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- オフィスインタビュー
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まるで高級料亭!和でお客様をもてなし、洋で働きやすさを実現したインバウンドプラットフォームの新オフィス

年々増加する訪日外国人観光客。インバウンドプラットフォームは、訪日旅行に特化した事業を展開する会社です。
今回訪れたオフィスは、インバウンドプラットフォームが今後の事業拡大を視野に入れて新たに設けたもの。旅館や高級料亭を訪れたかのようなエントランスは、インパクト絶大です。「和」を感じられる会議室で、社長の王さん、室長の山下さんにお話を伺いました。

「エアトリ」を運営する株式会社エアトリ(旧:株式会社エボラブルアジア)の取締役COO。2018年に、訪日外国人向けのサービスプラットフォームの構築を目指し、複数社の企業を統合してインバウンドプラットフォームの基盤を構築。代表取締役社長に就任。

メガバンク、経営コンサルティングファームを経て2018年12月にインバウンドプラットフォーム入社。事業推進室室長として既存事業のサポートや新規事業の立ち上げを担当。
目次
将来的な上場を視野に入れたオフィス移転

卯岡
背後にある風神雷神図屏風の壁のインパクトが強いですね。

山下さん
和をテーマに設計・デザインを行いました。

卯岡
エントランスも和情緒あふれる空間でした。インバウンドプラットフォームさんは、どういった事業を行っているのでしょうか?

王さん
インバウンド、つまり訪日旅行に特化した4つの事業を行っています。1つ目はWi-Fiレンタル事業です。これはユーザーが日本に来る前に現地でネット注文ができ、日本の空港カウンターや宿泊先のホテルで受け取れるものです。返却は同封されている封筒に入れてポストに投函するだけ。欧米向けのWi-Fiレンタル事業では、国内でトップクラスのシェアを誇っています。

山下さん
2つ目はキャンピングカーのレンタル事業、3つ目は両替事業、4つ目はメディア事業です。

王さん
キャンピングカーは日本人も対象としています。また、日本国内だけではなく、アメリカ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでも貸し出しているんですよ。

卯岡
今回、オフィスを移転することになったきっかけについて教えてください。

王さん
オフィスが点在していたことによる業務効率性の悪さを改善したかったことが、まず1つ目の理由です。インバウンドプラットフォームはエアトリ(旧:エボラブルアジア)の子会社でして、元は銀座事務所内にオフィスを構えていました。そこが手狭になってきたのも理由です。
インバウンドプラットフォームの事業拠点は、キャンピングカーは船橋がメイン、両替は上野や渋谷と場所がバラバラなんです。そのため、銀座にオフィスを構える必要もありませんでした。

山下さん
さらに、将来的に上場も目指しているため、本社オフィスから独立したオフィスを構えたいというのも移転の理由です。

卯岡
独立したオフィスを構えるなか、こだわった点は何ですか?

王さん
まずは新橋近辺。親会社エアトリ(旧:エボラブルアジア)との行き来がしやすい点、船橋・上野・渋谷からアクセスしやすいことを考慮しました。さらに、郵便局が近い点も重要視しましたね。

卯岡
郵便局ですか。

山下さん
Wi-Fiの発送業務がありますので。郵便局のなかでも、大きい支店の近くが条件でした。
タイトなスケジュールのなかでも、こだわり抜いた新オフィス

卯岡
どのような手順で新オフィスプロジェクトを進めていったのでしょうか。

王さん
まずはコンセプトを立てました。インバウンドプラットフォームということで、和を取り入れること。特にエントランスはインパクトを重視しようと決めました。

山下さん
さらに、社員の働きやすさも重視しました。そのため、会議室と執務スペースとでは、雰囲気が大きく異なります。
▲打ち合わせの様子。限られた時間のなか、こだわって内容を詰めていく

王さん
これらを伝え、3社に提案してもらいましたね。

卯岡
大変だった点はありますか?

山下さん
スケジュールがタイトでした。

王さん
結局1カ月半くらい?

