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【事例付】オフィスの間取りってどう決めたらいいの?わかりやすく徹底解説!

オフィスの間取りをいきなり考えても、なかなか良いイメージは浮かばないもの。オフィスの間取り作りには様々なルールがあり、快適に働ける間取りを作るためには、きちんとした準備が必要です。オフィスの間取り決めのルールと、新しいオフィス作りを成功に導く秘訣をお伝えします!

目次

【オフィスの間取り】寸法の基準

余計なストレスを感じずに、快適に働けるオフィスにはスペースに余裕があります。

 

オフィスの間取り基準寸法を知ることで、限られたスペースを有効活用し、働きやすい環境を実現できます。まずは、業務に集中できる間取り作りに不可欠な、オフィスの基準寸法を見ていきましょう。

 

オフィス 間取り

 

 

基準1:通路に必要な寸法

通りやすい通路は、働きやすいオフィスに不可欠なものです。通路が狭いと、移動のたびに余計な時間とストレスがかかり、業務効率も落ちてしまいます。

 

【通路に必要な寸法】
最低限の通路幅:60cm
すれ違いの起こる通路:120cm
すれ違いの多い通路:160cm

 

通路幅の寸法を決めるときは、通路の通行量と、すれ違いの有無を基準にしましょう。最低限の通路幅は60cm、すれ違いの起こる通路なら、倍の120cmの幅を確保しましょう。

 

通行量が多く、頻繁にすれ違いの起こる通路には、160cmの幅は必要です。

 

 

基準2:デスク周りに必要な寸法

デスク周りに十分なスペースが確保されていないと、周りの作業や通行が気になり、業務に集中できなくなってしまいます。

 

【デスク周りに必要な寸法】
隣り合ったデスクの間:60cm
背中合わせのデスク間:150cm
デスクと後ろの壁の間:150cm

 

デスク同士やデスクと壁の間に動線を設ける場合、上記の寸法を基準にしましょう。動線として十分なスペースを確保することで、作業中の社員の邪魔をせずオフィス内を移動できます。

 

 

基準3:コピー機や書庫周りに必要な寸法

コピー機や書庫は、オフィスにある設備の中でも、頻繁に利用されるものです。近くの社員の作業を邪魔しないよう、十分なスペースを設けましょう。

 

【設備周りに必要な寸法】
コピー機とデスクの間:120cm
書庫とデスクの間:140~170cm

 

誰かのデスクの後ろにコピー機がある場合、デスクとコピー機は最低120cmは離すようにしてください。

 

書庫とデスクの間の距離は、書庫の利用頻度に応じて決めます。頻繁に利用する書庫や、書庫の前に複数の社員が集まるような場合は、スペースを広めに取りましょう。

 

 

【オフィスの間取り】管理職を含むデスクのレイアウトの種類

職種や業界ごとに、最適なデスクレイアウトは異なります。デスクレイアウトは、業務効率や社員1人1人の業務成績に影響する、重要なものです。

 

一般社員と管理職、それぞれの目線から、職種ごとにおすすめのデスクレイアウトを紹介します。

 

オフィス 間取り

 

 

レイアウトパターン1:対向式

対向式は島型とも呼ばれ、部署やチームごとにデスク同士を向かい合わせ、密着させるレイアウトです。小学校の班活動をイメージすると、わかりやすいでしょう。

 

対向式では、社員同士のコミュニケーションが取りやすく、管理職の目も行き届きやすいです。目の前やすぐ隣に同じ部署の社員がいるので、いつでも相談が可能。部署ごとにまとまっているので、管理職は一目で自分の部署の様子を把握できます。

 

部署やチームでコミュニケーションを取ることの多い、営業職に向いたデスクレイアウトです。

 

 

レイアウトパターン2:同向式

同向式は、オフィス内のデスクを同じ方向に向けるレイアウトです。対向式が学校の班活動だとすると、同向式は授業中のような配置と言えます。

 

すべてのデスクが同じ方向を向いている同向式は、トップダウンの情報共有に向いた配置です。管理職はオフィスの一番前に立つだけで、社員全員の様子を確認しながら、より確実な情報共有が可能です。社員同士は同じ方向を向いているため、互いの視線を気にせず、自分の業務に集中できます。

