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オフィスの什器の考え方をマスターすると生産性が20%向上?
オフィスの運用を行う中で「什器」という一見聞きなれない単語に出会うことがあります。具体的に何を指しているのか、漠然とした理解はあっても具体的に何を指しているのかわからないという方も多いのではないでしょうか?
「什器」という単語はオフィスのみならず、店舗などでも広く使われる用語で広く物品全体のことを指します。その語源からも厳密に正確に「什器と什器でないもの」を区分していくのは難しいのが正直なところではありますが、イメージとして全体的にどんなものを指すかや、それらを扱っていくにあたってどんな論点があるかを整理することは可能です。
今回は、什器に関してそもそもの語源からオフィスや店舗の業態ごとの具体例、さらにオフィスの運用においてはどういったポイントを考えなければならないのかといった部分を中心に解説していきます。
オフィス運用において欠かせない考え方を多く含んでいるため、ぜひご一読ください。
目次
什器とは?あらゆる「雑多なもの」を表す語
什器とは、「雑多なもの」という意味の用語です。元々は仏教の用語で、数字の「十(什)」を語源とし「十の単位で数えなければならないほど数多くのもの」という意味で使われた「什物」という言葉から転じて、仏教以外の世界でも、広く「什器」という用語として浸透しています。
オフィスにおいてどのようなものが「什器」を指すかは次の項目で具体的に挙げていきますが、実はオフィス以外でも広く使われている用語でもあります。
一般家庭における什器
日常生活における什器とは、語源通り備え付けのような棚から、机や椅子、さらには食器に至るまでの家具を中心とする日常生活に必要な「物」全般のことを指します。
ただし、「什器」というと基本的には店舗やオフィスなどビジネスのシーンで使われることが多く一般家庭の家具などのアイテム全般のことを什器と呼ぶのはあまり一般的ではありません。
店舗(販売店)における什器
小売店やアパレルショップなど、物品を販売するために必要なアイテム全般、広く言えば「商品以外の備品全般」のことを指します。
代表的なものは、商品を並べるショーケースや棚から、レジの台などです。加えて、アパレルショップなどの場合、試着用の鏡やフィッティングルーム、ディスプレイに使用するマネキンなども什器に含まれます。
店舗の場合、裏側にバックヤードがあるのが基本ですがストックする商品を置く棚など裏側で作業を行うのに必要な備品全般も什器です。
店舗(美容室・美容サロン)における什器
美容室や美容サロンなどは物品を販売する店舗ではなく、施術の技術などを提供する店舗です。実際に施術を行うために必要な鏡、椅子、テーブル、シャンプー台などが什器にあたります。
また、こういった店舗では内装が大切になってくるため、空間に置く備品などにこだわりを持っていたり、店舗のコンセプトを体現していることも珍しくありません。そういった機能性よりもデザイン性を重視した家具・備品などについても什器にあたります。
店舗(飲食店)における什器
飲食店は顧客にサービスを提供する「ホール」とサービスするための料理を作る「調理場」に分かれます。(カウンターなどを挟んで一体となっているケースもあります。)
ホールにおいては顧客が着席するための椅子やテーブル、カウンター台などは当然のこと、その他ホールに置かれている調度品やワゴン台なども什器にあたります。
キッチンにおいては食材を収納している冷凍庫・冷蔵庫やガス台、調理台、食器や調理器具を置く棚などが挙げられます。
飲食店は「表側」のホールでも「裏側」のキッチンでも、それぞれが他の店舗型のビジネスと比較して必要なアイテムが多いため、什器の種類が多い傾向にあります。
オフィスにおける什器の種類を解説
複数の店舗の事例で見てきたように「什器」が指すものは非常に広く、オフィスでの什器というのは「業務を行うために必要な家具・備品・小物全般」と考えることができます。
紹介するのは代表的なものですが紹介していきます。
デスク・椅子
まず、重要なのは社員が業務を行うデスクや椅子などです。1人1席割り振った場合、社員が増えるごとにかさんでくるコストではありますが、デスクの使い心地、椅子の座り心地などは業務効率に直結します。
