- オフィスインタビュー
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タイトな移転スケジュールのなか、こだわった小上がり畳スペースは社員の憩いの場に。ナチュラルさを重視したaskenの新オフィス
健康的な食生活、意識していますか?「サラダばかり食べていれば痩せるだろう」と、無茶なダイエットをしてはいないでしょうか。
株式会社askenのサービス「あすけん」は、手のひらサイズの専属栄養士にアドバイスをもらえるアプリです。「健康的なダイエットができる」「モチベーションが上がる」と、主に女性に人気を集めています。
2019年4月に移転した新オフィスは、そんなヘルシーなサービスの印象にぴったりの明るくてナチュラルな空間なのだとか。さっそく取材をしにオフィスへお邪魔してきました。
京王新線「初台駅」直結。株式会社askenの新オフィスは、東京オペラシティタワーの8階にあります。
畳にちゃぶ台という“お茶の間”のような空間で、事業統括責任者の道江美貴子さん、広報担当の神ひかるさんのおふたりにお話を伺いました。
女子栄養大学栄養学部卒業後、グリーンハウス(ウィット100%出資親会社)に入社。
これまで100社以上の企業で健康アドバイザーを務める。2007年、「あすけん」の立ち上げに参画し、企画・コンテンツ制作・開発管理などに携わる。
現在、あすけん事業統括責任者。 著書「なぜあの人は、夜中にラーメン食べても太らないのか?」(クロスメディア・パブリッシング)など。
アパレルECサイトのWEBデザイナー業を経て、株式会社askenへ入社。もともと食・栄養に強い興味を持っていた事からaskenへ入社。B2C事業部にて広報PR・ユーザーイベントの企画運営を担当。
目次
写真を撮るだけで、食生活を改善!承認欲求をくすぐるアプリ「あすけん」
卯岡
まずはaskenさんの事業内容からお聞かせください。
道江さん
askenは2007年に創業した会社で、「あすけん」という食事管理アプリの開発・運営を行っています。リリース当初はパソコン用Webサイトで、そこからスマホでも利用できるようになり、2014年にはスマホアプリをローンチしました。
卯岡
「あすけん」の内容について、詳しく教えていただけますか?
道江さん
いわゆる「食事レコーディングダイエット(※)」をサポートできるアプリですね。食事の写真を撮って、メニュー名を入れるだけで栄養素やカロリーを記録できるんです。
食べた内容に応じて、栄養士「未来(みき)さん」からアドバイスをもらえるんですよ。この「アドバイスをもらえる」のが、「あすけん」ならではの特徴で、支持を得ている理由なんです。
(※食事レコーディングダイエット:毎日の食事内容、摂取カロリーを記録することで食べている量を自覚し、食生活の改善に繋げるダイエット方法)
神さん
未来さん、本当にいいんですよ…!私は入社前からあすけんのユーザーで、今も愛用しているんですが、未来さんの反応がいつも楽しみなんです。
栄養バランスが100点満点で採点される仕組みになっていまして、30点以下だと未来さんが泣いたり悲しい顔をしたりするんです。「ああ、ごめん…」という気持ちになりますし、反対に褒められたらとても嬉しくて、がんばろうと思える。専属栄養士がついてくれている感覚があるんです。
▲未来さんについて熱く語る神さん。「あすけん」好きが高じて転職したのだそう
卯岡
「がんばっている自分を認めてほしい」という承認欲求が満たされるわけですね。
道江さん
そうなんです。おもしろいデータがあって、土日の記録率が下がる傾向にあるんですよ。お休みの日なので、自分を甘やかす人が多いんだろうなと推測できますよね。後ろめたい気持ちになってしまうから、登録できないのかなと…(笑)
神さん
ヘルシーな食事を食べたときだけ報告する人もいるみたいで。毎日報告してほしいんですけど、気持ちはわからなくもないですよね(笑)
卯岡
悪い点数のテストを隠す子どもみたい(笑)やっぱりユーザーは女性中心ですか?
