- オフィスインタビュー
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国内22兆円の廃棄ロス問題に取り組むオークファン。リブランディングによるオフィスリニューアル
残したままでは廃棄するしかない在庫ロス。そんな在庫ロスをテクノロジーの力で解決する事業を展開しているのが、今回訪れた株式会社オークファンです。
移転直後にお伺いしたときからリブランディングに合わせてオフィスを一部分リニューアルされたとお聞きし、改めてオフィスを訪問することに。
人事の荒井浩二さん、広報の尾藤紅音さんにお話を伺いました。
Web広告業界で7年営業、4年人事を務めた後、今年1月にオークファンに入社。
グループ全体の採用を担当。
大学卒業後、大手人材会社で広告営業を行う。昨年9月にオークファンに入社、
現在グループ全体の広報を担当。
目次
「廃棄ロスをテクノロジーで解決する」が事業の軸
卯岡
エントランス脇で、サービスの紹介動画が流れているのを拝見しました。あらためて、オークファンさんの事業内容をお聞かせください。
荒井さん
国内に22兆円規模あるとされている在庫ロスを、テクノロジーの力で解決している会社です。主に取り組んでいることは2つあります。一つ目は「在庫価値ソリューション事業」。世の中に眠っている在庫の価値を見出し、必要な場所へ移動させるためのソリューションを提供する事業です。
二つ目は、「商品流通プラットフォーム事業」。国内最大級のBtoB卸モール「NETSEA(ネッシー)」を始め、滞留在庫を当社グループで買取り流動化させる「ReValue(リバリュー)」、寄付型ショッピングサイト「otameshi(オタメシ)」などのサービスで、商流面においても支援をしております。どちらも、新たにゼロから何かを生み出す事業ではなく、すでにあるものを捉え直し、より良く組み替え、再(RE)構成する事業です。最近、当社を「RE-INFRA COMPANY(リンフラ・カンパニー)」として再定義しました。
尾藤さん
ソリューション事業は、オークションやせどりをやられている個人の方から中手企業向け、大手企業向けまで幅広いソリューションを展開しています。
卯岡
個人からヤフオクで商品を購入したことがあります。ニーズは高まっているのですか?
尾藤さん
2020年度に最高益を更新しています。需要の伸びを感じますね。
荒井さん
コロナ禍による消費低迷で在庫ロスが発生していることから、問い合わせが増えました。また、リモートワークや副業解禁といった働き方の変化により、個人でオークション出品やEC(インターネット通販)を始める人が増えてきたとも感じています。巣ごもり消費が増え、EC市場は伸びていますしね。
卯岡
コロナのお話が出ましたが、コロナ禍によりオークファンさんの働き方に変化はありましたか?リモートワーク可能な仕事が多いのでしょうか。
荒井さん
働き方に変化はありましたね。リモートワークや時差出勤を活用しながら働く社員が多い状況です。職種はエンジニア、デザイナー、営業、マーケ、管理部門とさまざまで、コロナの状況次第でもありますが、基本的にはどの職種でもリモートワークが活用できる状況です。
尾藤さん
週1、2ペースでリモートワークをしている社員がいたり、出勤がベースだったり、いろいろですね。私はコロナが流行し始めてから入社しているので体験できていないのですが、以前は会社にマッサージ師の方が来てくれていたり、シャッフルランチで部署関係なくランチできる制度があったりしたと聞いています。
卯岡
感染予防を考えると、継続が難しいですよね…。その他、今もできている取り組みや福利厚生はありますか?
荒井さん
リファラル制度でしょうか。事業拡大のため、エンジニアを中心に採用を強化しているんです。エンジニアは引く手あまたの職業ですし、弊社の求めるレベルが高いこともあり、リファラル制度を整備して力を入れています。
尾藤さん
紹介してくれた社員には、ボーナスといっていい額の謝礼が出るんです。
荒井さん
割と利用してもらえている印象がありますね。
尾藤さん
あと弊社の特徴の一つは、育休取得者の多さでしょうか。女性だけではなく、男性も昨年9月末時点で30%ほどが取得しています。常に誰かしらが取得していますね。ベテラン社員が率先して育休を取るので、若手社員も取りやすくなるという好循環を生み出せていると感じています。
卯岡
素敵ですね!前回IBASHO編集部が伺ったのは、移転直後のタイミングでした。レイアウトや使い方など、どういった点が変化しましたか?
荒井さん
大きく変わったわけではありませんが、リブランディングにより会議室の名前が変わったことと、執務スペース壁面に書かれているメッセージが変わりました。行動指針も新たに設定されたのですが、会議室の名前はその行動指針となっています。
尾藤さん
社内に浸透させる狙いもあり、会議室名を変えることになりました。
卯岡
ありがとうございます。では、あらためてオフィスを拝見させてください!
リブランディングによりリニューアル!オークファンのオフィス見学ツアー
白や黒といったモノトーンカラーに、コーポレートカラーのグリーンが映えるオークファンのオフィス。エントランスから見学ツアー、スタートです!