近年はデスク・椅子を固定で割り振らないフリーアドレス形式のオフィスも増えていますが、そういったレイアウトを採用するか否かも含めて什器の選定がポイントになります。
来賓用のソファ・テーブル(応接セット)
重要な来客に備えて応接室や来賓向け会議室に設置するような応接のソファ・テーブルなども会社の業態によっては重要な什器にあたります。
重要な来賓を迎えるにあたっては空間の統一感がより重要視されるため、ソファとテーブルが一体となって販売されている「応接セット」なども重宝します。
本棚・収納棚
書類や備品を収納する本棚・収納棚もオフィスの目立つ什器の一つです。機能性はもちろんのことですが、インテリアとしての機能も高いため、デザイン性も重視されます。
ロッカー・キャビネット
個々の社員が私物や秘匿性の高い業務関連の物品を収納するためのロッカーやキャビネットも、セキュリティの高いオフィスにおいては重要なアイテムです。とりわけ、フリーアドレスのオフィスのように個々の机がない場合は特にロッカーの役割が重要です。
パーテーション
空間の間仕切りとなるパーテーションもオフィス什器の一つです。比較的に空間を分ける簡易なパーテーションから、空間をしっかりと囲い込んで別の部屋を創り出すようなパーテーションまで需要にあわせてレパートリーがあります。
また、素材としても空間の開放感を高めるガラス製のものや、簡易に視覚を遮断する程度の需要で足りれば植物などでもパーテーションになりえます。
オフィスの什器選びのポイント
オフィスの什器の具体例を挙げていきましたが、その上で改めて什器を選定するにあたってはどのようなポイントを重視すればよいか、いくつかの論点から考えていきます。
価格
まず什器を全て取り揃えるには一定以上のコストがかかるため、それぞれの什器のコストを抑えることは一つの重要なポイントとなってきます。
近年は什器によっては安価でも比較的高品質なコストパフォーマンスに優れたモデルも多く展開されているため、予算を抑えても一定以上の品質の什器を取り揃えることは可能かもしれません。
ただし、やはり価格が低い什器は価格の高い什器と比較すると何らかの部分で品質が十分でないのが基本です。
重要度の高い部分や、こだわりが強い部分に関してはある程度予算をかけ、重要ではない部分に関してはコストパフォーマンスを重視するなど、バランスを取った対応をすることも一つの手段です。
機能性
同価格帯の什器のラインナップの中でも、どういった部分に優位性があるのかは商品によって異なります。例えば、業種によってはセキュリティの高い「金庫」なども需要の大きな商品です。
例えば、極めて秘匿性の高い書類などを保管する金庫の場合、解除履歴つきの金庫を利用することで、誰が金庫を解錠したのか把握することができ、万が一の際の調査が容易になります。
また、業態や立地などから比較的火災リスクが高いような場合には、防火性に優れた金庫の需要が上がります。
このように、同じ什器の中でもどういった機能が自社にとってより重要であるかを考えることは、生産性の高いオフィスづくりを行うにあたっても重要です。
デザイン
近年、機能的な生産性だけでなくデザイン性の高さにもこだわるオフィスも増えてきています。洗練されたオフィス空間で働くことは働く社員のモチベーションの繋がり、生産性の向上に期待できます。
加えて、訪問者にとってもデザイン性の高いオフィスに迎え入れられることによる印象向上がビジネスに良い効果をもたらす可能性もあります。
デザイン性の高いオフィスづくりを実現するには当然中に置かれる什器のデザイン性にもこだわる必要があります。そして、単にアイテム単体としておしゃれだというだけでなく、空間のコンセプト全体に調和するようなものを選んで配置していく必要があります。什器を機能性のある家具や物品とみなすのではなく、オフィスという空間をつくる一つのインテリアとするような考え方が重要です。
中古の什器を購入することにより、費用を抑えられる場合も
オフィスの「什器」は多岐にわたりますが、業務効率に優れたオフィスや、社員のモチベーションを上げるデザイン性の高いオフィスを創るにあたっては過度に低価格な什器ばかりを揃えたり、そもそも什器の購入を見送ったりといったことにも限界があります。
一定以上の品質の什器を予算を抑えて購入する方法として中古品を購入するといった手法が挙げられます。
