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オフィスインタビュー オフィスツアー
vol.286 株式会社mov

懐の深い「白」を基調にした、シンプルなアトリエのような空間に。movの新オフィス見学ツアー

「日本のポテンシャルを最大化する」ため、インバウンド支援事業を始め、さまざまな事業を展開している株式会社mov。複数に分かれていたオフィスを集約するために移転を選びました。移転プロジェクトに携わったCFOの諸見里さん、マネージャーの武野さん、デザイナーの小林さんにお話を伺いました。

諸見里 卓
インタビュー
諸見里 卓
株式会社mov 執行役員CFO 兼コーポレート本部長

早稲田大学在学中に公認会計士試験に合格。2015年に有限責任監査法人トーマツに入社し、トータルサービス事業部にて、IPO支援、会計監査、M&A関連の財務アドバイザリー業務などに従事。その後、2018年に株式会社Cygamesに入社し、コーポレート本部にてマネージャー兼子会社の監査役として、M&A、CVC投資、事業計画策定、予実管理などの経営企画業務に従事。2021年12月に株式会社movに入社。2023年8月に執行役員CFO 兼コーポレート本部長に就任。

武野 光晃
インタビュー
武野 光晃
株式会社mov コーポレート部マネージャー

大学在学中に公認会計士試験に合格し、新卒でデロイトトーマツへ入社。監査業務やIPO支援等を5年程従事したのち、2022年1月にmovへ入社。現在、コーポレート部マネージャーとして総務、労務、法務、経営企画、財務経理、情シスを管轄しております。

小林 渡
インタビュー
小林 渡
株式会社mov プロダクト開発部PdM 兼 デザイングループマネージャー

20代から出版社やデザイン事務所、EC系の企業でデザイナーとしてのキャリアを積み、mov立ち上げ前からも付き合いのあった代表の渡邉に声をかけていただき2020年に口コミコムの立ち上げメンバーとしてmovにジョイン。現在、プロダクト開発部のPdMとデザイングループのマネージャーを兼務。

複数に分かれていた拠点を集約

卯岡(IBASHO.ライター) :

まずは御社の事業についてご紹介をお願いいたします。

諸見里さん :

弊社は「日本のポテンシャルを最大化する」という使命を掲げて事業展開をしている、インバウンド支援事業を祖業とする会社です。「訪日ラボ」という業界最大級のインバウンドビジネスメディアから始まっていまして、このメディアのおかげでインバウンド業界でmovを知らない方がいないくらいの認知をいただきました。

「訪日ラボ」は国内でインバウンド対策をしたい大企業、中小企業の担当者の方々が戦略を立てられるようなメディアになっていまして、そうした方々に提供しているコンサルティングサービスや広告代理店事業がmovのインバウンド事業となります。

コンサルティングをするなかでニーズを拾い上げ、新たな事業も生み出しています。そのうちの1つが、店舗運営されている企業様に向けた店舗集客の一元管理プラットフォーム「口コミコム」です。これはGoogleマップをはじめとした店舗集客に使う31媒体と連携し、一元管理することで店舗集客の効率化や有効化を図れるマーケティングサービスです。

卯岡 :

ありがとうございます。では、ここからはさっそくオフィスについて伺っていきたいと思います。今のオフィスは御社にとっていくつ目になるのでしょうか。

諸見里さん :

シェアオフィスを含めて4回移っているので、5つ目になりますね。ただ、私や武野が移転を主導したのは2度目で、それまでは代表が中心となってやってきました。今回はプロジェクトオーナーを武野が、責任者を私が務め、デザイナーの小林と代表を巻き込みながら、主に4人で進めていきました。

卯岡 :

ふだんはどういったお仕事を担われているんですか?

