関連サービス

はたらくひとにとってのIBASHO=オフィスに
込められた想いを載せる情報メディア

オフィスインタビュー
vol.238 株式会社コドモン

メンバー間のコミュニケーションを活性化させ、クリエイティブな発想を生み出すためのオフィスへ。

「こどもを取り巻く環境をテクノロジーの力でよりよいものに」
をミッションに掲げ、世の中の保育士や保護者の抱える負担や悩みをテクノロジーを通してサポートしている、株式会社コドモン(以下、コドモン)。
こどもと笑顔で触れ合い、愛情を注ぎ、それぞれが真剣にこどもの成長を考えられるよう、時間と心のゆとりをお手伝いしながら、企業としても急成長をしているコドモンが、2020年初夏に本社オフィスを新拠点へ移しました。

今回は、なぜ新拠点を作ったのか、そして新拠点で実現していきたいことなどを、代表取締役の小池義則さんにお伺いしました。
また、内装を担当されたトレイルヘッズ株式会社の代表取締役・山口陽平さんと、プロジェクトマネージャー・櫻井雅之さんにも、今回のオフィス移転プロジェクトに携わって感じたことをそれぞれの目線でお話いただいています。
さらに、新拠点の全貌や、オフィスが出来上がるまでの過程、小池社長の想いを動画でも公開していますので、あわせてご覧ください。

小池 義則 (こいけ・よしのり2002年横浜国立大学経済学部を卒業し、株式会社ベンチャー・リンクに入社。
FC開発における新規リード獲得部門を担当する傍ら、社内でWeb推進室を立ち上げ2009年に起業。
独学でWebマーケティングを学び、クライアントのWebサイトの企画・設計・デザイン・運用の側面から事業成長を支援顧客企業のWebマーケティング支援を行う中で、2015年に自社プロダクト「コドモン」をリリース。
プロダクトの初期開発フェーズでは、自ら全体仕様の設計、UI、フロントエンジニアリングに携わる。

 

オフィス移転のきっかけと、新拠点への想い

―今回、オフィスを拡大し、移転をされようと思ったきっかけを教えてください。

小池さん

会社の規模が大きくなるにつれて、部署でオフィスが分かれていたこともあり、部署間コミュニケーションをとりにくいという懸念がありました。

また、昨年の夏頃からテレワークの推進もしていたため、全体的に社内のメンバーが顔を合わせる機会が減っていることも気になっていました。なので、会社の機能を一つにまとめて会話しやすい環境を整えつつ、コミュニケーションの活性化を図りたかったというのが、今回の移転の背景ですね。

―今年のコロナ禍で社会全体としてもテレワークが推奨されるようになり、様々な会社がコミュニケーションの見直しをされていますよね。

小池さん

はい。弊社ではコロナ禍以前からテレワークを推奨していたこともあり、いまの社内状況であれば、テレワークでも生産性がきちんと担保できるという検証はできています。しかし全員がフルリモートでも問題ないのか?と問われるとそれは違うな、と。パフォーマンスは担保できても、コミュニケーションや帰属意識という部分は、このままでは若干リスクがあると感じていました。

そこでオフィスって何のためにあるのか?というところに立ち戻ると、オフィスこそコミュニケーションがしっかりとれる場所であるべきだ、と。言い換えると、会話や帰属意識の生まれないオフィスは存在意義がない。そのような理由から、今回の移転プロジェクトでは、メンバー間のコミュニケーションを非常に意識しました。


▲「とにかく良いメンバーに恵まれている」と、社員一人一人を大切にされている小池さん。

―なるほど。コミュニケーションを活性化できる場所を作るということを、プロジェクトのゴールに掲げられたのですね。

小池さん

メンバー間のコミュニケーションが活性化できた上で、その中からクリエイティブな発想が生まれる。そんな場所を作りたいと考えました。

―その想いをどのように内装のコンセプトや、移転場所に落としこんでいかれたのでしょうか。

小池さん

移転場所に関しては事業を拡大していることもあり、今後も多くの人がジョインしてくれるという前提で、従来オフィスの3倍の敷地面積を持つオフィスを選びました。

内装に関しては、初めから作り込んだ空間を作るというよりは、メンバーみんなでオフィスを使いながら、より使いやすい形へアップデートしていけるような空間にしたい、と要望を伝えました。

また、このオフィスが3年の定期借地権物件なので、3年後の引越しも前提としたアイディアがほしいと。トレイルヘッズの山口さんと櫻井さんはその辺りも汲み取ってくださった上で、内装の提案をしてくれました。

 ▲左から時計回りに、コドモン・小池さん、トレイルヘッズ・山口さん、櫻井さん。

コロナ禍での移転プロジェクトはイレギュラーなこともあったというが、小池社長は「信頼関係があったので、心配したことはそんなになかったです」とのこと。

山口さん

小池さんからいただいた要望を踏まえた上で、さらにコドモンさんらしさをどう空間で表現するか、というのが僕らの最大の課題でした。

なので、コドモンさんが事業で手掛けられていることや、大切にされていることを、どう具現化するかが肝になりましたね。プロジェクトで話し合った結果、子育てを応援する会社であること、そして事業を通して自分たちも一緒に子育てをしていくことを表現できるよう、こどもが遊ぶ“積木”を、デザインのコンセプトにしていきませんか?とご提案しました。

