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vol.313 株式会社Natee

原点の可視化と計算された動線設計で実現した「Nateeがわかる」オフィス

創業の思いが成長とともに希薄化する現象は、多くの企業が直面する成長の壁。

創業以来、目覚ましい事業成長を追いかけるようにオフィスの拡大移転を繰り返してきた株式会社Nateeも、しだいに「創業の原点」を知らないメンバーが増えつつあることに不安を感じていたといいます。4度目の移転が決まったのは、ちょうどそんなときでした。

『せっかくなら、創業の理念と現在の事業をつなぎ、アイデンティティを肌で感じるオフィスにできないかーー。』

この記事では、「組織文化やミッションを再認識できるオフィスづくり」に挑んだ取締役CHROの西林翔太さん、Nateeの歴史を知る人として細部の設計やデザインを担った稲葉慧さんに、新オフィスの狙いと成果、運用の工夫などについてうかがいました。

西林 翔太
インタビュー
西林 翔太
株式会社Natee 取締役CHRO

新卒で株式会社D2Cに入社し、電通に出向してデジタル広告のバイイングを担当。その後、株式会社LibalentではSNS×エンタメ領域での広告企画に従事し、執行役員として組織マネジメントも経験。2022年にNateeに入社し、代理店向け営業組織を立ち上げて部長を務めた後、2024年6月よりHR本部長を兼任し採用・組織領域を統括。2025年11月より取締役CHROとして組織全体の成長を牽引する。

稲葉 慧
インタビュー
稲葉 慧
株式会社Natee SNSマーケティング事業本部 Produce Division所属

新卒で入社したWeb広告代理店にてTikTokを担当。「人類をタレントに。」というミッションや個人の経済圏を支えていくビジョンに惹かれ、2020年にNateeにジョイン。入社後はディレクター・プランナーとして活躍。ブランドとクリエイター双方の魅力を引き出し、企画設計から実行までをリードしている。

独自の「クリエイター共創型マーケティング」が強み

IBASHO.ライター :

まずは、御社の沿革について教えてください。

西林さん :

当社は、SNSマーケティング事業を祖業とする会社です。2018年、現取締役会長の大國領剣が「個性や才能が輝く社会をつくりたい」との思いで設立し、2025年11月に迎えた8期から大江祐介を代表取締役とする新経営体制に移行しました。

これに先立って、2025年8月には東証プライム上場企業である株式会社アカツキのグループに参画し、安定した経営基盤のもとで多角的な事業展開ができる体制を整えています。

ライター :

他の広告代理店にない独自性として、「クリエイター共創型マーケティング」を掲げていますね。

西林さん :

はい。先ほど申し上げた「個性と才能が輝く社会」をつくるために、クリエイターの自己実現に軸足を置いている点が他社との大きな違いです。

独自の強みを持ったクリエイターを見つけ出し、その個性を生かせるブランドの案件にアサインすることによって、彼らの魅力とブランドの魅力の両方を最大化することを目指しています。

稲葉さん :

ブランドがつくったオリジナルや、理想とするイメージをただなぞるのではなく、クリエイターのセンスを信じて0からクリエイティブを考えていくんです。

そうすることによって、真に消費者の目線に立ったクリエイティブが生まれ、企業の収益は向上します。また、クリエイターはその成果によって評価を高め、インフルエンサーとしての立場を確立することができます。
Nateeからクリエイターへの報酬還元額は、2024年11月〜2025年10月の単年で過去最高の12億円を記録。累計36億円を突破しました。

移転を機にめざしたのは、創業の思いを継承できるオフィス

ライター :

クリエイター、企業、そして御社の三方良しの仕組みが確立されているのですね。事業の基盤となる創業の思いやアイデンティティは、どのように継承しているのでしょうか。

西林さん :

実は、それが課題だったんですよ。

創業者の情熱に共感して入社する人だけでなく、事業やフェーズに惹かれて入社する人が増えていけば当然ですが、企業規模が大きくなるにつれてNateeの原点を知らない社員が増えつつあることに不安を感じていました。

人事を管掌する立場として、原点となる思いを今一度社内に根付かせる必要があると感じていたんです。

そんなときに移転が決まり、この機会を活かして社内外に「Nateeらしさ」を発信できるオフィスをつくりたいと考えました。稲葉さんをアサインしたのは、Nateeでの勤務歴が長く、「らしさ」を良く知っているからです。また、ふだんからクリエイターたちと接している彼女のセンスにも期待していました。

稲葉さん :

Nateeの創業の思いは、社名やロゴマークにもこめられているんです。

でも、社歴が浅いメンバーに聞くと、意外と意味を知らない人が多くて…。こうしたシンボルをオフィス内にうまく配置して、意味を周知したいと考えました。

ライター :

確かに、企業の哲学を表すシンボルは、思いを直感的に伝えるツールになりますよね。ちなみに、社名とロゴには、それぞれどんな意味があるのでしょう。

稲葉さん :

社名の「Natee」は造語で、「生来の」を表す「natural」の接頭辞natに「人たち」を意味する接尾辞「ee」をつけて作ったと聞いています。直訳すると、「ありのままの人たち」ですね。

最初に西林がお話しした「個性や才能が輝く社会をつくりたい」という設立の目的、いわば会社の方向性を示しているのがこの社名です。

西林さん :

ロゴは家の形をしているのが特徴です。

輝きを秘めた才能の持ち主たちの飛躍の原点、あるいは悩んだときに戻ってきて力を貯める場所としてNateeという家があることを示しているんですよ。家の中にある「N」の文字が突き抜けて煙突のようになっているのは、集まった才能が世界へ突き抜けていくイメージです。

1度来ればNateeがわかる、オフィスツアー

ライター :

では、実際にオフィスを見せてください!

