- オフィスインタビュー
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会社の戦略の変更とともに、オフィスも一新!創造力を保てるスーパーソフトウエアの新オフィス
会社の戦略が変わると、働く社員のカラーも変わる。さらに、オフィスの雰囲気も大きく変わっていく。
株式会社スーパーソフトウエアは、クライアント企業へのヒアリング・提案といった上流工程から、システム開発を行う下流工程まですべてをカバーするシステムコンサルティング企業です。2018年3月、同じ恵比寿エリア内でオフィスを移転しました。
オフィス移転にともない、会社としての在り方も大きく変えたのだといいます。恵比寿駅から徒歩約5分の距離にある新オフィスで、東京オフィス代表の船木俊介さんに詳しい話をおうかがいしました。
上智大学出身。在学時代より複数のベンチャー企業に参加し、WEB構築や開発業務について学ぶ。
2000年には、その後に東証マザーズに上場するベンチャー企業の立ち上げに参加。経営、マネジメントなどの実績を積み、2010年に株式会社スーパーソフトウエア東京オフィスを設立。
2012年には750万ダウンロードという驚異的な数字を記録した「漫画カメラ」をリリース。2014年ベビーシッターマッチング「キッズライン」を立ち上げ、経営者となった現在も最先端テクノロジーを駆使したサービス開発に日々取り組んでいる。
目次
漫画カメラアプリは会社の広報的存在。メイン事業はシステムコンサルティング
卯岡
会社ホームページを拝見したところ、事業のひとつとして漫画カメラアプリが紹介されていましたね。以前、大ヒットしていたのを覚えています。スーパーソフトウエアさんのメイン事業なのでしょうか?
船木さん
いや、そうではないんです。確かに漫画カメラアプリは非常に人気を集めまして、社名よりサービス名の方が認知度が高いくらい周知されています。
そのため、自社プロダクトを開発している会社だと思われがちなんですが、メイン事業はシステムコンサルティング。お客さんが必要としているものは何なのかを聴き提案する上流工程から、実際の開発・運用にまで携わる下流工程まで、一通りの流れを担っています。
卯岡
他社のために開発するのがメインのお仕事なんですね。なぜそのようななかで、自社プロダクトとして漫画カメラアプリを開発されたのでしょうか。発案者は船木さんですか?
船木さん
はい、発案は僕です。会社としての知名度を上げたいのが目的でしたね。当時、会社自体は29年目だったのですが、何せ会社としての知名度が上がっていませんでした。
そこで、何か「これを作っている会社だ」と代表作になるものがあればと、10本くらいアプリを作ってみようと思ったんです。
卯岡
10本! 漫画カメラアプリは何本目だったのでしょうか。
船木さん
2本目です。1本目は正直鳴かず飛ばずといった感じで、あまり刺さらなかったんですが……。2本目は有名な方が使ってくださったこともあり、速攻効果が出ましたね。客先で名刺交換をしたときに、「ああ、あの漫画カメラの!」と言われることが増えました。
卯岡
狙い通りですね。求人にも効果が出ましたか?
船木さん
ありましたね。リリースしてから「漫画カメラアプリで会社を知りました」と応募に来てくださる方が増えはじめました。
▲こちらが大ヒットした漫画カメラアプリで作成した画像。撮影すると写真が漫画のようなイラストになる
卯岡
メインのお仕事は自社プロダクト開発ではないとのことでしたが、漫画カメラアプリが前面に出ていることで、応募者の方に勘違いをされてしまうことはないのでしょうか。
船木さん
ギャップは生じていないですね。また、システムコンサルティングがメインの仕事なのですが、何かを作ってみたいという方は、仕事の傍ら作ってみることもできますよ。
たとえば、ビジネスに使える「セレンディピティ」というマッチングアプリがありまして。こちらはシステム開発をする際に、AIを入れたいと思い社員が自ら開発してみたものです。開発してみた経験がクライアントとの仕事にも役立つこともありますね。
会社の変革後、オフィスも移転。古びた昔ながらのオフィスからスタイリッシュなオフィスへ
卯岡
システムコンサルティングの会社なら、社員のほとんどはエンジニアでしょうか。
船木さん
そうですね。8割がエンジニア、残りが営業や経営に携わるメンバーです。
卯岡
オフィスを移転したのはなぜですか?
船木さん
一番は、キャパシティの問題ですね。あと、前オフィスが古かったこともあり、新しくしたいなという思いも大きかったです。会社として、ビジネスのあり方を思い切って変え始めていた頃だったので、「会社も変革することだし、オフィスも一新して新しいところに」と。タイミングとしてもちょうど良かったんです。
卯岡
会社が変革するタイミングで、オフィスもパワーアップ、と。なぜ会社を変革させようと思ったのですか?