 

社員1人1人が集中しやすく、社員の異変にも気付きやすいので、コールセンター事務職に向いているデスクレイアウトです。

 

 

レイアウトパターン3:背面対向式

背面対向式は、対向式のように部署やチームごとにデスクをまとめつつ、デスク同士を背中合わせに配置するレイアウトです。

 

背面対向式では、個人がより集中しやすい環境とコミュニケーションの取りやすい環境を両立。背中合わせで作業するので、周りの作業や視線は気になりません。用事があるときは、後ろを向くだけですぐに会話ができます。互いのPC画面の確認も容易です。

 

1人での作業も、メンバー同士のディスカッションも重要な、クリエイター系の職種に向いたデスクレイアウトです。

 

 

レイアウトパターン4:ブース型

ブース型は、パーテーションなどでデスクの周りを囲み、社員1人1人にプライベートな空間を作るレイアウトです。

 

デスク同士がしっかりと仕切られたブース型では、社員は周りの様子を気にせず、自分の業務に専念できます。社員同士のスペースが明確に区切られているため、一見コミュニケーションが取りづらい配置に見えるでしょう。しかし、仕切りの高さや配置を工夫すれば、コミュニケーションの取りやすさも両立できます。反対に、より高い集中力が求められる会社では、半個室のようなブースを作る例もあります。

 

エンジニアなど、1人での作業の多い職種、集中力が重要な職種に向いたデスクレイアウトです。

 

 

【オフィスの間取り】オフィスの執務スペースや会議室の目安面積

オフィスの執務スペース会議室は、多くの社員が毎日のように使う重要なスペースです。

 

働きやすい執務スペース・会議室には、どの程度の面積が必要なのでしょうか。

 

それぞれの部屋に必要な面積の目安を、社員数や企業規模ごとに解説します。

 

 

会議室の面積

オフィス全体のスペースを、どのように配分するかによって、会議室の面積は変わります。ただ、一般的な規模の会議室なら、7~8坪もあれば十分です。

 

7~8坪の面積があれば、8人がけの会議用テーブルを使えます。8人がけの会議用テーブルが1つ置ける会議室なら、スペースが足りなくて困ることはないでしょう。

 

会議室には最低でも7~8坪の面積を設け、会社の規模や会議の出席人数に応じて、面積を増やしていきます。

 

 

執務室のスペース

執務室のスペースは、社員の人数と、1人当たりに必要な執務スペースを元に割り出しましょう。

 

社員1人当たりの執務スペースは、2坪が妥当だと言われています。社員10人が使う執務室なら20坪、30人が使う執務室なら60坪となります。しかし、1人当たり2坪は、あくまで目安としての数値です。レイアウトの工夫次第で、1人当たり1坪程度のスペースでも、快適な執務スペースを確保できます。

 

執務室の広さに応じて、デスクレイアウトを決めるのもおすすめです。執務室に余裕がない場合は、対向式の配置にすれば、限られたスペースを有効活用できます。

 

 

余白も考える

スペースに余裕があるからと言って、デスクや什器を可能な限り配置すればいいわけではありません。空間に余白を残し、働きやすいオフィスを作りましょう。

 

デスクも什器も置かれていない余白の空間は、最低でも65%は必要です。オフィス内の余白が65%を下回ると、窮屈に感じるようになり、業務効率の低下にも繋がります。

 

また、余白の空間には動線としての役割もあります。デスクやコピー機などの位置関係を考慮し、余白を動線として有効活用してください。オフィス内をスムーズに移動できることも、業務には集中するために必要なことです。

 

 

【オフィスの間取り】オフィスレイアウトを決めるコツ

オフィスレイアウトを考えるのがはじめての方は、なかなか良いイメージが浮かばず、苦労しているのではないでしょうか。

 

難しく感じるオフィスレイアウトも、ちょっとしたコツを抑えるだけで、だいぶイメージしやすくなります。

 

スムーズにオフィスレイアウトを決めるコツを伝授します。

 

 

オフィスレイアウトの目的とコンセプトを決める

オフィスレイアウトは、新しいオフィスの目的とコンセプトを決めてから考えましょう。

 

