- オフィスインタビュー
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目指しているのは、”世の中のインフラをツクル”。透明性の高さで成長を続ける、CROOZ SHOPLISTの新オフィス
衣食住のうち、「衣」は必要不可欠なものであり、私たちはファッションを通して自分を表現しています。一方で、経済的要因で手に入れることができないなど、表現の幅が狭まってきている現状もあります。
「ファッションをもっと身近にすることで、全ての人がありたい自分でいられる」、そんな社会をつくりたい。そうした想いから、ファストファッション通販サイト『SHOPLIST.com by CROOZ』を立ち上げ、流動性の高いファッション業界でEコマース領域のインフラを目指す企業が、CROOZ SHOPLISTです。
JR大崎駅からほど近い大崎ガーデンタワーの20階に位置する新オフィスには、企業の目指すあり方が詰まっています。代表取締役社長の張本さんに、オフィスのこだわりについてお話をうかがいました。
CROOZ SHOPLIST株式会社 代表取締役社長
1984年生まれ。2007年クルーズ株式会社へ新卒として入社。
求人営業やネット広告営業を経てブログ、バズマーケティング、コスメECサイト、モールなど複数の新規事業立ち上げを行い、2010年に取締役に就任。
2012年にネット通販事業「SHOPLIST.com by CROOZ」を立ち上げ、5年で200億円規模の事業へ成長させる。
現在は、グループのファッションEC事業領域を管掌するのと同時に、CROOZ SHOPLIST株式会社の代表を務める。
目次
約800ブランドが出店するファストファッション通販サイト『SHOPLIST.com by CROOZ』
卯岡
CROOZ SHOPLISTさんの事業内容についてお聞かせください。
張本さん
ファッション通販サイト「SHOPLIST」の運営がメイン事業です。現在ご出店いただいているブランド数は約800。百貨店やショッピングモール等にも入っている実店舗をもつブランド様から、Webを中心にご活躍されているブランド様まで幅広く取り扱わせていただいています。ベビー服から大人向けまで、ターゲットは全世代です。
卯岡
ファストファッションを中心に取り扱っているのはなぜですか?
張本さん
私自身の実体験も一つあります。私は学生時代に結婚をしていまして、その当時、洋服が欲しくてもなかなか1万円を超える洋服は買うことができませんでした。しかし、そんななかで自分が買える範囲の価格帯で自分がワクワクしながら着たいと思える洋服を購入し、ファッションの楽しさの幅が広がったのをすごくいい体験として覚えていました。
卯岡
ファストファッション領域は、一気にブランドが増えて、定着したイメージがあります。
張本さん
そうなんですよ。服は衣食住のひとつなので、そもそも生活において必需品です。ただ、その中でも「服を通してワクワク感を得たい」「自己表現のひとつとして楽しみたい」と服に楽しみを見出したいと思っている人もいます。そういった層に響いたんでしょう。
そうしたファストファッションをポジティブに捉える文化と、2007年に登場したiPhoneをはじめ、スマートフォンの普及・テクノロジーの進化に伴い、ネット上で買い物をする人々が増えたことが、SHOPLISTの成長を後押ししてくれました。
オフィスは戦場。癒される場所である必要はないと思っていた
卯岡
オフィスを移転したのは、順調な成長に伴う社員数の増加が理由ですか?
張本さん
そうですね。以前のオフィスは現在の3分の1ほどのスペースに100名ほどの社員がいて、とにかく密集していました。私はその雰囲気も好きでしたね。
元々ベンチャー志向な人間だったこともあり、オフィス=戦場だったんです。「オフィスで癒されたり安らいだりしている場合じゃない!」と思っているところが以前まではありました(笑)。
卯岡
その意識が変わったのはなぜですか?
