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オフィスインタビュー オフィスツアー
vol.322 株式会社ナレッジワーク

「イネーブルメント」を、ここで体感する 。ナレッジワークが顧客とつくり続けるAX共創空間 

ナレッジワーク

「LIFE WITH ENABLEMENT できる喜びが巡る日々を届ける」をミッションに掲げる株式会社ナレッジワーク。「労働は苦役なり」という固定観念を打ち壊すことに挑み、セールスAIプロダクト、セールスAXコンサルティングを提供する会社です。そんなナレッジワークの麻布台ヒルズ51階のオフィスは、スペースの半分を来客スペース「パークエリア」に割いています。その意図や、同社が目指すビジョンについてお話を伺いました。

徳田 悠輔
インタビュー
徳田 悠輔
HR 執行役員 VP

2014年、東京大学文学部卒業。株式会社ディー・エヌ・エー入社。セールス職、人事職に従事。子会社管理部長、HRBP等を務める。2022年、株式会社ナレッジワーク入社。

現場で働く一人一人に向けたイネーブルメント

IBASHO.ライター :

まずは御社についてご紹介をお願いします。

徳田さん :

当社は2020年に創業し、現在230名ほどの規模の会社です。創業時から掲げてきたミッション「できる喜びが巡る日々を届ける」は、現在「LIFE WITH ENABLEMENT できる喜びが巡る日々を届ける」へとアップデートしています。ここに込めた「イネーブルメント」とは、「できるようになる」を意味する言葉です。「昨日できなかったことが、今日できるようになる」——そんな瞬間の積み重ねが、働くことへの喜びにつながると私たちは信じています。その喜びが当たり前にある世の中をつくることが、私たちの目指す姿です。

いろいろな職種があるなか、まず注力しているのは営業職です。営業職は労働人口が多いうえ、生産性の課題が深く、また個人の仕事における満足度が低いというのがフォーカスしている理由ですね。

ライター :

「イネーブルメント」という言葉自体、初めて耳にしました。

徳田さん :

日本ではまだまだ馴染みのない言葉ですよね。当社が創業した当時、セールスイネーブルメントは国内マーケットが未成熟な状態でした。そのため、まずは営業職の方の1日の仕事を支援できるよう、プロダクトを増やすところから進めていきました。何をもってセールスイネーブルメントといっているのかを伝えるために、絵姿を提示することが必要でした。

ライター :

製品の紹介をする前段階として、「これがイネーブルメントですよ」という説明が必須だったんですね。

徳田さん :

はい。海外、特にアメリカではすでにそれなりに成熟したマーケットがあったのですが、日本ではセールスマネジメント領域の発達は見られるものの、セールスイネーブルメント領域は当時は黎明期でした。

その後、2024年頃からAIの技術進化により、イネーブルメントの実現がしやすくなったことは我々にとっても大きな転換期となりました。AIの進化によってお客様も言わずともAIを活用したイネーブルメントの実現に本腰を入れるようになり、当社の注目も高まったと感じています。

徳田さん :

ただ、AIにより支援しやすくなったとはいえ、市場においては、企業における生成AI導入プロジェクトの約95%が、期待されたP/Lインパクトを生み出せていないと報告されています。(出典:MIT Project NANDA「The GenAI Divide: State of AI in Business 2025」)

そのため、AIを使うための業務プロセスの設計、システムやデータの整備、使いやすいUIUX、体験設計を行い、人が介在して価値をより生み出すフェーズに入ってきています。

プロダクトを届けるだけではなく、コンサルティングも加えた両輪で、顧客企業一社一社の営業業務について深く理解し、現場で働く一人一人の営業担当の成長や成果を生み出していくようなAI活用を推進しています。

ライター :

AIの発達でできることが増えた一方、上手く活用できるよう人が関わる必要性もあるということなんですね。

働き方も環境づくりも「ワークエクスペリエンス」がコンセプト

ライター :

「苦役」から「喜び」へと、働き方に影響を与える事業を手掛けていらっしゃる御社ですが、どういったことを重視しているのでしょうか。

徳田さん :

私たちは創業時から「ワークエクスペリエンス」という概念を大切にしています。「働く体験」ということですね。いろいろなシステムやツールを使うことで、かえって煩わしさを感じてしまうことがあると思いますが、そうしたストレスを抱えず、心地よく使えるUIUX、体験のことをワークエクスペリエンスと呼んでいます。これは私たちの働き方だけではなく、お客様に届けるサービスのコンセプトでもあります。

また、サービスだけではなく、オフィス空間においてもワークエクスペリエンスを良くすることを重視しています。ナレッジワークで働いていることを体験としていかに良いものにするか、生産性が高まる状態をいかにして作るかということを念頭に置いています。

ライター :

働き方についてはいかがですか?

