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- オフィスインタビュー
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成長と共創を加速させる、経営戦略を体現した個性豊かな船井総研グループのワークプレイス
2024年の東京オフィス移転の成功を受け、2026年1月に大阪オフィスを「イノゲート大阪」へと移転させた船井総研グループ。
新オフィスのコンセプトに据えたのは、グループパーパスである「サステナグロースカンパニーをもっと。」の体現。グループのシナジー創出や顧客との共創を目的に設計されたこの空間は、単なる職場を超え、経営のプラットフォームとして機能しています。
このプロジェクトを推進したビジネスパートナー部部長の石井さんと、タレントディベロップメント部部長の山本さんに、移転の背景や空間づくりのこだわりをうかがいました。
自動車部品メーカーにて調達、海外展開、経営企画を経験。2018年に中途で船井総研ホールディングスに入社し購買業務に従事。その後、2024年の東京オフィス、2025年の大阪オフィス移転プロジェクトに参画。現在はグループ全体の総務、購買、レセプション部門を統括し、グループの最適なオフィス構築を推進している。
兵庫県神戸市出身。2014年に新卒で入社後、船井総合研究所にて電力・再生エネルギー領域のコンサルティングを担当。2019年から採用人事に異動し、2022年より船井総研ホールディングスに転籍。グループ全体の人的資本経営の推進ならびに経営企画・IRを担当している。
目次
中堅・中小企業を支えるコンサルティング集団としての使命
まず、御社の事業内容とお二人の業務について教えてください。

私たちは日本の中堅・中小企業を対象とした経営コンサルティング事業を展開しています。船井総研ホールディングスを筆頭にグループ全体で11社あり、従業員の約95%が東京と大阪の拠点で働いています。私はタレントディベロップメント部に所属し、部長としてグループ全体の採用や育成、オンボーディングなどを統括しています。

私が所属するビジネスパートナー部の業務は大きく3つあります。1つ目がオフィスの設計・運用を担う総務、2つ目がお客様をお迎えするレセプション、3つ目がグループ全体の調達を管轄する購買です。私はそれらの業務を部長として統括し、今回の移転では、各社からメンバーを集め、「大阪オフィス移転プロジェクト」という形で移転を推進しました。
昨今はリモートワークも普及していますが、御社の働き方のスタンスを教えてください。
弊社は「対面に勝るものはない」という考えを非常に大切にしており、週4日以上の出社を原則としています。コロナ禍では一時的にフルリモートとなりましたが、リアルなコミュニケーションの価値を再確認し、改めて出社へとシフトしました。
オフィスは「営業拠点」であり「成長・学び・共創」を生む場所
出社を重視する中で、オフィスの役割をどのようにお考えですか。
社員にとって「出社したくなる場」であることはもちろん、偶発的なコミュニケーションから新しい発見や成長が生まれる場所、そして社外の方々との共創を促す営業拠点としての側面も非常に強いと考えています。実際、東京では移転後に来客数が月2,000名から4,000名へと倍増しました。その成功を受けて、大阪の移転も急ピッチで進めることになったのです。
移転先として、この「イノゲート大阪」を選定された理由はどういったことでしょうか。
一番の決定要因は大阪駅直結という利便性です。弊社のお客様は全国の経営者様ですから、新幹線や飛行機でアクセスしやすい立地であることが最優先でした。また、目の前に「グラングリーン大阪」の緑が広がる圧倒的な眺望も魅力でした。もともとはワンフロアを条件に探しておりましたが、この場所であれば2フロアを内階段でつなぐことで、ワンフロア以上の価値を生み出せると判断しました。

まさに理想的な条件が重なったのですね。それでは実際にオフィスを見学させてください。
船井総研ホールディングスオフィス見学ツアー
「働く、くつろぐ、つながる」をテーマに開業したJR大阪駅直結の複合施設「イノゲート大阪」。その一角に構える新オフィスを、実際にご案内いただきました。
伝統を重んじる「天空の茶室」と五感を刺激する和の演出

ここはもうただただ圧巻の一言ですね。
組子細工を施した雲海ゲートです。正面の襖は「大坂古地図 金屏風」をモチーフにしています。

ここからレセプションへと向かう長い廊下は、露地(茶室に通じる庭)をイメージし、つくばい(手水鉢)も設置しています。


廊下を抜けた先には、レセプションエリア「Sky Lobby」があります。

何かいい香りがします。
気づいていただけましたか。これは和のテイストをベースにしたオリジナルの香りで、東京と大阪で少し変えているんです。
そして、この空間は「天空にそびえる金の茶室」をテーマに、茶釜(受付カウンター)や柄杓(デジタルサイネージ)、茶碗(テーブル)、茶筅(カラム)を配置し、和とおもてなしの心に大阪のエッセンスを掛け合わせています。オフィスコンセプトはグループパーパス「サステナグロースカンパニーをもっと。」の体現。関西発祥で歴史が長い茶道を象徴として採用しました。中でも千利休の理想形である楽焼の最高格式「黒楽茶碗」を模したテーブルは、1点ものの造作テーブルなんですよ。



共創を生むアリーナ空間と2層をつなぐ内階段
このフロアにはセミナールームやゲストルームなど、大小多彩な空間が並んでいます。
お話をうかがった部屋では、壁一面に大阪の街並みを描いたグラフィックが印象的でした。
フロアを抜け、奥へと歩みを進めると、「Enz’Arena(エンザリーナ)」に到着します。


