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vol.330 BEENOS株式会社

約16年ぶりの本社移転。越境ECを軸に20年以上サバイブを続けるBEENOSがオフィスに込めた想い

「日本と世界を繋ぐグローバルプラットフォームを創る」というビジョンに向かい、越境ECの「Nextスタンダード」を創り続けるBEENOS株式会社。メイン事業「Buyee」の他、越境ECを軸にさまざまな事業を展開している会社です。

2024年11月に創立25周年を迎え、同年12月に約16年ぶりとなる本社オフィスを移転したBEENOS。移転を決めた背景と、新オフィス構築にあたりこだわったポイントについてお話を伺いました。

笠松太洋
ゲスト
笠松太洋
常務執行役員 兼 CBO (Chief Brand Officer) サステナビリティ推進担当執行役員

2010年BEENOS入社後、越境EC事業を展開する子会社へ出向しカスタマーサポート、サービス企画に従事。2015年同社マーケティングマネージャーに昇格、2018年に親会社へ異動し人事マネージャーを経て、2019年より執行役員。2022年に常務執行役員 兼 CBO、サステナビリティ推進担当に就任し、現在に至る。

川本壮一
ゲスト
川本壮一
経営企画室マネージャー

2018年にBEENOSに中途入社。経営管理/IR室にてIR業務およびグループの経営管理業務に従事。2023年にマネージャーに昇格、株式非公開化に伴い2025年より経営企画室マネージャーに就任、現在に至る。

越境ECをコアに多数の事業を展開中

ライター :

御社のホームページには「野心とテクノロジーで世界の可能性を拡げるNextスタンダードを創る」とあり、事業領域としてはグローバルコマースの他、エンタメや新規事業も掲げられていました。今のメイン事業は何なのでしょうか。

笠松さん :

当社は越境ECをコアとしている会社です。エンタメ領域や新規事業領域は、あくまでもコアである越境ECを中心に事業を作っていくなかで手掛けている領域になります。

事業を作るなかで、日本が強いものについて深堀していくと、やはりアニメやアイドルなどエンタメに行き着くんですね。それらを世界に打ち出していくことが我々の重要なミッションだと捉えています。我々は越境ECで日本の商品を世界中に届けるプラットフォームを持っているのですが、プラットフォームを提供するだけではなく、日本のIPコンテンツを商品制作からサポートしたり、海外販売をサポートしたりする事業も手掛けています。

現在、オフィシャルに公開している事業は7つほどだと思いますが、実はそれ以外にも越境EC、日本のエンタメコンテンツを軸にいろいろと事業創造をし、試行錯誤しながら歩んできた会社なんです。

ライター :

世界に目を向けながらも、あくまでも軸足は日本にあるんですね。

笠松さん :

おっしゃる通りです。会社ごと海外に移すこともできますが、やはり日本に根差し、日本から何ができるのかを考えたいというのが代表の想いでもありまして。やはり日本やその文化が好きですしね。人口減少やネガティブな経済的ニュースが多く見られるなかでも、日本の持っている素晴らしいものはまだまだあって、そこに対して我々ができることがあるという気持ちがベースにあります。

「可能性が拡がるか」が社内のスローガンなんです。取り組んでいる事業の先に何があるのか。その事業に取り組むことで我々、ひいては日本の可能性が拡がってるのかが重要なポイントになっています。

ライター: :

御社が設立された1999年と今とを比べると、インターネットの進化も目覚ましく、海外での日本のコンテンツへの注目度もかなり大きな変化があったのではないでしょうか。

笠松さん :

そうですね。ここ数年で特に影響が大きかったのはコロナ禍です。外に出られない状況下でアニメなど日本のコンテンツへの世界の注目度が非常に高まり、当社のコアサービスである海外向け購入サポートサービス「Buyee」でも、アニメ関連グッズがかなり売れるようになりました。世界の人々がより越境ECを使うようになった契機になったと思います。

