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- オフィスインタビュー
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オフィスはカルチャー醸成・コミュニケーション活性化を図る場所。Sales Markerの新オフィス見学ツアー
「顧客起点」で行う営業手法「インテントセールス」を国内で初めて実現するSaaS『Sales Marker(セールスマーカー)』を開発、提供する株式会社Sales Marker。創業以来、長年シェアオフィスを活用してきましたが、このたび初めての自社専用オフィスとして、恵比寿ガーデンプレイスタワーの物件に移転しました。オフィス移転や構築、運用に携わる陳さん、岡さん、髙橋さんにお話を伺いました。
米ワシントン大学院修了後、LINEで全社横断ビッグデータプラットフォーム構築プロジェクトに従事。日本マイクロソフトではAI・ビッグデータ部門でシステム設計から開発、運用まで全般を支援。その後スタンバイでリアルタイム分析基盤の構築をリード。現在はSales Markerを共同創業し、CTOとしてプロダクト開発とグローバルエンジニア組織を統括。
多摩美術大学卒業後ヤフーに入社。EC領域のWEBデザイナーを経てブランドデザインを統括。全社のUI・ビジュアル領域をリードし、黒帯デザイナーとしても活動。LINEヤフーのブランドデザイン本部長を経て、Sales MarkerにCDO(チーフデザインオフィサー)として参画。リブランディングとブランド戦略を担当。
新卒で小売企業の総合受付として従事。24年1月に株式会社Sales Markerに参画し、現在は総務兼秘書アシスタントとしてオフィス関連の庶務や役員のアシスタントを担当。
目次
シェアオフィスを経て、初の自社オフィスを構築
まずは御社についてご紹介ください。
主にインテントセールスという新しい成長モデルを実現するSaaS「Sales Marker(セールスマーカー)」を開発・展開しています。当社は「全ての人と企業が、既存の枠を越えて挑戦できる世界を創る」というパーパスを掲げており、企業の売り上げを延ばし、持続的な事業成長に寄与することを目指しています。現在では営業のみならず、マーケティング・採用領域などにおいても「インテント×AI」のソリューションを用いたプロダクトを複数開発・展開しており、今年の7月には人の“インテント(意図・関心)”を起点に複数のAI、および社内外の情報ソースを統合し、経営・事業成長の戦略立案から実行までを一貫して支援するマルチAIエージェント「Orcha(オルカ)」を新しくリリースしました。
ありがとうございます。本日はオフィスにお関わりがある、お三方にお越しいただきましたが、それぞれどういった役割を担われていらっしゃるのでしょうか。

私はCTOを務めており、エンジニアリングに関する部分のほか、オフィスDXや移転の統括も担っています。不動産が好きで、役員陣で私が1番不動産周りのことに詳しかったこと、テクノロジーに詳しい人間が携わるほうが意思決定をスピーディーにできることがオフィス周りを担当している理由です。弊社にはコーポレート本部という部署があるのですが、いわゆる総務周りの仕事はCTO室に含まれています。CTOが移転の意思決定をメインに担うのは珍しいためか、驚かれることが多いです。
私は、いま話にあがったCTO室のカルチャー&コミュニケーション部に属していまして、陳の秘書としても働いています。オフィス移転では主に事務周りを担当し、内見にも同行しました。
CDO(チーフデザインオフィサー)を務めています。ふだんはプロダクトのUIUXデザインや展示会、名刺などブランドマーケティングに関わる本部全体を統括しています。オフィス移転に際しては、一緒に内見に行き、内装作りに関わりました。空間デザインが好きで、前職時代にもオフィス移転の経験があります。CTOとCDOがオフィス移転を主導している会社はあまりないのではないかと思います。
今のオフィスは居抜きで入られたとお聞きしましたが、創業からいくつ目のオフィスになるのでしょうか。
移転が4回目なので、5つ目ですね。とはいえ、創業時に設けたのはバーチャルオフィスでした。役員陣4名しかいなかったため、会社の住所、郵便物の送付先として用意したんです。出社可能なオフィスを設けたのは、正社員を雇用できるようになったころで、週に1日だけ専用オフィスとして使えるシェアオフィスに入居しました。
そんなシェアオフィスがあるんですね。そこでしばらく落ち着かれたんですか?
いえ、入居期間は半年ぐらいですね。人数が増えたため、WeWorkに移転しました。そこからは半年に1度、WeWork内での拡張移転を繰り返し、次が今のオフィスになります。WeWorkに移転したばかりのときは23人部屋だったところから、今の従業員数は370人を超えたぐらいですから、急激に組織が拡大しました。
働き方はいかがですか?ハイブリッドワークなのでしょうか。
そうですね。出社率は平均4割で、多いときでも6割ぐらいです。そのため、物件を探すときも半数程度が出社できる広さを希望していました。
初めてオフィスを構えられたときから、こちらに移転されるまで、シェアオフィスを活用されてきたということですが、今回専用のオフィスを構えられたことには何か理由があったのでしょうか。
セキュリティ面が大きかったですね。人数が増え、会議室の予約が取りづらくなってきたことで、オンライン商談をする場所の確保が課題になっていたんです。オープンスペースを使ってしまうとセキュリティ上問題がありますから、そろそろ専用オフィスが必要だなと。
あと、弊社ではオフィス=コミュニケーションの場と考えているため、専用オフィスに移転することで、自由にイベントを企画開催できる環境をつくりたいという想いもありました。総務部ではなく「カルチャー&コミュニケーション部」としているのも、コミュニケーション重視の表れなんですよ。
シェアオフィスのように共用スペースを使うよりも、自社専用の場所を確保できた方が、周囲に遠慮せず自由な発想で企画を進めやすくなるということですね。移転後の状況はいかがですか?
カフェスペースを作ったことで、社外の方を招いてのセミナーが活発に行われるようになりました。月に3回程度はイベントで使われていると思います。
ほぼ毎週、何かしら開催されていますね。

