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vol.320 塩野義製薬株式会社

感性を刺激し、交流を加速させる。「グラングリーン大阪」から発信する塩野義製薬の新本社

塩野義製薬

大阪の新たなランドマーク「グラングリーン大阪」。この地にグローバル本社を移転させた塩野義製薬のオフィスには、五大陸をテーマにしたワークコモンズや内階段など、偶発的な交流を促す仕掛けが随所に散りばめられています。この移転プロジェクトを推進したメンバーの一員である堀口さん、大屋さんに、新オフィスをご案内いただきました。

堀口 磨里奈
インタビュー
堀口 磨里奈
コーポレートコミュニケーション部

2009年に新卒でMR(医薬情報担当者)として入社。2020年より広報部(現・コーポレートコミュニケーション部)に異動し、インナーコミュニケーションを中心としたコーポレートブランディングを担当する。SHIONOGIグループのリブランディングに伴い、社内向けのブランド浸透の推進活動を担っているほか、企業CM制作やSNS公式アカウントの立ち上げ・運営にも携わる。本社移転では、移転プロジェクトのメンバーとして、社内向けの情報発信を行った。

大屋 修平
インタビュー
大屋 修平
グローバルHR戦略室

2011年に新卒で入社後、MRとして医師への情報提供活動に従事。人事総務部、CSR推進部を経て総務部(現・コーポレートガバナンス部)に異動し、リスクマネジメントやコンプライアンス業務を中心に担当してきた。本社移転では、社内外の調整をしながらプロジェクト進行をリード。2025年より人事部グローバルHR戦略室に異動し、グローバル化プロジェクトに携わっている。

創業の地・道修町からグラングリーン大阪への移転理由

IBASHO.ライター :

まずは事業紹介、それぞれの自己紹介からお願いいたします。

塩野義製薬
堀口さん :

私はコーポレートコミュニケーション部で、主にコーポレートブランディングを担当しています。塩野義製薬は、医療用医薬品の製造・販売というこれまでの枠組みを超え、ヘルスケア企業への進化を遂げようとしています。具体的には、薬の提供だけではなく、ヘルスケアソリューションを通じて人々の健康をトータルに支える企業へと事業領域を拡大させていく過程にあります。こうした変革期において、企業の新たな姿勢を社内外に浸透させるべく、今回の移転プロジェクトでは、新しいオフィスが単なる「箱」に留まらないよう、社内に向けて移転の意義やブランド価値を発信するインナーブランディングの役割を担いました。

塩野義製薬
大屋さん :

私は現在、人事部に所属していますが、プロジェクト当時は主幹部署であるコーポレートガバナンス部にて移転の指揮を執っていました。今回のグローバル本社移転にあたっては、社内の気運醸成を目的としたプロジェクトのリーダー役として、全体統括を担当。具体的には、社内の専門チームの調整から、竹中工務店さんなどの外部事業者との折衝まで、新しい働き方を実現するための基盤作りを推進しました。

ライター :

創業から道修町を中心にどのような成長をされてきたか、地域特性や事業所の特徴をふまえて教えてください。

大屋さん :

道修町は古くから薬の町として知られ、多くの製薬メーカーが本社を構えてきました。当社にとっても創業の地であり、「神農さん(少彦名神社)」のコミュニティを中心とした強いつながりの中で成長してきました。近年は他社が東京へ拠点を移すケースも増えていますが、私たちは旧本社も「大阪本店」として道修町に大切に残し、アイデンティティを継承していくつもりです。

ライター :

今回のオフィス移転の背景にあるグローバル化を加速させる中で、移転先として「グラングリーン大阪」を選ばれたのはどんなことが理由だったのでしょうか。

大屋さん :

当初は、道修町本社の建て替えを検討していました。しかし、4拠点に分散した組織を集約し、コミュニケーションを劇的に変えるには、より規模の大きな、変革の象徴となる場所が必要だと考え、2024年2月に「グラングリーン大阪」への移転を決定しました。

