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- オフィスインタビュー
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人・場所・仕事が交わるハブへ。マネーフォワード福岡拠点が目指す「Move Forward.」とは
法人向けの経理・会計領域などバックオフィスのクラウドサービスを提供する株式会社マネーフォワード。2017年に九州・沖縄支社および福岡開発拠点(以下、福岡拠点)を開設し、この8年でメンバーは30名から100名以上に拡大。グローバル人材が集まり、イノベーションを生み出す拠点へと進化してきました。
組織拡大に加え、生産性向上やコミュニケーション活性化を図る環境づくりを目指して、オフィス移転が決定しました。拠点コンセプトは「Move Forward」。人・場所・仕事が交わるハブを目指して設計された新オフィスのこだわりを、福岡拠点 拠点長の堤さんに案内していただきました。
福岡県北九州市出身。2004年、エンジニア派遣業態の企業にてキャリアをスタートし、2010年に本社のある東京から福岡支社へ異動。2012年に福岡のベンチャー企業へ転職し、Androidアプリ開発エンジニアとして従事しながら、PdMを兼任。2019年11月に株式会社マネーフォワードへ入社。バックオフィス向けSaaSプロダクトのエンジニアとして従事しながらマネージャー職を経験し、2023年9月に福岡拠点の拠点長に就任。
目次
「みんなの集合場所でありたい」想いを叶えるオフィス
まずは、事業内容について教えていただけますでしょうか。

マネーフォワードグループは「お金を前へ。人生をもっと前へ。」というミッションにもとづき、法人や個人、すべての人のお金の課題を解決するサービスを提供しています。主な事業は、会社の経営に直結する現状や課題をリアルタイムに可視化し、その解決を目指すバックオフィス向けSaaS「マネーフォワード クラウド」や、家計や資産など、個人のお金に関する現状や課題をリアルタイムに可視化し、その解決を目指す「マネーフォワード ME」があります。銀行などの金融機関向けにもサービスを提供しています。
福岡拠点の移転の背景を教えてください。
福岡拠点が開設されたのは2017年ですが、進出自体は2015年から始まっていました。当初はコワーキングスペースの一角を借りてセールスのメンバーが出入りしていましたが、その後「福岡にも開発拠点を」という流れになり、2017年に福岡拠点が正式に立ち上がりました。
当時の拠点長が、元々経理業務を効率化する経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」の開発の中心メンバーだったのですが、福岡で開発を続けるということで、2017年に福岡に開発拠点を立ち上げたのが始まりです。
2017年の時点でもシェアオフィスを利用していましたが、その後またメンバーも増えて、2018年に福商会館のオフィスに移転しました。しかし、そこもすぐ手狭になって、2020年にFPGリンクス大名Ⅱに移転。そこでもさらにメンバーが増え、今回のオフィス移転プロジェクトが立ち上がりました。
急速に組織が成長していったのですね。移転先を選ぶにあたって重要視した条件や希望はありましたか?
「みんなの集合場所になること」です。役割や職種に関係なく、人が出会い、交わり、前に進むきっかけを生みたい。その想いを、自分たちの手で形にできるオフィスを最優先に選びました。

移転先の候補は二つありました。
ひとつは、設備が新しく共用部の機能が充実していて、自社のエリア内にコミュニケーションスペースを作るというよりも既存設備を活用するスタイルのビルでした。
もうひとつは、自分たちの意思でコミュニケーションエリアを設計し、機能を作り込めるビルでした。
拠点コンセプトである「Move Forward.」や、今回刷新したステートメント(※)をどれだけ空間として体現できるか。それが最終的な判断軸となり、後者であった「福岡大名ガーデンシティ」を選びました。
(※)新ステートメント:「多様な個性が出会う、みんなの集合場所へ。これから始まる挑戦と変化で、誰もが前進できる未来をつくろう。」
コンセプトを軸に選ばれたオフィスだったのですね。
その通りです。また、新しいオフィスを構築するにあたって「チャレンジする拠点であり続けたい」という思いがありました。大名エリアは、スタートアップやクリエイティブ人材が集まる場であり、若い世代・多様な背景の人が行き交う自由な雰囲気があります。こうした環境が、まさに福岡拠点のカルチャーともマッチすると思いました。
なるほど。オフィスの場所自体が、企業のビジョンやカルチャーを表現する重要な要素になっているのですね。今回の移転を機に、「チャレンジする拠点」というビジョンを社内で浸透させるために、具体的に何か施策を行いましたか?
はい。先日、拠点コンセプト「Move Forward.」をカタチのあるものとして残すというワークショップを実施しました。参加は任意だったのですが、福岡拠点のメンバーはほとんど全員参加してくれました。

