- オフィスインタビュー
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ワークスタイルにメリハリを! 知的生産価値を最大化させるスタディストの新オフィス
オフィスに対して、「もっとこうだったらいいのに」と思ったことはありませんか?
理想のイメージには個人差があります。担当者が一生懸命作ったオフィスでも、いざできあがったときにメンバーのイメージギャップが生じてしまうことも。
株式会社スタディストの新オフィスは、その「こうだったらいいのに」のイメージをできる限り具体的に共有して作られました。だからこそ、社員の満足度も高く、余すことなくスペースが有効活用されているのだとか。
イメージを具現化させ、目的地のズレをなくす。一体どうやってこのイメージを具現化させたのでしょう?今回は、そんなスタディストの新オフィスにお伺いしました。
株式会社スタディストのオフィスは、都営新宿線「小川町駅」、丸ノ内線「淡路町駅」、千代田線「新御茶ノ水駅」から徒歩約2分。住友商事錦町ビルの9階に位置しています。
まず出迎えてくれたのは、山吹色のボディとまん丸お目めが印象的なフクロウ、マロン。「知恵」の象徴であることから、スタディストのマスコットキャラクターに選ばれたのだそうです。
複数のベンチャー企業を経て、2016年にスタディスト入社。総務マネージャー。管理部門らしくないチームづくりを目指している。
2016年スタディスト入社。管理部門立上げから現在は総務を担当。会社を裏方から支える、自他ともに認める「スタディストの母」。
目次
「伝える」ことをもっと正確に、もっと簡単に
卯岡
スタディストさんは、どういったお仕事をされている会社なのでしょうか。
佐藤さん
ただ説明するよりも、画像を見ながらの方がわかりやすいと思うので、スライドを映しますね。
佐藤さん
スタディストは、画像や動画を用いたマニュアルを簡単に作れるサービスを提供している会社です。従来のマニュアルとイメージが異なるため、弊社では「標準作業手順書(SOP)」と呼んでいます。
※SOP:Standard Operating Procedures
卯岡
書類関係って、文字だらけで読むのもいやになりますよね…。
佐藤さん
そうなんです。今は、労働人口減少を背景に、外国人就労者が増えている時代です。難しい日本語では伝えづらいことも、画像や映像であれば説明のハードルが下がります。そうしたスタッフへの教材や、一般顧客向けの説明書など、使い方次第でさまざまなものに活用してもらえるサービスです。
卯岡
日本人でも、「読めない」「読んでもらえない」ために、図解や動画の需要が増していますもんね…。書く仕事をしている立場としては、悩ましいところですが。
佐藤さん
(笑)
銀行の自宅学習システムや、ファミリーレストランのバイト研修マニュアルなど、多くの企業で使われています。飲食業界では、「料理のニュアンスが統一できていい」というお声をいただいていますね。「こんがり」と言われても、「こんがり」のイメージってバラバラじゃないですか。
卯岡
確かに…!「塩少々」もですよね。少々って何グラム…?となります。
佐藤さん
そうした、「伝える」ことのハードルや食い違いを解消するために貢献したいと考えているんです。
社員チームを中心に実現した新オフィス
卯岡
新しくオフィスを構えることになった経緯は何ですか?
田中さん
キャパシティオーバーが理由でした。現在、弊社には毎月のように新しいメンバーが増えているんです。前のオフィスに移ったのは2017年7月頃で、今のオフィスに移ったのが今年の2月です。その間で、いっぱいいっぱいになってしまいました…。
佐藤さん
今、こうして会議室でお話ができていますが、移転直前は常時社外の貸会議室を借りなければならない状況でした。入社に伴う増席のために、元々会議室だった場所を固定席にしなければならなくなってしまいました。元会議室のエリアは窓もなく、決して快適とは言えない状態だったため、私たち管理部門のメンバー一同がそちらへ移動することにしたんです。
田中さん
今も月に3~4人ペースで増えています。エンジニアが3分の1、営業が3分の1、その他スタッフで3分の1くらいの割合です。
卯岡
人材不足といわれる時代に、それだけ人が増えているのはすごいですね。前回の移転と何か違った点はありますか?前回の反省点を活かした、であるとか。
田中さん
前回は社長や管理部が中心となって移転を進めたのですが、今回は社員主導で行った点が1番大きな違いですね。
佐藤さん
前回は、社長が什器に至るまでひとつひとつカタログを見て吟味して決めていました。今回は現場に任せてくれたんです。
田中さん
途中経過の報告は行っていましたが、ほぼ口を出さずに見守っていてくれました。
田中さん
社内から希望者を募ってチームを作り、プロジェクトを立ち上げたんです。その結果、管理部が思う「いいオフィス」と社員が思う「使いやすいオフィス」との違いがわかりました。
プロジェクトが本格始動する前に、オフィスのショールームにチームメンバーを連れて行ったんです。目指したいオフィスのイメージを共有できました。
卯岡
イメージのズレがなくなる…スタディストさんの仕事と同じですね。
田中さん
本当ですね!
卯岡
では、さっそくオフィスを拝見させてください!
社外向けセミナーの開催が実現したラウンジスペース
卯岡
入ってすぐのこのスペースは、何のためのスペースなんですか?
