- オフィスインタビュー
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会議室=細胞、ライト=葉脈⁉︎「光合成」をテーマにした、フォトシンスのオフィス
AIやロボットなどのテクノロジーにより、どんどん便利になる世の中で、まだアナログの要素が強い「鍵」。無くしたり、バッグの中を探しても見つかりにくかったり、「アナログだと不便だ」と思ったことはありませんか?
そんな問題を解決してくれるのが、スマートフォンが鍵になるクラウド型サービス「Akerun(アケルン)入退室管理システム」。企業のオフィスなどを対象に、サービスが提供されています。
今回は、「Akerun入退室管理システム」を提供する、株式会社フォトシンスのオフィスに行ってきました!広がっていたのは、絶え間なく「光合成」が行われている空間…⁈
代表取締役社長兼CEO
1988年、鹿児島生まれ。2011年、筑波大学理工学群卒業。2014年、株式会社フォトシンスを創業、代表取締役社長に就任し、スマートロックを用いた「Akerun入退室管理システム」を主軸としたIoT事業を手掛ける。経産省が所管するNEDO公認SUI第1号として、15億円を調達するなど、IoTベンチャーの経営を担う注目の若手起業家。筑波大学非常勤講師。
目次
趣味で始めたのがきっかけ。鍵の問題を解決してくれる「Akerun入退室管理システム」
株式会社フォトシンスがあるのは、田町駅から歩いて4分ほどの場所。「G-BASE田町」というオフィスビルの15階です。
フォトシンスが開発する、世界初の後付型スマートロック端末を用いた「Akerun入退室管理システム」。
取り付け工事をする必要がなく、ドアにペタッと貼り付けるだけで設置できます。スマートフォンに専用アプリをダウンロードすれば、ドアの鍵に早変わり。その他、モバイルSuicaなどが入ったスマートフォンをNFCリーダーにかざすだけで、ドアのロックを解除できるのです。
そんな「Akerun入退室管理システム」は、従業員人数10名〜300名くらいまで、幅広い規模の会社に導入されています。入退室履歴も記録できるため、セキュリティ管理だけでなく、勤怠管理もできるのがポイント。
かしみん
「Akerun入退室管理システム」が生まれたきっかけを教えてください。
河瀬さん
5年ほど前に、友人たちとお酒を飲んでいたとき、鍵の不便さで盛り上がったのがきっかけです。「鍵を無くしやすい」「バッグから探すのがめんどくさい」というのは、誰しもが抱える課題だと分かりました。
かしみん
私もしょっちゅう鍵無くすんですよね……。ある日、バッグの中を探しても見つからず、夜中に鍵を開けてくれる業者を呼んだこともあります。
河瀬さん
ですよね、僕も困ったことありますよ。そこで、スマートフォンでロックを開けられたら面白いんじゃないか、と思ったんです。
最初は趣味程度に開発をしていたのですが、だんだんメディアでも取り上げられるようになりまして。ニーズが高いことが分かったので、法人化することに決めました。
かしみん
趣味からビジネスに……!そんな経緯で設立された「フォトシンス」、名前の由来はなんですか?
河瀬さん
フォトシンスには「光合成」という意味があります。光合成をざっくりと説明すると、植物が光を受けて、水と二酸化炭素という「無機物」を、「有機物」に変える反応のこと。
私たちは、サービスを通して、ビジネスで光合成を実現していきたいと考えているんです。
かしみん
ビジネスで、ですか?
河瀬さん
はい。鍵自体は無機的なモノです。しかし、「Akerun入退室管理システム」を通して、スマートフォンなどが鍵になるという感動や便利さ、つまり有機的な価値を社会に届けていきたいんです。
かしみん
ただ商品を販売しているのではなく、感動といった付加価値も届けているんですね。
▲企業ロゴは、光合成にちなんで「葉っぱ」をイメージ
お客様には感動を、メンバーにはエネルギーを。光合成がテーマのオフィス
かしみん
オフィスのテーマはなんですか?
