- オフィスインタビュー
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「自分たちの居心地のいい場所は自分たちで作る」がモットー。シルタスのオフィス
自分の栄養状態を正しく知れるヘルスケアサービス「シルタス」を開発している、シルタス株式会社。
2019年1月に移転したシルタスのオフィスは、メンバーが最高のパフォーマンスを出せる工夫が散りばめられていました。キーワードは「心地よさ」。
代表の小原さんと広報の岸名さんにオフィスのこだわりを伺ったのでご紹介します!
代表取締役CEO。大学卒業後フードテック企業に入社し、2016年11月に「食べたいものを食べて健康に」をコンセプトにシルタス株式会社を設立。
「ビール大好き社長」として、飲んでも不健康にならない生き方を模索中。
シルタス広報。ライター、Webメディアの編集を経て、2018年7月にシルタス株式会社に入社。広報をメインに採用や経理、総務などバックオフィス業務全般を担当。
簡単に栄養情報を記録できるサービス「シルタス」を開発
ameri
シルタスが展開しているのはどのような事業なのでしょうか?
小原さん
自分の栄養状態を正しく知れるヘルスケアサービス「シルタス」を開発しています。
ヘルスケアサービスは、利用するのに手間がかかるのが問題だと思っていて。「どのくらい運動した?」「どんなものを食べた?」とユーザーがデータを入力したり写真を撮ったりしなければいけないですよね。
ameri
それが面倒でなかなか続かないのが本音です……。
小原さん
そうなんですよ。運動の記録は、ウェアラブル機器(※)の発達で自動入力化が進んできています。しかし、食事の記録だけはまだまだユーザーがひたすら入力しなきゃいけないのが現状です。
(※ウェアラブル機器:装着できるコンピュータのこと。「Apple Watch」などが挙げられる)
ameri
確かに。
小原さん
「ウェアラブル端末くらい簡単に自分の栄養情報を記録できたらいいな」という想いから生まれたのが「シルタス」というサービスです。
ameri
どういった仕組みなのでしょうか?
小原さん
多くの人はお金を介して食材を買っていますよね。なので、お金を使った履歴は残っているはずです。その履歴をかき集めることで栄養素に変えられないかと考えました。
ameri
買い物した内容が栄養情報と紐付くんですね!便利!
小原さん
簡単ですよね。人って簡単にしないとモチベーションが保てないんですよ。
本当に健康に困っていれば、すぐにでもはじめて続けるはずです。でもそれをしない。なぜなら、健康に本気で困っていないからなんです。
ameri
本気で困ってはいないのは、病気になっていないからでしょうか?
小原さん
それも理由のひとつにありますね。「健康に気をつけないと今すぐ病気になる」と分かっていれば、今日から食べるものを意識したり運動したりしますよね。
しかし、今の不摂生が体に表れるのは年齢を重ねてから。生活習慣病などの症状が実際に出てくると、健康へのモチベーションはグンと上がります。それでは少し遅いんですよ。
ameri
症状として分かるくらいまで放っておいてはダメですもんね。
小原さん
はい。問題なのは、モチベーションが上がるタイミングと健康に気をつけるべきタイミングにタイムラグが生じてしまうことです。そのタイムラグを埋めるには、いかに簡単に記録できるかが重要なんです。なのでシルタスでは「記録の簡単さ」を重視しています。
ですが僕、健康がすべてだとは思っていないんですよ。
ameri
えっ……?ヘルスケアサービスを開発されている代表がそんなこと言っても……?
小原さん
僕自身お酒が大好きですし、常に摂生したいとは考えていません。むしろ、必ずしも健康を選ばなくてもいいと思っているくらいです。
ameri
「好きだから食べる、それで病気になっても本望だ」と考える人がいても構わないということですか?
小原さん
究極なことをいえばそうですね。
逆にマスの情報に踊らされ、食べたいものを食べられず「正しいからこれをやりましょう」と提示された方法に世間が飛びつくことに違和感を感じていて……。
選択肢のひとつくらいの感覚でシルタスを使ってもらえたらいいなと思っているんです。
ameri
健康を事業にしている方にそう言ってもらえると、肩の荷が下りる気がします。
どんな想いを大切にして事業を展開しているのでしょうか?
