- オフィスインタビュー
-
オフィスの中に、マンション?「暮らしを楽にする」インフラ作りを目指すベアーズのオフィス
ガラス張りの向こう側に見えたのは、バスルーム。今回訪れたオフィスは、家事代行サービスなど、暮らしを楽にするためのサービスを提供する株式会社ベアーズです。
共働き家庭が増加するなか、「家事代行サービス」の名もよく見聞きするようになりました。家庭を助ける質の良いサービスを支えるのは、オフィス内にある研修エリアです。丹羽さん、服部さんのおふたりに、オフィスのこだわりやサービスについてお伺いしました。
(1/24に取材を行いました。)
株式会社ベアーズ 管理本部 財務経理部 部長
2010年入社。未経験で経理担当として入社し、現在は財務・経理・総務の責任者を務める。2019年の引っ越しプロジェクトをはじめ、全社運動会など様々な社内PJを牽引。3児の父。
株式会社ベアーズ マーケティング本部 CX・ブランディング推進課 課長
2011年入社。マーケティング施策の責任者とブランディング・企画広報・宣伝を兼務。年間300本を超えるメディア露出を支えるほか、キャンペーン・新サービス企画、法人提携なども担当。2児の母。
目次
創業は1999年。「家事代行サービス」の名が生まれる前のことでした
▲ガラス張りで丸見えになっているバスルーム
ameri
こちらのお部屋への移動中、お風呂が見え、びっくりしました。なぜ、オフィスにお風呂があるのでしょうか。
服部さん
研修用に作ったお風呂ですね。家事代行サービスを提供しているため、オフィス内にお客様宅に訪問する練習ができるよう、玄関やキッチン、浴室や寝室を用意したんです。
ameri
実は私も家事代行を利用したことがあるんです。手が回らない場所を綺麗にしていただけるのがありがたくて。
丹羽さん
ありがとうございます! 家事代行サービスはベアーズのメイン事業です。そのほか、料理代行、ハウスクリーニング、キッズ&ベビーシッターなど、暮らしをサポートする事業を展開しています。
ameri
共働き家庭の増加が、創業の背景にあるのでしょうか。
丹羽さん
創業に繋がったのは、創業者夫婦の原体験ですね。当時、香港で子育てをしていた創業者夫婦は、メイドのサポートを受けながら、仕事もプライベートも充実させていたのだそうです。
しかし、日本に戻ってきたところ、当時の日本には家庭をサポートする仕組みが整っていなかった。そこで、「ないなら作ろう」と一念発起し、1999年にベアーズを創業したんです。
服部さん
まだ「家事代行」という言葉もなかった時代ですね。「家事代行という産業を作ろう」という思いではじめたのだそうです。
丹羽さん
認知されていないため、立ち上げの際には相当苦労がありました。しかし、女性の社会進出推進や働き方改革といった国や企業の動きもあり、注目されるように。結果、ここ5年ほどでずいぶんと需要が増えたと感じています。
ameri
これまで家事を担ってきた女性が、「家事を外部に頼ってもいいんだ」と思えるようになってきたようにも思えます。
服部さん
そうした雰囲気は醸成されてきましたね。ただ、とはいえまだまだ心理的ハードルを感じている方も多いと感じているため、リーディングカンパニーとして、当たり前に家事代行を使える社会の空気を作っていきたいです。
ameri
企業として大切にされていることは何でしょうか。
服部さん
サービスを提供するうえで、指針としているのは「3C」です。Communication(コミュニケーション)、Cordiality(思いやり)、Courtesy(礼儀正しさ)の頭文字ですね。
丹羽さん
お客様宅にお伺いしてサービスを提供しているスタッフを、当社ではベアーズレディ、BLさんと呼んでいます。この指針は、社員、BLさん関係なく、全員が大切にしているものです。お客様感動度120%を目指し、より良いサービスの提供を目指しています。
古いオフィスビルから移転。目指したのは働きやすい環境の整備
ameri
ベアーズさんは、以前も現在も日本橋にオフィスを構えていますが、日本橋エリアにこだわりがあるのでしょうか。
丹羽さん
代表が日本橋生まれで、1年半前までいた前オフィスは、代表の住まいでもあったんです。自室から広げ、フロアを増床し、スペースが足りなくなってきたところで隣のビルも買い上げて……と拡大とともにオフィスも変化してきました。前オフィスには、代表の強い思い入れがありましたね。
服部さん
そのため、移転にあたり場所は変わりましたが、日本橋エリアには留まることを選びました。
ameri
どういったコンセプトで今のオフィスを作られたのでしょうか。
丹羽さん
コンセプトといった立派なものを考える以前に、まず「綺麗であればいい」といった最低限のところから始まりました。というのも、以前のビルは築年数が古くぼろぼろでして。そのため、「次は床がはがれていなければよし」、みたいな具合で(笑)。
ameri
普通であれば(笑)。
丹羽さん
はい。いわゆる「ふつうのオフィス」に入れれば、それでもう満足できるんじゃないかと。オフィスに求めたのも「働きやすい環境」と、非常にシンプルです。足が引っかかって電源が抜けてしまうタコ足配線はやめたい、とか(笑)。
服部さん
移転後、本当にストレスフリーになりましたよね(笑)。
丹羽さん
それと会議室ですね。前のオフィスでは5室でしたが移転後には14室まで増やしました。あとは、研修用のエリアです。ここは代表が1番こだわった部分です。
ameri
では、そんなオフィスを見学させてください!
