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オフィスインタビュー
vol.24 株式会社シフトブレイン

株式会社シフトブレイン

取材前から言われていた。「シフトブレインさんは、とにかくすごいですよ」と。なにやら、お昼寝してもいい“シエスタ制度”があったり、イラストレーターとして活躍している方もおられる“副業OK”の制度があったり、おいしい“丼”がいただけたり!? 期待に胸をふくらませながら、向かったオフィス。外苑前から少し入った閑静な住宅地のなかで、わたしはしばらく立ち尽くしていた。

と、とにかく見てください!

元キッズスタジオであったというこちらの建物。たたずまいからして、O・SHA・RE!
1階にあるカフェスペース。ここで、スタッフの人が休憩したり、打ち合わせをしたり、“丼”を食べたり……!?
2階の「ブレストルーム」。真剣なブレストはもちろん、うわさのシエスタ制度でお昼寝する人も。撮影スペースとして貸し出しもしている。
一部ではフリーアドレスを採用しているため、ロッカーに荷物を預けて、身軽に仕事ができる。左はブレストルームの入口。アーチがかわいい。
3階の執務スペース。天井をむき出しにして白くペイントしてあるのは、初めて見た。

うわさの真相は?

-どこを見てもO・SHA・RE! 今日来れてホントよかった! 生きててよかったー!

松沢さん  

喜んでもらえてよかったです(笑)。

松沢 香織 ( まつざわ かおり)

シフトブレインの広報担当。海外への展開に積極的な同社には心強い、英語が堪能な人材。カフェスペースで宴会の際、終電を逃しても「まいっか」と思ってしまったほど、オフィスの居心地がいい様子。いくつかの転職経験のなかで、こんな自由な社風は初めてだそう。ちなみに、ヤマモトと同じ格安ケータイを使用していて、「ウェブのデザイン会社の広報なのに!」とからかわれていた。

-あ、松沢さん、早速なんですけど、いくつかうわさを聞いて来まして。シエスタ制度があるってほんとうですか?

松沢さん  

ありますね。うちは1時間の休憩があるんですけど、それとは別に30分寝てもいいっていう。眠くなった状態で作業をして生産性の低い仕事しているんだったら、15〜30分寝て、すっきりしてから仕事しようよっていうところで、シエスタ制度です。

-いいなぁ。いい制度ー。

松沢さん  

そうですね。昨日もお昼のあとに、「ブレストルーム」で4人くらい寝てましたね。クッションがあったのわかりますか? 「人をダメにするクッション」です(笑)。まさに、みんなダメになっていっちゃう。

人をダメにするクッション。

-あとあと、副業制度があるっていうのも聞いたんですけど、これは??

仲村さん  

はい、あります。僕の場合はイラストを描いているんですが、ちょうど副業が解禁になったところなので、これからどんどんイラストの仕事を増やしていきたいなと思っていたりします。

仲村 直 ( なかむら すなお)

シフトブレインのCOO。会社の役員であるということを全く感じさせない、物腰のやわらかさ。本業とは別に絵を描いており、WEBサイトに公開している(http://sunaon.tumblr.com)。取材中も、ヤマモトが付けているネコのブローチに反応してくれ、いろいろと展覧会の情報を教えてくれた。とても文化的で、とにかく考えていることが面白い方。頭のなかをチラ見してみたい。

-副業OKなんだ!

松沢さん  

そうなんです。社員食堂「DONDELI」っていうのをやっていて、そのメニューを黒板に描いてくれたのも仲村さんなんですよ。

-わーイラストかわいい! そんでもって、この「あんかけ」とか「蒲焼き」とかすごい気になるー!!

松沢さん  

近所にある会社の3社合同で、ここのカフェを使って小さな社員食堂をやっていて、毎週火曜日にオフィスに新鮮なお肉とお魚を使った丼が出るんです。1どんぶり500円で。

-安いー! わたしがフラッと参加できたりするんですか?

松沢さん  

ぜひ! と言いたいところなのですが、今のところ基本的には3社の社内の人限定でやっています。似た事業をやっている3社同士なので、横のつながりを大事にしたいってこともあって。

-ですよね(笑)。つい……。そういえば、シフトブレインさんの事業内容って?

仲村さん  

ウェブの制作会社です。最近は業務の領域が広がってきていて「クリエイティブ・エージェンシー」という言い方をしています。都内に3000はあると言われる業態のなかで、うちの場合は特にITの最新技術を追いたい会社で、“とんがった”デザインのサイトをつくりたい傾向があります。あと、企画を考えることもすごく好き。プロジェクトの初期の段階から、ウェブサイトの公開までを一気通貫でやることが多いですね。

シフトブレインのコーポレートサイトより。

-なるほど。みなさん精鋭部隊なんですね。会社の設立はいつごろ?