張本さん
社員が100人を超えたあたりから、他社の制度・オフィスを見ながら、事業を成長させるためには整えていく必要があると感じました。
卯岡
今の大崎エリアを選んだのには理由があるのでしょうか。
張本さん
大崎駅は電車やバスなど様々な路線が通っており、埼玉・神奈川方面からも通勤しやすく、交通インフラが整っているという立地面でのメリットもあります。
卯岡
なるほど…!インフラ視点とは、新鮮な考え方ですね。
▲ミッションは壁面にも堂々と記されている
張本さん
はい。CROOZ SHOPLISTでは“世の中のインフラをツクル” というミッションを掲げており、「全ての人の日常に溶け込むインフラのように身近で当たり前になっている存在」を目指しています。
私はゼロからイチを生み出すのが好きで、SHOPLIST立ち上げ前にも多くのプロダクトを生み出してきました。試行錯誤を繰り返す中で、「なくならないプロダクトってどういうものだろう」と考えたんです。
そこで行き着いたのが、インフラでした。大手コンビニエンスストアさんや商社さん、メーカーさんなど、長く続く会社に共通する点は、人々の生活に根付いているインフラ的な要素だと気づいたんです。生活に寄り添ったものを、培ってきたIT領域を使って作ろう。これがSHOPLIST立ち上げの原点です。
「隠すものは何もない」。CROOZ SHOPLISTの新オフィス見学ツアー
CROOZ SHOPLISTの新オフィスのコンセプトは、細胞体を指す「想間(soma)」。
「社員一人ひとりは人間の体を構成する細胞のような存在。みんなで集まることで、新たなアウトプットを出せる会社でありたい。そのような“想”いの詰まった空“間”」をオフィスで表現しています。
そうした想いが込められたオフィスを見学させていただきました。
透明性を重視したエントランス
▲取材日はハロウィン直前。至るところに飾り付けがされていた
エントランスをはじめ、ほとんどの空間がスケルトンなCROOZ SHOPLISTのオフィス。その理由には、透明性を重視したいという張本さんの強い想いがありました。
卯岡
視界が抜ける、広々とした空間がエントランスからも見てとれますね。
張本さん
社内スペースが全部見える作りになっています。会議室に来客の方をお通しするときには、執務スペースも見えますし、会話も聞こえます。でも、それでいいと思っています。
卯岡
なぜですか?
張本さん
ファッション業界やEコマース領域は、特に変化が激しいんです。たとえば、上期が順調だからと安心していたら、下期で赤字に転じてしまうことも珍しくない。そのため、一人ひとりの役割や情報の透明性を大切にすることが、スピーディーな意思決定と実行を繰り返し、その変化に適応していくうえで重要なんです。
卯岡
左側壁面の大きなテキストは何ですか?
張本さん
行動指針ですね。ここだけではなく、仕事をする上で意識してほしいことは目につくところに書いておくようにしています。
目標や理念を目に見えるところに掲げておくことで、いつでも忘れずにいられます。社員に対してだけではなく、私自身に対してもそうです。
▲エントランス脇にある鏡にも行動指針が記されていた
セミナー・社員イベントに活用!オープンスペース
卯岡
オープンスペースは、何に使われているのでしょうか。
張本さん
セミナーや新卒採用向けのイベント、あとは社内イベントでも使っています。夏には屋台を出す本格的な夏祭りも行われました。
卯岡
楽しそう…!
張本さん
有志で社内のイベントを企画するメンバー「OMATSULIST」という組織がありまして、社内装飾含め、自発的な活動を行ってくれています。今のハロウィンの飾りつけも、OMATSULISTが担当しています。
中央の太鼓が目を引く執務スペース
▲中央奥に見えるのが太鼓
▲取材当日はハロウィン前。太鼓×ハロウィンの飾りつけという異色のコラボ中でした
執務スペースに入って、まず目につくのは中央に鎮座する太鼓です。
卯岡
太鼓のインパクトがすごいです。これは移転にあたり導入したのですか?