イベントスペースを借りる費用の心配がいらなくなったので、企画しやすくなったのではないかなと思います。個人的にも、この場所を使って社員の皆さんに出社したいと思ってもらえる施策を打っていきたいと思っているところなんです。
ハイブリッドワークということでしたが、出社率を上げたいといった意図はあるんですか?
そこは特にないですね。ただ、部署内や部門間でのコミュニケーションを活性化させ、自由な発想を促したいという思いはあります。そのため、週に1回くらいはオフィスに来てもらえたら嬉しいなと。月に1度はオフィスでの全社会も行っています。
「出社日」を設けてはいらっしゃらないんですか?
義務的に出社してほしいわけではないですからね。「言われたから出社する」「決まりだから出社する」ようでは、目的が「出社」になってしまうため、前向きにコミュニケーションを取ろうという意識が薄れてしまうのではないかと思っていまして。極論、「定時が来たらすぐ帰ろう」という感じになってしまうかもしれません。
「オフィスに行きたいから行く」という形であれば、「出社したときにあの人と話したい」「違う部署の人とコミュニケーションを取りたい」と主体性のある過ごし方、オフィスの使い方をしてもらえるのではないかと考えています。主体的に「行きたい」と思ってもらえるきっかけづくりが会社の役目だと思いますね。
確かに「行かなければならない」だと「行きさえすればOK」となって、「早く帰りたい」になってしまう人も出てきてしまいそうです。物件に関してもお聞きしたいです。当初から居抜き前提で探されていたんですか?

居抜き物件以外も検討していましたが、居抜きがいいなとは思っていました。移転までに要する期間も短縮できますし、内装費も抑えられますから。シェアオフィスにずっといたため、居抜き物件でなければ什器類をすべて買い揃えなければならなかったんです。
確かに……。スケルトンか居抜きかで、相当コストが変わってきますね。
そもそもの話として、WeWork内でもまだ拡張移転の選択肢はあったため、このタイミングで何が何でも専用オフィスへの移転をこだわっていたわけではないんです。「そろそろ探し始めようか」という感じで、むしろまたWeWork内で移転をするつもりで考えていました。しかし今回、シェアオフィスではなく専用オフィスに移転を決めたのは、この物件が出てきたからです。規模感、ビルのグレード、居抜き物件と、求める条件に合致していたのが大きかったですね。
ご縁が専用オフィスへの移転を速めたんですね。
そうなんです。ちなみにこれは後日談ですが、恵比寿ガーデンプレイスという場所そのものに対してお客様の印象がとても良く、「信頼感」や「安心感」を感じていただけるようになったと実感しています。ロケーションやビルのグレードにこだわることも大切なんだなと知りました。
「このビルにオフィスがある会社なんだ」とポジティブに思っていただけるのは大きいですね。では、そんなオフィスを拝見したいと思います!
居抜きでコストを押さえ、手を加えた箇所で自社らしさをプラス。Sales Markerの新オフィス見学ツアー、スタート!
今回は、ご入居を機に新たに手を加えられた箇所を中心に、オフィスを見学させていただきました。
通路の壁面