徳田さん :

ハイブリッドワークですね。部署ごとに出社曜日を揃えていまして、頻度は職種によって異なります。人によって生産性の高い働き方、良い体験となる働き方にはバラつきがあるため、必要な出社量だけ確保して、あとは個人に任せるという形ですね。

徳田さん :

当社では、ミッション実現のために「Act for People(人のために)」「Be True(誠実に)」「Craftsmanship(こだわりを持って)」という3つのスタイルを定めています。これらを実現できる働き方について考えてみると、「人のために連携して働く」「対話やコミュニケーションを通じて関係づくりをする」「高い熱量で一緒にモノづくりをしていく」と言い表せるでしょう。こうしたことも踏まえ、各部署が出社頻度を考えています。

ライター :

オフィスという物理的な場所に関してはいかがですか?

徳田さん :

今回のオフィスの最大の特徴は、「ワークエリア」と「パークエリア」を5:5で設けたことです。オフィスを構えた最大の目的は、AXを体験・共創する場としてのパークエリアの実現にあり、いわば事業への直接投資として位置づけています。一方、社員が働くワークエリアはシンプルさを徹底しました。成長途上のスタートアップとして、足元を見失わず着実に前進するために、過度な投資はしませんでした。

ライター :

いわゆる「執務室」といった感じなのでしょうか。

徳田さん :

そうですね。そうしたなかでも働きやすさを感じられるよう、オフィスコンビニを設けたり、種類が豊富なコーヒーメーカー、スタンディングテーブルやローテーブルといった高さの異なるテーブル、コミュニケーションを取りやすい懇親エリアを設置したりしています。

これらは3つのスタイルに紐づく、ブランドパーソナリティを考えて作られたものです。ブランドパーソナリティは、Joyful、Natural、Open、Edgyの4つ。例えば、執務室内のガラスはすりガラスにせず、透明でオープンにしているのは、Be True に紐づくOpenを表したものですね。ワークエリアは、社員にアンケートを取り、できる範囲で改善もしています。

ライター :

御社らしさがワークエリアにも反映されているんですね。パークエリアについてはいかがですか?

徳田さん :

今回の移転は、パークエリアをつくるためといっても過言ではありません。セールスAXをお客様と共創していく場を持つこと。それ自体が、今回の移転における最大の目的であり、事業投資の核心でした。私たちが手がける領域には、まだ世の中に完成形がありません。ビジョンを描き、お客様と一緒につくり上げていくことで、初めて生まれる価値があり、市場があると考えています。パークエリアは、その共創の熱を生み出す場所として設けました。

ライター :

ありがとうございます。では、あらためてパークエリアを拝見させてください!

ナレッジワークのオフィス「パークエリア」見学ツアー

顧客との共創の場として生まれた「パークエリア」 。あらためて、エントランスから見学させていただきました。

モノトーン基調のエントランス

ライター :

訪れた際、シンプルで洗練された空間だなと感じました。

徳田さん :

ありがとうございます。

ライター :

この画面に映っている方が気になっていたのですが、こちらは?

徳田さん :

AIナビゲーター「ベイリー」です。お客様をお迎えし、会話ができるんですよ。
こんにちは、ベイリー。

ベイリー :

こんにちは。今日はどのようなご用件ですか?

ライター :

おお…!

徳田さん :

社員の情報も入れているので、お待ちいただいている間に約束をしている社員の話をいろいろ教えてもらえます。「ナレッジワーク営業ロープレ」という、AIアバターによる営業のトレーニングができるプロダクトを開発しており、その技術を活用しています。

イネーブルメントを理解する「WAY」

徳田さん :

お次はこちらにお越しください。

(提供写真)
ライター :

博物館の一角みたいですね!

徳田さん :

ここはWAYというスペースです。

ライター :

映し出されているのは歴史ですか?

徳田さん :

人類が技術によって労働をどのように進化させてきたかを紹介しているものです。技術革新がもたらしてきた自動化や人類の能力拡張を技術史で振り返り、AIという技術の位置づけを示したものです。人文学をバックグラウンドに持つ、CAIO(Chief AI Officer)の山崎が整理しています。

イネーブルメントを体感する「ATRIUM」

徳田さん :

お次はこちらへどうぞ。

ライター :

これはまた広々とした空間ですね!