中古での購入は、新品での購入と比較すると同等の品質のアイテムが安く購入できる傾向にあります。場合によっては大幅に安い価格で購入できるような掘り出し物に出会えるかもしれません。
また、オフィスづくりにおいてアンティーク調のデザイン性を重視する場合など、あえて使い込まれて年季が入っていたり、多少傷のついたアイテムを購入することで、世界観を統一する効果を期待できる場合もあります。
一方で中古で購入した什器の最大のデメリットは、追加発注したい場合に新たに在庫を確保できない可能性が比較的高い点が挙げられます。新品の場合は購入先に新規で発注を依頼することで、在庫がない場合でも新たに製造できる可能性が比較的高いですが、中古の場合は中古市場に出回っているかどうかがポイントとなるため、将来的に必要となる分の什器が出回らないケースもあります。
不足分だけ新規に発注するといったことも考えられますが、中古で入手したアイテムの場合は新品の場合と比較して生産終了となっている可能性も比較的高く、供給面では不安が残ります。
そういった点を懸念する場合は、机や椅子などビジネスの規模の拡大に応じて増やす可能性のある什器に関しては中古市場での入手は避け、規模が拡大しても増設する予定のない部分に関して中古製品を使うことが一つ挙げられます。
他に挙げられるデメリットとしては、見た目は状態が良くとも実際には使い込まれて耐久力が低下しており、購入してもすぐに故障・損壊し買い替えや修理が必要となってしまうようなリスクが否定できません。
また、新品であればついてくるような修理保証などのオプションについても中古の什器においては付けることができないケースが多く見られます。
オフィスの居抜き物件を狙えば什器の購入数を減らすことができる
オフィスの什器の初期費用を抑える方法の一つに居抜き物件のオフィスを探すことが挙げられます。
居抜き物件とは直前のテナント入居者が退去時に原状回復工事を行わず、什器の一部または全部を残した上で退去しているような物件です。
退去した時点のオフィスの内装を全く同様に使うのであれば新たに内装工事を行う必要なくすぐにオフィスを使うことができる上、什器に関しても残されたものをそのまま使う部分に関してはそのアイテムの購入を抑えることが出来ます。
しかし、居抜き物件の什器を使いまわす場合、中古の什器を購入する場合と同様の課題に直面します。
つまり、今後補充が必要になった際、市場から新品で調達するよりも欠品・製造終了などにより追加で補充することができなくなるリスクが高い点、新品と比較して早期に破損、故障する可能性が高い点、保証を受けることが難しいであろう点などをデメリットとして考慮しなければなりません。
とりわけ、中古品を市場から調達した場合は、中古販売業者の判断で早期の故障するような什器はそもそも出回っていない上、最低限のメンテナンスは加えられていることが期待できますが、以前のテナント入居者が残していった什器に関しては専門的な業者のチェックが一切入っていない状態で残されている可能性も十分に考えられます。
居抜き物件は上手く活用すれば内装工事費、什器の調達費を含めて初期費用を大幅に抑えることも可能ですが、残っているものをそのまま使うことにも一定のリスク、デメリットがあることも認識しておくことが大切です。
オフィスの什器をレンタルするか購入するかの考え方
オフィスの什器は多岐にわたり、レンタルオフィスのように備え付けの場合や、居抜き物件のように以前のテナント入居者が使っていた設備をある程度使いまわせる場合を除いては全て自社で用意しなければなりません。
しかし、その全てを購入していては膨大な初期費用がかかってしまうことも懸念されます。初期費用の部分に関しては、分割払いといった方法で解決することもできますが、購入した什器は移転などに伴い必要なくなった際、今度は処分に費用や手間がかかることが退去時に向けての将来的な課題ともなりかねません。
そういった課題を解決する方法として、オフィスの什器をレンタルする方法が挙げられます。
レンタルとはその名の通り什器を自社で購入・所有せず業者から借り入れて使用する方式です。
オフィスの什器のレンタルするメリット・デメリットについて比較した上で、総合してどのように考えればよいかについても検討していきます。
オフィス什器をレンタルするメリット
