- オフィスインタビュー
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限られた入居期間だからこそ、こだわる部分は厳選。ファンズの新オフィス
老後の資金として2,000万円が必要と報じられたこともあり、関心を集める個人投資。しかし、株やFXはハイリスクだと感じてしまい二の足を踏んでしまう……。
今回取材に訪れたファンズ株式会社は、日本初の貸付ファンドオンラインマーケット「Funds(ファンズ)」を提供しています。
そんなファンズのオフィスは、移転時に1年程度で退去しなければならないことがわかっていたのだそう。短期間の利用だからこそ、こだわりは厳選。植田さん、水野さん、こだわり部分のひとつを手掛けた若松さんにお話を伺いました。
採用担当
新卒入社したリクルートにて、広告制作、業務設計を担当。退社後、ベンチャー企業にて管理全般を経験し、2019年7月に人事・総務としてFundsにJoin。入社後、初仕事が今回のオフィス移転Projectであった。現在は、採用を中心に担当。
広報/PR
大手金融代理店にて法人営業・toC向けセミナー講師等を経験後、FinTech企業へ転身し広報部門の立ち上げを行い、2019年4月より現職。
傍で独立系ファイナンシャル・プランナー(AFP)として執筆活動や講演も行う。
プロダクト開発部長 / エンジニア
2016年11月の創業時より在籍し、開発チームのマネジメントやFundsのプロダクト開発・運用を中心に担当。
現在入居するオフィスでは、IT関連インフラの整備も担当した。
目次
日本初の貸付ファンドオンラインマーケット「Funds」を運営
卯岡
エントランス脇にキックボードが並んでいたのが気になりました。
植田さん
2019年に国内最大級のピッチコンテストで優勝させていただいた際、副賞で「本当に叶うAmazonウィッシュリスト」をいただきました。リストに入れたAmazon商品が、後日本当に届くという夢のような企画で、これらもそのときに手に入れたものですね。
水野さん
オフィス移転に際して、社員が一人ひとつずつ必要なもの、テンションが上がるものを選んだんです。
▲ウィッシュリストを活用して入手したもの。健康器具やインテリアなど、多種多様
植田さん
「え、これ本当に使うの?」と思うものも混じっていたんですが(笑)。執務スペースにあるソファも、リストで入手したものです。このオフィスにいられる期間が限られていることもあり、あまり家具や設備に費用をかけたくなかったため、助かりました。
水野さん
入居段階で、オフィスビル側から「建て替えによる取り壊し予定のため、1年程度しか入居できない」と提示されていたんです。先方の事情次第で延びる可能性はありますが、長期間過ごす前提で入居していないんですよ。
卯岡
いずれ移転することがわかっているため、抑えられる部分を抑えたい事情があったんですね。ファンズさんは、どういった事業を行っているのですか?
水野さん
資産運用サービス「Funds(ファンズ)」というプラットフォームを運営しています。資金調達をしたい企業と、資産を増やしたい個人をオンライン上で繋ぎ、貸付投資を行える場を提供しています。
卯岡
株とは異なるものなのですか?
水野さん
はい。株は値動きがあり、元本割れのリスクもあります。買いどき・売りどきを判断するためには、相応の知識も必要です。
植田さん
人によっては、精神的ストレスになってしまうこともあります。
卯岡
わかります。私も変動に疲弊してしまう気がして、手を出せないひとりなんですよ。
水野さん
とはいえ、銀行預金の利息は今やほぼゼロ。増やすことは困難です。
大きなリスクを背負いたくはないけれど、少しずつでも資産を増やしたい。貸付投資は、社債に近い商品性のため、投資初心者や忙しくて毎日の相場を見ていられないという方に適した選択肢なんです。
卯岡
大きなリスクはないものなんですか?
水野さん
貸付ファンドは、上場企業に自分で決めた額のお金を間接的に貸し、それぞれのファンドで定められた満期が来たら金利が付いて償還される仕組みなんですよ。投資する際にしっかり選べば、あとは満期が来るまで放ったらかしにしておけるのが特徴ですね。
植田さん
元本保証ではないため、ノーリスクではありません。当社では、初めて投資をしようとする方にわかりやすくリスクや内容について紹介するページを作ったり、企業側に対して厳格な調査を設けたりしています。
仕事は堅く、雰囲気は心地よく。社内交流は活発に
卯岡
事業内容から堅いイメージを抱いたのですが、社内の雰囲気はいかがですか?