新本社は、全世界のSHIONOGIファミリーのコミュニケーションの中心地であり、多様なビジネスパートナーを招き入れるグローバル拠点として相応しいオフィス環境・本社機能を目指しています。

また、移転の決め手として、連携の可能性が広がることへの期待もありました。グラングリーン大阪内の「JAM BASE」にはベンチャーやスタートアップが集積しており、製薬の枠を超えた異業種とのコラボレーションも見込めます。現在は同ビルに入居予定の企業同士の緩やかなコミュニティにも参加しており、オフィス見学会や若手交流会などを通じて、従来の製薬の枠を超えた刺激を得る機会を作ろうとしています。

塩野義製薬
オフィスから見えるうめきたの景色
ライター :

「道修町」という歴史ある地から、大阪の新たな革新拠点へ——。その決断には、単なる移転を超えた、組織と文化そのものを変えようとする強い意志が感じられますね。それでは、実際のオフィスを案内していただけますか?

新しい価値の創造と、進化を続ける新本社オフィス見学ツアー

塩野義製薬は新本社の役割を「誇りと夢を持った個々の従業員が融合し、新しい価値を創造し、進化し続けるSHIONOGIグループを支える空間」と定義し、その役割を果たすオフィスコンセプトとして「FACE」を掲げています。

塩野義製薬
新本社エントランス

24階から26階をつなぐ連絡階段

堀口さん :

まず、私たちが最もこだわった場所からご紹介します。3フロアを一つの空間として縦に貫く「内階段」。ここが新オフィスの象徴です。

塩野義製薬
3つのフロアをつなぐ連絡階段
堀口さん :

コンセプトの「FACE」には、「Face to Faceでのコミュニケーションを活性化する」、「困難に立ち向かう」、「笑顔を届ける、自らが笑顔になる」という3つの意味を込めています。

セキュリティゲートを出て共用部のエレベーターを使わずに上下階を自由に行き来できる、この階段を中心に交流エリアを配置することで、他部署の動きが自然と目に入るように設計しました。

五大陸がテーマの交流エリア

ライター :

交流エリアはフロアごとに雰囲気が異なるんですね。

堀口さん :

はい。五大陸をテーマにしています。アジア、ミドルイースト&アフリカ、ヨーロッパ、ノースアメリカ、ラテンアメリカと命名し、それぞれ異なるデザインと機能を持たせました。

塩野義製薬
コーヒーマシンを設置/「ノースアメリカ」
堀口さん :

例えば、「ノースアメリカ」にはスターバックスのコーヒーマシンがあり、並んでいる間に自然と会話が生まれます。近くには、カウンター席とライブラリースペースもあります。

塩野義製薬
ライブラリースペース/「ノースアメリカ」
堀口さん :

「アジア」は、靴を脱いで上がれる小上がりを作りました。リラックスした雰囲気で打ち合わせができると好評なんですよ。別のエリアになりますが、仮眠もできる「リラクゼーションルーム」など、ウェルビーイングに配慮した空間も用意しています。

塩野義製薬
靴を脱いで座れる小上がりスペースも/「アジア」

執務エリア:単なる「作業の場」から、活気あふれる「職場」へ

塩野義製薬
大屋さん :

執務エリアの方もご覧ください。以前のオフィスと大きく変わったのは、机や椅子のバリエーションです。

ライター :

一般的なデスクだけではないんですね。

塩野義製薬
塩野義製薬
バリエーション豊かなワークスペース
大屋さん :

はい。昇降デスクや仕切られた集中ブース、グループで利用しやすいブース席など、バリエーション豊かな座席を用意し、その日の業務内容や気分に合わせて、自分にとって最適な場所を自ら選ぶスタイルにしています。とはいえ、実際はまだ特定の席に固定化してしまう傾向も見受けられるのですが、オフィス内を自由に回遊することで、これまでの個々が 黙々と働く 「作業の場 」から、「活気あふれる職場」へと変えていきたいと思っています。

一人で使えるカウンター座席やゆったりとしたソファースペース
塩野義製薬
まるでカフェのような雰囲気
ライター :

オフィスとは思えないゆったりとしたソファースペースやカフェのようなカウンターテーブルなども、そのための仕掛けでしょうか?