メンバーが100人を超えてくると、組織内では顔と名前が一致しない人が出てくるという課題が生じますよね。しかし、福岡拠点は、メンバー間の距離の近さやスタートアップ感が強みです。この強みを活かし、メンバー全員の一体感とコミュニケーションを促進するため、メンバーにインスタントカメラ(チェキ)で顔写真を撮影してもらいました。その写真に、名前、職種に加え、「オフィスをどんな場所にしたいか」というテーマで、個人の考えを記入してもらい、これらをボードに貼り出し、全員が自由に閲覧できるようにしました。
なるほど、それは素敵なアイデアですね!そういうアナログな手法が、かえって今の時代は新鮮で、みなさんの目を引くかもしれませんね。それでは、実際にオフィスを見学させてください!
ハブを体現するマネーフォワード福岡拠点のオフィスツアー
「みんなの集合場所」という想いは、実際の空間にどう息づいているのか。「人・場所・仕事が交わるハブ」を体現する、マネーフォワード福岡拠点の新オフィスを案内していただきました。
マネーフォワードの「MVVC」が掲げられたエントランス

こちらがエントランスです。マネーフォワードは、共通の価値観・目指したい世界観をMission・Vision・Values・Culture(MVVC)として掲げ、大切にしています。各壁面にそれをデザインすることで、社員がいつでも立ち返り、その価値観を認識できる場所となるよう工夫いたしました。


個性あふれる会議室

会議室の名前がユニークですね。「ラーメン」「うどん」「水炊き」とても気になったのですが。
メンバーからアンケートを取って決めた名前なんです。初めて来た方でも思わず笑顔になって、会話のきっかけになるんですよ。アイスブレイクにも役立っています。

“お祭り”のように人が集まり刺激を生む場 イベントスペース「DONTAKU」

広々としていますね!この空間にはどんな目的が込められているのでしょうか?
ここは、約100名を収容できるイベントスペースです。“お祭り”のように人が集まり刺激を生む場にしたいという思いから「DONTAKU」と名付けました。拠点ビジョンで掲げている、集合場所=ハブとしての機能をもたせたいと考えてつくった場所です。社内外のさまざまな方を呼べるスペースにしました。
16階と高層で、東西南北のさまざまな方角から福岡の街を一望できるところも気に入っています。

壁画アートにあるのって、福岡タワーですよね?
そうです!福岡を象徴する風景や名物をモチーフにしたアートを飾っていて、交流のきっかけになるように設計しています。
実際に、今後ここで計画しているイベントはありますか?
まだオフィスが移転して間もないのですが、すでにエンジニアのコミュニティイベントを予定しています(取材時点)。参加予定人数は約80名。前オフィスでは、広さの関係で20〜30名が限界だったので、規模はかなり大きくなりそうです。


息抜きにトレーニング 「ストレッチエリア」

まさに“天空のジム”ですね…!この眺めなら、社員さんも気持ちよく息抜きできそうです。
実は、社員からの要望も非常に多くて、ストレッチエリアを導入しました。メンバーがパフォーマンスを最大化できる環境をつくりたいという想いもあって、街を見渡しながらリフレッシュできる設計にしています。