サービスの質向上を支え、来客にサービス内容が伝わる研修エリアが特徴。ベアーズのオフィス見学ツアー
移転前は、本社のフロアが5つに分かれているうえ、隣のビルも4フロアあったベアーズさん。全員が顔を合わせる機会がなかなかなく、朝礼もままならない状況でした。
移転を機に働きやすい環境を整え、サービスを支えるスタッフであるBLさんが研修できる空間、全員で朝礼ができるスペースのゆとりも確保したベアーズのオフィス。今回は、5~7階のオフィスのうち、研修エリアがある6階を見学しました。
まるで本当の家みたい!「研修エリア」
代表が1番こだわったのが、BLさんがサービスの質向上のために必要な研修エリア。バスルームやキッチンなど、高級マンションさながらの空間が広がっています。
丹羽さん
平日はほぼ毎日、制服である赤いエプロンを身に着けた方がいますね。実務研修のほか、座学での研修も行っています。
▲扉やインターホンも。本当にお家を訪問しているかのよう
服部さん
インターホンを鳴らし、玄関で靴を脱いで……と訪問したところから練習できるようになっているんですよ。
ameri
本当の家みたいです!
丹羽さん
ただ、水道やガスは引くことができないため、実際に住むことはできません。こだわったのは、研修風景が見えるよう、壁をガラス張りにしたこと。代表が「クローズドな空間では意味がないから」と。
ameri
ガラス面が大きいですよね。
丹羽さん
一般的には柱が必要なサイズなんですが、柱を作ると視認性が落ちるから、と極力なくす設計をお願いしました。ここも代表のこだわりですね。
壁の色やバスルームの配置など、「ああでもないこうでもない」と何度もレイアウトをやり直しながら作り上げました。
服部さん
ガラス張りで研修風景が見えるため、来客した方がサービスをイメージしやすくなったと思います。
丹羽さん
前のオフィスはおんぼろビルだったので、「掃除会社なのにオフィスは綺麗じゃないんですね」と言われてしまうこともありました(笑)。今は「綺麗ですね」「おしゃれですね」と言っていただけるようになりましたね。
4席限定の「集中スペース」
移転を機に、増室した会議室。ミーティングや面接で活用されています。会議室の隣にあるのは、集中スペースです。
服部さん
今回、初めて集中スペースを設けました。
ameri
使われていますか?
服部さん
そうですね。基本的には執務スペースで仕事をしているのですが、執務スペースでは電話や話しかけられるなど外部からの刺激がどうしても発生するので、「この1時間は集中したい」といったときに使われています。
丹羽さん
4席しかないので、争奪戦になることも。僕もよく使っています。
服部さん
私も利用しています。利用するメンバーは割と決まっていますね。
子連れ出社や面接もOK!「託児スペース」
移転を機に、キッズスペースも設けました。
服部さん
BLさん志望の方のなかには、子育て中のお母さんも多くいらっしゃいます。これまでは、面接中の預け先をご自身で見つけてきてもらう必要があったのですが、移転を機にこちらでお預かりできるようにしたんです。
ameri
ありがたいですね!
丹羽さん
ベアーズではシッターサービスも行っているので、託児スタッフは自社スタッフです。
服部さん
必要な時には、社員やスタッフが子連れ出社をすることもできるようになりました。
ameri
BLさんを大切にされているんですね。
丹羽さん
BLさんがサービスの根幹を担っていますからね。関東・関西でそれぞれ年に1回、「愛と感謝の祭典」と銘打ってBLさんをお呼びして行うイベントを開催しているんです。
そのほか、春のお花見や夏のBBQなど、イベントも定期的に行っています。社員とBLさんとのコミュニケーションの場でもあるんです。
服部さん
社員は20~30代が多く、息子や娘のように接してくださるBLさんもいるんです。肩ひじ張ったコミュニケーションではなく、気さくにフランクにやり取りをしているシーンをよく見かけますね。
丹羽さん
そのほうが、BLさんも働きやすく感じていただけ、サービスの質も良くなると感じています。
ベアーズを国内のインフラに。海外への展開も目指す
執務スペースの什器類も新たにし、タコ足配線だったネットワークインフラも整備。来客や採用候補者の目に触れる6階だけではなく、オフィス全体が働きやすい環境になるよう整えたベアーズのオフィス。
今後は、誰もが笑顔で暮らしやすい社会を作るため、家事代行サービスをより簡単に使えることを目指しているのだと語ってくれた丹羽さん。「ベアーズの家事代行サービスを500円からと手軽に利用できるマンションを増やしています。低価格で気軽に使えるようにすることで、心理的な抵抗感も薄らぐのではないかと」と今後の展望を教えてくれました。
「世界一の品質」と自負するサービスを、国内だけではなく海外へも展開したい。考え抜かれたオフィスは、サービスの品質向上を支えている縁の下の力持ちです。