堀口さん :

その通りです。以前のオフィスでは、ちょっとした相談でもわざわざ会議室を予約しなければならず、それが業務のスピードを落とす一因にもなっていました。そこで新オフィスでは、予約なしで誰でも自由に、しかもリラックスして使える席を大幅に増やしたんです。

塩野義製薬
塩野義製薬
ライター :

確かにここなら肩の力を抜いて話せそうですね。

堀口さん :

こうしたスペースを配置したことで、通りがかりに「あ、ちょうどいいところに。今ちょっといいかな?」とカジュアルなミーティングが始まることが増えました。会議室を探す手間が省けるだけでなく、偶発的な対話が生まれる仕組みになっています。以前より会議室の数はずいぶんと減らしたのですが、オープンなコミュニケーションの数は増えています。

ライター :

空間そのものが新しい対話を引き出す装置になっているんですね。ところで、足元にちょこちょこと動くかわいらしい姿が見えますが、これは……?

塩野義製薬
LOVOT(ラボット)『しおまる』
塩野義製薬
LOVOT(ラボット)『のぎまる』
堀口さん :

私たちのオフィスの大切な仲間、LOVOT(ラボット)です。社内2か所にいて、「しおまる」「のぎまる」と名付けられているのですが、この子たちがいると、自然と周りに人が集まってくるんですよ。

大屋さん :

導入前は「会社にペット……?」という声もありましたが、いざ運用してみると、LOVOTを中心に部署の垣根を超えた会話が生まれていて。名前の通り、今ではオフィスに和やかな空気をもたらし、コミュニケーションを活性化させてくれる欠かせない存在になっています。

日本の精神性と伝統を世界へ発信し、経営ビジョンの実現を目指す

大屋さん :

最後に、こちらのエリアをご案内します。

塩野義製薬
ライター :

おお! オフィスの中に立派な「鳥居」があるんですね!

大屋さん :

はい。この鳥居は、海外の従業員にも非常に大きなインパクトを与えています。単にモダンなだけでなく、日本の企業としての精神性や伝統を感じてもらえる空間を目指しました。

ライター :

グローバル本社としての強い意志が感じられる御社らしい空間ですね。では、この新本社を拠点とした今後の展望について教えてください。

大屋さん :

移転はゴールではなく、あくまで経営計画やビジョンを達成するための契機です。この新しい環境での働き方の変革によって、新薬開発やヘルスケアサービスの創出といった具体的な成果につながるストーリーを、従業員と共に作っていきたいと考えています。

オフィスは働くみなさんと共に育て、共に挑む

ライター :

最後に、このオフィスで働くみなさんへのメッセージをお願いします。

堀口さん :

オフィスは、そこで働くみなさんがいて初めて完成するものです。ぜひとも主体的に使いこなしていただいて、みなさん自身の手でより良い場所へと改善し続けてほしいと願っています。小さな改善の積み重ねが、大きな挑戦を生む土壌になると信じています。

大屋さん :

みなさん一人ひとりが、この変革の主人公です。それぞれが変革の担い手としての当事者意識を持ち、新本社という舞台で、これまでの枠にとらわれない挑戦を重ねていきましょう。

塩野義製薬

グローバル本社としての洗練と、鳥居、小上がり、LOVOTといった日本らしい温かみが同居する唯一無二の空間でした。コンセプト「FACE」が示す通り、自ら挑戦し、社会課題と向き合う姿勢が空間の細部にまで宿っています。この新しい舞台からどのような挑戦が紡ぎ出されていくのか。「共に育っていくオフィス」のこれからの進化が楽しみです。

取材先

塩野義製薬株式会社

https://www.shionogi.com/jp/ja/ 公式サイト

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