諸見里さん :

執行役員CFO兼コーポレート本部長として、経営企画、財務経理、法務知財、HR、広報、情シスなどのコーポレート領域全体を管掌しています。

武野さん :

コーポレート部のマネージャーとして、コーポレート部を担当しています。

小林さん :

デザイナーとして、創業初期からmovで働いています。

卯岡 :

今回はなぜ移転することにされたのでしょうか。

諸見里さん :

3つに分かれていた拠点の集約が目的でした。前のビルも良かったのですが、新館と旧館2つのビルに分かれ、さらに別のビルにも増床して何とかやっている状態になっていたんですね。これはオフィスにコストをかけすぎるのは良くないという経営陣の想いがあったからでもあったのですが、とはいえ同じフロアに全社員がいることによるメリットのほうが大きいのではという議論があったんです。そこで今回、拠点を集約するための移転を決めました。

卯岡 :

コストのお話が出ましたが、内装にはこだわりがあるように感じました。

諸見里さん :

社員のみなさまに働きやすい、出社したいと思えるような環境を提供したいという代表の想いから、これまでも内装づくりにはこだわってきました。限られたコストで納得のいくオフィスを作るため、今回も小林が代表の思想を形にしてくれています。

卯岡 :

どういったところを重視して内装デザインを考えられているのでしょうか。

小林さん :

意識しているのは、行動指針である「Simple,Powerful,Speedy」ですね。造作を派手にするつもりはなく、あくまでも働きやすくシンプルに、を意識しています。

今回は「白」にこだわりました。居抜きでの状態だと壁がクリーム色に近い白だったので、わざと指定した白で塗り直したんです。

専務取締役の菊池が「凸と凹、それぞれ異なる能力で 特化している人が集まってくるのっていいよね」と話している言葉から選んだ色なんです。光の三原色、赤・緑・青を掛け合わせると白になることから、白をベースにすることで、いろいろなカラーの人を迎えるぞという会社の想いを表現できると思いました。逆に、いろいろなカラーの人が来たときに立ち返る色としても白がぴったりなんじゃないかなと。

人が入ってくると色が持ち込まれるため、オフィス自体は無彩色にして、空間の雰囲気を作るのは社員みんなであるという余白を作りたかったという想いもあります。

卯岡 :

なるほど!では、ここからはオフィスを拝見しながらお話を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします!

白をベースに、働きやすい雰囲気の空間に。mov オフィス見学ツアー

再びエントランスに向かい、それぞれのこだわりポイントについて伺いました。

エントランス

武野さん :

個人的に、エントランスのサインがかっこいいなと思っているんです。

卯岡 :

シンプルでスタイリッシュな感じがしますね。

小林さん :

これも「Simple,Powerful,Speedy」という行動指針を体現したものですね。「余計なことをしなくて良くない?」ということで、本質的なものだけを置いてシンプルにやってしまおうという考えで作りました。シンプルなほうが飽きないだろうとも思っています。最後までこだわったのはサインの材質で、いい鉄にしてくれと要望を出しました。

「白」にこだわった執務エリア

卯岡 :

おっしゃっていたように、あらためて見ると白がベースになっていますね。天井まで白です。

諸見里さん :

余談ですが、造作に当たって天井を抜く話に関しては、数字を管理するCFOという立場もあり、最初私は悩みました笑。ただ、代表が「社員が働きやすい環境を構築する観点で、」という強い意志を持っていまして、最終的に天井を抜く方向で意思決定しました。

小林さん :

天井を抜いたらどうなるかのイメージ画像を合成して作ったりもしましたね。

諸見里さん :

「この投資で社員が中長期目線で快適に働けるようになるなら実行すべき」と言われました。結果、間違いなく天井を抜いて正解でした。ザ・オフィス然とした雰囲気ではなく、広々と開放感のあるオフィスになったと思っています。

小林さん :

天井は黒も検討しましたが、今回のコンセプトとして白にしました。なお、奥にあるフォンブースの壁も白ですし、会議室も白なんですよ。窓側じゃない壁を一面真っ白にしたことは、あとあとプロジェクターで投影するスクリーンがわりにできるという利点があると気付きました。3面で投影できるんですよ。夜に映し出すとかなりかっこいいです。

小林さん :

唯一、白にしなかったのは床です。床も白にしてしまうと、病院のようなクリーンルーム的な雰囲気になってしまうと思ったので、色を変えています。

卯岡 :

2色に切り替えられていますね。

小林さん :

フリースペースはリラックスできるよう、執務スペースと分けるために色と素材を変えました。白を基調に、黒をポイントとして使いながら、会議室は木目にする、有機的なものを置くなど、具体的にリクエストしました。病院のような空間ではなく、アトリエのような空間を目指したかったんです。

武野さん :

フリースペースには、カウンタースペースやソファ席など、仕事や打合せ、休憩など自由に使える場所があります。

武野さん :

天気がいいと富士山が見えるのが、予期せぬ副産物でした!