目的とコンセプトは、なるべく具体的で相関性のあるものにしてください。例えば「コミュニケーションの活性化」が新しいオフィスを作る目的なら、「開放的な空間」のようなコンセプトがいいでしょう。

 

今のオフィスの問題点を探してみたり、社員に意見を求めてみたりすることで、新しいオフィスに何が必要なのかも見えてきます。目的とコンセプトが決まれば、オフィスレイアウトのアイデアもスムーズに思い浮かぶようになるでしょう。

 

 

動線をシンプルに考える

凝ったデザインのオフィスを作るとしても、動線はシンプルに考えるようにしてください。

 

オフィスは仕事をするための場です。効率良く仕事に取り組むためには、小さな無駄を1つずつなくし、スムーズに働ける環境を作ることが大切です。

 

例えばコピー機を使いたいときに、複雑な配置のデスクや什器の間を縫うように歩くオフィスで、スムーズに働けるでしょうか。なるべく真っ直ぐ、最短距離でコピー機までたどり着けるオフィスの方が、働きやすいはずです。

 

動線はシンプルに考え、可能な限り直線になるようにしましょう。

 

 

ゾーニングをして部屋を割り振ろう

オフィスには様々な部屋があります。ゾーニングを意識し、それぞれの部屋にスペースを割り振りましょう。

 

受付や応接室、社外との打ち合わせスペースなどは、来訪者用のスペースとしてゾーニングできます。入り口付近にまとめて配置することで、社員が使う空間と来訪者が使う空間を、適切に区別できます。

 

執務室は最もよく使うスペースなので、全体の50%以上のスペースを割り振りましょう。会議室や社長室のような、重要な情報の保管された部屋の手前に設置することで、不正な情報の持ち出しを防ぐことも可能です。

 

 

【オフィスの間取り】デザイン業者に依頼する前に必要な準備

自社に合ったオフィスレイアウトを作るには、デザイン業者に依頼するだけでは不十分です。

 

デザイン業者に依頼する前に自社内で準備を整えることが、費用対効果が高く、自社に合ったオフィスレイアウト作りを可能にします。

 

依頼前に必要な3つの準備をお伝えします。

 

 

準備1:予算の設定

オフィスのデザインにかかる費用相場は、250,000~500,000円程度と言われています。しかし、デザインの内容や依頼する業者によって費用は大きく変動するため、あくまで相場は目安にしましょう。

 

相場はあまり意識せず、自社の予算がいくらなのかを考えましょう。「ここまでなら出せる」という大まかな予算を設定することで、業者も見積もりを出しやすくなります。きちんとした業者ほど、予算内で可能なサービスを選び、必要に応じて代替案を提案してくれるものです。

 

まずは予算を設定してから、業者に依頼や相談をしましょう。

 

 

準備2:オフィスレイアウトの目的を明確にし簡単なイメージも作成しよう

業者に任せきりにしても、良いオフィスレイアウトは作れません。あらかじめレイアウト変更の目的を明確にし、簡単なイメージをいくつか作成してみましょう。

 

今のオフィスの問題点や、新しいオフィスへの要望を1番よく知っているのは、自社の社員です。社員から意見を募ったり、普段のオフィス風景を思い浮かべたりして、オフィスの問題点を探してみてください。

 

問題点がわかれば、オフィスレイアウトの目的も自然と見つかります。レイアウトの目的を元に、自分で簡単なイメージを作ってみることで、より的確に自社の要望を伝えられるようになります。

 

 

準備3:価格が安い業者だと失敗することも!業者選びは慎重に

価格だけにこだわっていると、オフィスレイアウトに失敗してしまう可能性があります。デザイン費用の安さだけで、業者を選ばないでください。

 

価格の安さには理由があります。例えばベテランデザイナーよりも、経験や知識の乏しいデザイナーに依頼した方が、費用は安いでしょう。なぜ安いのか考えてから、依頼先を決めてください。

 

業者選びで失敗しないためには、価格よりも先に、自社の要望を実現できる業者を候補として選ぶことが重要です。満足のいくデザインを作ってくれる業者の中から、価格や自社と相性の良さそうな業者を選びましょう。

 

 

【オフィスの間取り】お洒落な間取りの事例4選

ここまで読み進めて、オフィスレイアウトのイメージがだいぶ掴めてきたのではないでしょうか。

 