徳田さん :

ATRIUMというスペースです。パークエリアの中で、1番最初に構想があった場所であり、かなりこだわった場所でもあります。

ライター :

何をする場所なのでしょうか。

徳田さん :

イネーブルメントを体感するための場ですね。

構想中のゲーム
徳田さん :

「イネーブルメントとは何か」を体感いただけるよう、さまざまなコンテンツを用意しています。具体的には、イネーブルメントやAXの知見や事例を共有するセミナーや、現場で働くユーザー同士が実践知を共有し合うコミュニティイベント、さらにゲーム形式でイネーブルメントを疑似体験できるコンテンツなどです。自社におけるAXやイネーブルメントをお客さまと共に考え、具体的にイメージいただける場にしたいと考えています。

イネーブルメントの展望「DECK」

ATRIUMから出てきたところにある窓からは東京タワーが
ライター :

眺めも最高ですね!

徳田さん :

ありがとうございます。これもお客様に提供できる体験となっています。夜も最高なんですよ。

(提供写真)

イネーブルメントを議論する「DINING」

ナレッジワーク
徳田さん :

WAYで歴史を知り、ATRIUMで体感する。その後、ご案内するのがDININGです。

ライター :

モノトーンを基調としたクールな雰囲気から一転、あたたかみのある空間ですね。

(提供写真)
徳田さん :

床材は20種類ほどの見本を持ち込み、実際の照明の下での見え方や手触りを確認、椅子もいくつも運び、実際の空間での見え方を確認したうえで選定しています。五感で感じるものすべてでブランドを表現しようという思いの表れですね。

ライター :

素晴らしい熱量ですね。

徳田さん :

代表の共創空間に向けたこだわりに、関係各社も呼応してくださいました。代表の熱がステークホルダーにも伝播し、それぞれの熱量が合わさって作られていく様子を間近で見られました。

ライター :

素敵ですね。DININGという名前ということは、飲食をする場なのですか?

徳田さん :

飲食もしますが、議論をする場ですね。出張シェフに来ていただき、料理やお酒を召し上がっていただきながら、AX、イネーブルメントについてディスカッションする場となります。

ライター :

反響はいかがですか?

徳田さん :

非常に好評ですね。「ただおもしろいオフィス」ではなく、WAYからATRIUM、そしてDININGと体験設計したことで、ストーリーへの共感を生み出せていると感じます。お客様をお呼びする営業メンバーからも好評で、自発的にお呼びしてディスカッションしています。言葉で製品を紹介するだけでは、当社が本当に目指しているものは伝わらないため、体験を通じて伝えることが大切なんです。

ライター :

「イネーブルメントって何?」という方にも、よりわかりやすく伝えられるようになったのでしょうね。

徳田さん :

伝える役割を担う営業メンバーも、手ごたえを感じてくれているのではないかと思います。

イネーブルメントを発信する「STUDIO」

(提供写真)
徳田さん :

こちらはSTUDIOです。YouTubeチャンネルの収録、配信をする場ですね。

徳田さん :

新時代の営業の在り方、「NEW SALES」を発信するために、自社でチャンネルを運営しています。ありがたいことに登録者数は16万人を突破しました。自社内で自由に使える場を設けたことで、よりコンテンツを作りやすくなりました。機能的にも有用な場になっています。お客様との議論で生まれた構想を「一緒に発信していきましょう」と約束し、実現できる場があるというのも大きいです。

ライター :

既存コンテンツが外から見えるのも、興味を誘いますね。

コンテンツもパークエリアも、絶えずアップデートし続ける

移転前のオフィスはWeWorkだったナレッジワーク。シェアオフィスでは表現できなかったブランドパーソナリティを存分に表現できるようになり、同社の根幹にある「イネーブルメント」をお客様に理解してもらえる場が整いました。

「パークエリアができたことで、自分たちがブランドで何を届けたいのかイメージしやすくなったのはもちろん、自社オフィスを持てたことで、社員同士のコミュニケーションも安心して取れるようになったと感じています。ナレッジワークという会社のカルチャーがより高まったと感じているメンバーが多いのではないでしょうか」(徳田さん)

セールスイネーブルメント、セールスAXで価値を生み出す道のりは「まだまだ長い」と徳田さん。その道のりの歩みに合わせ、オフィスも変化させていくことが必要だと語ります。

「今あるものだけでは体験を一緒に作り切ることはできないでしょう。二度三度足を運んでいただき、共創し続ける環境をつくり続けなければなりません。パークエリアも今が完成ではなく、アップデートしていきます。すでに、次の時代に求められているものの議論も始まっているんです。お客様と一緒に、長い目でパークエリアも育てていきたいと思っています。進化した暁には、またぜひナレッジワークのオフィスにお越しください」(徳田さん)

急速にテクノロジーが発達し、時代が変化するように、喜びを得られる働き方も刻々と変わっていくのでしょう。日本の働き方がどう変わり、「イネーブルメント」が浸透していくのか。ナレッジワークが作り出す未来が楽しみです。

取材先

株式会社ナレッジワーク

https://knowledgework.com/ 公式サイト

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