オフィス什器をレンタルするメリットについて、箇条書き形式で紹介し、簡単に理由を上げていきます。
・初期費用がかかりにくい:購入する場合は分割払いにできない限り購入に大きな一時金が必要です。しかし、レンタルする場合は初期費用がかかるかどうかは商品次第ですが、基本的には比較的安価なサブスク型で負担を均すことができます。
・期間限定の用途ならば費用が抑えられる:購入する場合、購入から廃棄までの期間利用していくことが必然ですが、レンタルの場合は使わなくなった時点で返却すれば足ります。とりわけ、期間限定で必要になるような什器であれば必要な期間のみ金額を支払えば良いため、コストを抑えられる傾向にあります。
期間限定の用途ならば費用が抑えられる
・什器の変更が容易:同じ系統の什器であっても、長いこと使ってるうちに別のアイテムの方が望ましいと考えるようになったり、もしくはオフィスの雰囲気を変えるために什器のデザインも変更したという需要が出てくるかもしれません。レンタルであれば既存のものを返却し、新たに契約するだけなので変更が容易です。
・規模の増減が容易:人を増やす場合や事業を拡大する場合は契約の量を追加し、逆に人を減らす場合や事業を縮小する場合は契約の量を減らす形で柔軟に対応することが可能です。
・修理、交換などのメンテナンスコストがかかりにくい:レンタルにおいては什器の種類にもよりますが、故障した場合でも業者から代替品が即時手配されるケースも珍しくありません。交換する場合でも、レンタルの事業者は同じアイテムを大量に所有しているケースも多いため、スムーズな対応が期待できます。
・廃棄費用がかからない:レンタルの機器は契約終了時、業者に返却すれば足りるので廃棄のコストを考える必要がありません。購入とレンタルでトータルの予算を比較したときとどちらが高いかは一概には言えませんが、レンタルの場合は最後に廃棄コストがかからない点も織り込んでおきましょう。
・資産計上の必要がない:レンタル品は自社の資産でありません。従って、自社で購入した場合、什器の分類次第(パソコン、エアコン、複写機など)では支払の義務が生じる固定資産税も当然に発生しません。故に、什器の償却などについても考える必要がありません。費用面よりも、経理処理などの工数の削減がメリットとして挙げられます。
オフィス什器をレンタルするデメリット
一方で、什器をレンタルするデメリットについても挙げていきます。
・長期で利用しているとコストがかさむ:購入する場合、その費用とは購入価格のことを指しますが、レンタルする場合は月額で料金がかかっていきます。契約が長期間になると理論上その利用金額に上限はなく、「結局購入したほうが安かった」という損益分岐点がどこかで必ず訪れます。
・選択肢が狭まる:購入する場合は、市場に溢れている什器の中から好きなものを選んで購入することが可能ですが、レンタルすることができるのはレンタル事業者が所有している什器のみです。したがって、什器のアイテム選びを行える裁量は大きく下がってしまう点はデメリットとして挙げられます。
・資産計上できない:メリットの部分で資産計上する必要がないことを挙げました。自社資産として計上できない事務的な手間の削減は考えられるものの、自社の資産として計上できた場合、会社の状況に合わせて都合の良い形での経理処理を行うことが可能です。レンタルにするとそういった選択の余地はなくなります。
オフィス什器を購入すべきかレンタルすべきか
結局オフィスの什器を購入すべきかレンタルすべきかは、メリットデメリットを比較し自社にとって重要なポイントを明確化した上で什器ごとに判断していく必要があります。
単純にポイント数で比較するとレンタルのメリットは大きいですが、一概に全ての什器を無制限にレンタルしたほうが良いとは限りません。
両者の違いを理解し、自社においてはどの什器を購入し、どの什器をレンタルするかと、個別に判断していくのが望ましいです。
オフィス解約時に問題になる什器の処分の方法
オフィスの什器に関する論点が一番最初に問題になるのはオフィスの入居時です。前のオフィスから移転で持ち込めるものや居抜き物件で残されているものをそのまま使うもの以外は新規に購入、もしくはレンタルして揃える必要があるためです。
そして、もう一度大きな課題となりうる部分はオフィスの解約時です。オフィスは居抜きで退去できる場合を除いては退去時に原状回復を求められれます。