ライター :

エントランスにあるモニターで、日本のトレーディングカードがランキングの上位に入っているという表示を見て、そんなに人気なんだと驚きました。

「働き方・オフィス」の議論を経て、約16年ぶりの本社移転へ

ライター :

現在の御社の働き方について教えてください。

川本さん :

出社と在宅との、いわゆるハイブリッドで、出社する日や曜日の設定はチームごとに行う形になっているので、日によってオフィスにいるの人数にはバラつきがあります。

ライター :

ハイブリッドスタイルはコロナ禍からですか?

川本さん :

いえ、それ以前から在宅勤務の制度自体はありまして、申請すれば使えました。ただ、当時は出社して働くのが基本でした。コロナ禍では、2020年2月17日にリモートに切り替えたのですが、これはおそらく上場企業としてかなり早い判断だったと思います。全員にパソコンが貸与されているIT企業なため、切り替えやすかったという事情もあります。

ただ、セキュリティ面や制度、在宅勤務での手当の扱いなどについて考える必要はあり、当時はかなり特急で議論され、何とかしたという感じでした。

ライター :

出社率は取っていらっしゃるんですか?

笠松さん :

最近は追っていませんね。川本がお話したように、かなり日によって差が出ます。

川本さん :

一時期、本当に少ないときは20%ぐらいだったことがありましたが、おそらく今は倍程度なのではないかと思います。

ライター :

最近ではオフィス出社に回帰する流れも見られますが、御社ではそうした流れはなかったのでしょうか。

笠松さん :

実はコロナ禍を経験して今のオフィスに移転するにあたり、経営陣でかなり議論しました。ハイブリッドワークを続けることに決めた当時は、調べれば調べるほどハイブリッドワークが良くないとか、リモートワークの良し悪しとか、さまざまなデータや統計が出回っていたんですよ。我々経営陣の中でも「元に戻したほうがいいのでは」という意見もあったのですが、生産性の視点で考えると、豪雨や猛暑、雪の日に出社するのは果たして生産的なのかと。社員が主体的に選べるのはやはりメリットだよなという結論になりました。

ただ、では在宅勤務のほうが生産性が高いのかというと、それはまた違う話だと思っています。自宅でやれる仕事と会社に出てきてできる仕事とは性質が異なると思うんですよ。ですので、例えば新規事業を立ち上げる際のミーティングなどは会社に出てきて進めようといった話をしています。

ライター :

メンバーが集まってワイワイ話せるほうが進めやすい仕事だからということですね。

笠松さん :

はい。コラボレーションを生む、企画を作るといった「何かを起こす」仕事に関しては、リモートよりもみんなが集まるほうがはるかに生産的だというのが当グループの結論です。一方、コーディングや数字を扱うような仕事はオフィスに来る必然性が低いですし、むしろ自宅のほうが集中してできるでしょう。

ライター :

話しかけられることがないためですね。

笠松さん :

ええ。あと働き方の使い分けに関して付け加えると、コロナ禍が始まった当初、鬱っぽくなる人たちが増えたんです。自宅で孤独に働いていると気持ちが落ちていく人が一定数見受けられまして。特に新入社員など若年層にそういった傾向が見られたので、上司に声をかけ、なるべく会社に出てきてもらうといった対応を率先して行っていました。

ライター :

今のオフィスへの移転は、御社にとって25周年という大切なタイミングで行われました。本社移転は約16年ぶりとなります。オフィス移転に当たって働き方の議論がなされたというお話でしたが、移転を決められた背景にはどういった目的があったのでしょうか。

笠松さん :

2018年に前のオフィスをリニューアルし、その次の契約更新だった2020年から移転を検討してはいたんです。ただ、そこでコロナ禍がきたため、「今後どうなるのかわからないなか、移転している場合じゃない」という話になりまして。