田中さん
お客様との打ち合わせなどに使われているラウンジスペースです。
卯岡
明るくて開放感がありますね。
田中さん
そうなんです。窓ってあまり重要なものだと考えていなかったんですが、時間の経過や天気の様子が何となくわかることって、気持ちの面でいい作用があるのだなと実感しています。
BGMが流れているので、同時に何組かが話していても気になりにくいんです。また、エンジニアは会社の垣根のない勉強会やセミナーを開催することがあるのですが、そのスペースとしても活用されています。
佐藤さん
前のオフィスではイベントを開催できるスペースがなかったので、エンジニアの念願が叶えられた形ですね。
卯岡
カラフルな壁紙のスペースがふたつありますね。
田中さん
ここも打ち合わせスペースとして使われています。左がマロン1、右がマロン2と呼ばれているんです。
卯岡
なるほど…エントランスにもいたぬいぐるみのマロンが鎮座しているのは、ルーム名に関係しているんですね…!
人数に合わせて使い分けられる会議室
田中さん
会議室は全部で3部屋ありまして、うち2部屋は壁を動かして一部屋にもできるんです。
卯岡
うわー、便利ですね…!
田中さん
会議室の個数も制限があるので、大きな会議室を一つだけではなく、フレキシブルに使えるよう工夫しています。
「会話が増えた」と評判の社員スペース
続いて、社員の仕事スペースを案内してもらいました。入っていきなり目に飛び込んできたのは、小上がりになっている和室スペースです。
靴を脱ぐと、肩の力も抜ける。社員リクエストで作られた和室スペース
卯岡
い草のいい香りがしますね…!
田中さん
オフィスらしからぬ香りですよね。和室スペースは、もっとも社員からの要望が高かった場所なんです。
佐藤さん
作った当初は、憩いの場として使うのだろうとイメージしていたのですが、意外に打ち合わせや会議の場所として活用できることがわかりました。靴を脱がなければならないため、気持ちがいい意味で緩むんですよね。
田中さん
程よく仕切られていて、程よく開放感があるのがポイントですね。ちなみに、畳の下は収納スペースになっているんですよ。
卯岡
抜かりないですね…!
田中さん
あと、今回こだわったのがホワイトボードです。琺瑯製のものなのですが、書く・消すストレスが極限まで抑えられるんですよ。
田中さん
ホワイトボードを思いきり使ってディスカッションしている様子もよく見られます。
卯岡
確かに!書きやすい~!
観戦型の会議が実現!カフェライブラリー
田中さん
こちらは、カフェライブラリーと呼んでいるスペースです。ちょうど今、会議が行われていますね。
卯岡
ここも緩やかに仕切られている程度で、個室ではないのですね。
田中さん
観戦型の会議室と呼んでいるんです。両側にある本棚越しに参加している人がいたり、参加者ではないけれど、何となく覗いている人がいたり。そうした空間にしたくて、このような形になりました。会議以外の時間は、休憩スペースやランチスペースとして自由に使えます。
卯岡
ライブラリーという名前のとおり、本も並べられていますね。
佐藤さん
会社で買ったものもあれば、社員私物の本もあります。スタディストの社名は「一生学び続ける人」を表した造語です。会社の福利厚生として、読書手当も用意しています。
卯岡
これは何ですか?
佐藤さん
社内新聞です。広報が始めたのですが、担当者が産休に入っている今は、有志メンバーで作成しています。
卯岡
社員の方にインタビューしたり、新しく入った方の紹介欄があったり、内容も楽しいですね。歓迎されている雰囲気があるので、新メンバーの方も嬉しいでしょうね…!
集中スペース&スタンディングデスク…気分に合わせて場所を選んで
卯岡
このスペースは、自由に使える場所なんですか?
田中さん
はい。集中したいときに使えるスペースです。椅子、どうぞ腰かけてみてください。
卯岡
これはいいですね…!かなり落ち着きます。うわあ、いい。ほしい…。
田中さん
私もお気に入りの場所なんです。
卯岡
こちらは、スタンディングデスクですか?
田中さん
はい。こちらはエンジニアの要望で用意しました。
卯岡
椅子も用意されているんですね。
佐藤さん
デスクも椅子も高さが調節できるんです。椅子は重心を変えると傾く仕様になっているんですよ。
卯岡
おお…前傾姿勢になったときのフィット感がいいですね。
優れたデザインは、説明がいらない。それは、優れたオフィスも同じ。
優れたデザインは、使う際に説明がいらないといわれます。佐藤さんは、「オフィスも同じなのでしょう。移転時、『ここはこういうスペースですよ』と説明すべきかどうか迷っていたのですが、ふたを開けてみると、みんな自由に、かつ当初の意図の通りに使ってくれている。そのことに驚きましたね」と語ってくれました。
「オフィスづくりに携わってくれた会社の方も、余すことなく使っている様子を見て喜んでくれているんです。今回の移転は大成功だったと思います」と田中さんもうなずいていました。
いつかまた移転するときには、また部門横断の移転プロジェクトチームを立ち上げたいというおふたり。言葉によるイメージを、ビジュアルで共通のものにする。仕事内容がオフィスづくりにも表れているオフィスでした。