張本さん
はい。以前のオフィスでは「みんな聞いて!」と発するだけで十分全員の注目を集められていました。でも、この広さではそれが難しい。そのため、全員に共有したい報告事項が生じたときには、この太鼓を叩くことにしたんです。
▲太鼓周辺は靴を脱ぐ小上がりスペース
卯岡
斬新ですね。チャットツールなどでの情報共有もあるかとは思うのですが、直接伝えることに重きを置いていらっしゃるのでしょうか。
張本さん
はい。基本的には直接話せる機会を作ることを大切にしています。文字にしてしまうと、感情の熱量を伝えるのが難しくなってしまうと考えています。
ひとり集中したいときに人気!集中スペース
卯岡
窓際のこのスペースは何ですか?
張本さん
いわゆる「集中スペース」ですね。ひとりで集中したい時や、こもれる場所で休憩したいときに利用されています。このスペースからの景色が素晴らしいんですよ。
▲集中スペースの内部
会社の挑戦が一目でわかるヒストリーボード
執務スペースの脇には、立ち上げから今に至るまでの歴史が時系列に記されている壁面がありました。
卯岡
これ、とてもいいアイディアですね…!
張本さん
CMが流れるようなサービスになると、「今のキラキラしているイメージ」になりますが、一方で過去があっての今だということも、新しいメンバー含め社員には知っていてほしいです。
卯岡
コーポレートサイトに書かれているようなきっちりした沿革よりも、親しんで見やすいのではないかと感じます。
張本さん
そうですね。あと、私を含め、現社員へのいいプレッシャーにもなります。何にも挑戦していなければ書くことがないので。「この時期って何もやってないの?」とならないよう、攻めの姿勢を保てるんですよ(笑)。
卯岡
ちなみに、CROOZ SHOPLISTさんでは採用の際にどういったところを重視されているのでしょうか。
張本さん
まっすぐ楽しめる人かどうかですね。いいものはいい、嫌なものは嫌ときちんと言える人。その上で、自分なりの緩急を大切にしながら毎日楽しむ努力ができる人と働きたいです。
扱うファッションジャンルに合わせた個性あふれる会議室
▲個性あふれる会議室「エスニック」
会議室は、全部で7種類。「アメリカンカジュアル」「スポーティー」「エスニック」「フォーマル」「カジュアル」「モード」「ガーリー」と、ファッションジャンルに合わせ、内装やインテリアを変えているのが特徴です。
▲こちらは「フォーマル」
卯岡
会議室、どの部屋もめちゃくちゃおしゃれですね…!
張本さん
このアイディアは社員から出ました。ファストファッションを扱う会社として、ファストインテリアに提案していただいたのも特徴です。
▲こちらは「ガーリー」
人気を集める卓球台
役員会議室前には、プロダクト名が入った卓球台が置かれています。
卯岡
卓球台を設置した理由は何ですか?
張本さん
部署の垣根を超えた交流のきっかけ、あとは簡単に身体を動かせるものだからです。卓球台って、海外の企業だとふつうに通路なんかに置いてあるほど身近なものなんです。オフィスづくりを担ってくれた会社に「手配してほしい」とお願いしたら、プレゼントしていただけたものです。
卯岡
プロダクト名が入っているんですね。
張本さん
これも、「目にして意識付けしてほしい」からです。
気持ちが切り替えられるカフェスペース
卯岡
カフェスペース、「Shoplist Cafe」とネーミングされていて、本当にお店のようですね。
張本さん
以前のオフィスではスペースの関係で、自席でランチをとっているメンバーがいたこともありましたが、今のオフィスではランチをはじめ、社内の交流のスペースとして、よく利用されているスペースです。
全ての人の日常に溶け込む身近な存在へ。CROOZ SHOPLISTの挑戦は続く
▲壁面には社員の情報も掲示
現在は、「SHOPLIST」で得た知見やスキルを、他社のインターネット通販サイトの支援にも活用しているのだという。シェアリングを決定したベースにあるのは、壁面にも掲げられていた”世の中のインフラをツクル”です。
透明性のあるオフィスで、スピード感のある事業拡大を目指すCROOZ SHOPLIST。“世の中のインフラをツクル”に向けての挑戦が、今後も壁面のヒストリーボードに記されていくことでしょう。