仲村さん  

2003年ですので、13年ちょっとですね。代表は、もともとデザイナー。最初は2人くらいのベンチャーではじまっていて、あれよあれよと……と言っても18人しかいないんですけどね(笑)。

-でも、この空間で18人はすっごく贅沢ですね。……という話から、仲村さんが口火を切った。

いいものをつくることが至上。売上が一番じゃない

これは、それぞれだと思うんですけど、うちの会社の場合は、「あんまり人を増やさなくていいんじゃないの?」っていう考えなんです。売上は重要なんですけど、その売上を上げるためにいいものがいいものでなくなる、精度が落ちてくるんだったら増やさなくていい。そして、人を増やすというよりは、もっとそれぞれが輝ける場所であったほうがいいので、今のところは25人以上は人を増やさないつもりです。あんまりせせこましく仕事をするというよりは、机もある程度広く、クリエイティブに集中できる環境にしたいなと思っているので、そういうゆとり感を大事にしたい。
あぁ、あと広さもそうですけど、「ソフトシーティング」と「ハードシーティング」って言葉、聞いたことありますか?こういう会議室でミーティングをする時って、固い椅子に座ってきちっとやるんで、真面目な話になると思うんですよね。でも同じ相手だったり同じ内容のミーティングをしても、場所を変えて、ソファに座って話をしていると、話の内容もトーンすらも変わってくるんですよ。ってなると、座る席によっても、環境によっても変わってくる。いろんな環境で、いろんなマインドで仕事ができると、それが多様な働き方につながるんじゃないかと思って。オフィスには、こういう会議室もあれば、カフェスペースもあって、3階の雲のオブジェがあって、そこで息抜きに話をしたり。全部ソフトにすればいいという訳ではなくて、ハードもソフトの場所も共存している必要があるだろうと。

そういえば、空間の環境や椅子の固さ、高さがそれぞれの部屋で全然違っていた。

ちょっと話が変わるんですけど、オフィスって集まるよさがあるなって思ってて。僕らが考えるオフィスって、みんなが集まる場所ではあるんですけど、それをどう解体していくのか。集合を前提として、日々の生活の上にオフィスがあって、集合するときもあれば、みんなバラバラに仕事をしていることがあって、その間を模索しているのかなという感じ。この「集合」と「個人」も、「ソフトシーティング」と「ハードシーティング」も一緒で、たとえば「都会」と「地方」っていうのもありますよね。「デジタル」と「アナログ」だってそう。僕らはITの仕事をしているからデジタルなんだけど、完全デジタルっていうよりも、行き来したい。都会と地方を行き来するみたいに。A地点とB地点、新しいものと古いもの、どっちも善し悪しがあって、行き来しながらその可能性を導きだすっていうのが、大事なんじゃないかなぁ。あ、ごめんなさい。一方的にしゃべっちゃって。

-いえいえ。聞き入っちゃってました……。ありがとうございました!

私たちのお気に入りスポット

山本真也さん(プランナー/ディレクター)

いつも企画を考えている

-お気に入りのスポットは?

山本さん  

ブレストルームです。入社してもうすぐ6年になるんですが、ここのオフィスが一番いいですね。僕はけっこう昼寝するほうなんで(笑)。昼ごはん食べた後にここに来てちょっと寝ることもあるし、夕方に寝ることも。もちろん、作業で使うこともありますよ。

-仕事のオンとオフは分かれていますか?

山本さん  

うーん、はっきりしているところと、していないところがありますね。僕は、みんなでワイワイするのも好きなんですけど、一人も好きなんです。でも、仕事の企画はふだんから面白いことないかなーって探していますね。プライベートでも批評的な態度でいることが多いかも。なので、そこはいつも仕事してる感じです。好きでやってる仕事ですしね!

及川 昇さん(アートディレクター)

仕事の幅を広げていきたい

-お気に入りのスポットは?

及川さん  

3階のさっとミーティングできる執務スペースです。立ってミーティングするんで、5〜10分で終わる。目線が変わるので頭も活性化するような気がします。このオフィスに来てから、インスピレーションを得ることも増えてきた気もしていて。青山って土地もよくて、ブランドのお店のショーウィンドウを眺めるだけでも刺激になる。青山ブックセンターも近いから、デザイン関係の情報集めるのにも便利ですし。

-及川さんにとって、シフトブレインはどんな会社ですか?

及川さん  

入って4年が過ぎたんですが、一緒に成長してきたって感じでしょうか。仕事の内容も、自分を伸ばさないと対応しきれないこともあったと思うので。今後ですか? ウェブの制作会社っていう枠だけじゃなく、もっと幅を広げたいです。紙媒体や映像の仕事が来たときに、すぐにとりかかれます! という風にしておきたいです。

鈴木 慶太朗さん(クリエイティブディレクター)

海外の働き方を参考に

-お気に入りのスポットは?

鈴木さん  

カフェスペースですね。僕、お弁当なんで、基本、デスクかここにしかいないです。ここでお弁当を食べますね。

-海外にも視察に行かれたとか?

鈴木さん  

そうです。代表と一緒に。海外のオフィスは、仕事のしかたがカジュアルで、開放的なところが多い。16時から飲めたりするんですよ! さすがに16時は無理ですけど、キッチンやフリーアドレスは、ここのオフィスにも反映されています。

-仕事のオンとオフは分かれてますか?

鈴木さん  

忙しい時は夜までやってる。早い時は20時くらいには上がってますね。でも家に帰っても子どもが寝付くか寝付かないかの微妙な時間で、起こしちゃうんすよ(笑)。パパ業ができるのは朝くらいです。シフトブレインはお父さん率高いっすよー。働き方を改善するのも、海外の案件を参考にしていますね。

フリーアドレスでロッカーに荷物を預けた人は、このバッグに必要なものを入れる。ほしい。
3階の執務スペースの本棚。及川さんはここでデザイン関連の本を眺めることもあるそう。
自転車通勤の方もいらっしゃるよう。さすが、いい自転車乗ってるー!

取材先

株式会社シフトブレイン

http://www.shiftbrain.co.jp 公式サイト

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