植田さん
落ち着いた雰囲気はありますね。ただ、スタートアップ企業ならではの自発的な姿勢、精神を持っている人が多い社風でもあります。
水野さん
社内制度や働き方にもスタートアップ企業らしさがありますね。リモートワークや有休・半休の申請はSlackで一報入れます。「子どもが熱を出したのでリモートで」といった書き込みには、「お大事に」や薬マークのスタンプが返ってくるんです。制度を整えるだけではなく、使いやすい雰囲気がありますよ。
▲社員の誕生月には、ケーキを注文しお祝いもしているのだそう
卯岡
社内の雰囲気を良くするため、何か工夫されていることはありますか?
植田さん
シャッフルランチや外部の方も参加OKのオフィスパーティを行っています。シャッフルランチの組み合わせ決めに、Slackのbotを活用することで、まんべんなく関われる機会を作っているんです。オフィスパーティは、執務スペース内にあるバーカウンターにピザやお酒を並べて開催しています。
卯岡
バーカウンター、気になります。では、そんなオフィスを見学させてください!
こだわりは、あえて厳選。ファンズの新オフィス見学ツアー
スタートアップらしさ、オフィスでの居心地の良さを重視した、ファンズのオフィス。限られた利用期間・予算の中でポイントを厳選してこだわりました。
こだわり1:会社の顔である「エントランス」
移転に際してこだわったひとつ目のポイントは、エントランスです。
植田さん
前のオフィスは手狭で、ロゴを掲げるスペースすらなかったんです。エントランスは会社の顔ですし、お客様が来社されたときにお待ちいただく場所でもあります。そのため、洗練された空間になるよう、壁面やグリーンにこだわりました。
水野さん
グリーンの鉢も、あえてさまざまな質感のものを選んでもらったんですよ。
こだわり2:執務スペースの「セキュリティ」
ファンズのオフィスは、目には見えないところにも、こだわりがあります。個人情報を取り扱う会社だからこその「セキュリティ」です。IT関連のインフラ周りを担当したのは、プロダクト開発部長であり、エンジニアの若松さん。
若松さん
インターネットを利用するための回線や社内ネットワーク、Wi-Fiアクセスポイントのほか、オフィスの各所には常時録画が可能なネットワークカメラを設置しました。
植田さん
社内ITやセキュリティは会社として非常に重要なのですが、システム開発とは異なる技術が必要なので、エンジニアだからといって誰でもできる仕事ではないんです。
若松さん
大きな企業だと、一般的には業種によらず専任の担当者がいますね。今は当社にも社内のITシステム管理を専任で担当するコーポレートエンジニアがいるのですが、移転当時はまだ専任の担当者がいなかったため、僕のほうで担当しました。
こだわり3:特注で作った「バーカウンター」
3つ目のこだわりは、立食会の場としても活用されているバーカウンターです。移転を見越して、家具類は手頃なもので揃えるなか、バーカウンターだけは内装会社に特注してもらったのだそう。
卯岡
飾られているお花がきれいですね!
水野さん
社員が活けてくれるんです。あと、壁に飾られているアートも、現代アートに詳しい社員が選んでくれているものですね。
▲活けられた花が、オフィスに彩りを添える
▲社内で希望者を募る美術館ツアーも開催されているのだとか。「アートを飾ってくれている社員による解説付きで、より深く楽しめるんです」(植田さん)
植田さん
アートも花と同じく、社員がシーズンごとに変えてくれているんです。それだけで雰囲気が変わって見えるんですよ。
卯岡
素敵ですね……!
植田さん
会話ができる場所、オフィスの中心となる場所がほしかったので、華やかにすることにこだわりました。
▲カウンターでは、コーヒーを淹れながらコミュニケーションを取ることも
こだわり4:リラックスしたいときに活用する「ファミレス席」
取り扱いに注意が必要な情報を扱うチームもあるため、ファンズの執務スペースは固定席です。しかし、自分の席だけに居続けると、時には息が詰まってしまうことも。そこで設けられたのが、ファミレス席です。
植田さん
ランチや休憩、作業場所として使われています。
水野さん
ミーティングを行う場所としても活用されていますね。ちょっとしたミーティングも多く行っているので、あちこちに席を設けています。
▲執務スペースの一角にもミーティング用のスペースが
オフィスも事業も、「次」を見据えた展開を
事業では、企業に投資をすると優待サービスが受けられる「Funds優待」の仕組みを導入するなど、新たな取り組みも行っているファンズ。企業と個人との新しい関わりを作るため、次の展開にも力を入れています。
ファンズはオフィス移転時に、「次の移転」のタイムリミットが決まっていました。事業展開、次のオフィス移転の構想ともに、これからも未来に向かって進んでいきます。