船木さん
会社として事業の拡大を考えたときに必要だったためですね。以前は、下流工程と呼ばれる開発工程がメインだったんです。お客さんの話を聴いて提案する仕事を「上流工程」と呼ぶのですが、当時は上流工程に対応できるのが僕くらいでした。
下流工程メインでの事業拡大は、案件数を増やすことでしか叶いません。上流工程は提供価値によって拡大が可能なため、事業拡大を目指すのであれば、社員が全員上流工程から担える状態にしていく必要があったんです。
卯岡
変革を図ったあと、会社はどのように変わりましたか?
船木さん
案件を上流工程から担うことがベースになりました。会社の変化とともに、社員の多くが入れ替わりましたね。社員のカラーもがらりと変わりました。
卯岡
どのようなカラーに変わったのでしょうか。
船木さん
以前は辻斬りしてくるような野武士が多かったんです。それが、今はきちんとした作法にのっとって抜刀する侍たちになったな、というイメージです。
卯岡
例えが秀逸ですね! 具体的にはどのような変化でしょうか。
船木さん
以前は開発に集中するあまり、自分のことに無頓着な人が多かったんです。修羅場状態になると、お風呂に入らないままになってしまったり、オフィスのテーブル周辺にものを置きっぱなしにしてしまったり、といったような。
卯岡
おお…。すさまじい雰囲気が伝わってきます…。
船木さん
ただ、今はいわゆる「普通の社会人」としてのふるまいができる人が社員になりました。
ヒアリング・提案する仕事がメインなので、自然と話し上手な人が増えましたね。資格手当も毎月最大4~5万円支給しているので、モチベーションが上がり、新しいことにチャレンジしようとする社員も多いんです。
卯岡
社交的な社員が増えたんですね。
船木さん
ガラリと変わりましたね。印象的なエピソードは、会社の忘年会です。変革前の忘年会は、ふたを開けてみたら、なんと20人中参加者が3人だったんですよ。
卯岡
え、3人ですか。
船木さん
「うわー、マジかよー」と笑いながら、3人で飲みました。今は新しいメンバーが毎月のように入っていて、歓迎会もその都度開いているんですが、以前では考えられないほど参加率が高いんですよ。
卯岡
では、社員のカラーとともに変わった新オフィス、見学させてください!
新オフィスのテーマは「ものづくりのための創造力を保てる場」
会社の変革後、社員のカラーが変わり、それとともに一新されたスーパーソフトウエアの新オフィス。さっそく見学させていただきます。
大人数が開発に当たっても大丈夫!広々とした執務スペース
卯岡
広々とした空間ですね。
船木さん
モノトーンに赤が差し色になっています。ゴミ溜めではなくなったので、思考がとっ散らかることなく、仕事に集中できるようになりました。
卯岡
奥に飾られている絵が印象的ですね。
船木さん
これは僕の私物なんですよ。家に飾れなくなったため、会社に飾ろうと持参しました。
ランチや休憩に使えるリフレッシュスペース
卯岡
黒板アートがオシャレですね!
船木さん
ありがとうございます。会社のデザイナーが描いてくれました。
卯岡
床の木目も雰囲気に合っています。カフェのようなスペースですね。
船木さん
実は、床はもともとクッションフロアだったものを自分たちで剥がしたんです。家具類も自分たちで選んで運び込んだものが多くあるんですよ。
卯岡
DIYで完成したオフィスなんですね。
自分たちで運搬・設置したテーブルが温かみを添える会議室
こちらのスペースは、今回お話を聴かせていただいた会議室です。
卯岡
モノトーンの空間のなかでウッドテイストの大きなテーブルが温かみを醸し出していますね。
船木さん
これもIKEAに買いに行って、自分たちで運び込んだものです。
卯岡
非常に重そうです。
船木さん
いやあ、大変でしたよ(笑)
ゆくゆくは外部向けのプログラミングスクールも始めたいと思っています。このオフィスは執務スペース以外に作業できる場がこの会議室だけなので、難しいかもしれませんが。実際に、今月から少しずつ準備を始めているんです。
他にもスクールは数多くありますが、当社で行う実務と開きがあることが多いので、実務に即した内容を教える場にしたいと考えています。そのままうちで働いてくれたら、即戦力になれますから。
学習できる場所や、サテライトオフィスなど、今後は場を提供できる組織としても事業の幅を広げていきたいと思っています。
会社の戦略転換が、社員とオフィスの雰囲気を変えた
▲エントランス脇に飾られている写真。交流が活発になったという船木さんの言葉を表している
長く、もっと広く仕事を続けていくために、思い切って会社の在り方を変えたスーパーソフトウエア。会社の変革は、社員のカラーを変え、オフィスの雰囲気の変化にも繋がっています。
スクールの開校やサテライトオフィスなど、「場を提供する会社」としての今後の変化も楽しみです。