さらにその2年後は、ウクライナとロシアとの紛争が始まった時期なんです。我々はグローバルにビジネスを展開しているため、世界情勢の変化が業績に大きな影響を与える可能性があるんですね。さらに当時の当社は上場企業でもありましたので、株主への説明責任も負っていました。そのため、このときも移転話が進められることがなかったという背景があります。

川本さん :

実は物件選びまではしていたんですけどね。そこからさらに2年経ち、ようやく移転となりました。コロナ禍が明けてから時間が経ち、先ほど笠松が話した活発な議論があったのがこの移転の前頃です。経営陣としては今までよりさらに事業スピードを上げていかなければならないという思いがあり、そのためにはもう少し出社したほうがいいのではという意見がありました。

ただ強制するのではなく、「こういう場を用意しました。生産性も上げやすいはずですので、ぜひ来てくださいね」という意味合いで伝えるため、「来たくなるオフィス」を作ろうという話になりました。

なお、移転ではなく再びリニューアルするという話も選択肢のひとつとしてあったのですが、この節目に決断しなければ、今後も10年単位で同じ場所に居続けることになりかねないため、移転を決めたという背景もあります。

ライター :

働きやすさなどに関して、何かデータを取られたりはしていらっしゃったのでしょうか。

笠松さん :

2018年から月に1度エンゲージメントサーベイを取っています。オフィス環境への満足度、心理的安全性といったスコアは、リモートワーク導入後にわかりやすく上がりました。その後もスコアは上がり続けていまして、今も高いところを維持しています。

ライター :

リモートワークが選べるようになったことでスコアが上がっているものの、生産性という観点で考えると出社も促したかったということですが、オフィス移転の決断にあたって生産性についてはデータを集められたのでしょうか。

川本さん :

いえ、オフィス構築にあたって生産性を測ったことはありませんでした。あまり数字ではわからないものだと思いますし、取ってみようという話もなかったです。出社だから、リモートワークだから生産性が上がる、もしくは落ちるというよりは、各チームが生産性高く仕事をするにはどうしたらいいのか考えてほしいというのが経営陣からのオーダーだったと思っていまして、社員の選択肢に「オフィス出社」がある状態を作りたかったんです。「遠いから出社したくない」といった具合に、選択肢から出社が外れてしまう状態は避けたいなと。

前のオフィスは駅からの距離があり、シャトルバスはあるものの通勤への心理的なハードルが高かったと思います。採用面で見ても、やはり「遠いから出社したくない」という状態を打破する必要がありました。中途採用の際に、通勤の利便性がネックになっていることがあるとも聞いていましたので。誰にとっても「来たくなる」オフィスの条件のひとつは駅からの近さだと考え、そうした物件に出会えたため移転の判断を下せました。

笠松さん :

2018年の全面リニューアルを担当したのは私なのですが、これも採用に強いオフィスを作りたかったのが理由のひとつだったんです。当時、私が採用も兼務していたということもありまして。デスクや椅子、什器、フローリングを刷新し、会議室の壁を取り払い、まるで移転したかのような新しい見た目のオフィスを作りました。イメージは空港のラウンジでしたね。

ライター :

今回、五反田エリアを選ばれたのはなぜですか? 前のオフィスから大きく離れないようにしたいといった意図もあったのでしょうか。

川本さん :

そうですね。社員の通勤に大きな影響がないようにとは考えていました。他にも大崎や目黒といったエリアも見ていました。新宿なども見ましたが、会社のキャラクターと合わない印象でした。

笠松さん :

五反田は、当社にとってゆかりのあるエリアでもあるんです。今のコアビジネスであるの「Buyee」が生まれたのが五反田と、当社にとって運気が良い場所なんですよ。街の持つ雰囲気、モメンタムを含め好感度が高かったのも五反田を選んだ理由だったと思います。

川本さん :

あと、できればワンフロアにしたいという希望もありましたね。

笠松さん :