メッセージを伝えるエントランス

ライター :

最初に目につくのが、家の形のモチーフが印象的なエントランスですね。エントランス全体のデザインにロゴの要素を盛り込み、空間をうまく使って思いを体現しているのが印象的です。

稲葉さん :

ロゴや社名の意味を書いて貼り出すだけだと、見る人は見るし、見ない人は見ません。オフィスで過ごすなかで自然と社名とロゴの意味を体感できるオフィスにしたいと考え、ロゴを立体化して置くことにしました。

ライター :

オフィスに来た人が必ず目にする場所で、視覚的にメッセージを伝えるアイデアが良いですよね。少し離れて見ると、家のリビングでくつろいでいるように見えるのもすてきです。

西林さん :

ここはお客さまにお待ちいただくスペースでもあるので、少しでもくつろいで過ごしていただけるように家具や緑を配置しました。

「ロゴの形をしているんですね」「なんでロゴの形にしたんですか」と話を振ってくださるお客さまも多いんですよ。おかげでロゴについて説明する機会が増え、言葉にすることで自社への理解が深まるのを実感しています。

社員の顔と働き方が見える動線

ライター :

お客さまは、執務スペースを通って会議室へ向かうんですね。

西林さん :

以前から、来てくれた方に気持ちの良い挨拶をしてホスピタリティを示すことを大切にしてきました。今回は、そうしたNateeの社風や働き方を肌で感じてもらえるように、あえて執務スペースを通る動線にしています。元気の良い挨拶が飛んでくると、やっぱりうれしいじゃないですか。

これは採用面にもポジティブな効果があって、「面接前に雰囲気がわかって志望度が上がった」と言ってもらえることが多いです。

動線の終着点には、窓から渋谷の街を望む会議室がある

集まりたくなるラウンジ

ライター :

執務スペースを抜けた先は、オープンで開かれた空間ですね!

西林さん :

オフィスが手狭になって社員のウェルビーイングが低下していたことも、今回の移転で解決したかった問題のひとつです。外部のパートナーさんなど来客が多い会社なのですが、打ち合わせのスペースも会議室もいつも埋まっていて、取り合いだったんですよ(笑)。

もっと積極的に交流会やセミナーを開催したいと思いながらも、スペースが狭いために自信をもって人を呼べないジレンマもあったので、多様な使い方ができる広いラウンジにはこだわっています。

稲葉さん :

社員もパートナーさんたちも、Nateeに関わる人たちが自然と集まってくるオフィスにしたかったんですよね。居心地が良く自由度の高いスペースができたことで、業務委託の方が自主的に出社して仕事をしていたり、インターンが活動していたりと、ポジティブな変化を感じています。

つながりのきっかけを生むコミュニティスペース

ライター :

ラウンジエリアにも家のモチーフがあるんですね!

稲葉さん :

そうなんです。ラウンジにも、エントランスと同じくロゴをモチーフにした集いの場をつくりました。仕事に行き詰ったときの気分転換や、くつろいだミーティングなどに使われているのをよく見ます。

この場所が、部署や就業形態をまたいだコミュニケーションのきっかけづくりにもなればうれしいですね。

ライター :

御社の競争優位性である創造性を育むうえで、対話が生まれるスペースはとても重要ですね。オフィス全体で進むべき方向を示しつつ、働く人の可能性を最大化させる工夫が詰まったオフィスだと感じました。

ラウンジの家の柱に設置された鐘は、プロジェクトの決定や新しい仲間の入社が決まったときなど、会社にとってうれしい出来事があった際に鳴らされる
旧オフィスで活躍し、役割を終えた鐘も飾られている

「集まれるオフィス」から生まれる新しいビジネスの芽に期待

チームで仕事をすることが多い同社。出社日は月・水・金と自由度の高い環境ですが、直接会って話したほうが認識のずれがなく、良いアイデアが出やすいとあって、「出社したくなるオフィス」も今回の移転の狙いのひとつだったといいます。

実際、移転後は「自宅よりもはたらきやすい」と、火・木も出社して仕事をする社員が増えているのだそう。

祖業であるマーケティング支援から派生し、クリエイター起点のコンテンツプロデュースなど、新規事業の創出でさらなる進化をめざす同社にとって、社員の志が自然とひとつになるオフィスの存在は大きいでしょう。

異なる個性と才能を持つ人間が集まって、試行錯誤して作るからこそ面白いーー。AI全盛の時代に、「人が集まれるオフィス」を作った同社がどんな飛躍を遂げるのか、今からとても楽しみです。

取材先

株式会社Natee

https://natee.jp/ 公式サイト

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