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オフィスインタビュー
vol.168 600株式会社

フロアごとにテーマ設定! 600のカルチャーを散りばめた下町オフィス

「このオフィスには600のカルチャー、働く人への思い、そして愛が詰まっているんです」

 

そう語るのは、無人コンビニサービス600(ろっぴゃく)を運営する、600株式会社の皆さん。

 

600は、「週休3日制」「6つのバリュー(愛、誠実さ、責任感、柔軟性、局面を変える力、仲間を助ける利他性)」など、独自のカルチャーを掲げる企業として注目を集めています。

 

600株式会社のオフィスがあるのは東神田です。大通りからちょっと脇道に入った立地は、オフィス街ながら下町情緒に溢れています。地上4階建てのビルに入ろうと大きな引き戸を開けると、中はまるで秘密基地のような、研究所のような空間が広がっていました。

 

今回は600の新オフィスが誕生した経緯やオフィスを作る上でのこだわりについて、Employee Experience(従業員体験、以下EX)執行役員の阿部愛さん、マネージャーの村山涼子さんに伺いました。

 

阿部 愛さん (あべ・あい)
Employee Experience 執行役員
SE、VCを経て2018年1月に600株式会社へEmployee Experience担当の執行役員として入社。
村山 涼子さん (むらやま・りょうこ)
マネージャー
スポーツショップや営業事務に勤務。2017年11月に600株式会社に入社。主にCustomerSuccess、Employee Experienceを担当。

 

自販機サイズの無人コンビニ。目指すは「1分あれば、何でも出来る世界」

 

 

スギモト

まずは600の事業について教えてください。

 

阿部さん

無人コンビニ600は、半径50m商圏で「今、欲しいものがすぐに手に入る」をコンセプトに掲げるサービスです。

 

村山さん

600はオフィスなどに自動販売機サイズの機械を設置し、お客様からLINE@やSlack(ビジネスチャットツール)で届くリクエストや購入履歴などをもとにお客様が求める商品を提供しています。最近は分譲マンションのエントランスにも設置されるようになりました。

 

 

阿部さん

企業としては、「1分あれば、何でも出来る」をミッションに掲げ、1人1人の手間を省き、人生で過ごす時間を大切にできる世界を目指しています。

 

村山さん

同時に、無人だからこそ人間味を忘れないようなサービス運営も心がけています。

 

スギモト

今、メンバーは何名ぐらいですか?

 

村山さん

メンバーは順調に増えていて、現在25名ほどです。インターン生も数人在籍しています。

 

秘密基地、ドアを開放……フロアごとにテーマを設計

 

スギモト

新オフィスのコンセプトは何ですか?

 

村山さん

円滑に仕事を進めやすくするため、利用目的別にテーマを設計しました。メンバーの働きやすさやフロアごとの特性を考慮しながら、地下1F〜4Fのフロアテーマを決めました。意識した点としては、各部署のメンバーにヒアリングを重ねたことと、導線を意識したことです。フロアごとに出してよい音の大きさも決まっているんですよ。

 

 

スギモト

各フロアのテーマを教えてください。まず、地下1Fはいかがですか? まるで秘密基地のような空間ですね。

 

村山さん

地下1Fは「エンジニアが働きやすい環境」がテーマとなっています。

 

阿部さん

地下1Fにエンジニアの作業スペースを配置したのは、来客や社内の音で集中を途切れさせないようにするためです。ワンフロアだった前のオフィスと比べて「随分と静かになった」という声が寄せられています。

 

村山さん

配線も、エンジニアにヒアリングしながら一緒に作りました。ちょっと秘密基地っぽい感じになっているのは、そのためです(笑)

 

スギモト

1Fについては、いかがでしょうか? こちらはうってかわって話し声が聞こえます。

 

 

村山さん

1Fは、出入りが多いセールスメンバーと機材の動きを意識した空間になっています。入口は機械の搬入がしやすい大きな扉です。また、座席をフリーアドレスにすることで、相談や雑談をしやすくしました。ちょっとした用事で出入りしても周囲の迷惑にならないように工夫しています。

 

阿部さん

もうひとつ意識したのは、来客の導線です。セールスメンバーは外出していることが多いため、必ず1Fに人がいるとは限りません。だからこそ、人が集まる2Fに上がってきてもらう仕掛けを考えました。

 

 

皆が集まりやすい場所を! 活発なコミュニケーションを生む空間デザイン

 

スギモト

こんなイラストがあったら、確かに2Fに上がりたくなりますね。2Fのテーマはなんでしょうか?

 

村山さん

「皆が集まる空間」です。ここには総務などバックオフィスのスタッフがいて、コピー機などの事務用品も設置されています。また、バックオフィススペースだけでなく、フリーアドレスの席も4名分ほどあります。

 

 

村山さん

600では「Slackを使ったやり取り」「メンバー間では年齢問わず敬語を使うルール」「メンバーはニックネームで呼び合う」など、オンラインで気軽に、気持ちよく、適度な関係でコミュニケーションできることを意識しています。オフラインでも同様で、いろんな立場のメンバーが活発なコミュニケーションを取れるようなレイアウトを心がけています。

 

スギモト

3Fのフロアテーマについて教えてください。

 

村山さん

3Fは「大きな声で話せる会議空間」です。

 

 

阿部さん

会議室については、前から社内で課題になっていたこともあり、思い入れがありまして……。

 

スギモト

会議室の課題ですか。何があったんですか?