河瀬さん
会社名と同じく「光合成しやすいオフィス」をテーマにしています。
「Akerun入退室管理システム」を使っていただいたお客様に感動という有機的な価値を届けるため、オフィスから光合成を体現しているんです。あとは、光合成によってメンバーにエネルギーが満ちて、前向きな気持ちになってほしい、と願いも込めています。
かしみん
素敵な思いですね!……でも、オフィスで光合成……想像つかないです。
河瀬さん
実際にご覧ください!ご案内しますね。
光をたっぷりと取り込む「カフェスペース」
まず案内してもらったのは、テーブルとイスが並んだカフェスペース。
社内イベントを開催したり、メンバーがランチ休憩をしたり、さまざまな用途があります。執務スペースに固定デスクがありますが、気分を変えてカフェスペースで仕事をすることも。
かしみん
木目調の床で、温かみがありますね。窓が大きくて日差しもたっぷり入ってくるから、なんだかほっこりする気がします。
河瀬さん
ありがとうございます!日差しの多さは、まさに意識したポイントです。
光合成をするには、陽の光をたくさん浴びることが必要なので。メンバーには「日差しを浴びて気分も明るくなる」と好評ですよ。
かしみん
今この空間を案内してもらっただけでも、ポカポカ陽気にテンションが上がってきました!
▲窓際には、日差しを存分に受けられるブランコが!まどろんだり、読書をしたりするメンバーもいるそう
かしみん
天井のライト、なんだか不規則に並んでいますね。
河瀬さん
葉脈をイメージしているので、わざと不規則にしているんです。
葉脈には、光合成で作られた栄養を、葉っぱ全体に運ぶ役割があります。その役割にちなんで、「自分たちの栄養となるようなプラス要素を、オフィスにいるメンバーに届けたい」と思いを込めています。
かしみん
おお、天井のライトも光合成を意識しているんですね!
一つひとつで細胞をイメージ⁈「会議室」
次に案内してもらったのは、会議室が並んでいるスペース。会議室スペースといえばきれいに部屋が並んでいるイメージがありますが、なぜかランダムに並んでいる様子……?
かしみん
どうして会議室の配置がバラバラなんですか?ランダムにすると、そのぶん使わないデッドスペースが発生する気が……。
河瀬さん
そうですね。でも、あえてバラバラに配置しているんです。
一つひとつの会議室は、葉っぱの中にある、光合成が行われる「細胞」をイメージしています。細胞は整列しているわけではないので、会議室でも真似していて。
▲会議室の裏にある廊下
河瀬さん
デッドスペースは、水が流れる細胞のあいだの道ですね。
かしみん
会議室=細胞、周りの空きスペース=水の通り道、ですか。「光合成」を掲げるフォトシンスならではの発想ですね。
▲会議室の壁は、細胞壁をイメージし、ガラスを取り入れています
河瀬さん
光合成が行われる細胞(会議室)の中でミーティングをすることで、エネルギー溢れる時間になるといいな、と思っています!
柔らかい光の中でミーティングできる「執務スペース」
最後に案内してもらったのは、執務スペース。営業部から管理部まで、全部署のメンバーが集まって仕事に取り組んでいます。
そんな執務スペースの窓際には、ミーティングスペースが。
河瀬さん
このミーティングスペースは、軽い打ち合わせや、フランクな会話をするときに使っています。
かしみん
固定デスクスペースのすぐ隣にあるので、移動しやすくて便利そうです。
河瀬さん
そうですね、気軽に使っています。
光合成をするため、執務スペースも日差しを意識的に取り入れていますよ。
▲柔らかな光が注いでくる空間です
植物の中を養分が循環するように。人が循環する導線作り
かしみん
最初「光合成がテーマのオフィス」と聞いて、全然想像できなかったのですが……。実際案内してもらい、かなり光合成を体現していることが分かってビックリしました!
河瀬さん
ありがとうございます!実は、各部分だけではなく、オフィス全体でも光合成を意識しているんです。
かしみん
どのようにですか?
河瀬さん
光合成を受けて作られた養分が植物の中を循環するように、会社内でも人が循環できるオフィスにしています。
かしみん
人が循環…?
河瀬さん
はい。具体的には、エントランスから入って、会議室スペース、カフェスペース、執務スペース、そしてまたエントランス…と、大きく一周できる導線作りをしています。
葉っぱは、植物全体が成長していくために、養分を循環させないといけません。だから私たちも、人が循環できるオフィスにして、会社やサービスを成長させていきたいんです。
「光合成」をテーマにして、暖かい日差しや植物をふんだんに取り入れている、フォトシンスのオフィス。細胞をイメージした会議室だったり、葉脈を意識したライトがあるカフェスペースだったり、工夫が盛りだくさんでした。
「後付型スマートロックを用いた『Akerun入退室管理システム』」と聞くと、無機的に感じるかもしれません。しかし、フォトシンスは光合成が活発なオフィスから、テクノロジーが作り出すワクワク感を届けているんだ、と感じました。