山下さん
そうですね。4月くらいから物件を探しはじめ、7月終わりくらいに条件に合うところが見つかり、完了したのが9月16日です。
▲施工中の様子。作業は急ピッチで進められた

王さん
期末に合わせたかったので、こんなスケジュールになってしまいました。70坪程度なので、まだ何とかなりましたけど…タイトでしたね。間に合わせるために、設計会社、施工会社、当社との連携が大変でした。

卯岡
では、そんなオフィス、早速見学させてください!
インパクトのある「和」をコンセプトにした新オフィスを見学
インバウンドを手掛ける会社らしく、「和」を取り入れる一方、働きやすさも兼ね備えたインバウンドプラットフォームの新オフィス。早速見学させてもらいました。
ここは旅館?料亭?雰囲気のあるエントランス

卯岡
ブラックを基調にしたエントランス、インパクトが本当に強いですね。

山下さん
BGMにもこだわりました。五感に訴えたくて。

王さん
嗅覚に訴えるためにも、ゆくゆくはお香も焚きたいねと話しています。何せ、移転完了までに時間がなかったので、今はまだできていないんですが。

卯岡
壁面が丸い模様なのはなぜですか?

王さん
2種類の意味を込めておりまして、まずは日本を訪れるさまざまな国の人。もうひとつは、泡沫が水面に上がってゆく繊細な様子を表現し、日本情緒らしさを取り入れました。
▲スイッチ関係は、小窓の中に収納
個性あふれる「和」の会議室
「和」を取り入れたこだわりの会議室。今回話を聞かせてもらったのは通称「風神雷神部屋」。もう1室は、葛飾北斎の富嶽三十六景を壁面にした「北斎部屋」です。

卯岡
入ってびっくりしたのが会議室です。海外の方は特に喜ばれそうですね。

王さん
そうですね。そのため、ここの部屋は上座を本来とは逆にしています。実は、この風神雷神の壁面は相当苦労したんです。

山下さん
本来の絵は、風神雷神がもっと離れていて、高さも上下にズレているんです。

卯岡
ああ、確かに言われてみれば…!

山下さん
それだと壁面に合わないので、同じ高さに調整して、サイズも合うように微調整をして…と苦労した結果が、この壁です。

卯岡
なるほど…。

王さん
他にも、調整には本当にこだわったよね。

山下さん
ギリギリになって社長が「このままだと椅子と障子が近すぎて会議室にお客さんが入れなくない?」と言い出しまして。

王さん
山下が困惑してましたね(笑)一見、テーブルが中央にあると感じると思うんですが、少し壁寄りに置いているんです。

山下さん
バックが障子なので、あまりに狭いとお客さんにストレスがかかってしまいますので…。壁寄りにテーブルを設置し、お客さんが会議室に入りやすいよう工夫しました。

王さん
障子紙も、一般住宅に使うものより厚いものを使用しています。
▲北斎部屋は、風神雷神部屋よりもコンパクト。

卯岡
北斎部屋の施工はいかがでしたか?

山下さん
北斎部屋はそれほどいじらずに済みましたね。

王さん
あちらはお客さんの目の前にホワイトボード用壁面があるので、絵はサイドに位置しています。

山下さん
銀座オフィス時代には会議室がなかったので、かなり便利になりました。
働きやすさを考えた「洋」の執務スペース
執務スペースは、会議室とは大きく趣を変えた「洋」の空間。働きやすさを考え、エントランスや会議室とは雰囲気を変えてシンプルにしたのだそうです。角には休憩スペースも設けられています。

卯岡
白い空間に赤がアクセントになっていますね。

王さん
イメージは日本の国旗なんです。

卯岡
なるほど…!だから赤が差し色なんですね。休憩スペースの壁面は、あえて塗りむらを付けているのでしょうか。

山下さん
はい。漆喰の感じを出したいなと思いまして。

王さん
当社はフレックス制度を採用しておりまして、各々がここで休憩をとっています。ランチタイムには軽食を並べ、自由に食べられるようにしているんです。
▲リフレッシュルーム奥にはオフィスオアシスも

山下さん
ドリンクにくわえてケータリングも利用していまして、メニューは持ち回りで決めています。ピザ、ゆで卵がこれまで人気でしたね。

卯岡
それはかなり嬉しい福利厚生ですね…!
インバウンド産業のプラットフォームを目指して
インバウンドプラットフォームのビジョンは、「また来たい日本」。社名通り、訪日旅行に携わるプラットフォームになるのが目標です。エントランスと会議室の「和」は、海外から来たお客さんのおもてなしでもあります。
社員数もまだまだ増強していくなか、次の移転目安は「5年以内」なのだとか。インバウンド需要が伸びるなか、成長を続けるインバウンドプラットフォームの今後が楽しみです。