小原さん
「食べたいものを食べて健康に」が弊社のビジョンです。
僕含めほとんどの社員が酒好きですし、僕は好き嫌いもあります。そして岸名は大がつくほどのお菓子好きなんですよ。
なので「何をしたい」「何を食べたい」という思いを制限するのは嫌だというのが弊社のメンバーに共通している想いです。我慢せず、自分の判断で健康に向き合ってもらえたらと思っています。
自分たちで作りあげた「心地いい」オフィス
ameri
今年のはじめに移転されたんですよね。
小原さん
はい。実はこの場所が僕らにとってはじめての自分たちのオフィスなんですよ。
ameri
そうだったんですね!
岸名さん
はい。1期目は小原がオフィスを持たずひとりで、2期目は「アクセラレータープログラム」でお世話になった、クックパッドさんのオフィスを間借りさせてもらっていました。
(※アクセラレータープログラム:大手企業や自治体がベンチャー・スタートアップ企業に、出資やリソース・ネットワークの支援を行うことにより、事業共創を目指すプログラムのこと)
小原さん
ようやく自分たちのオフィスを持てたんです。
ameri
初オフィス、どこにこだわりましたか?
小原さん
それぞれが最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作りたいと考えています。ですが、その環境がオフィスではなくてもいいと思っているんです。
ameri
どういうことでしょうか?
小原さん
居心地のいい空間を作っても、全員にとっての「心地いい」にはならないと思っていまして。なぜなら、メンバーそれぞれにとって「心地いい」の定義は異なるからです。
ある社員にとっては昼からビールを飲みながら仕事をできる環境かもしれないし、ある社員にとってはリモートで作業できる環境かもしれない。
なので、結果を出せるなら「心地いい空間」を自分で作っていってほしいと考えているんですよ。
ameri
自分にとっての心地いい空間を自分自身で作る、と。
小原さん
そうですね。メンバーは、最高のパフォーマンスが出せる空間を作っていると思います。昼からビールを飲みながら仕事をしている人もいますね。仕事のプラスになることであれば、何をしてもいいと思っています。
ameri
それではご紹介お願いします!
「独立」にこだわった会議室
シルタスのオフィスは、1階と2階に分かれたメゾネットタイプになっています。今回お話を伺ったのが、上階にあたる会議室フロアです。
ameri
上下で分かれている仕様になっているんですね。
小原さん
はい。「言いたいことがあるのに周りにみんながいるから言えない」をなくしたいと思い、会議室と執務室をそれぞれ独立させることにこだわりました。
会議をしたり作業をしたり、それぞれが心地よく使っていると思います。
清潔感で「心地よさ」を表した執務室
続いて案内してもらったのが、会議室フロアから階段で降りたところにある執務エリアです。
ameri
こちらが執務室ですね。
小原さん
はい。
先ほどもお話しした通り、最高のパフォーマンスを出せれば、メンバーそれぞれの心地よさを追求してもらっていいと考えています。ただ、メンバーが共通して「オフィスが心地いい」と思ってもらえるよう、「清潔感」は大切にしました。
ameri
どのような形で清潔感を表現したのでしょうか?
小原さん
オフィス全体に「白」と「木目」をメインに取り入れましたね。
ameri
確かに、デスクが白くて清潔さを感じます。
ameri
最後に、今後の展望について教えてください。
小原さん
今後はシルタスをインフラにしていきたいですね。健康に興味がある人だけではなく、誰でも使っている状態にしたいです。
そして、ECや家電、フィットネスにもつなげていきたいと考えています。
ameri
スマートフォンの画面だけではなく、自分の栄養情報を活用する幅を広げていくということでしょうか?
小原さん
そうですね。栄養情報を参考にECサイト上で最適なものをレコメンドしたり、冷蔵庫とつなげて食材の自動発注をしたりできたらいいなと思います。
ameri
それが実現したらとても便利な世の中になりますね。
小原さん
また、ゆくゆくは買い物から病気になるパターンを分析できるようにし、保険業ともつなげていけたらいいなと考えています。
ameri
保険ですか?
小原さん
健康状態がよければ保険料は安くなりますよね。なので保険料を安くしたい人は、シルタスのレコメンドに従って買い物をしようと思うはずです。
シルタスのデータを活用し、健康や栄養と紐づく他のサービスがより便利に使えるようになればいいと思っています。
買い物情報から簡単に自分に必要な栄養素を知れる、便利なシルタス。来年には外食の栄養データ連携も予定しているのだそう!
毎日を楽しく生きるには、まず健康第一。お話を伺いながら「早く使いたい!」とワクワクしました。