わせをいただいております。
卯岡
企画開発を行っている商品のジャンルには、どういったものがあるのでしょうか。
林さん
化粧品の他、生活消費財やアパレルなど、多種多様ですね。機能的価値だけではなく情緒的価値も含め、消費者からフィードバックをもらいながらプロダクトを設計しています。
卯岡
SUPER STUDIOさんが会社として大切にされていることは何ですか?
林さん
バリューとして、「CHANGE」変われる人であれ、「INSIGHT」本質を見極めろ、「HONESTY」人格者であれ、この3つを掲げています。
池上さん
どれも「人」にフォーカスしているのが特徴です。弊社ではリファラル採用を積極的に行っているんですよ。
卯岡
リファラル採用とは、社員の方による紹介ですね。会社を知っている社員による紹介は、スキル面はもちろん、会社の雰囲気に合う人が見つかりやすいと聞いたことがあります。
池上さん
類は友を呼ぶ、ではないですが、自社の魅力を伝えやすいので社風に合った方が集まりやすいですね。
林さん
優秀なメンバーが、これまで同じレイヤーで最前線で活躍してきた方を会社につれてきてくれるので、転職市場を自社で探していては出会えないスキル保持者がいると感じています。
卯岡
今回、新オフィスに移転するにあたり、重要視したことは何でしょうか。
林さん
まずはエリアですね。これまでは、事業の急な拡大に伴ってかなり短期スパンでオフィスを移転しているんです。そのため、選り好みしている場合ではなく、新橋、永田町とエリアもばらばらでした。今回は、長く腰を据えようと考えた結果、目黒に決めたんです。広さや内装にもきっちりこだわりました。
卯岡
内装は今までもこだわってらっしゃったんですか?
林さん
そうですね。建築家集団を社名にしていることからもわかるかもしれませんが、僕自身が建築やインテリアが好きでして。洗練された場所でかっこよく働きたい気持ちがありましたし、毎日社員が長い時間を過ごす場所でもあるので快適で居心地良く、誇りを持って働ける場所にしたいという想いもありました。
卯岡
では、そんなこだわりのオフィス、さっそく見学させてください!
会社文化を体現。こだわりの新オフィス見学ツアー
SUPER STUDIOの新オフィスのコンセプトは、「会社文化を体現したかっこいいオフィス」。常識に捉われない自由な発想で働ける場所を目指したのだそう。
林さん曰く、「オフィスデザインの会社にとっては、相当面倒くさい顧客だったのでは」とのこと。そんなこだわりが詰まったオフィス、早速エントランスから見学させてもらいました。
エレベーターを降りた空間からスタイリッシュ!エントランス
エレベーターの扉が開いてすぐ目に飛び込むのが、黒いバックに白いサインボード。洗練されている空間が広がっています。
卯岡
印象的なエントランスですね…!
林さん
エントランスは、最初にオフィスの印象を与える大切な空間です。妥協したくなくて、サインの大きさまで、細かく希望を伝えて調整してもらいました。
息抜きからイベントまで!さまざまな用途があるフリースペース
お話を聞かせていただいた会議室があるのは、フリースペース内の一角。フリースペースは100人程度まで収容できる広々とした空間です。
卯岡
オフィスというよりも、ホテルのロビーやラウンジみたいな空間ですね。
林さん
壁の素材や天井、家具に至るまで、かなり要望を出しました。予算も限られているなか、オフィスデザインの会社には相当苦労をかけてしまったかもしれません。
卯岡
天井を一部構造部分をむき出しにされているのが、またおしゃれですね。
林さん
「これは構造上抜けません、無理ですよ…!」と言われたんですが、どうか交渉してくださいとお願いして実現したものです。執務スペースよりも天井を高くしたかったんです。「常識に捉われない」を体現するためにも、自由な発想が生まれる空間にしたいと思いまして。
▲カウンターの壁面には、システム開発を行っているベトナム・東京・ロサンゼルスの時刻を表す時計が
▲カフェ好き社員がおいしいコーヒー豆をセレクト
卯岡
フリースペースは、どういった用途で使われているのですか?