 

▲トレイルヘッズ・山口さん

櫻井さん

そして知育玩具としてこどもが親しむ“積木”を、空間のコンセプトに決めた後は、これをオフィスデザインの細かいところに派生させています。

フリースペースに置く雛壇、床のグリッド、カウンターの幾何学模様、さらに細かいところですが、会議室のアートも雛壇の端材をモチーフにして組み上げ、会議室とフリースペースをつなぐアイテムとして取り込んでみました。

 ▲雛壇を作る際に出た端材で作られたアート。シンプルな会議室内の、アクセントになっている。

▲オフィスに入ってすぐ目に付くカウンターも、積木を踏襲したデザインに。

―山口さんや櫻井さんが、造作部分で思い入れが強い部分や、特にこだわったところがあったら教えてください。

櫻井さん

社員や、お客様が集う場所になるフリースペースの什器や雛壇、カウンターは、コミュニケーションのハブになるところなので、コンセプトをしっかり踏襲した作りにしたいと考えていました。ですから、ひと目で“積木”のコンセプトが伝わる造作を心がけています。

また、先ほど小池社長がおっしゃったようにここが3年の定借であることを前提にすると、大きい造作物を作ってしまうよりは、小さくバラせるものを作り、次の場所でも使えるようにというのは意識しましたね。

▲トレイルヘッズ・櫻井さん

山口さん

コドモンさんが扱っているサービスは子育てを軸にしているので、“積木”というコンセプトもそこに派生したものではありますが、それをいかに大人っぽい空間に調和させるかは意識しました。

シンプルなモノトーン基調で大人っぽさを出すより、いろんな素材や色、形、を空間の中でミックスさせることで、コドモンさんらしい、あたたかみのあるオフィスができたと思います。

▲雛壇にも人工芝や幾何学模様を取り入れ、柄が多いながらも、統一感がありスマートな印象のフリースペース。

―移転してきて、社員のみなさんの反応はいかがでしょうか。

小池さん

移転してから、どのスペースがどんな使われ方をしているのか観察しています。使うのは社員ですから、「ここをこのように使う」と私が定義するのは違うな、と。おおまかなガイドラインは設定していますが、細かいところはあえて想定せずに、社員に任せているんです。すでに「会議室の一つは、土足厳禁にしてみんなが靴を脱いでくつろぎながら打ち合わせをできるようにしたい」との意見もあり、実際にそのように運用してもらっています。

ここを使っていく中で、オフィスを使う方針やルールを決めて、運用をしていければと思っています。

―今後も様々な意見が出てきそうですね。

小池さん

メンバーもこれから更に増えていきますし、、今回のコロナのように社会環境に応じて働き方も変わってきます。だからオフィスの使い方も、環境の変化に合わせてどんどんアップデートしていければ良いと考えています。

「自由に積み上げたり、作り変えたり、一旦壊して再構築もできる」という積木の特徴は、「使いながらアップデートできるオフィス」というところにも、ぴったりとはまっていますね。

オフィスツアー

エントランスとフリースペース、カウンター

―それではさっそくオフィスの中を見せていただきましょう!エントランスを入るとすぐに展示スペースがありますね。

小池さん

お客さまがいらしたときに、コドモンのサービスをご案内できるように、デバイスを置いています。また、社内で作ったグッズも並べています。

▲エントランスを入ってすぐの展示スペースも、積木を重ねたような造作になっている。

―広々としたフリースペースは、リラックスしながら仕事ができそうです。

小池さん

今後もリモート商談が多いだろうという見通しを立てているのと、社員同士もタイミングがあったときにすぐ打ち合わせができるよう、自由に使える場所を広くとり、打ち合わせ場所に困ることがないよう、デスクも多く配置しています。

外を見ながら仕事ができるというのも、リラックスできて良いですよね。

―このフリースペースはまさしくコミュニケーションのハブになりそうですね。

小池さん

部署を超えての打ち合わせはもちろんですが、ランチタイムに何人かでお弁当を食べている姿を見ると、このスペースを作ってよかったな、と感じます。業務外でもコミュニケーションが生まれる場所になっているのは、何よりですね。

▲ケータリングをとってランチミーティングをするチームも。広いスペースや、自由に使えるテーブルが多いので、活用方法は様々だ。

―カウンターはどのように活用されていますか?