そうですね。ウクライナ情勢によりステイとなったときの物件選びでは、旧銀行のビルを居抜きでビルごとという案もあったのですが、フロアが分かれていると出社のメリットが損なわれるなと。コラボレーションを生みたいと言っているのに、フロアが分かれているってどういうこと? となってしまいますから。移転してきてみて、やはりあらためてワンフロアのオフィスで良かったと言いきれますね。

ライター :

偶発的なコミュニケーションもワンフロアのほうが生まれやすいですよね。

笠松さん :

ええ。今のオフィスは会議室との行き来や自販機に飲み物を買いに行くなど、歩き回れば誰かしらと立ち話する機会に恵まれますから。チャットでのコミュニケーションは目的ありきになりがちです。やはり出社する良さは「ついで」のコミュニケーションが生まれやすいことにあると思います。

川本さん :

まさにその通りで、オンラインミーティングは目的の議題について話し終えたら終わることが多く、雑談が少なくなりがちですし、勘違いやすれ違いが生まれる可能性があるなと思っているんですよね。それはもったいないなと思っています。

ライター :

確かに「あの人、何だかしんどそうだな」といった情報は、出社しているときのほうがキャッチしやすいだろうなと思います。前のオフィスは、テーマが「空港ラウンジのようなオフィス」だったとのお話でした。今回の「出社したくなるオフィス」はどのようなところにこだわられたのでしょうか。

笠松さん :

大元は代表のこだわりで、ワクワクするといった点も重要なポイントでした。一方、実用性にも非常にこだわっています。会社は生き物であり、事業も晴れの日ばかりではありません。業績が傾いて人が少なくなったり、逆に好調で人が増えたりと、社員数の増減に対応できるオフィスになっています。有事にいかにサバイブできるかが代表のこだわりなんです。

川本さん :

今回のテーマはカフェをイメージしています。カフェといってもいろいろなタイプのカフェがありますが、当社の場合はみんなが思い浮かべたカフェのイメージが明るい木目調、白とグリーンだったので、そのイメージに沿って内装を作っています。

カフェをイメージした「出社したくなるオフィス」

「出社したくなるオフィス」を目指し、明るいカフェのような空間を作ったBEENOS。随所のこだわりについて伺いました。


ロゴの高さへのこだわりが光るエントランス

ライター :

エレベーターを降り、オフィスに向かうと光っているロゴが見えるのが印象的でした。

笠松さん :

ありがとうございます。ロゴはまさにいい塩梅で見えるよう、高さを微調整してもらいました。本当はもっと広いエントランスにしたい気持ちもあったのですが、先ほどの「有事にサバイブできるか」というこだわりはオフィス構築においても重要なポイントでして、その観点から見るとエントランスは極端な話、無駄なスペースなんですよね。何かがあったときに活かしようがないという意味で。

ライター :

エントランスを別の用途に転用するのは確かにイメージしづらいですね。

笠松さん :

ええ。ただ、エントランスはお客様をお迎えするための場所として必要な場ではありますから、必要最低限のおもてなしができるよう、がんばってこれだけのスペースを確保したという裏話があります。

笠松さん :

構造物のあちこちにハニカム構造を採り入れています。会社名の「BEE(ミツバチ)」「NOS(の巣)」由来のデザインですね。ミツバチのように、ビジネスの生態系を豊かにする存在になりたいという意味が込められた社名なんですよ。

ライター :

エントランスの奥側にあるベンチシートが、まさにハニカム構造ですね。

川本さん :

グリーンにはこだわりまして、意識的にたくさん入れました。

笠松さん :

ほとんどがフェイクではなく本物で、定期的にメンテナンスをお願いしています。

世界の都市名を冠した社外向け会議室

会議室のガラス壁面にある世界地図もハニカム構造で描かれていました
笠松さん :

