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オフィスインタビュー
vol.249 株式会社タイミー

急成長フェーズのオフィス戦略を探る。組織の結束力強化を図る「トランザクティブメモリーを高める」タイミーの汐留新オフィスとは

「トランザクティブメモリーを高める」タイミーの汐留新オフィス

スキマバイトサービス「タイミー」を提供する株式会社タイミー。2017年8月にとあるベンチャー企業のオフィスを間借りし、テーブル3つ分というスペースからスタートした企業。2023年2月には6拠点目となる新オフィスを約890坪という広さで汐留に構えました。

「働く」のインフラとなることを掲げるタイミーの事業成長と共に変容を遂げるオフィス。タイミーのカルチャーを浸透・進化させ「トランザクティブメモリーを高める」新オフィスとは?急成長フェーズにあるタイミーの新オフィスを取材しました。

「働く」を通じて人生の可能性を広げるインフラをつくる。急拡大するスキマバイトサービス「タイミー」

タイミーのオフィス

「働きたい時間」と「働いてほしい時間」をマッチングするスキマバイトサービス「タイミー」。従来の単発アルバイトでは必要だった履歴書も不要、書類選考や面接といったステップを踏むことなく働けて、事業者側も、欲しい人手がすぐに見つかります。働き手と事業者の双方にとって利便性が高いと人気のサービスです。

副業解禁の影響もあり、コロナ前の2019年と比較するとタイミーに登録している「働きたい人」(働き手)の数は5.5倍、2022年にはなんと400万人を突破。スキマバイト市場は急成長フェーズに入ったと言えるでしょう。

一方、コロナ禍で飲食店の募集が激減した際は、需要の増えたEコマースに注力し、物流市場へ転換を図るといった思い切った経営判断を行ったそうです。この転換も功を奏し、飲食や観光業の市場が回復した2022年現在、「働いてほしい人」の数(募集人数)は2019年と比べるとなんと約46倍と過去最高を更新し続けています。

さらに、地方での仕事や生活の体験を通じて、滞在費を賄いながら第二の故郷を見つけることができるサービス「タイミートラベル」を展開するなど、従来の仕組みや慣習にとらわれない新しい働き方を提唱し、「働く」のインフラとして数々の挑戦をつづけています。
「トランザクティブメモリーを高める」タイミーの汐留新オフィス
働き方の変化に加え、少子高齢化が進みさらに人手不足が深刻化していくことから、今後もタイミー社として急成長を続けていくことが想定されます。そういった背景からタイミー社自身も急成長フェーズの企業として体制強化の必要性が明確になっていったのです。

新しい働き方を日本中にインストールし「働く」のインフラを目指すタイミー社にとって、自社の従業員の働き方は非常に重要なテーマの一つでもあります。

「一人ひとりが活き活きと働き、毎日の仕事を楽しみながら働いてほしい」そんな想いを込め、従業員・組織にとっての最適なオフィスのあり方に向き合ってきました。期末である「2023年10月末には期初の倍にあたる1000名強の従業員が働いている」という状況を見据え構築したのが汐留の新オフィスです。

前東京オフィスの課題から見えた「トランザクティブメモリー」を高めるオフィスとは

2017年8月、当時大学2年生だったという代表取締役の小川氏がタイミーを創業した場所は、とあるベンチャー企業の一角。わずかテーブル3つ分というスペースだったそうです。

その後、初のオフィスを恵比寿に構えたことを口火に、企業の成長と共にオフィスを拡張移転させていきました。
タイミーのオフィス
IBASHOでは2020年1月に渋谷のオフィスを取材しています。急成長を遂げる企業のオフィスのあり方をその都度模索しながら、組織の成長フェーズに合わせ変容を重ねました。

今回6拠点目となるオフィスを設計するにあたり、「従業員・組織にとっての最適なオフィスとは何か」を知るため、従業員アンケートを行ったそうです。このアンケートから分かったことは、前東京オフィス(池袋オフィス)の働きやすさは2.7点(5点満点中)という、働きやすさが十分に満たされていないという現状だったのです。