道江さん
8割が女性ですね。20~40代、特に20~30代が中心です。
卯岡
健康を意識している会社だからこその、ユニークな福利厚生はあるのでしょうか。
道江さん
入社後、1カ月間は栄養士のサポートが直々に受けられます。あすけんを体験し、サービス理解もしてもらおうという意図で。評判はいいですよ。
神さん
他に、親会社が運営している社員食堂が利用できます。野菜が1日の3分の2取れて、1食600キロカロリー以下の日替わりメニューがスタッフに人気です。
道江さん
社食とあすけんとが繋がっているので、そのまま記録もできます。評価がいいメニューなんですよ。あと、オフィスでは、野菜ジュースが飲み放題です(笑)
タイトなスケジュールの移転を成功させた秘訣は、こだわりポイントの絞り込み
卯岡
今回、askenさんがオフィスを移転したのはなぜですか?
神さん
単純にキャパシティの問題が1番の理由ですね。
道江さん
今回のオフィス移転が3回目で、最初はこのビルに入っている親会社の一角で一部署のように始まったんです。「採用を積極的にやっていきたい」というタイミングで、2016年2月に同じビルの28階に移転しました。そこが今の3分の1くらいの大きさですね。
卯岡
オフィスを構えたことで、会社らしくなったんですね。それでも、狭くなってしまったと。
道江さん
そうなんです。前オフィスも、移転当初は「広くなった!」とテンションが上がっていたんです。しかし、6~7人だったメンバーが18人くらいまで増えて、窓際ギリギリのところにまで席を作ることになってしまって。
そろそろ限界だと移転先を探していたら、今の場所が空くことがわかったんです。引っ越しが決まったのが2018年12月。移転予定が4月と、かなりタイトスケジュールでした。
卯岡
時間がないなか、どういった点を重視して内装を決めていかれたのでしょうか。
道江さん
今お話ししているこの場所が三角形のスペースとなっているため、「この場所を特別な場所にしたい」とこだわりました。
▲特徴的な三角形のスペース。手前には畳スペースも
道江さん
三角形の角は執務スペースとしては使いづらいから、休憩スペースにしようという話になりました。
卯岡
畳スペースを設けたのはなぜですか?
道江さん
はじめは全部フローリングにするつもりだったんです。小上がりにすることは決まっていましたが、フローリングの色選びまで話が進んでいたところに、「畳っていいよね」という話が出てきて。
私はまとまりつつある話をひっくり返したくなくて「勘弁してー!」と内心思っていたんですが(笑)、いろんなオフィスの事例写真を見せてもらうと、案外いいかもしれないと。
神さん
結局、「絨毯」「畳」「フローリング」の3択と、靴を脱ぎたいか脱ぎたくないかでアンケートを取りました。結果、フローリングと畳が同率だったんですが、小上がりの下はフローリングだということもあり、畳に。
道江さん
デザイナーさんにも「自分たちがかかわってオフィスの一部を決められるのは、思い出にも残るよ」というアドバイスもいただいて。見積もりを出してみたら、フローリングにするのとあまり変わらなかったのも、畳に思い切って変更する後押しになりました。
卯岡
施工、間に合ったのでしょうか。
道江さん
とにかく最低限のところだけを間に合わせました。このビルは夜中にしか搬入ができなくて、音を出す工事も23時以降しかできないんですよ。だから、電源であるとか、音を立てなければできない工事を最優先しました。畳は搬入されたら敷くだけなので。
神さん
結局、1週間くらい遅れて畳がやってきましたね。
卯岡
では、そんな畳スペースが印象的なaskenのオフィスを見学させてください!
askenのナチュラルオフィス、見学ツアー
自社サービス「あすけん」のイメージであるナチュラルさを大切にしたいというコンセプトで作られた、askenの新オフィス。さっそく見学させていただきました。
栄養士・未来さんがお出迎えしてくれるエントランス
▲エントランスでは、栄養士・未来さんがいつでも笑顔でお出迎え
卯岡
エントランスにいらっしゃる、この方が…
神さん
栄養士の未来さんです。
卯岡
ロゴも黄緑、未来さんの持っているカルテも黄緑ですね。ロゴマークにはどういった理由が込められているのでしょうか。
道江さん
アメリカでは、青りんごがダイエットのモチーフなんです。だから黄緑で、りんごを。りんごの中の線は、体重グラフの折れ線をイメージしています。
卯岡
青りんごがダイエットを表しているのは初めて知りました。向かって反対側の壁に掲示されている、寄せ書きのようなものは何ですか?