すごい! 本当にアリーナ形式なんですね。
はい。最大300名を収容できるアリーナ形式のスペースで、経営セミナーのほか、経営陣と社員による双方向型のタウンホールミーティングや懇親会などのイベントにも活用しています。縁がめぐり、座が拡がり、未来とともに創る舞台(アイデアが共鳴する場)という意味を込め、「Enz’Arena(エンザリーナ)」と名付けました。
天井が抜けているからでしょうか、開放感もありますね。
そうなんです。東京本社では実現できなかったスケルトン天井を、大阪では採用しました。3メートルの天井高を存分に生かして、この圧倒的なアリーナ感を生み出しているんです。

Enz’Arena前の空間にはピアノもありましたが、オフィスにピアノって珍しいですね。
そうですね。弊社の経営層と設計者との打合せの中で、社内にピアノがあったらいいよねと意見が出て、置くことになったと聞いています。基本は自動演奏にしていて、BGMの役割を担っています。
その横に設けられたアートウォールも、見どころのひとつです。
こちらには、障がいのイメージ変容と福祉を起点に新たな文化の創出を目指すヘラルボニー社の事業に賛同し、京都市在住のアーティスト・衣笠泰介さんの作品を展示しています。
色彩豊かで、空間にとても力強い印象を与えていますね。


この内階段で2つのフロアをシームレスにつないでいるんですね。
そうですね。伝統(過去)から革新(未来)へのシンボリックなゲートウェイ、そんなアプローチになっています。

22階のオフィスフロアは、柱や壁のない見通しの良い空間が印象的です。
個別ブースはありますが、個室を設けないオープンな造りになっていて、社長も社員と同じ環境で仕事をしています。ここには6社が入っているのですが、カンパニーごとに設けられたエリア内であれば空いている席を自由に利用できるカンパニーアドレス制を導入しています。




生産性向上とWELL-BEINGを両立したオフィスフロア
窓際にあるのはエアロバイクですか?

テーブル付きのエアロバイクです。ずっと座りっぱなしは体に悪いということで健康経営の一環として導入しました。これが意外と人気があって、横並びで漕ぎながら打ち合わせしている光景も日常的なんですよ。立ち姿勢で仕事ができる昇降デスクやストレッチチェア、ハンギングバー(ぶら下がり器)なども取り入れています。

フロアの西側にあるこのオブジェは……?

実はこれ、21階の「Sky Lobby」にあった柄杓の先端なんです。
そういえば、柄杓の先が天井に当たっているなと思っていました!

位置もきちんとリンクしていて、「突き抜けろ」というメッセージを体現しているんです。
面白い! 遊び心もあって印象に残りますね。
出社率1.5倍、来客数2.5倍。新オフィスが生み出した変化
運用面では、新たに取り入れたことなどはありますか?
運用面で徹底したのはペーパーレスです。オフィスフロアにはキャビネットを一切置かず、書類や郵便物はすべてバックヤードに集約し、5営業日以内に回収するというルールを徹底しています。その結果、複合機の数も13台から4台にまで削減できました。
移転されて約2か月半が経過しましたが、社員の方々やお客様の反応はいかがですか。
社員の出社率は約1.5倍に向上しました。当初、京阪沿線に住む社員からは「遠くなる」という声もありましたが、いざ移転してみると「景色も良いし働きやすい」という声が多く上がっていて、週4日以上出社する社員も増えています。採用面でも、ピアノや茶碗といった遊び心を表現したのが、学生の皆さん、特に関西の学生さんたちの心に刺さるようで「面白い会社だ」と好評を得ています。
大阪本社の来客数は、以前は月400名ほどだったのが月1,000名近くへと倍増しました。一度来られたお客様が「次は別の部門のメンバーも連れてきたい」と言ってくださることが多くて、それがとてもうれしいですね。施工に関わった職人さんたちの間でも「新入社員に自分の仕事を見せたい」という声が多くて、たくさん見学に来られています。
変化し続けるグループの成長を支える、終わりのないオフィス戦略
では、最後に今後の展望についてお聞かせください。
オフィスの移転と構築に携わったことで、オフィスが社員のエンゲージメントや経営に与えるインパクトを目の当たりにし、改めてオフィスの役割の大きさを実感しています。これからも常に変化を恐れず、最適なオフィス戦略を追求し、グループ全体の成長につなげていけたらと思っています。
弊社には1970年の創業時、お金がなくてリンゴ箱を椅子代わりにしていたというハングリー精神を象徴するエピソードがあります。その想いを忘れず、この素晴らしい環境を生かして、社員が最大限の力を発揮できる場を提供し続けていくつもりです。
本日はありがとうございました。

船井総研グループの新オフィスは、伝統への敬意と未来への革新が同居する、まさに経営戦略を具現化した空間。徹底したペーパーレスやオープンな空間設計による「合理性」と、ピアノや突き抜けた柄杓といった「遊び心・情緒」が広いフロアの中で見事に融合し、社員の出社意欲と顧客の来社意欲を高めています。オフィスを単なるコストではなく、成長のエンジンとして捉える同社の姿勢は、次世代のワークプレイスのあり方を力強く示しているようでした。