関連サービス

はたらくひとにとってのIBASHO=オフィスに
込められた想いを載せる情報メディア

ファシリティナレッジ

スマートオフィスとは?IoTで実現する次世代オフィスの効果と導入ステップ

企業を取り巻く環境が目まぐるしく変化するいま、各企業は働き方改革やDX推進と並行して多様な変化に適応しながら持続的な成長を遂げることが求められています。このような状況下で、新しい働き方や企業価値創造を推進する取り組みが活発化する中「スマートオフィス」が注目を集めています。

本記事では、スマートオフィスがもたらす新しいオフィスの役割や成長戦略への有効性に触れながら、実際に導入する際の注意点やプロセスを丁寧に説明していきます。オフィスのアップデートを検討されている方は、ぜひ未来の働き方のヒントを見つけてください。

スマートオフィスとは?

スマートオフィスは、単に最新のIT機器を導入したりペーパーレス化を進めたりしただけのオフィスではありません。スマートオフィスとは、従来のオフィスでは重要視されていなかった「生産性」や「ウェルビーイング」「事業の持続可能性」を軸として、業務の可視化と最適化を実現するため、様々な先進技術を統合的に活用したオフィス環境を指します。

スマートオフィスの中核を成す要素としては、以下のようなものがあげられます。

・IoTデバイス

自動調光や調音のためのセンサーや会議室予約システム、居室間のドアに設置されるスマートロックなど、オフィス内のあらゆるモノがインターネットに接続され、連携しながら様々なデータを収集します。

・AI

収集された膨大なデータを分析し、最適なオフィス環境の自動制御や様々な従業員行動のサポートを行います。

・クラウドシステム

クラウド上で様々なデータの集約・分析・処理を行うことで、場所に縛られることなくオフィス環境の管理・制御が可能となります。

・データプラットフォーム

IoTデバイスをはじめとする複数のデータソースから収集したデータの統合・管理・分析を一貫して行うことで、オフィス設備の利用状況や従業員の働き方などのデータを迅速に分析・可視化し、スムーズな社内共有が可能となります。

スマートオフィス導入で企業が得られる5つのメリット

ここからは、スマートオフィスが企業にもたらす5つのメリットについて解説していきます。

1.業務効率の向上とコストの最適化

スマートオフィスは、IoTデバイスやAIの活用で無駄な時間を削減し従業員の生産性を飛躍的に高めます。会議室予約や備品管理の自動化により、仕事に集中できる環境が整備されることで業務効率が高まります。その結果、残業時間減少による人件費の削減、さらには電力消費の最適化によるエネルギーコスト削減など、企業全体のコスト構造の最適化を実現します。

2.従業員エンゲージメントの向上

Web会議システムやイントラネットの整備により多様な働き方が促進・定着することで、ワークライフバランスを重視する従業員の満足度が高まり企業への貢献意欲向上につながります。

3.ウェルビーイングの向上

空調・調音・調光機能の自動化により空気の質や温湿度、照明などを常に最適に保つことで、従業員のストレス軽減や集中力向上が期待できます。また、心身ともに健康で生産性の高い従業員が増えることで企業の持続的な成長が促進されます。

4.セキュリティ体制の強化

スマートロックや生体認証システムによる厳格な入退室管理や、AI搭載カメラによる異常検知、クラウドシステムの高度な暗号化・多要素認証は、部外者の侵入防止や情報漏洩リスクの低減につながり、企業資産と重要情報を守る環境の構築に役立ちます。

5.企業競争力の強化

オフィス利用状況や従業員の働き方に関する膨大なデータの収集・分析が可能となることで、これまで見えなかった課題やボトルネックが可視化され、具体的な改善策を導き出すことができます。このようなデータに基づく客観的な意思決定による経営戦略の精度向上は企業の競争力強化に直結します。

導入前に知っておくべきスマートオフィスのデメリットと注意点

スマートオフィスの導入は企業の成長に多大な効果をもたらしますが、導入前に検討しておくべきいくつかの注意点があります。まずコスト面では、新たなシステムや設備の導入やネットワーク整備など、スマートオフィスをゼロから構築する際に多額の初期投資と運用費用が必要となります。そのため、段階的な導入や補助金活用を検討し計画的な予算組みを行うことをおすすめします。

次に、IoTデバイスの増加に伴うサイバーリスクに対する多層防御と従業員の意識向上への取り組みは、スマートオフィスの導入における最重要施策と言えます。多様なシステム間のスムーズな連携と強固な保守体制の構築と並行して、従業員のITリテラシー格差を埋める丁寧なサポートを行うことがスマートオフィスの成功には不可欠です。このように「コスト」「セキュリティ」「スムーズで安全な運用」の3点に注意しながら計画的に導入を進めることで、スマートオフィスのメリットを最大限に教授することができます。

スマートオフィス実現へのステップ:計画から運用まで

ここからは、スマートオフィスの導入計画から運用までの具体的なプロセスについて解説していきます。

ステップ1:スマートオフィス化計画の策定

まずは「なぜスマートオフィスを導入する必要があるのか?」という目的を明確にしましょう。そして、生産性向上やコスト削減、従業員満足度向上などの目標を設定し、現在のオフィス環境の課題を洗い出しながらどのような機能を導入したいかを見える化していきます。そして、費用やスケジュールを含めた具体的なロードマップを策定していきますが、この時に導入効果を測るためのKPI(重要業績評価指標)も忘れずに設定しておきましょう。

ステップ2:従業員への説明・教育

スマートオフィスの成功には従業員の協力が不可欠です。スマートオフィスの必要性を理解してもらうためには、導入の目的やメリットを丁寧に説明する機会を設けることが重要です。さらに、新しいシステムやツールの使い方に関する研修の開催、社内ポータルなどを通じた解説動画やマニュアルの共有、疑問や意見を受け付ける相談窓口の設置など、従業員が安心して新しいオフィスに慣れるためのサポート体制を整えていきましょう。

ステップ3:運用開始・効果測定

準備が整ったらいよいよスマートオフィスの本格運用開始です。運用開始後は、ステップ1で設定したKPIに基づき定期的に導入効果を測定しましょう。例えば、会議室の利用率やエネルギー消費量、従業員の残業時間などがどのように変化したのかを収集データから分析していきます。また、実際に働いてみた従業員からのフィードバックも積極的に収集し、実際の使い心地や課題も把握していきましょう。

ステップ4:改善・最適化

運用と効果測定を通じて得られたデータやフィードバックは次の改善策に取り入れ、PDCAサイクルを回しながらオフィス環境を自社に最適化していきます。例えば、特定のエリアが混雑しているならレイアウトを見直したり、利用率の低い機能があれば原因を追求し修正を施したりします。スマートオフィスの技術は日々進化しているため継続的にアップデートを行うことが大切です。

スマートオフィスは企業成長の鍵。テクノロジーを上手に取り入れて満足度の高いオフィスづくりを

スマートオフィスの導入は、働き方改革や業務のDX化促進に直結し企業の成長を力強く後押しする効果的な施策です。コストやセキュリティ、運用に関する課題はありますが、計画と対策の策定を丁寧に行うことで克服が可能です。本記事で紹介したメリットや導入ステップを参考に、新たな企業価値の創造を加速させることが期待されるスマートオフィスの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。

ランキング (全体)