会議室の壁面をガラスにしてもらったのは、私のわがままです。透明性を出したいなと思いまして。ただ、「視線が気になる」という意見もあり、議論がありました。

笠松さん :

そこで、中にカーテンを付けることにしました。ただし、外から見て中に人がいるのがわかるようにしたかったため、厚手のものは選ばず、透け感のあるカーテンを選んでいます。また、ガラスは二重ガラスにすることで防音性を高めるといった工夫もしました。コストのかけ方に関しては、しっかりメリハリを付けましたね。

川本さん :

そうですね。セキュリティに関する部分でもあるため、ガラス壁面についてはコストをかけるべき場所だと判断しました。一方、天井に関してはスケルトンにするかどうかといった議論がありましたが、コストのかけどころではないという判断を下しています。

笠松さん :

2018年のリニューアル時に什器などを一新したため、それらはそのまま持ち込んで継続使用するといった具合に、節約するところは節約しています。

ライター :

会議室名は外国の都市名なんですね。

笠松さん :

グローバルに出たいという思いから、2010年頃からお客様用の会議室には世界の都市名を付けてきました。以前のオフィスでは歴史ある都市名で、今回は今、勢いのある都市名を役員陣が選定しました。1番大きな会議室が「TOKYO」で、これは前から変わりません。他の都市名は、特に部屋の広さと関連しているわけではありません。

川本さん :

各会議室の中には、その都市の写真を飾っているんですよ。

ライター :

会議室内に飾られていた写真は、その部屋の名前である都市のものだったんですね。モノトーンなのがいいですね。雰囲気があります。

川本さん :

自分たちで素材を探し、モノトーンで印刷したものなんですよ。

ライター :

素敵なアイディアです!

いざというときには可変可能。ラウンジ

笠松さん :

こちらはラウンジスペースです。ランチタイムや休憩、仕事、月例会、エンジニアを招いてのイベントなどに使われています。

ライター :

奥の壁にある文字が目を惹きますね。

笠松さん :

この壁は、実は急激な人員増などいざというときに取り壊し易いように作っていまして、見た目が無機質だったため、社内でデザインできる人に考えてもらいました。このカラーはインターナショナルオレンジという、当社のコーポレートカラーなんですよ。

カウンター席の上部からはスクリーンが下ろせます
一角にはバーカウンターも
笠松さん :

バーカウンターは前のオフィスから踏襲したものです。

笠松さん :

棚に置かれている「BAR」のネオンサインは私の私物です。どうしても置きたかったので持ち込みました(笑)。

一角には福利厚生のコーヒーマシンも設置
笠松さん :

グループ会社を横断したコミュニケーションの場もここで設けています。新卒社員にとって、人脈を広げられる機会にもなっているのではないかと思います。

グループアドレス&ABWを導入した執務室

川本さん :

こちらが執務室です。今回のオフィス構築では、8つある行動指針のひとつ「オープントーク」をオフィスコンセプトに据えました。「リスペクトを持って話そう」という想いが込められている行動指針で、その行動指針をオフィスに落とし込むにあたり、カフェのイメージはぴったりでした。

川本さん :

なるべく壁を作らず、うっすらとBGMを流し、仕事内容や気分に応じて働く場を選べるABWも採り入れました。

ライター :

各座席はフリーアドレスなんですか?

川本さん :

今はグループアドレスですね。移転前は固定席だったため、移転後はグループアドレスにすることを伝え、エリアを決め……と徐々に進めていきました。

窓側には仕事する場を集め、廊下側(内側)にはファミレス席など会話できる場所を多めに設けました。動線はひとつになるようにし、カーペットの色を切り替えています。

集中スペース
左側にあるのはファミレス席
こちらにもハニカム構造が
川本さん :

たくさんあるグリーンは、視線を自然に遮る役割も担っています。

笠松さん :

こちらはサブラウンジです。社員の憩いの場ですね。

笠松さん :

角のソファ席は人気があります。

ライター :

おこもり感が落ち着きそうでいいですね。

ライター :

執務室内の会議室はお花の名前なんですか?