これは…卓球台ですか?
そうなんです!卓球って、言語や年齢、立場に関係なく一緒に楽しめるじゃないですか。境界をなくして自然と会話が始まり、ハブとなる場をつくるためのアイテムとして、前のオフィスから取り入れました。
コミュニケーションを促すラウンジ
「DONTAKU」スペースの一角には、オープンな設計のラウンジもあります。
給湯室のようなクローズドな場所ではなく、誰でもふらっと立ち寄れる造りが特徴です。

このラウンジではどのような交流が生まれているのでしょうか。
マネーフォワードには、「コネクトドリンク」という制度があります。これは、18時以降、人との交流を目的とした場合に、アルコールやジュースを1本無料で提供するものです。新しいメンバーが入社した時や、「飲みに行く時間はないけど、1杯飲みながらちょっと話したい」といった場面で交流が生まれています。
なるほど。社員の方々の交流を大切にされているのが伝わってきます!

執務エリア
こちらが執務エリアです。


マネーフォワードでは週2日以上の出社ルールを設けています。リモートで完結する業務も増加しているからこそ、オフィスに出社する際は『顔を合わせる価値』を最大化することが重要だと考え、出社が楽しみになる環境づくりを目指しています。
座席はフリーアドレス制を採用していますが、出社時のコミュニケーションをさらに円滑にするため、どのチームやメンバーがどこにいるかを可視化できる仕組みの導入も検討しているところです。
防音設備完備の個室ブース

「高菜」「明太」「ごまさば」…ここはどんな用途で使うスペースなんでしょうか?
3〜4名で使える個室ミーティングブースです。周囲の音を気にせずに打ち合わせやオンライン会議ができるよう、防音をしっかり整えています。せっかくなので遊び心を入れようという話になって、福岡らしい食の名前をつけました。
開発に集中できる「フォーカスエリア」

こちらは、チームで集中的に開発を行うための専用スペース「フォーカスエリア」です。
どのようなシーンで利用されるスペースなのでしょうか?
開発プロジェクトなど、チームとして一定時間まとめて集中したい時に使っています。議論しながら一気に仕上げたいケースも多いので、通常の席とは別に、専用の集中空間として設計しました。
ニーズに応じて柔軟に使用可能な多目的スペース「YAMAKASA」

「YAMAKASA」……福岡らしさ全開ですね(笑)。どんな用途で使われるスペースなのでしょうか?
ここはランチやチームミーティングに使える多目的スペースです。チーム単位で集まって議論したり、作業できるコラボレーションエリアとして設計しました。メンバーが気軽に集まれる、使い勝手のいい場所になればと思っています。
お祈り部屋や休養室として利用できる個室

多様なバックグラウンドを持つメンバーが安心して働けるよう、お祈り部屋や休養室として利用できる個室も完備しています。休養室にはベッドがあり、体調がすぐれない時に静かに休めます。これらも従業員アンケートから実現しました。
まさに、インクルーシブな職場環境ですね!
新たな可能性を秘めたハブ、開発の要となる福岡拠点

物理的な距離を越え、文化や言語の壁を越え、一人ひとりが前向きな気持ちで集まれる場所。福岡拠点ではその“出社したくなる理由”がたくさん散りばめられていました。
グローバル化が進む中で、同社は多様な意見や価値観を尊重し、国籍やライフステージ、体調に関わらず誰もが柔軟に働けるカルチャーの実現を目指し、働きやすいオフィスづくりを今後も模索していくといいます。
さらに、今後は地場産業に深く根ざした関わりを増やし、この土地の強みや価値を活かした「福岡発」の可能性を探っていくとのこと。特にAIを活用したバックオフィスの業務効率化はまだ開発余地があるとし、先進的な機能を福岡拠点が中心となって開発し、福岡の企業に貢献していきたいという熱意も語られました。
この「Move Forward.」を体現する福岡拠点から、今後どのようなイノベーションや文化が生まれていくのか、非常に楽しみです。