小池さん

業務中のちょっとした休憩に、ここに居合わせたメンバー同士で会話をしている姿はよく見ますね。また、先ほどもメンバーに「昨日ここで飲みました」と言われましたが(笑)、終業後に使っているケースも多そうです。

たわいもない会話をしながらお酒も楽しめる場が社内にあっても良いな、と思いカウンターを作ったので、そうやって活用している声が聞けるのは、うれしいですね。


▲ティーブレイクにも使われるカウンターは、社員の憩いの場になっている。

人工芝スペース

―窓際に設けられた、人工芝スペースは陽があたり、とても気持ちよさそうな場所です。

小池さん

コドモンには子育てをしながら働いているメンバーも多いので、こどもが来ても安心して過ごせるスペースがあると良いなと思い、作りました。靴を脱いで使う場所なので、お昼休みにここでリラックスしているメンバーもいますよ。

―ハンモックもあって、大人も童心に戻れそうです(笑)。

小池さん

休憩時に活用してらえるのも嬉しいですが、「1on1の際に、面と向かってデスクを囲むよりも、ここで座りながら話した方が、お互いがリラックスして本音で話せる」という意見もありました。

そうやって、みんなで用途を見つけながらスペースを活用し、それが良い方に向かっていることがわかると、新しいオフィスを作ってよかったなと思えますね。

 ▲メンバーもハンモックでリラックス!「ここならすぐ裸足になってしまうこどもも連れてこられます」との声も。

会議室

―会議スペースは4部屋あるんですね。

小池さん

はい、フリースペースの横に、4部屋用意しています。そのうちの一部屋は、先ほどもお話ししたように、靴を脱いでラウンジのような使い方をしています。各会議室には、櫻井さんがおっしゃっていた雛壇の端材を使ったアートを飾り、シンプルな空間の中で良いアクセントになっています。

―執務スペースにも打ち合わせができるスペースを作られていますよね。

小池さん

話したいと思ったときにすぐに行動に移せるよう、執務スペースにも用意しています。そちらは、ボックスシートのような形をとり、部屋としてではなく、オープンスペースになっています。「コミュニケーションの活性化」を目指したオフィス作りの具体の一つが、打ち合わせスペースの多さかもしれませんね。


▲リモートメンバーと、社内勤務メンバーの会議も積極的に行われている。

集中ブースと電話ブース

―続いて、執務スペースも見せてください。基本的には、フリーアドレスのようなデスク配置ですが、窓際は仕切りのあるデスクスペースになっているんですね。

小池さん

今後メンバーが増える前提で、部署ごとで島を作り、その中でのフリーアドレス制にしています。

仕切りを作っている窓際ですが、コドモンには開発担当のエンジニアも多数在籍しているので、彼らが作業しやすいスペースを作りました。実際に使っているメンバーからは、「コードを書くときなどの集中したいときに使っている」と聞いています。一定の時間、集中したいときには、積極的に活用してもらいたいですね。

▲通路も十分に幅をとっているので、デスクまわりのコミュニケーションもちらほら。

▲集中スペースについては、「雑音が気になるときなどに活用しています」と社員の声も。

―ドアがついた個室のようなスペースもありますが、こちらはどのように活用されているのでしょうか?

小池さん

営業メンバーや、カスタマーサービスのメンバーが、声を気にすることなく、電話ができるように作った「電話ブース」です。ここは防音になっているため、オフィス内の音を気にせず集中して、サービスを使ってくださっている施設のご担当の方と向き合えるようになっています。


▲サービスを使ってくださっている保育施設から届いたメッセージが貼ってあるブースも。

ロッカースペース

―執務スペースにはロッカースペースも確保されているんですね。

小池さん

これも、オフィス移転の際に集めたメンバーからの声で実現しました。前のオフィスでは各自の荷物をしまう収納場所がなかったので、不便があったのかもしれません。実際に「新オフィスへ出勤するようになってから、バッグが軽くなりました」という社員からの声ももらっているので、ロッカーが欲しいという声を実現できたのはよかったですね。


▲「今までは常に荷物を持ち歩いていましたが、ロッカーができたことでその煩わしさがなくなりました!」と好評

―皆さんの声が色々なところで活かされているオフィスだということがよくわかりました。メンバーの皆さんも快適そうですね!

小池さん

何もかもを一定のプロジェクトメンバーだけで決めてしまうと、本当にメンバーが必要としていることがわからないですし、結果活用されないということにもなってしまいます。

でも今回のプロジェクトでは、計画の段階でなるべく多くのメンバーの意見を聞けたことで、それを反映できました。そしていま、そうやってできた場を実際にみんなが活用してくれているのを実感できるのはうれしいですね。

今後の展望

―最後に、コドモンが今後このオフィスでやり遂げたいことや、近い将来のありたい姿を教えていただけますか。

小池さん

保育園をはじめ、サービスのベンダーさん、教育機関など、あらゆる保育に関する機関とのハブになるような立ち位置へと成長できればと思います。そうなることで、より多くの保育業界や子育て業界を活性化するような仕組みを流通できるようになるのでは、と考えています。

今後このオフィスがいっぱいになるくらい、社員も増えていくと思うので、メンバーや協力会社さんと一緒に、保育業界を盛り上げていくような存在になっていきたいですね。

取材先

株式会社コドモン

https://www.codmon.co.jp/ 公式サイト

ランキング (全体)