 

阿部さん

前は会議室が1部屋しかなくていつも取り合いで、しかも収容人数も4名までが限界の狭いスペースだったんです。新オフィスでは収容人数が最大10名の 、小会議に向いている収容人数4名の の3部屋を設け、3階をすべて会議室専用のフロアにまとめたんですよ。

 

「ブランドカラーを散りばめて」インテリアに込めたカルチャー

 

スギモト

最上階の4Fには「Quiet」「Quiet(Relax)」の2部屋がありますね。

 

村山さん

移転した当初、このフロアは「業務に没頭したい人向けの静かな部屋」というテーマでした。「Quiet」は挨拶を含め、会話は全て禁止。飲み物を飲む音だけはOKというルールだったんです。「仕事に集中できる環境がほしい」という代表の久保からの要望で生まれました。

 

阿部さん

隣の「Quiet(Relax)」は、くつろぎながら仕事をできるよう、ゴザや座椅子が用意されています。疲れた時には足を伸ばしながらゴロゴロできるんです。

 

 

スギモト

「移転した当初は」……ということは、今のフロアテーマは違うのですか?

 

村山さん

メンバーが増えたので、オフィスの運用を変えました。今では他の部屋と同じように、話をしながら仕事ができます。

 

阿部さん

組織の拡大に合わせて、テーマやレイアウトを柔軟に変える判断をしています。円滑な仕事のためにも、メンバーの声に応じて部屋やフロアの使い方は変える必要があると思います。弊社の場合は、移転を検討する段階で「新しいオフィスのレイアウトだと、最大で何人まで入れるか?」を考えていました。社員も設備も増えていく中、より限られたリソース内で、何をすべきかと立ち返ったときに「模様替えをしよう」という結論になりました。

 

 

スギモト

そうだったんですね。そういえば、この部屋のクッションをはじめ、オフィスには600のロゴに使われているターコイズブルーの家具が至るところにありますね。

 

村山さん

「ロゴカラーに近い色合い」は、企業カルチャーを浸透させるために積極的に取り入れました。また、ロゴマークの六角形も散りばめています。実は1Fにあった机や各階にあるペン立てが六角形なんですよ。

 

社内チャットの「心の声」がオフィス移転を後押しした

スギモト

オフィス移転のきっかけは何だったんですか?

 

村山さん

先ほどお伝えした、会議室に対する課題が大きかったです。600のSlackに全社員が心の声を呟けるチャンネルがあるのですが、「会議室に限界を感じた」というコメントがポンって出てきたんです。うっすらとしたオフィスへの不満が言語化された瞬間でした。「メンバーがオフィス移転を求めている」と感じましたね。

 

 

阿部さん

会議室の他にも、「椅子を引いたら後ろの人に当たってしまうかもしれない」「全社ミーティングでイスが足りなくなる」など、人数が増えてきたゆえの問題意識を持っていたのは事実です。特に移転間際には、座席がなくて床に座って仕事をしているインターン生もいたほどです。

 

村山さん

その姿を見た時には、「EX的に最悪だ…」って思いました(汗)

 

スギモト

具体的なオフィスの移転計画について教えて下さい。

 

阿部さん

移転を意識し始めたのは2019年の初頭ぐらいです。前オフィスの契約が2019年9月までだったこともあり、夏前には新しい場所を見つけたいと思っていました。今の物件に決めたのは5月末ですね。

 

村山さん

確か4月頃に、オフィス移転に関するグループができましたよね。私がメンバーとしてアサインされたのもそのぐらいだった気がします。

 

スギモト

オフィス移転の準備を進める中で、特に何が大変でしたか?

 

 

村山さん

限られた予算と条件から、皆の要望や600のカルチャーを組み入れられるような空間設計をすることです。ある打ち合わせでは、久保から「効率的な職場づくりよりも、文化を取り入れた職場づくりを意識してほしい」と言われました。600のカルチャーの重要さと、オフィスに対する経営陣の想いを再認識しました。

 

阿部さん

最大収容人数、坪単価、最寄り駅からの徒歩時間に加えて、自販機が出入りするので「1Fが使えること」「機械が入るフロアと扉の大きさ」「電気容量」などの600ならではの条件も考慮しました。

 

オフィス移転は、企業のこれからを描くベストタイミング

 

 

スギモト

最後に、これからオフィス移転を考えている方にメッセージをお願いします。

 

阿部さん

オフィス移転は、企業のこれまでを可視化しながら振り返る良い機会だと思います。メンバーと事業が共に拡大・成長する中で、組織のカルチャーや働き方を見つめ直すために、移転はちょうど良いタイミングなんです。

 

村山さん

600は様々な会社様よりアライアンスのご相談をいただいたりと、まさに変化の時期ですからね。

 

阿部さん

これからの600を想像するだけでワクワクします。これから移転に取り組む方には、ぜひ楽しみながら企業の「これまで」と「これから」に向き合うと、より会社のカルチャーに対しての理解度も深まるのではないかと思います。

 

取材先

600株式会社

https://www.600.jp/ 公式サイト

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