その際に、自社で購入した什器は何らかの形で元のオフィスから全て引き上げる必要がありますが、具体的にどういった方法があるのか、これまでの内容を逆の視点から見る部分も多いですがまとめていきます。
新しいオフィスに移送する
自社で購入した製品であれば、言うまでもなく新しいオフィスに移動させてそのまま使うのは自由です。レンタルしている物品に関しては契約の内容次第ですが、移転後も継続してレンタルできるような契約であれば、そのまま引っ越し業者に依頼して新しいオフィスに移送するのが基本です。
移動させる什器の量が多ければ多くなるほど引っ越し費用は上がっていくため、移送のコストをかけてでも次のオフィスで使用したい什器であるかを判断した上で手続きを行う必要があります。
なお、引っ越し費用の相場は社員1人あたり3~5万円程度ですが、引っ越し先との距離や什器を含めた荷物の量によっては相場よりも高くなりがちです。
売却する
移送する必要がない什器の中で、状態が良いものや中古市場でも需要が高いものに関しては中古販売業者などに買い取りを依頼することで、もしくは直接購入したいような企業を探し取引を行うことで一定の資金を得ることができる可能性があります。
買取価格は各業者の判断によって大きく異なるケースも多いため、スケジュールに余裕がある場合や、高値で売却できる可能性を探りたい場合は、複数の業者に買取の見積を取得してもらうといった方法が有効です。
ただし、什器の物品そのものの需要や状態次第で大きくことなるものの、場合によって著しく安い価格しかつかなかったり、買取不可で無料での引き取り、もしくは逆に有償での引き取りとなってしまうケースもあります。
売却に関しては過度に期待はせず、有償で処分が必要なものの足しになる程度に考えておいた方が良いかもしれません。
処分業者に依頼して処分する
引っ越し先に持っていくつもりがなく、また売却することも難しいような什器に関しては、処分業者に頼んで有償で引き取ってもらう他ありません。
相場としては
2トン車1台分の廃棄量:8万円前後
4トン車1台分の廃棄量:12万円前後
程度です。
なお、セキュリティ上の要件で什器の物理的な破壊などが要件に加わる場合は相場以上の見積となる可能性もあります。
居抜き退去が可能であれば完全な処分は不要
最後に、繰り返しになりますが居抜き退去が許可されていれば、不要な什器の一部または全部を処分せずに残して退去することが可能です。
新しいオフィスに必要なものに関しては引っ越し業者に依頼して移動すればよく、売却することで一定の資金になりうるものに関しては売却してしまうという選択も考えられます。
ただし、居抜きといっても明らかに買い替えが必要な機器など明らかに廃棄する以外の処分の方法がないものについて残していくことが認められるとは限りません。
そういった什器の処分が次の入居者の負担になってしまうとすれば、その部分に関して新しい入居者からするとリスク部分となり、その分だけオーナーとしても入居者を早期に獲得できないリスクを負うことになるためです。
実際、どの什器を残して退去することが認められるかに関しては事前に定められた契約や、その後のオーナーとの交渉次第となる部分も大きいため、退去直前や後にトラブルとならないよう、どの部分について「居抜き物件」の範囲内として残すことを認めるかは事前に確認することが大切です。
まとめ
オフィスの什器についてまとめました。「什器」には非常に幅広い意味がありますが、オフィスづくりにおいて必要な「家具・備品・機器」全般のことを指すと認識しておけば問題ありません。
オフィスの什器に関してはオフィスの入居から運用、退去に至るまで常に考え続けなければなりませんが、とりわけ問題になるのは大量に導入が必要な入居時と、場合によっては大量の廃棄が必要になる退去時です。
この時、レンタルするか購入するか、もしくは購入するにしても中古の什器を購入するかといった点により考え方が大きく変わってきます。加えて入居時も退去時も「居抜き」であればまた条件が異なります。
考えなければならない事項は多いですが、基本的な考え方はそれほど難しくありません。ぜひ、しっかりと基本を抑えた上で自社にとって望ましいと思えるようなオフィスづくり、オフィス運用を目指してみてください。