笠松さん :

ええ。社内会議室はミツバチが蜜を集める花の名前から名付けられています。中の色もそれぞれの花の名前に準じているんですよ。

ライター :

こちらはSAKURAだから桜色なんですね。

笠松さん :

この向こう側がコーポレートメンバーの執務エリア室です。ここの高さも、かなり議論したんですよ。

笠松さん :

コーポレート部門ではセキュリティ的に他の部署より視線を遮りたいというニーズがありました。かといって仕切り壁を高くしすぎると空間に圧迫感が出てしまいます。圧迫感と視線を遮るギリギリのラインを攻め、この高さに落ち着きました。

笠松さん :

こちらは社長室です。

ライター :

こちらがですか? まるで会議室のひとつのようですね。

笠松さん :

以前はいわゆる社長デスクがあったのですが、これが嫌だということで移転を機に今の形になりました。

笠松さん :

こちらが大会議室「TOKYO」です。役員会議などに使われています。ベンチソファを置くことで、椅子の数以上に人が入ることができる仕様になっています。

笠松さん :

「TOKYO」には外部のお客様もお通しするため、専用のサブエントランスも設けました。

ライター :

移転後の反響はいかがですか?

笠松さん :

社員が喜んでくれましたね。当社は退職した社員とも定期的にコンタクトを取って交流しているのですが、彼らも新オフィスに遊びに来た際に「すごい!」と褒めてくれています。進化した感じが伝わっているのだろうと思います。

会社の変化を受け止められるオフィスを作れた

「今後はAIの流れがオフィスを変えていくと思っている」と語ってくださった笠松さん。


「コーディングのような作業的な仕事は家でしたいといいますが、そういった仕事はAIがするようになる可能性があります。そうなると、在宅勤務の意味も変わってくるでしょう。それによりオフィスの価値が高まる可能性もありますし、私が想像もしていない何かが起きて、そうならない可能性もあります。


今いる人たちでどう可能性を拡げていくのか考えるのが、当社の方向性です。創業から20年以上、何度も脱皮して変化し、サバイブしてきましたが、これからもその姿勢は変わりません。AIの波は脅威でもあり巨大なチャンスでもある。そのことを真正面から受け止め、どう働き方を変えていけるのか、今後も考えていきたいです。特にこれからの3、4年の変化が個人的には楽しみです」(笠松さん)


川本さんも「変化に対応してきたのがBEENOSという会社とその社員」と述べます。

「こうした変化を受け止め切れるオフィスを作れたと思っていますし、ここで受け止められる間はしっかりと受け止めていきたいです。もっと長い目で見ればそうした変化に対し、いずれ設備面含めて見直すタイミングがくるでしょう」(川本さん)


オンラインミーティングばかりだと、見えないすれ違いが生まれるのではないかという話に関連し、川本さんは「そうしたすれ違いが少しでもあるだけで、意思決定のスピードにも影響が及ぶと思います。関係者がオフィスにいれば10分で物事を進められるといったこともあるでしょう。そうした部分にオフィスの良さを感じてもらい、出社を選んでもらえれば移転PJを担当した身として嬉しいですね」と語ってくれました。

この川本さんの言葉に対し、「人間の悩みの8割は人間関係と言われていて、そこにコストがかかっているわけです。対面で話すだけで解消されるものも多くあるので、出社して対面コミュニケーションを取ることを大切にすることで下がるコストがあるのではないかと思います」と受けた笠松さん。

コロナ禍が明けて数年経ち、あらためてリモートワーク、出社の良し悪しを考える会社が増えている昨今。単純に優劣を決めるのではなく、それぞれの良さを考えて「選べる」環境を作っている在り方が印象的な見学ツアーでした。

取材先

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https://beenos.com/ 公式サイト

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