卯岡 :

外の景色を見ているだけで気分転換できそうですね。

卯岡 :

社名が書かれているポスター、かっこいいですね。白と黒でスタイリッシュです。

諸見里さん :

これも小林が作ったものですね。

卯岡 :

オフィスのコンセプトにぴったりですね。素敵です!

小林さん :

ありがとうございます。これはmovのロゴをデザインしたときの設計のアプローチをそのままポスターにしてます。テスト刷りした分は自宅にも飾っているんですよ。褒めていただけてうれしいです。

諸見里さん :

お菓子や飲み物が置いてあるのも、「快適なオフィス環境を提供したい」という想いの表れです。

卯岡 :

大きな瓶にお菓子が詰まっているの、選ぶのも楽しそうでいいですね。

クライミングのエリアが由来。会議室

卯岡 :

会議室名は何から名付けられているのでしょうか。

小林さん :

2部屋あるということで名前を付けることになったのですが、「1」「2」だと味気ないよなと思い、趣味のクライミングから拝借してきました。

小林さん :

表向きには勝手に趣味で名付けたことにしていますが、ちゃんと理由もあるんです。クライミングって、岩場に行くとプロもアマも立場関係なく、同じ課題に向き合って「どうやったら登れるか」とセッションするんです。その会話をしながらワイワイする空気が好きなんですよね。会議室もそういった参加する人が向きあう課題に対して積極的にセッションできるエリアであってほしいなという想いを込めてます。オフィスを拡張することになったときにも、今回クライミングのエリアというテーマを決めたことで、悩むことなく名前を付けられると思っています。

卯岡 :

素敵な想いだなと思います。今回のお話を機に、裏に込めた想いもぜひ知っていただきたいですね。

卯岡 :

移転されてきてみて、社員の皆様からの反響はいかがですか?

諸見里さん :

他部署ともコミュニケーションが取りやすく、働きやすいと言ってもらえています。小さい拠点、レンタルオフィスからここに至った流れを知っている社員からは、「こんなに立派なオフィスに来られて感動するね」「かっこいいオフィスだね」という感想ももらっています。

武野さん :

これまではリフレッシュできるスペースがなかったので、ランチやカジュアルに過ごせる場ができたことも喜んでもらえていると感じています。

諸見里さん :

偶発的なコミュニケーションを生みたかったので、窓際のカウンタースペースなど、いろいろな場ができたことがうれしいですね。

会社は現在、急拡大中。社員が成長し続けられるオフィス環境を維持したい

「インバウンド市況が盛り上がりを見せるなか、この領域でナンバーワンの会社になり、『日本のポテンシャルを最大化する』という会社使命を果たしていきたいと思っています。そのためにも組織規模を広げていかなければなりません」と諸見里さん。

「シリーズBを終え、M&Aもまた1件と、グループとして急拡大しているところですので、今後もしっかりとお客様に価値提供をしつつ、企業価値向上を目指していきたいです。このビルは増床しやすいため、人数に応じてオフィスを広げながら、働きやすい環境を維持していきたいですね。あらためて、内装にこだわって良かったなと感じています」(諸見里さん)

「ワンフロアになりコミュニケーションが増えたことは、会社としての成長にもつながると思っています。これからも安心して快適に過ごせる環境でコミュニケーションを取ってもらい、会社成長を後押しする場を作り続けたいです」(武野さん)

無駄なコストはかけない。しかし、先を見据えてかけるべきところにはかけることで、社員が働きやすいオフィスを作れる。この新たなオフィスは、movのより一層の成長を力強く後押ししてくれることでしょう。

取材先

株式会社mov

https://mov.am/ 公式サイト

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