「和」テイストの開放感ある「エントランス」
広々とした空間の奥に、印象的なロゴとグリーン。ロゴは天井から吊るされ、宙に浮いています。ここだけ切り取ると、何だか美術館の展示のよう。
尾藤さん
背面の壁面は、左官職人に依頼して柄を付けてもらっています。移転当時、「和」のテイストを出そうと考えられたものですね。
卯岡
だから、どことなく日本の庭のような雰囲気が感じられるんですね。
行動指針を会議名に。日当たり最高な「会議室」
リブランディングにより名前を変えた会議室は、大きな窓があり開放感のある空間です。
尾藤さん
個人的に、「窓がある」がお気に入りで。自然光のおかげで、コロナで増えたWeb会議で顔が自然と「盛れる」んですよ(笑)
卯岡
なるほど…!
尾藤さん
加えて、外の景色が見えるのは時間経過が自然とわかる点もいいですね。
卯岡
オフィスにこもりきりだと、昼なのか夜なのかわからなくなりますもんね…。今回、名前を変えたとのことですが、詳しく教えていただけますか?
荒井さん
はい。名前は行動指針に沿って変更しています。行動指針はAppreciate(真価を認める・観察する)、Uniqueness(独自性)、Challenge(挑戦)、Fun(達成感)、Agility(速度)、New way(変化)から成り立っています。デザインはこれまで使ってきた家紋を継承しており、例えば行動指針のひとつ「Agility(速度)」であれば素早く飛び上がり、空中静止し、スピード感もって獲物を狙う「とんぼ」が描かれています。とんぼは日本古来から武具や家紋に用いられているものです。
画像提供:株式会社オークファン
卯岡
名前は英語になりつつも、デザインには日本の雰囲気が残っているんですね。扉の印字、モノトーンで素敵です!
▲「Challenge(挑戦)」のデザインは「矢」。「破魔矢(はまや)」「流鏑馬(やぶさめ)」や「矢面にたつ」などの慣用句でも使われ、古くから武勇の象徴として家紋にも使用されているものなのだそう。
荒井さん
ありがとうございます。あらためて社員たちを見てみると、行動指針に当てはまる性質、性格の人が多いんですよ。特に大切にしているのは「Agility」と「Challenge」でして、仕事のスピードが速くチャレンジ精神に長けている人が多いと感じます。
広々とした空間に気分で使い分けられるエリアがたくさん!「執務スペース」
続いては、執務スペースです。
荒井さん
この壁面の文字も、リブランディングにより変更になりました。オークファン行動指針のAppreciateには「真価を認める、感謝する、面白く味わう、察知する、観察する、価値が上がる、買う」などさまざまな意味合いがありますが、そのすべてがオークファングループの展開する事業に関わりがあります。一言で表すとオークファンが大事にしている「目利き」であると捉えており、私たちはAppreciatorsであるといえます。そして、このメッセージはオークファン社員だけではなくオークファンのサービスをご利用頂いているお客様もAppreciatorsであり、廃棄ロスという大きな社会課題に対して皆で目利きを働かせて向き合っていこうというメッセージになっています。
卯岡
広々とした執務スペースですね!
荒井さん
個人用のデスクが広いので、仕事がしやすいですよ。
卯岡
この社名、以前の取材記事で「座れる」と拝見しました!
尾藤さん
そうなんです。ただ、座れることに気づいていない社員が割と多い気がします(笑)
執務スペース内には、あちこちに昔話をモチーフにした洒落っ気のあるアイテムが。
卯岡
「うさぎとカメ」ですね!
荒井さん
そうなんです(笑)
尾藤さん
高さを変えられるカウンターテーブルスペースは、今も変わらず社員に人気です。
荒井さん
ちょっと話すのにちょうどいい場所ですね。後ろに見えるグリーンの壁面は、ホワイトボード仕様になっているので、メモもできます。
卯岡
執務スペースの奥には、まだまだ広々とした空間が残されているんですね。
荒井さん
そうですね。事業拡大に伴って従業員数も増えていくかと思いますが、当面は問題なさそうな状況です。
尾藤さん
こちらは集中スペースです。左には保健室もあります。
卯岡
全体的に広々としている分、おこもり感のある空間が落ち着けそうでいいですね。手前に見えるのは柿の木ですね。
尾藤さん
「サルカニ合戦」がモチーフです(笑)
▲ドリンクや軽食が取れるカウンターも移転時より健在
現状のオフィスを維持しながら、事業・組織の拡大を目指す
持続可能な社会を目指す「SDGs」にも繋がる事業を手掛けるオークファン。食品ロスを減らす取り組みを企業、地方自治体と取り組むなど、新たなサービスにも注力していると語ってくれました。
リモートワークと出社を組み合わせながら、今あるオフィスを最大限活用する。オークファンは、コロナ禍で浮き彫りになる廃棄ロスの解消に、今後も取り組んでいきます。