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オフィスのゾーニングの流れと注意すべき法規制

オフィス ゾーニング

「ゾーニングを取り入れてみたけど、期待したほどの効果が得られなかった」「現場の従業員から不評だったため、元のオフィスに戻した」など、ゾーニングに失敗してしまうケースは珍しくありません。

その理由に、ゾーニングを「直感的に」実行してしまっている点があげられます。

オフィス内を「なんとなく」区分けするのでは、これまであげたような効果を得ることは難しくなってしまいます。

本記事では、ゾーニングを成功させるために必要なプロセスを順番に解説していきますので、自社に適したオフィス空間のゾーニングを考える際にお役立てください。

オフィスゾーニングの流れ

1.目的・コンセプトを明確にする

実際にどのようにゾーニング(区分け)するかを考える前に、オフィスの内装全体のコンセプトや目的を明確にしておきましょう。

「なぜオフィスを移転するのか」「なぜレイアウト変更を行うのか」「移転や変更によって、どのような効果を生み出したいのか」などをはっきりと定義しておくことで、ゾーニングの方向性をブレなく定めることができます。

2.オフィスに必要なスペースを洗い出す

自社の業種や業務内容・従業員数、オフィスコンセプトなどを加味しながら、オフィスにおいて「どのようなスペースが必要か」また「各スペースはどのくらいの広さが必要か」について洗い出していきます。

例えば、執務エリアにおいて従業員一人一人にデスクを割り当てる場合、ベーシックなデスクのサイズ(幅:1,000〜1,400mm、奥行き:600〜800mm)を人数分配置できる執務用スペースが必要となります。

また、従業員の大半がリモートワークで働いており、出社頻度が多くない会社であれば、会議室やミーティングスペースがコンパクトでも問題ないかもしれません。

3.セキュリティレベル別にゾーニングを行う

必要なスペースが把握できたら、それぞれのスペースに適したセキュリティレベルを設定していきます。

先述の通り、セキュリティレベルを軸にゾーニングを行うことで、それぞれのスペースが備えるべき設備や機能が明確になるため、用途の明確化と同時に、内装の無駄や不足を回避することができます。

例えば、社内の機密情報に関する文書を保管するスペースは、権限付与された人しか入室できない個室にしたり、誰でもアクセスできる利便性の高いスペースはパーテーションでゾーニングしたりすることで、内装コストを抑えることにもつながるでしょう。

4.動線を考えて各スペースを配置する

オフィス空間をどのように区分けするかが決まったら、各スペースのレイアウトを決めていきます。

各デスク間の距離や通路の幅、キャビネットとの距離などが窮屈すぎると、従業員にとってストレスの原因となり、業務効率や生産性の低下につながってしまうため、レイアウトも念入りに考えるようにしましょう。

また、設備や什器を優先的に決めてしまった結果、動線が複雑・非効率的になってしまうケースにも注意が必要です。

せっかくのゾーニング効果が低減してしまわないよう、シンプルな動線が可能なレイアウトを考えるようにしましょう。

ゾーニングで注意すべき法規制

たくさんの従業員や関係者が出入りし、働くオフィスは、彼らの安全と健康を守る空間でなければならないため、オフィスの安全性や快適性の基準やルールは法律によって定められています。

しっかりと計画的にゾーニングを実施したオフィスであっても、法律違反となる要素を含んでいては、従業員や関係者の生命や健康を脅かす恐れがあるため、良いオフィスとは言えません。

ここからは、ゾーニングを設計する際に注意すべき、3つの法律について解説していきますので、これらの法律をしっかりと確認・遵守したうえで、ゾーニング計画を進めてください。

建築基準法

人々の生命・健康・財産を保護するために、建築物が満たすべき基準を定めた法律が建築基準法です。

建築基準法では、オフィスの廊下に必要な幅を以下のように定めており、規定値を確保することが義務付けられています。

  • 両側に居室がある廊下の場合:1.6m以上
  • その他の廊下の場合:1.2m以上

参考:e-Gov法令検索「建築基準法施行令119条

消防法

もしも火災や地震が発生した際の被害を抑えることを目的に、オフィスなどの建築物における防災対策基準を定めた法律が、消防法です。

消防法では、オフィスにおける災害時の避難経路の確保に加え、消化設備・避難設備などの各種設備の配置が定められており、オフィスには、スプリンクラーや火災報知器、誘導灯などの設置が義務付けられています。

参考:e-Gov法令検索「消防法 

労働衛生基準

事務所衛生基準規則と労働者安全衛生規則によって定められた、労働者が心身ともに健康で安全に働くことができる職場環境に関する基準のことを、通称「労働衛生基準」と呼びます。

労働衛生基準ではオフィス内の照度やトイレの数などの基準値が定められており、働きやすく快適なオフィスを実現するために各基準値の適用を推奨しています。

参考:厚生労働省「職場における労働衛生基準が 変わりました

オフィスゾーニングのポイント

ゾーニングやオフィスの内装を変えていくのは、不安がつきものです。オフィスゾーニングにはいくつかのポイントがあります。
働く従業員にとって効率的な空間となるようなアイデアが重要です。

  1. 異なる素材で区切る
  2. カーテンで区切る
  3. 目立つ境界線で区切る
  4. スライドドアで区切る
  5. 色で区切る
  6. フレームで区切る
  7. 床で区切る

それぞれの詳細は、下記の記事にまとめました。ゾーニングのアイデアが知りたい方は、あわせてご一読ください。

オフィス ゾーニング
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まとめ

どのようなオフィスにしたいかを明確にさせることで、オフィスに必要なスペースや効率的に動けるスペースの配置が見えてきます。

ゾーニングは、オフィスの快適性や従業員満足度を高め、セキュリティ強化にも貢献する、とても効果的なオフィスの内装アイデアです。

社内コミュニケーションの活性化や透明性の高い企業文化の醸成にも効果的なフリーアドレスやオープンオフィスにおいても、適正にゾーニングを取り入れることで、様々な相乗効果が生まれることが期待できます。

オフィスの安全性や快適性の基準やルールを守りつつ、的確なゾーニングでオフィスの特徴に合うレイアウトを作っていきましょう。

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