最後に、お洒落な間取りのレイアウト事例を、4つ紹介します。

 

自社に取り入れられる部分はないか、探しながら読んでいきましょう。

 

 

オフィスとは思えない感動を味わえる株式会社ヤプリのオフィス

手軽にアプリを開発できるプラットフォームを提供する、株式会社ヤプリ。ヤプリのオフィスでは、様々な感動を味わえます。

 

オフィス 間取り

 

ヤプリのオフィスに入ると、どんな会社よりも広いのではないかと思えるエントランスが広がっています。社員が増えてもコミュニケーションが取りやすいようにと、カフェスペースにも余裕ある広さを設けています。

 

ほかにも執務室にスタンディングデスクを設置し、気軽に会議ができるようにしたり、畳の休憩室でリラックスしたりできる設備があります。様々な感動を味わえるヤプリのオフィスには、社員が活き活きと働けるアイデアが詰まっています。

 

 

家具にこだわりが感じられる株式会社キーウォーカーのオフィス

データの収集とAIによる分析を提供している、株式会社キーウォーカー。凝ったデザインの家具には、デザイン以外にも様々なこだわりが隠されています。

 

オフィス 間取り

 

キーウォーカーのオフィスは、事業の拡大に柔軟に対応できるように作られています。移動しやすく、分解できる家具を選んでいるため、社員の増加に合わせてすぐにレイアウト変更が可能です。オフィス内のインテリアや壁紙にDIYを取り入れ、社員は自分たちで作ったオフィスに、愛着を感じながら働けます。

 

執務室のデスクは昇降型です。デスクワークの多いエンジニアが好きな姿勢で、業務に集中できる環境が整えられています。

 

 

「自由」と「規律」がテーマのアナグラム株式会社のオフィス

運用型広告を軸に、マーケティング支援を提供する、アナグラム株式会社。アナグラムのオフィスは、「自由」と「規律」をテーマに、社員がメリハリを持って仕事に取り組めるようレイアウトされています。

 

オフィス 間取り

 

アナグラムのオフィスは2フロア構成です。1階にはフリースペースと会議室、集中スペース。2階には執務室と休憩室を設け、フロアを移動することが、気持ちを切り替えるスイッチになります。

 

オフィス全体にコミュニケーション活性化に繋がるレイアウトを取り入れつつも、1人で作業に集中できる「集中スペース」を確保しています。気持ちを切り替えながら、メリハリを持って働けるオフィスです。

 

 

ミニマルでシンプルなディライテッド株式会社のオフィス

iPadだけで使える、クラウド型の受付システム「RECEPTIONIST」を提供する、ディライテッド株式会社。ディライテッドのオフィスは、ミニマルでシンプルな、使いやすさにこだわったレイアウトです。

 

オフィス 間取り

 

ディライテッドの受付には、もちろん「RECEPTIONIST」を設置。会社のロゴと、壁に斜め掛けされた「RECEPTIONIST」のみの受付は、「RECEPTIONIST」のシンプルなデザインによくマッチしています。

 

白を基調をした清潔感ある執務室も、シンプルですっきりとした印象です。ミニマルでありながらも、使い心地の良い家具を選ぶことで、安心して働ける環境を実現しています。

 

 

オフィスの間取りはコンセプトを決めて慎重に決めよう

 

【本記事のまとめ】

  • オフィスの間取りは、基準となる寸法に従って決める
  • 職種ごとに最適なデスクレイアウトは異なる
  • オフィスレイアウトの目的を決め、信頼できるデザイン業者に依頼する

 

働きやすいレイアウトのオフィスを作るには、様々なルールがあります。いきなり間取りを考えるのではなく、ルールを元にレイアウトをイメージし、快適に働ける間取りを作りましょう。

 

新しいレイアウトの目的を決め、自分でも簡単にイメージしてからデザイン業者に依頼することが、新しいオフィス作りを成功させる秘訣です。レイアウトだけでなく、予算にも大まかなイメージをつけて、費用対効果の高いデザイン業者を選びましょう。

 

オフィスのレイアウトを変更する際には、是非本記事を参考にしてみてくださいね。

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