新型コロナの影響で働き方は多様化したものの、この多様な働き方に対して満足できるような環境が整っていなかったことが判明したのです。

ハイブリッドワークを主体とし、多様な働き方を満足できる環境を実現するため、「組織内の誰が何を知っているのか」を把握することを重視する「トランザクティブメモリー」という考え方を導入しました。

「トランザクティブメモリーを高める環境」をコンセプトとし、社内コミュニケーションを円滑化し、従業員それぞれがお互いの顔、業務、専門性を認識することで、仕事の生産性を向上させながら、タイミーのカルチャーが維持・進化し続けることを目指したのです。
それらを達成するため、3つの機能をオフィスに持たせることにしたのです。

従業員数を2倍まで。急成長フェーズの汐留オフィスの「3つ機能」

何気ない談笑が起きる「コミュニケーションの円滑化」

タイミーの新オフィスへ足を踏み入れた第一印象は「非常に洗練されたスタイリッシュな空間」でした。壁がなく遠くまで見渡せる風通しの良さ、無駄なものがなく、シンプルながら柔軟性に富む空間。エントランスに漆喰による左官仕上げや真鍮などの上質な素材を使用している点も魅力的です。

タイミーのオフィス

サービスのマスコットキャラクターの大きなぬいぐるみが置かれた「タイミー広場」はイベントやセミナー開催をするための場所だそう。平常時はABWのスペースとしても活用でき、可動式の様々な什器が置いてあります。

タイミーのオフィス

什器を組み合わせることでその都度、目的に応じた人数、雰囲気で使用することができます。

タイミーのオフィス

35階という眺望の良い1フロアです。窓際からは東京を一望でき、時間帯によって移り変わる景色を眺めることで新たなアイディアや解決の糸口がわいてくるかもしれません。

タイミーのオフィス

コミュニケーションを円滑にするための一つのアイディアとして「食」を取り入れているのもタイミー流。2020年に取材した際も部署を超えてランチタイムを設けているというお話がありました。

念願の社内キッチンも実現し、業務後に無料で使えるバーやアイスデー、オフィスの中にちょっと置かれた飴などのお菓子もコミュニケーションツールの一つです。

タイミーのオフィス

互いの専門性や業務を尊重する「個人集中・生産性向上」

タイミーのオフィス

ずらりと並ぶ執務席はスタートアップ企業としては珍しい光景です。
総座席数は約480席。1人1席必ず自分の席があるという安心感を与え、社員の帰属意識を高める効果があります。

タイミーのオフィス
タイミーのオフィス

一人用の個室「HIGH FOCUS BOOTH」と名付けられた「超」集中するための個室で、広めのゆったりとしたデスクとモニターが設置されており、周囲に邪魔をされることなく業務に集中できます。

タイミーのオフィス

来客用、社内用共に、会議室が豊富に用意されているため、会議室不足のための調整といった作業はほとんど発生しないでしょう。会議室の名称が全てインフラに通じているというのも「働く」のインフラを作る種を育てています。

気分を変えてリフレッシュ「オフタイム・リラックス」

タイミーのオフィス

アウトドアのような雰囲気も感じる芝生エリアにはテントやチェア等を配置し、靴を脱いでリラックスできるスペースに。

タイミーのオフィス

アイデアに煮詰まった時など、気分を変えてリフレッシュしたり、シーンを変えて働くことができるスペースです。

タイミーのオフィス

ビーズクッションがたくさん置かれたシアタールームには98インチという大型モニターがあり、チームの成果発表会やチームビルディングといった目的に使用されているそうです。

成長の波は全国へ。7つの支社も。

タイミーのオフィス

1フロア、35階というタイミーの新オフィスからは東京タワーもスカイツリーも見え、多くの働いている人がいるということを想起させます。

タイミーのオフィス

そして今では働く場所は全国どこでも選べるようになりつつあります。
2023年3月時点では8拠点(東京本社を含む)を構えるタイミー。「働く」のインフラをつくるため、今後も全国展開を進めていくそうです。

タイミーのオフィス

取材先

株式会社タイミー

https://corp.timee.co.jp/ 公式サイト

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