エントランスに行くまでの廊下の壁面が気になっていました。会社の歴史を記されていらっしゃるんですね。
そうなんです。前テナントさんのオフィス縮小に伴い、不要になった部分が居抜きとして出された物件のため、居抜きそのままだとエントランスがない状態だったんですね。そのため、エントランスを新たに設けたのですが、そこに至るまでの動線が長くて。その場所を活かそうということで、会社の歴史がわかるようにしました。
お客様はもちろん、面接に来られた方にも関心を持っていただけそうですね。
エントランス

移転に当たり、新たに作ったエントランスです。
立場上、お客様をご案内することが多いのですが、「初めてこんなに素敵なエントランスを見ました!」とお褒めいただけることが多くて嬉しいです。
それは嬉しいですね!ソファと壁面は、色を合わせてらっしゃるんでしょうか。

おっしゃる通りです。コーポレートカラーに合うソファを選び、そのソファに合う壁色にこだわりました。
シックで落ち着いた雰囲気で素敵です!
施工のテーマが「成長」で、会社のモチーフが矢印ということで、エントランスにモニュメントを設置しました。お客様である企業も、そして自分たちも成長していけるようにという思いを込めています。他者と会話することが、自分の成長につながるのではないかと思っているんです。そして、個々の成長が事業の成長、会社の成長につながるのではないかと。「成長」を軸に、このオフィスでコミュニケーションをもっと活性化させていってもらえると嬉しいです。
カフェスペース

こちらが完成したカフェスペースです。
広々としていていいですね!


移転初日には、ここに集まって大騒ぎしました(笑)。月に1度くらい、我々主催のイベントも開いています。

スクリーンがあるので、映画を観るにもちょうどいいんです。映画イベント、ぜひやりたいですね。

コミュニケーションを大切にされているということでしたが、そういったイベントなど、会社としてもいろいろ取り組まれていらっしゃるんですか?
部門の飲み会、全社での飲み会を会社負担で行ったり、無料ランチを用意したりと、オフラインの機会を増やせる施策を打っています。若い社員が多いので、会社で支援できるものはしたいという想いもあります。
オフラインの機会を増やしたいのは、互いの顔がわかる関係性を築いていってもらいたいからなんです。カルチャーミッションとして「クロスボーダー」を掲げていまして、部門に関係なくランダムに知り合えるようシャッフルランチ制度も設けていますし、趣味でつながれるようサークル制度も始めました。顔を知っている相手かどうかで仕事のしやすさが変わってくるのではないかと思うんですよ。
どのようなサークルがあるんですか?
ゴルフやバトミントンなど、今は運動系が多いですね。
今後、文化系サークルもつくっていきたいと考えています。絶賛アイディアを募集中です。
クリスマスパーティーも毎年やっているので、今年はここで開催できるなと思っています。コミュニケーション施策はオフィス以外でも行っていまして、年に1度は箱根へ社員旅行に行っています。昨年は八ヶ岳キャンプにも行きました。
執務エリア

執務エリアはほぼ前テナントさんが使われていたまま引き継ぎました。執務エリアの壁側に仕切られたスペースがあったため、ちょっとした打合せやリフレッシュ、作業スペースとして使えるようにしました。


気分に応じて仕事場所を変えてみるのも良さそうです。


会議室
会議室名の由来は何ですか?
当社のバリューから付けました。

今回取材に使ったこちらが、お客様用の会議室です。こちらも今回新たに作りました。
エントランスと同じく、こちらも壁面の色にこだわりが感じられます。
企業の成長に寄与する個人の成長を、後押しできるオフィスに

毎月、新入社員の歓迎会が開かれるほど急成長中のSales Marker。バックグラウンドが多様な新入社員たちと話すことが「刺激になる」と岡さん。「社員の方たちにも会話を通して刺激を受け、互いに高め合ってもらえたら」と語ってくださいました。
それだけ社員数が急増するとなると、どんどん顔のわからない同僚が増えていってしまいます。そうした状態に対して、陳さんは「出社したとき、誰も見知った顔がいないよりは、仲間がいるから話をしに行きたい、仲間と働きたいと思える会社にしたい」と想いを語ります。
カルチャーを強め、社員の方たちの帰属意識を高めるツールとしてオフィスを活用する。今のオフィスのキャパシティがいっぱいとなるその日まで、このオフィスで描かれる成長が楽しみです。