神さん
これは、あすけん会員数の300万人突破を記念して行われたユーザーイベントで書いてもらったお客様の声ですね。キウイはスタッフがコメントを書いたものです。
ニーズに分けて使える2部屋の会議室
▲すりガラスの向こう側がオフィス内。カーペットの色はあえてオフィスと変えてコントラストをつけた
卯岡
入ってすぐ横にある2部屋は会議室ですか?
神さん
はい、そうです。1室は外部から何も見えないように、もう1室は壁の1面がすりガラスになっています。各部屋6人程度が定員です。
前オフィスにはミーティングルームや応接室がなかったので、会議室ができて仕事が進めやすくなりました。
卯岡
お部屋の名前がユニークですね…!
道江さん
Aだからアボカド、Bだからブルーベリーと頭文字から連想できるヘルシーな食べものの名前にしました。「ごはん」と「味噌汁」という案もあったんですよ(笑)
広々とした余裕のある執務スペース
入って右側にあるのが、広々とした執務スペースです。
道江さん
執務スペースは「作業ができればOK」ということで、家具類も前オフィスのものをそのまま運び込みました。
卯岡
どこの席に座るかは決まっているのですか?
道江さん
はい。今は固定席です。しかし、今後は時々席替えをしてみようかなと考え中です。広くなった分、固定席ではなかなか遠い席の人と話せる機会が作りづらいので。
ミーティングにも、交流にも。予想以上に活用されている畳スペース
こちらは、今回お話をお伺いした畳スペース。右隣には、執務スペースが広がっています。
卯岡
書棚の圧迫感がなく、執務スペースとの区切りになっているなと感じます。
神さん
ありがとうございます。既製品の本棚なんですが、いい具合にはまってくれました。
道江さん
宣伝になっちゃうんですが、実は私の著作も書棚にあるんです…。
▲道江さんの著作。中身が気になるタイトルです
卯岡
わあ、本当ですね。蔵書は食関係の本が多いんですか?
道江さん
食や健康関係の他、マーケティングなどビジネス関係の本も並べています。
▲場所により椅子、座椅子で作業ができる窓際のスペース
卯岡
畳スペース、社員さんたちの感想はいかがでしょう。
道江さん
予想以上に活用されています。ひとりで集中したいときに、執務スペースではなく畳スペースで仕事をしたり、昼食場所になったり、月ごとの誕生日会を行ったり。
卯岡
誕生日会、楽しそうです。
道江さん
ケーキも用意します!
卯岡
でも、それは未来さん的には大丈夫なのでしょうか…。
神さん
200キロカロリー程度だと大丈夫です!あとは、昼休みにマインドフルネス(※)をしている方もいますね。他に、ノー残業デーの日には、仕事終わりにカードゲーム部が活動する場所になることも。
(※マインドフルネス:「今、ここ」に集中する心の在り方や、それを目指すプロセスのこと。瞑想がよく用いられる)
卯岡
カードゲーム部があるんですか。
神さん
ゆるくできた集まりですが。カードゲーム好きなエンジニアさんがいて、いろんなカードゲームで遊んでいるんです。
道江さん
私も参加したことがあります。楽しいですよ。あと、畳スペースは月ごとのミーティング会場としても活用されています。正面にスクリーンを設けてあるんです。
▲ミーティングに活用されているスクリーン。
卯岡
広々としているからみんなが集まるのにも最適ですね。
神さん
椅子と違って、畳は姿勢を崩しやすいため、リラックスして聞きやすいのがいいという話も出ています。
卯岡
カードゲームや誕生日会からも、社員同士の仲が良いことが伝わってきます。
道江さん
そうですね。趣味で繋がって集まる社員も多いようです。猫とお酒が好きなメンバーが集まって交流を深める飲み会を開いたり、富士山登山に行ったり、駅伝に出てみたり。
神さん
お休みの日に巣鴨在住の社員が地元を案内するツアーが企画も開催されたこともあるんです。コミュニケーションは活発な会社だと思います。
ナチュラルなオフィスで、「食」の問題解決に役立つサービスの開発を推進
木やベージュ、白、グリーンといったナチュラルな色・素材を使った、askenの新オフィス。「健康な食生活をサポートする」という企業イメージが伝わる、ヘルシーでナチュラルな空間でした。
「今後は、病気予防や食育の対応など、ダイエット以外の「食」の問題解決に役立つサービスを展開していきたい」と道江さんが語ってくれました。
明るく健康的な印象のオフィスで開発される、askenのサービスの広がりが楽しみです。