池上さん
弊社は固定席なので、息抜きがてらフリースペースで仕事をする社員もいます。あとは、セミナーやイベントの会場としても活用しています。社内だけではなく、たとえば広報の私の場合は、同じ広報やメディア関係者を招いた懇親会を企画したことがあります。
林さん
内定式もここで行いました。懇親会を兼ねてイベントを行い、バリューや会社の考え方を社員から伝えてもらったんです。あと、今、力を入れているのはD2Cのビジネスコンテスト「MASTERPLAN」ですね。
▲かなりの人数を収容できる
卯岡
どのようなイベントですか?
林さん
D2C界隈のアセットや事業ノウハウをもった審査員(パートナー)をお招きして、個人やベンチャー企業(プランナー)によるD2Cのアイデアを審査してもらうんです。予選を勝ち抜いたプランナーに、パートナーがアセットを提供したり、事業推進のためのアドバイスをしたりして、アイデアを事業化していきます。
池上さん
第1回MASTERPLANは、11月に本選を終えたところです。
林さん
D2Cはまだ認知があまりされていなくて、これといった定義がありません。MASTERPLANは、そんなD2Cの認知向上も狙っているんです。ちなみに、このMASTERPLANも、「統合された計画」という建築業界の言葉です。
卯岡
本当に建築業界に関して詳しいんですね…!
会議室・フリースペースにアクセントを加えるアート
会議室やフリースペースの壁面には、アート作品が彩りを添えています。これらのアートは、サブスクリプションを利用しているそう。
卯岡
おしゃれなアート作品が印象的ですね。
林さん
若手アーティストを抱えている会社から、月額制でレンタルしています。アートへの取っつきづらさを壊してより身近なものにしていきたいと活動されている会社なんですよ。アートは、自分で選んでもいいし、提案してもらうこともできます。フリースペースのアートは、全部同じ作家さんですね。
ビジネスはロジカルに考えることが当たり前とされてきましたが、アート思考を取り入れることで、もっと個々の本質に基づいた発想ができるようになります。アメリカではMBAよりも、「Master of Fine Arts=MFA」を取得している人材の方が重宝されるなんて話も聞きます。弊社もD2C事業に於いては企画力が重要となるので、アート思考は今後の重要なテーマになると思っています。
▲会議室壁面には、モノトーンの空間に映えるよう、あえてブルーを取り入れたアート作品を選んだ
林さん
ちなみに、会議室の名前の「MAGRIS」「FRAN」「NATALY」はSuperstudioの創業者をオマージュして名付けました。
卯岡
社名だけではなかったんですね。
決まった時間に、決まった場所で。固定席の執務スペース
執務スペースは固定席。10~19時を定時とし、基本的に決められた場所で仕事を行っています。
卯岡
執務スペースは固定席なんですよね。
林さん
はい。ベンチャー企業だとフリーにするところも多いかとは思うのですが、弊社では固定席にすることで、身が引き締まってスイッチをONにできる環境にしました。
池上さん
なお、企画商品の撮影も自社で手掛けられるよう、執務スペースの奥には撮影スペースを設けました。
卯岡
端にあるガラス張りのスペースは何ですか?
池上さん
役員室ですね。
卯岡
特徴的なデザインの家具やモニュメントが。まるでミュージアムの一角のようですね…!
林さん
インテリアが好きなので…(笑)自分で選んで買ってきたものを置いています。
MASTERPLANを成功させ、D2C・ECのパイオニアを目指す
D2Cという言葉が日本国内で使われ始めたのは2年ほど前。言葉が出てくる前に事業をしていたところでも、まだ5~6年と浅い歴史です。
今後は、MASTERPLANを成功させ、継続していくなかでD2Cの認知度を上げていきたいと語ってくれた林さん、池上さん。100名超を収容できる新オフィスのフリースペースで行うMASTERPLANが、さらに認知度を上げてくれることでしょう。また、「EC Force」の機能向上にも引き続き力を入れ、海外展開も視野に入れているのだそうです。
常識に捉われないビジネスを展開するSUPER STUDIO。価値あるものを消費者に届けるD2Cにおいて、今後どのような価値を届けてくれるのでしょうか?